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COOKING / RESEARCH REPORT

電気圧力鍋の電気代を計算式で検証|1時間・料理別の目安と節約のコツ

湯気の立つ電気圧力鍋がキッチンカウンターに置かれた、電気代の試算をテーマにしたイメージ

電気圧力鍋の電気代はいくら?1回・1時間の目安を計算式で検証

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

電気圧力鍋を使い始めると気になってくるのが、電気代ですよね。加圧に30分、そのあと減圧に15分。合計1時間近く動いているのを見ていると、けっこうかかっているのではと不安になります。ガスコンロで煮込むのと比べてどうなのか、毎日使ったら月にいくらになるのか。

ところが、この疑問に答えている情報はあまり見当たりません。「1回あたり数円です」と書かれていても、根拠の式が示されていないので自分の機種に当てはめられない。消費電力も加圧時間も機種ごとに違うのに、一律の金額だけを言われても判断できないんですよね。

結論を先にお伝えします。電気圧力鍋の電気代は消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力単価(円/kWh)で計算できます。消費電力800Wの機種で角煮を1回作ると、およそ12円。週3回作っても月150円程度です。意外に高くつくのは、加圧料理ではなく甘酒のような長時間の低温メニューのほうでした。

この記事では、まず計算に使う式と、そこに入れる数値の見つけ方を整理します。そのうえで料理別に試算表を作り、1時間あたりの目安、保温や予約にかかる分、そして電気代を抑えるために効くことを順に扱いますね。自分の機種で計算できるようになるのが目標です。

  • 電気代を出す式と、機種ごとの数値の調べ方
  • 加圧中の実際の電力の使われ方
  • 料理別・1時間あたりの電気代の試算
  • 保温や予約を含めた運用と、抑えるために効くこと
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電気圧力鍋の電気代を計算する

まずは計算の土台からです。使う式は3つの掛け算だけ。電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電力単価(円/kWh)です。

消費電力はワット(W)表記が多いので、1000で割ってキロワット(kW)に直します。800Wなら0.8kWですね。ここで大事なのが、電気圧力鍋は運転中ずっと定格の800Wを消費しているわけではないという点。加圧に入ってからは圧力を保つだけなので、消費は下がります。だから定格だけで計算すると実際より高く出るんですよね。上限として見るなら、800Wの機種を1時間フルで動かした場合が24.8円。実際はこれより安くなる、という読み方が正しいことになります。

この章では、使う式、消費電力が機種で違うこと、加圧中はずっと最大電力ではないこと、そして1時間あたりの目安を出す手順を見ていきます。

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使う式は3つの掛け算

消費電力かける使用時間かける電力単価で電気代が求まることと、ワットをキロワットに、分を時間に直す注意点を示した図
電気代を出す計算式と単位の直し方

電気代の計算式は、家電の種類を問わず共通です。

電気代(円)= 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力単価(円/kWh)

消費電力はワット(W)表記が多いので、1000で割ってキロワット(kW)に直します。800Wなら0.8kW。時間は分単位を60で割って時間にします。30分なら0.5時間。

電力単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年に改定した目安単価「1kWhあたり31円(税込)」を使うと、他の家電の試算とも比べやすくなります。ただし実際の単価は契約プランと電力会社で変わるので、正確に知りたいときは検針票の数字に置き換えてください

この式は電子レンジでも炊飯器でも同じように使えます。同じ考え方で他の家電も計算してみたい方は、電子レンジの電気代を1分あたりで計算する式と出力別の早見表をまとめた記事が参考になりますよ。

単位の直し方でつまずきやすい点を先に潰しておきます。ワットとキロワットを混ぜないこと、そして分を時間に直し忘れないこと。この2つだけです。800Wをそのまま式に入れると1000倍の金額が出ますし、30分を0.5ではなく30として入れると60倍になります。桁が明らかにおかしいと感じたら、たいていこのどちらかですね。

もうひとつ、電力量の単位であるkWh(キロワットアワー)は「1キロワットの機器を1時間動かしたときの量」を表します。800Wの機器を1時間なら0.8kWh、30分なら0.4kWh。この感覚が身につくと、検針票の数字も読めるようになります。検針票の「使用量」欄に並んでいるのが、まさにこのkWhです。

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消費電力は機種で違う

式に入れる1つ目の数値、消費電力を確認します。これは製品の仕様表に必ず載っています。

実例を2つ挙げます。パナソニックの電気圧力鍋NF-PC400は公式の仕様で消費電力約800W(出典:パナソニック NF-PC400 仕様・詳細情報)。シロカのおうちシェフPROは取扱説明書に消費電力700Wと記載されています(出典:シロカ おうちシェフ PRO 取扱説明書(PDF))。

この100Wの差が電気代にどう効くか、先に見ておきましょう。1時間フルで動かした場合、800Wなら 0.8 × 1 × 31 = 24.8円。700Wなら 0.7 × 1 × 31 = 21.7円。差は約3円です。消費電力の差より、動いている時間の差のほうがずっと大きく効きます

なお、消費電力が大きい機種のほうが「電気代が高い」とは限りません。出力が大きいぶん短時間で圧力に達するので、トータルの消費エネルギーでは逆転することもあります。比べるべきは瞬間の電力ではなく、1回の調理で使った総量ですね。

仕様表の探し方も押さえておきましょう。多くのメーカーは製品ページに「仕様」「スペック」というタブを用意していて、そこに消費電力が記載されています。販売サイトの商品説明にも書かれていることが多いのですが、数値の出どころとしてはメーカー公式のほうが確実です。旧モデルで製品ページが残っていない場合は、取扱説明書のPDFに載っている仕様表を見てください。

ちなみに、消費電力の表記が「800W」ではなく「AC100V 8A」のように電流で書かれていることもあります。この場合は電圧×電流で計算します。100V × 8A = 800W。掛け算ひとつで同じ数値に戻せます。

この記事の試算に使った2機種を並べておきます。消費電力800Wと700Wという違いが、実際の商品でどのくらいの価格差になるのかもあわせて確認できますよ。仕様表の「消費電力」を見て、この記事の式に当てはめてみてください。


消費電力や調理容量は機種によって違います。価格・在庫とあわせて、購入前に各ショップと公式サイトでご確認ください。

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加圧中はずっと最大電力ではない

ここが試算でいちばん間違えやすいところです。

電気圧力鍋は、運転中ずっと定格の800Wを消費しているわけではありません。工程によって電力の使われ方が変わります。

→ 横にスクロールできます

工程 やっていること 電力の使われ方 試算に使う値(800W機)
昇圧 内容物を加熱して圧力を上げる ほぼ連続して最大 0.8kW
加圧 圧力を一定に保つ 断続運転(点いたり消えたり) 平均0.4kW程度
減圧 圧力が抜けるのを待つ 加熱なし 0kW
保温 温度を保つ ごく弱い断続運転 平均0.05kW程度

この配分が分かると、実態に近い試算ができます。表示されている「加圧30分」を丸ごと最大電力で計算すると、実際の2倍近い金額が出てしまうんですね。

季節でも変わります。冬は水道水の温度が10℃前後、夏は25℃前後。同じ量の水を115℃近くまで上げるなら、冬のほうが余分に熱が要ります。冬場は昇圧に時間がかかり、電気代も少し上がるということですね。差は1回あたり数円ですが、寒い時期に「前より時間がかかる」と感じたら、故障ではなくこれが理由のことが多いです。

断続運転の割合は機種や内容物の量、室温で変わります。ここでは平均5割として計算しますが、あくまで目安です。正確に知りたい場合は、コンセントに挿すタイプの電力計で実測するのが確実ですよ。

なぜ断続運転になるのかというと、圧力を一定に保つのに必要な熱は「逃げた分を補う」だけでよいからです。昇圧のときは常温の水を115℃近くまで持ち上げるので大量の熱が要りますが、その温度に達したあとは、鍋から外へ逃げる熱を埋めるだけで済みます。保温された魔法瓶にときどきお湯を足すようなものと考えると分かりやすいですね。

この性質から、加圧時間が長い料理ほど1分あたりの電気代は下がります。角煮の30分とカレーの10分では、後半になるほど電力の使用が緩やかになるからです。逆に言えば、短時間で終わる料理ほど「昇圧のコスト」が割高になるということでもあります。

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1時間あたりの目安を出す

卓上IH調理器で2時間煮込むと約38円、電気圧力鍋なら約12.4円になることを、工程の長さの帯グラフで比べた図
卓上IH調理器で煮込む場合との電気代の違い

まず単純な目安から。800Wの機種を1時間フルで動かした場合の上限が24.8円。これが理論上の天井です。

ただし実際の1時間は、昇圧15分・加圧30分・減圧15分といった配分になります。これで計算すると次のとおり。

  • 昇圧:0.8kW × 0.25h = 0.20kWh
  • 加圧:0.4kW × 0.50h = 0.20kWh
  • 減圧:0kW × 0.25h = 0kWh
  • 合計:0.40kWh = 約12.4円

つまり1時間動かしても、実際にかかるのは12円前後。フルパワー換算の半分程度になります。ここが「思ったより安い」と感じる理由ですね。

比較のために他の調理家電と並べてみます。すべて単価31円で、1回の使用あたりの目安です。

→ 横にスクロールできます

機器 使用条件 電気代の目安
電気圧力鍋 昇圧15分+加圧30分 約12円
電子レンジ(600W) 5分加熱 約2円
炊飯器(消費電力700W級) 白米3合を1回炊飯 約5〜8円
電気ケトル(1250W) 1Lを沸かす(約5分) 約3円

並べてみると、電気圧力鍋は調理家電のなかでは高めに見えます。ただしこれは1回の運転時間が長いからで、単位時間あたりの消費が大きいわけではありません。1時間近く動かしてこの金額、と考えると納得しやすいかなと思います。

IH調理器で煮込む場合と比べる

同じ電気を使う調理器として、卓上IH調理器と比べておきましょう。家庭用の卓上タイプは最大1400W前後の機種が一般的です。

IHで角煮を作る場合、沸騰させるまで最大火力で10分、そのあと弱火(500W程度)で2時間煮込む、という流れになります。計算すると 1.4kW × (10÷60) + 0.5kW × 2h = 0.233 + 1.0 = 約1.23kWh。金額にすると 約38円 です。

電気圧力鍋の約12.4円に対して、IHでの煮込みは約38円。およそ3倍の差がつきます。同じ電気を使っていても、圧力をかけて時間を短縮できるかどうかで、ここまで変わるわけですね。

この差が生まれる理由は単純で、加熱している時間が違うからです。IHは2時間ずっと熱を加え続けますが、電気圧力鍋は加圧に入ったあと断続運転になり、しかも30分で終わります。「圧力をかける」というのは、時間だけでなく電気も節約する仕組みだということですね。

ただし、IHには圧力鍋にできないことがたくさんあります。炒める、焼く、揚げる、少量を素早く温める。置き換えの関係ではなく、得意な料理が違う道具と考えるのが正確です。

◆レンのワンポイントアドバイス

電気代の感覚をつかむコツは、身近なものに置き換えることです。12円というのは、缶コーヒー1本の10分の1くらい。毎日使っても月に370円ほどです。電気圧力鍋の電気代は、家計の判断を変えるほどの規模にはならないと考えて差し支えありません。

料理別の電気代を試算する

式が分かったところで、実際の料理で試算していきます。電気圧力鍋は工程ごとに消費電力が変わるので、昇圧・加圧・減圧に分けて足すのが正確なやり方です。

たとえば豚の角煮なら、昇圧15分(0.8kW)+加圧30分(平均0.4kW)+減圧15分(0kW)=0.40kWh。減圧中は電気を使わないので、ここが効いてきます。玄米の炊飯は昇圧15分+加圧25分+蒸らし10分(保温相当0.1kW)として、0.20+0.4×(25÷60)+0.1×(10÷60)=約0.38kWh。温泉卵のような低温・発酵メニューはさらに安くて、昇温10分(0.8kW)+保持30分(平均0.1kW)=約0.18kWhという計算になります。

この章では、煮込み料理(角煮・カレー)、炊飯・下ゆで(玄米・煮豆)、低温・発酵(甘酒・温泉卵)の3系統で試算します。

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煮込み料理(角煮・カレー)

電気圧力鍋の主戦場である煮込みから。

豚の角煮:昇圧15分(0.8kW)+加圧30分(平均0.4kW)+減圧15分(0kW)=0.40kWh。約12.4円です。

カレー:カレーは加圧時間が短めで済みます。昇圧15分+加圧10分+減圧10分とすると、0.8×0.25 + 0.4×(10÷60) = 0.20+0.067 = 約0.27kWh。約8.3円

4人分のカレーを1回作って8円ちょっと。1皿あたり2円ほどの計算になります。加圧時間が短い料理ほど安く済むという当たり前の結論ですが、数字にすると差の小ささが分かりますね。

ここで注目したいのが、昇圧の0.20kWhがどの料理にも共通して乗ることです。カレーの0.27kWhのうち、実に7割以上が昇圧ぶん。加圧時間をどれだけ削っても、この0.20kWhは減りません。だから「加圧時間を短くして節約する」という発想は、そもそも効き目が薄いわけですね。

逆に効くのが、まとめて作ることです。1回の昇圧で2食分を作れば、昇圧のコストを2食で分け合えます。1食あたりのコストは、単純計算で2割から3割下がる計算になります。

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炊飯・下ゆで(玄米・煮豆)

主食や下ごしらえに使う場合です。

玄米の炊飯:昇圧15分+加圧25分+蒸らし10分(保温相当0.1kW)とすると、0.20 + 0.4×(25÷60) + 0.1×(10÷60) = 0.20+0.167+0.017 = 約0.38kWh。約11.9円

煮豆(黒豆など):昇圧15分+加圧20分とすると、0.20 + 0.4×(20÷60) = 約0.33kWh。約10.3円

玄米は炊飯器で炊くのと比べても大きくは変わりません。ただし電気圧力鍋なら浸水時間を短縮できる機種があるので、時間あたりで見ると効率がいいという見方もできます。

煮豆については、普通の鍋との差が大きく出る料理です。乾燥豆を鍋で煮ると1〜2時間かかるところ、圧力調理なら加圧20分前後。仮に鍋で2時間(弱火1.0kW相当のガス)煮込むのと比べれば、光熱費でも時間でも圧力鍋に軍配が上がります。下ゆでが必要な食材ほど、圧力鍋の経済性が生きるということですね。

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低温・発酵(甘酒・温泉卵)

温泉卵約5.7円、カレー約8.3円、煮豆約10.3円、玄米約11.9円、角煮約12.4円、甘酒約24.8円という料理別の電気代の目安をまとめた表
料理別の電気代の目安一覧

ここで意外な結果が出ます。

温泉卵:昇温10分(0.8kW)+保持30分(平均0.1kW)=0.8×(10÷60) + 0.1×0.5 = 0.133+0.05 = 約0.18kWh。約5.7円。加圧しないので、いちばん安く済みます。

甘酒:低温を8時間保つメニューです。平均0.1kWとすると、0.1 × 8 = 0.80kWh。約24.8円

甘酒が角煮の2倍かかる。これは電力が大きいからではなく、動いている時間が桁違いに長いからです。1回あたりの電気代を決めるのは、電力の大きさより時間の長さ。この関係がはっきり出た例ですね。

とはいえ、市販の甘酒を買うことを考えれば話は変わります。米麹から作れば材料費は数百円で、出来上がるのは1リットル近く。電気代25円を足しても、市販品を何本も買うより安く済みます。電気代だけを見るのではなく、その調理で何が得られるかとセットで評価するのが実務的ですね。ヨーグルトや塩麹のような発酵食品も同じ構図になります。

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料理 工程の目安 消費電力量 電気代の目安
温泉卵 昇温10分+保持30分 約0.18kWh 約5.7円
カレー 昇圧15分+加圧10分 約0.27kWh 約8.3円
煮豆 昇圧15分+加圧20分 約0.33kWh 約10.3円
玄米 昇圧15分+加圧25分+蒸らし 約0.38kWh 約11.9円
角煮 昇圧15分+加圧30分 約0.40kWh 約12.4円
甘酒 低温8時間 約0.80kWh 約24.8円

数値はあくまで一般的な目安で、機種・内容量・室温・電力単価によって変わります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。

月額に直してみる

1回あたりの金額では実感がわきにくいので、使用頻度で月額に直しておきます。角煮相当(約12.4円)を基準にした場合です。

  • 週1回(月4回):約50円
  • 週2回(月8回):約99円
  • 週3回(月12回):約149円
  • 毎日(月30回):約372円

毎日使っても月400円弱。エアコンを1日つければ超える金額です。電気圧力鍋を買うかどうかの判断で、電気代を心配材料に入れる必要はほとんどないと言えます。

電気代を抑える使い方

最後に、電気代を抑える使い方です。結論から言うと、待機電力を気にするより工程を短くするほうが効きます。待機電力は一般に数ワット以下で、1か月つけっぱなしでも数十円程度です。

プラグを抜き差しする手間に見合わないということですね。保温も同じで、平均0.05kW程度と見ると3時間で0.15kWh、約4.7円。気にするほどの金額ではありません。では何が効くかというと、実際に効果があるのは3つに絞られます。前の章で見たとおり、電気代の大部分は昇圧の工程で使われているので、そこを短くする工夫が直接効いてくるんですよね。予約機能も、使い方によっては保温時間を延ばすだけになることがあります。

この章では、保温と予約の電気代、抑えるために効く3つのこと、そして待機電力とプラグの扱いを見ていきます。

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保温と予約の電気代

見落とされがちなのが、調理が終わったあとの時間です。

保温は平均0.05kW程度と見ると、3時間で 0.05 × 3 = 0.15kWh、約4.7円。1回の調理費用の3分の1にあたります。金額としては小さいものの、保温を長時間続けると、調理そのものより電気を使う場面も出てきます。8時間保温すれば約12円で、角煮を1回作るのとほぼ同じですね。

予約調理はもう少し複雑です。予約中は加熱していないので電気はほとんど使いませんが、設定した時刻に向けて調理が始まると通常どおりの消費になります。予約そのものに追加の電気代はかからないと考えて差し支えありません。

ただし機種によっては、予約中も内部の温度を監視するために微量の電力を使います。とはいえ待機電力と同じ水準なので、8時間の予約でも1円に届きません。予約は電気代の観点では実質無料の機能と考えてよいでしょう。

ただし予約には衛生面の注意が要ります。加熱前の食材を長時間常温に置くことになるため、夏場の生肉や生魚は避けたいところ。電気代より優先すべき論点です。

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抑えるために効く3つのこと

実際に効果があるのは、次の3つです。

1. フィルターと蒸気口の掃除。目詰まりすると圧力が正しく管理されず、余分に加熱することになります。清掃は電気代だけでなく安全にも関わるので、定期的にやりたいところ。洗う部品と手順は、電気圧力鍋のお手入れを簡単にするコツと、洗うパーツ・手入れが楽な機種を整理した記事にまとめています。

2. 保温を使いすぎない。先ほどの計算のとおり、長時間の保温は調理と同じくらい電気を使います。食べ終わったら電源を切り、余った分は冷蔵庫へ移すほうが、電気代でも衛生面でも有利です。

3. まとめて作る。1回の調理で使う電気は、内容量が2倍になっても2倍にはなりません。昇圧に必要なエネルギーは増えますが、鍋そのものを温める分は共通だからです。2回に分けるより1回でまとめて作るほうが、1食あたりの電気代は下がります

まとめて作るときは容量が上限になります。調理容量を超えて詰めるのは安全上できないので、自分の機種でどれだけ作れるかを把握しておくと計画が立てやすくなりますよ。容量と作れる量の関係は、4人家族なら3〜4L級という目安を調理容量とカレー皿数から整理した記事で計算式ごと確認できます。

逆に、あまり効果がないのが「加圧時間を短くする」ことです。加圧中は断続運転で電力が小さいので、ここを削っても金額はほとんど動きません。しかも火の通りが足りなくなるので、得るものより失うものが大きくなります。

同じく効果が薄いのが「少ない量で作る」ことです。内容量を半分にしても、鍋そのものを温めるエネルギーは変わりません。むしろ2回に分けることで昇圧が2回になり、合計では増えてしまいます。節約したいなら、量を減らすのではなく回数を減らすのが正しい方向です。

それと、食材を常温に戻してから調理を始めるのも地味に効きます。冷蔵庫から出したての食材と、30分置いて常温になった食材では、昇圧にかかる時間が変わります。他の下ごしらえをしている間に出しておくだけなので、手間はほぼゼロですね。

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待機電力とプラグの扱い

使っていないときの電気も気になるところです。

電気圧力鍋の待機電力は、表示パネルの点灯やタイマー機能のための微量です。一般に数ワット以下で、1か月つけっぱなしでも数十円程度。毎回プラグを抜いても、節約できる金額はごくわずかです。

実際の消費電力量を自分で測りたいなら、コンセントに挟むタイプの電力計が便利です。電気圧力鍋だけでなく、冷蔵庫や炊飯器など他の家電にも使い回せるので、家全体の電気代を見直すきっかけにもなります。数千円から手に入りますよ。

対応する電圧・電流の上限は製品ごとに違います。測りたい家電の消費電力を確認したうえで、購入前に各ショップでご確認ください。

むしろプラグの抜き差しには別の注意があります。抜き差しを繰り返すとプラグや差込口が傷みますし、ほこりが溜まった状態で通電するとトラッキング現象の原因になることも。長期間使わない時期は抜いておき、シーズン中は挿したままにする、という運用が現実的かなと思います。

設置まわりでもうひとつ。電気圧力鍋は消費電力が800W前後あるので、細い延長コードやタコ足配線は避けてください。壁のコンセントに直接差すのが基本です。同じ回路で炊飯器や電気ケトルを同時に使うとブレーカーが落ちることもあるので、使う時間帯をずらすだけでも安心度が上がります。電気代の話とは別ですが、安全に関わる部分なので触れておきますね。

ちなみに、そもそも電気圧力鍋を使い続けられるか自信がないという方は、電気代より先にそちらを確かめたほうがよいですね。電気圧力鍋がいらない・めんどくさいと言われる理由と向く人の条件を整理した記事で、生活に合うかどうかを見てみてください。自動かき混ぜまで欲しい場合は、電気圧力鍋とホットクックの違いを向き不向きから比較した記事もどうぞ。

電気圧力鍋の電気代に関するよくある質問(FAQ)

毎日使ったら月にいくらになりますか?

角煮相当の調理(約12円)を毎日1回行うと、30日で約370円です。週3回なら月150円ほど。カレーのように加圧時間が短い料理が中心なら、さらに下がります。逆に甘酒のような長時間の低温メニューを頻繁に作ると、1回あたり25円前後なので月額は上がります。いずれにしても、エアコンや冷蔵庫と比べれば桁の小さい支出です。

ガスコンロで煮込むのと比べて安いのですか?

圧力をかけない普通の鍋で2時間煮込む場合と比べれば、電気圧力鍋のほうが安く済みます。加熱時間が大幅に短いためです。一方、ガスの圧力鍋と比べると差はごくわずかで、1回あたり数円の範囲に収まります。つまり「圧力鍋を使うかどうか」で光熱費は大きく変わりますが、「電気かガスか」ではほとんど変わらない、という関係になります。

消費電力が小さい機種を選んだほうが得ですか?

必ずしもそうとは限りません。消費電力が小さいと圧力に達するまでの時間が延びるため、総消費エネルギーでは差が縮まります。1時間フル運転での差も800Wと700Wで約3円程度。電気代を基準に機種を選ぶ意味はほとんどないと考えてよいでしょう。容量や機能、置き場所で選ぶほうが満足度は高くなります。

正確な電気代を自分で測る方法はありますか?

コンセントと機器の間に挟むタイプの電力計(ワットチェッカー)を使うと、実際の消費電力量を測れます。数千円で購入でき、他の家電にも使えます。この記事の試算はあくまで前提を置いた目安なので、正確に知りたい場合は実測が確実です。ただし測ったうえで判明するのはたいてい「思ったより安かった」という結果になります。

電力プランを変えると効果はありますか?

電気圧力鍋の使用量だけを見て判断する話ではありません。月150〜370円という規模なので、この家電のためにプランを変える意味はほとんどないでしょう。プランの見直しは、エアコンや給湯、冷蔵庫といった消費量の大きい部分を含めて家全体で考えるものです。契約の変更については、契約している電力会社にご相談ください。

まとめ|電気圧力鍋の電気代は1回10円前後

要点を整理します。

電気圧力鍋の電気代は「消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力単価(円/kWh)」で計算できます。単価を31円、消費電力を800Wとすると、1時間フル運転で24.8円が理論上の天井。ただし実際には昇圧のときだけ最大電力を使い、加圧中は断続運転になるので、1時間の調理でも実際は12円前後に収まります。

料理別に見ると、温泉卵が約5.7円、カレーが約8.3円、角煮が約12.4円。いちばん高いのは甘酒で約24.8円ですが、これは電力が大きいからではなく8時間動き続けるからです。金額を決めるのは電力の大きさより時間の長さという関係が、ここではっきり出ます。

他の調理器具と比べると、位置づけがさらにはっきりします。卓上IH調理器で同じ角煮を作ると約38円で、電気圧力鍋のおよそ3倍。ガスの圧力鍋と比べた場合は数円しか変わりません。つまり差を生んでいるのは熱源の種類ではなく、圧力をかけて加熱時間を縮められるかどうかです。電気かガスかで悩むより、圧力鍋を使うかどうかのほうが光熱費には効きます。

抑えるために効くのは、フィルターと蒸気口の掃除、保温を使いすぎないこと、そしてまとめて作ること。逆に待機電力を気にしてプラグを抜いても、節約できるのは月に数十円です。

ガス式の圧力鍋と迷っている場合は、光熱費だけでは決まりません。判断の軸を拘束時間から整理した電気圧力鍋とガス圧力鍋の違いを光熱費と時間の使い方で比べた記事もあわせてどうぞ。容量から選びたい方は3人家族の電気圧力鍋の容量を計算で求めた記事が近道です。

もうひとつ覚えておきたいのが、電気代の話は「使うかどうか」の判断材料にはならないということです。月に数百円という規模なので、この金額を理由に使用を控えるのは合理的ではありません。むしろ気にすべきは、放っておける時間が増えることや、下ゆでの手間が減ることといった、金額に表れない部分ですね。電気代を計算する目的は、節約することではなく、不安を数字で消すことにあります。

まずは自分の機種の仕様表で消費電力を確認して、この記事の式に当てはめてみてください。数字が出れば、漠然とした不安はきれいに消えますよ。なお電力単価や製品の仕様は変更されることがあります。正確な情報は公式サイトとご契約の検針票でご確認ください。契約や設備に関する最終的な判断は、電力会社や専門家にご相談ください。

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