除湿機のフィルター掃除の頻度とやり方|交換時期の目安
除湿機の効きが落ちてきた気がする。前より水が溜まらない、風の音が変わった。そう感じたとき、真っ先に疑うべきなのがフィルターの目詰まりです。実際、コロナの除湿機取扱説明書には、エアフィルターにほこりがつまると風量が減少し、除湿能力が低下しますとはっきり書かれています。
ところが、いざ掃除をしようと調べると、情報がきれいに割れます。2週間に1回と書いてある記事もあれば、3ヵ月に1回と書いてある記事もある。水洗いを勧めるものもあれば、掃除機だけにしろというものもある。どれが正しいのか分からなくなるはずです。
結論を言うと、どれも正しくて、どれも自分の機種には当てはまらないかもしれません。理由は2つあって、ひとつはメーカーによって手入れの方法が違うこと。もうひとつは、除湿機のフィルターが1枚ではなく、部品ごとに頻度が違うことです。この記事では、まず部品の見分け方から入り、メーカー各社の指示を並べたうえで、交換時期と代用品の注意までをまとめます。
- フィルターカバーとエアフィルターの役割と見分け方
- メーカーごとに違う掃除の頻度と方法の使い分け
- 乾かし方と戻し方で臭いとカビを防ぐ手順
- 交換の目安と、代用品を使うときの落とし穴
掃除の前に部品と方式を見分ける

フィルター掃除でいちばん多い失敗は、頻度でも洗剤でもなく、違う部品の説明を自分の機種に当てはめてしまうことだと考えています。除湿機の吸込側には、外側のカバーと内側の本体フィルターという二層構造を取るものがあり、それぞれ呼び名も手入れの方法も違います。さらに、水洗いできる素材とできない素材があり、ここを取り違えると一度で使えなくします。なので順番としては、掃除をする前に「自分の機種に何が付いていて、それは洗えるのか」を確定させるのが先です。所要時間は説明書を開く数分だけ。この数分を省くと、フィルターを買い直すことになりかねません。とくに紙素材のフィルターは、一度水に浸けると元には戻りません。逆に言えば、素材さえ特定できれば、あとの作業は数分で終わる簡単なものです。
フィルターカバーとエアフィルターは別物
まず、名前と役割を整理します。三菱電機の除湿機では、外側に付いているのがフィルターカバーで、その内側にエアフィルターが収まる構造になっています。外側の粗いほうをプレフィルターと呼ぶ機種もあり、呼び名はメーカーごとにばらばらです。位置で言えば、どれも空気を吸い込む側、つまり吸気口のすぐ内側にあります。同社の説明書には、ほこりなどでフィルターカバーが目詰まりすると除湿の効率が悪くなるとして、2週間に1回程度お手入れするよう案内があり、あわせてフィルターカバーは破損や破れがないかぎり交換不要とも書かれています。
一方、内側のエアフィルターは別扱いです。三菱電機の同じ機種では、エアフィルターはトリプルバリアフィルターという名前が付いていて、説明書ではレーヨン繊維に人工酵素(抗アレルゲン・抗菌・ウイルス抑制)を化学的に固定したフィルターだと説明されています。ただし但し書きもあり、実使用環境下での効果とは異なること、タバコの煙や煙に含まれる有害物質の一酸化炭素などは除去できないことが明記されています。
ここで重要なのは、2つの部品で手入れの頻度も方法も違うという点です。三菱電機の場合、フィルターカバーは2週間に1回程度、エアフィルターは3ヵ月に1回程度のつけおき洗いという整理になっています。「除湿機のフィルターは2週間に1回」とだけ覚えていると、内側のフィルターを3年放置することになりかねません。
機種によっては、外側のカバーがなく1枚だけという構成もあります。コロナの除湿機取扱説明書を見ると、除湿機側面よりエアフィルターをはずす手順が案内されていて、カバーと本体フィルターを分ける書き方にはなっていません。部品の数と名前は機種ごとに違うので、自分の機械を開けて実物を確認するところから始めてください。
洗えるか掃除機かはメーカーで違う
次に確認するのが、水洗いの可否です。ここは本当にメーカーで分かれるので、一般論が通用しません。
三菱電機はつけおき洗いを前提にしています。説明書の消耗部品の交換の章には、フィルターカバーをはずしてエアフィルターを取り出し、水またはぬるま湯で30分程つけおき洗いをする、という手順が番号付きで示されています。つけおき洗いをすることで、エアフィルターについた細かいチリやニオイ成分を落とします、という説明も添えられています(出典:三菱電機 衣類乾燥除湿機 MJ-P180VX 取扱説明書)。
対してコロナは、掃除機と手作業です。同社の説明書にはエアフィルターのお手入れ(2週間に1回程度)という見出しがあり、掃除機を使用するか、軽くたたいてほこりやごみを取り除いてくださいと案内されています。水洗いの手順は書かれていません(出典:コロナ 除湿機のお手入れで長持ち!)。同じ「エアフィルター」という呼び名でも、素材が違えば扱いが変わるわけです。
洗える前提で書かれた記事を、洗えない機種に当てはめないでください。コロナが別売品として用意しているウイルス抑制・除菌・脱臭10年交換不要フィルターは材質が紙で、説明書には汚れたフィルターは洗って再使用することはできませんと明記されています。紙のフィルターを水に浸けると、その時点で終わりです。
パナソニックはさらに踏み込んで、可否を直接書いています。同社の公式FAQでは、フィルターのお手入れを約2週間に1回とし、フィルターについたホコリを掃除機などで吸い取ってくださいと案内したうえで、フィルターは水洗いできませんと明記しています。万一のときのために、水洗いをしてしまったときはしっかりと乾燥させてから本体にセットしてくださいという但し書きまで添えられています(出典:パナソニック 衣類乾燥除湿機 よくあるご質問「衣類乾燥除湿機のお手入れ」)。
つまり3社のうち、つけおき洗いを案内しているのは三菱電機だけで、パナソニックは水洗いを明確に否定し、コロナは水洗いの手順を載せていません。「除湿機のフィルターは洗える」と一般化するほうが少数派だということになります。
判断のしかたはシンプルで、説明書の手入れの章に「洗う」と書いてあれば洗える、「掃除機」としか書いていなければ洗わない。書いていないことをやらないのが安全策になります。説明書が手元にない場合は、メーカーのサイトで機種名から探してください。本体の背面や底面のラベルに形名が書かれています。
部品ごとに違う頻度とやり方
部品と方式が分かったら、次は頻度です。ここで押さえておきたいのは、「2週間に1回」という数字が、メーカーによって別の部品を指しているという事実でしょう。三菱電機で2週間に1回なのは外側のフィルターカバーで、コロナで2週間に1回なのはエアフィルターそのものです。同じ数字を見ていても、手を動かす場所が違う。この食い違いを知らないまま他社向けの記事を読むと、必要な掃除を飛ばすことになります。以下、各社の記載を並べたうえで、方式ごとのやり方を順に見ていきます。表は各社の代表的な機種の記載をもとにしているので、最終的な確認は手元の説明書でお願いします。
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| メーカー | 対象の部品 | 頻度 | やり方 | 交換の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 三菱電機 | フィルターカバー | 2週間に1回程度 | ほこりを取る | 破損・破れがなければ交換不要 |
| 三菱電機 | エアフィルター | 3ヵ月に1回程度 | 水かぬるま湯で30分つけおき洗い | つけおき8回、または寿命のめやす2年 |
| コロナ | エアフィルター | 2週間に1回程度 | 掃除機、または軽くたたく | 油汚れなどでひどく汚れたとき |
| コロナ | 別売の交換不要フィルター(紙) | — | 洗って再使用はできない | ひどく汚れたら交換 |
| パナソニック | フィルター | 約2週間に1回 | 掃除機などでほこりを吸い取る(水洗いできません) | — |
| パナソニック | タンクほか本体の手入れ | 約1ヵ月に1回 | 水ですすぐ、必要なら薄めた中性洗剤 | — |
2週間に1回はどの部品を指すのか
表のとおり、2週間という数字は両社に出てきますが、意味が違います。三菱電機の説明書では、ほこりなどでフィルターカバーが目詰まりすると除湿の効率が悪くなりますという理由のあとに、2週間に1回程度お手入れしてくださいと続きます。つまり外側のカバーに溜まる大きなほこりを落とす作業が2週間ごと、ということです。
コロナの説明書では、エアフィルターのお手入れという見出しに2週間に1回程度と添えられていて、エアフィルターにほこりがつまると風量が減少し、除湿能力が低下しますという理由が書かれています。こちらは本体フィルターそのものが対象です。
もうひとつ、使い方によって点検の頻度が指定される場面があります。コロナの説明書には、連続排水するときは定期的に2週間に1回エアフィルターの目詰まりや排水ホースの詰まりがないことを点検してくださいという案内があります。三菱電機の説明書にも、連続排水するときや無人で長時間使用するときは2週間に1回程度点検すること、エアフィルターやホース内に異物や汚れがつまると除湿運転をしなくなったり水もれの原因になることが書かれています。タンクを見に行かない使い方をしているほど、点検の意識が要るという設計になっているわけです。
効きが落ちたという実感からフィルターにたどり着いた人は、ほかの原因も並べて確認しておくと無駄がありません。室温や部屋の広さといった条件で効きは大きく変わるため、除湿機が効かないのは故障?室温・部屋の広さから確認する順番と目安で順番を押さえてから掃除に入ると、掃除しても変わらなかったときに迷わずに済みます。
三菱式は30分のつけおき洗い

水洗いできる機種の手順を具体的に見ていきます。三菱電機の説明書は4つの工程で示していて、そのまま真似できます。
まずフィルターカバーをはずしてエアフィルターを取り出します。次に水またはぬるま湯で30分程つけおき洗いをする。そして平らな場所で乾かす。最後にエアフィルターとフィルターカバーをセットする。こする工程が入っていないのが特徴で、実際に説明書には、ブラシなどでこすったり、もみ洗いをしないでください、エアフィルター破損の原因になりますと明記されています。
洗剤についても指定があります。洗剤・熱湯を使用しないでください、という注意が同じ場所に書かれています。つけおきの水はぬるま湯まで。ここでも、汚れを早く落としたいという気持ちで熱湯や洗剤に手を伸ばすと、部品を傷めることになります。
仕上がりの基準も示されていて、ここは知っておくと気が楽になるはずです。表面に多少の黄ばみ・黒ずみが残っていても、効果に影響はありませんと説明書に書かれています。見た目が真っ白に戻らなくても機能は戻るということなので、色を落としきろうとして余計な力をかける必要はありません。
コロナ式は掃除機か軽くたたく
水洗いの記載がない機種は、乾いたままの手入れになります。コロナの説明書では、除湿機側面よりエアフィルターをはずし、掃除機を使用するか、軽くたたいてほこりやごみを取り除いてくださいと案内されています。
ここにも道具の指定があります。掃除機を使用するときは、ブラシ付ノズルは使わないでくださいという注意で、理由は破損・変形の原因になりますと書かれています。絨毯用の回転ブラシや硬い毛のノズルは避けるということです。細いすきまノズルか、ノズルを外した状態で吸うほうが安全でしょう。
吸うときのコツは、フィルターの表側から吸うことです。ほこりは空気が入ってくる側に積もるので、裏から吸うと目に詰まったほこりを奥へ押し込むことになります。軽くたたく方法を選ぶ場合は、ゴミ袋の中や屋外で行うと、落としたほこりを部屋に戻さずに済みます。
掃除機で吸うときは、先端の形が結果を左右します。コロナの説明書がブラシ付ノズルを避けるよう指示している以上、毛が当たらない細いすきまノズルか、フィルター専用の柔らかいノズルが向いています。本体付属のノズルが太くて入らない、あるいはブラシ付きしかないという場合は、細口のアタッチメントを1つ用意しておくと毎回の掃除が速く終わります。
なお、この方式の機種でも、ほこりが油分を含んで固着してしまうと掃除機では取れません。コロナの説明書には、油汚れなどでひどく汚れたときは交換をおすすめしますという案内があります。台所の近くで使っている場合は、掃除の限界が早く来ると考えておくとよいでしょう。においが気になり始めているなら、フィルターだけでなく本体側も疑う段階です。除湿機の臭いの原因と消し方|すっぱい・カビ臭い・焦げ臭いの見分け方で発生源の切り分け方をまとめています。
乾かし方と戻し方で差がつく
つけおき洗いをする機種で、もっとも失敗が起きやすいのがこの段階です。洗うところまでは誰でも丁寧にやりますが、乾かす工程は待つだけなので雑になりやすい。ところが濡れたまま戻すと、掃除した意味が反転します。フィルターは風の通り道にあるので、そこに水分が残っていれば、湿った空気が本体内部へ送り込まれることになります。しかもフィルターは素材が薄く、力のかけ方ひとつで破れる部品です。説明書がわざわざ乾かし方まで指定しているのは、それだけ事故が起きているからだと考えられます。ここでは2つの注意点に絞って確認します。どちらも説明書に理由まで書かれている項目なので、なぜダメなのかを知っておくと自己流に流れにくくなります。作業そのものは、置き場所を選ぶことと、待つことだけです。
平らな場所で乾かしつるさない
三菱電機の説明書は、乾かす工程を独立した番号付きの手順にしていて、平らな場所で乾かすと指定しています。そのうえで、洗濯バサミなどでつるさないでくださいという注意が添えられ、理由としてエアフィルター破損の原因になりますと書かれています。
なぜつるすと破れるのかというと、濡れたフィルターは水分の重みで下方向に引っ張られるからでしょう。挟んだ一点に全重量がかかれば、繊維が裂けます。平らに寝かせれば重さは面で分散するので、同じ乾燥でも負担がまったく違います。
場所は風通しのよい日陰が向いています。直射日光に当てると早く乾きますが、樹脂の枠が変形したり、素材が劣化する可能性があります。三菱電機の説明書では、本体の保管についても湿気が少なく直射日光の当たらない場所に立てたまま保管するよう指示があるので、同じ考え方をフィルターにも当てはめるのが自然でしょう。
乾燥にかかる時間は、素材と気温によって変わります。つけおき洗いをするような不織布系のフィルターなら、半日から1日みておけば安心です。急いでいるからといってドライヤーの熱風を当てるのはおすすめしません。説明書が熱湯を避けるよう指示している以上、熱に強い素材とは考えにくいためです。
ぬれたまま戻さない
乾燥の重要性について、三菱電機の説明書は踏み込んだ書き方をしています。ぬれたままのエアフィルターは使用しないでください、という一文が独立した注意として置かれているのです。
濡れたフィルターを戻すと何が起きるか。フィルターは吸込口にあるので、そこを通った空気が本体内部の冷却器へ向かいます。湿った状態のフィルターは微生物が増える場所になり、その上を通った空気が臭いを運ぶ。さらに本体内部も乾きにくくなります。三菱電機の説明書には、本体内部の湿気を乾燥させることで冷却器でのカビの発生を抑制するという内部クリーン運転の説明があり、メーカー自身が本体内部の乾燥をカビ対策の中心に置いていることが分かります。そこへ濡れた部品を戻すのは逆行です。
完全に乾いたかどうかは、色ではなく手触りで判断してください。不織布は乾いたように見えても内部に水分が残ります。指の腹で軽く押して、ひんやりする感覚が残っていればまだ途中です。判断に迷ったら、もう半日置くほうが確実でしょう。
戻すときは、向きと収まりを確認します。コロナの説明書には、保管前の手順としてエアフィルターを掃除し、もとどおりに取り付けてくださいという案内があります。三菱電機の説明書にも、必ずエアフィルターを本体に取り付けてください、取り付けないと細かいほこりが本体内部に入り故障の原因になりますという注意があり、下部のツメを本体に差し込み「カチッ」と音がするまで押し込む、という取り付け方まで示されています。音がするまで押すという基準があるのはありがたい話で、手応えで確認できます。
交換時期と代用品の落とし穴
最後は、掃除では戻らなくなったときの話です。フィルターは洗える機種であっても永久に使える部品ではありません。ここを知らずに何年も同じフィルターを洗い続けると、除湿能力が落ちたまま元に戻らない状態が続きます。そして、交換の話になると必ず出てくるのが「市販品で代用できないか」という疑問でしょう。結論から言えば、安く済ませたつもりが除湿能力を削る結果になりやすいので、ここは慎重に判断してほしいところです。この章では、交換の目安、代用品の考え方、そして絶対にやってはいけない使い方の3つを順に見ていきます。いずれも説明書に記載のある内容で、推測で補った部分はありません。金額の話に入る前に、まず何年使える部品なのかを押さえておきましょう。
つけおき8回・寿命2年が交換の目安

三菱電機の説明書は、交換の目安を2つの軸で示しています。ひとつは回数で、つけおき洗いの限度は8回程度とされ、8回つけおき洗いをしたら新しいエアフィルターと交換してくださいと案内されています。もうひとつは期間で、エアフィルターの寿命のめやすは2年ですが、使用環境・使用状況により異なりますという書き方です。
交換すべき状態も具体的に挙げられています。つけおき洗いを8回したとき、そしてエアフィルターがたばこの煙などで茶色くなったり、ほこりで黒ずんだとき。ここは先ほどの「多少の黄ばみ・黒ずみが残っていても効果に影響はありません」という記述と矛盾するように見えますが、洗っても落ちない着色が進んだ段階を指していると読むのが自然でしょう。
部品の入手についても記載があります。エアフィルター・タンクは消耗部品で、交換時期がきたり汚れがひどくなったり破損したときは、お近くの三菱電機ストアか取扱店で求めるよう案内されています。同社の説明書には、この除湿機の消耗部品を製造打切り後8年保有していますという記載もあるので、古い機種ほど早めに確認しておいたほうがよさそうです。
コロナの場合は、別売品として用意されているフィルターがあり、説明書には汚れたフィルターは洗って再使用することはできません、油汚れなどでひどく汚れたときは交換をおすすめしますと書かれています。洗えない前提の部品なので、交換のタイミングは汚れ具合で決まることになります。買い替えとどちらが得かという判断に移る段階なら、除湿機の寿命は何年くらい?部品の保有期間と修理費から見る買い替え時で年数と費用の考え方を確認してください。
100均フィルターを重ねると能力が落ちる
市販の貼るタイプのフィルターを吸込口に重ねる、という方法がよく紹介されます。ほこりが本体に入らなくなるのだから良さそうに思えますが、除湿機については慎重に考えたほうがよいと私は判断しています。
理由は、風量です。コロナの説明書がはっきり書いているとおり、エアフィルターにほこりがつまると風量が減少し、除湿能力が低下します。目詰まりで風量が落ちるということは、フィルターを1枚増やすことも、同じ方向に作用するということです。除湿機は空気を大量に吸って水を絞り出す機械なので、吸い込める空気の量がそのまま能力に直結します。
さらに、メーカーが想定していない抵抗を加えると、想定外の負荷がかかります。三菱電機の説明書には、吸込口や吹出口をふさがないでくださいという注意がありますし、コロナの故障かな?と思ったらの項目にも、除湿量が少ないときの確認として吸込口や吹出口がふさがれていませんかという項目が並んでいます。メーカーは吸気を妨げる状態を不具合として扱っているわけです。
どうしてもほこりの侵入を減らしたいなら、フィルターを足すより掃除の頻度を上げるほうが筋がよいでしょう。設置場所を床から少し離す、ほこりの多い場所を避けるといった対策も効きます。置き場所の考え方は除湿機を置く場所は部屋の中央と床が基本|目的別の最適解と禁止場所にまとめてあるので、そちらもあわせてどうぞ。
フィルターなしで運転してはいけない
最後は、掃除中にやりがちな一手についてです。洗ったフィルターが乾くまでの間、フィルターなしで運転してしまう。これは両社の説明書が明確に禁止しています。
コロナの説明書には、エアフィルターをはずしたまま運転しないでください、除湿機内部にほこりが入り、故障の原因になりますと書かれています。三菱電機の説明書にも、必ずエアフィルターを本体に取り付けてください、取り付けないと細かいほこりが本体内部に入り故障の原因になりますという同趣旨の注意があります。別のメーカーが同じ理由で同じことを禁止しているので、これは機種を問わない話だと考えてよいでしょう。
本体内部に入ったほこりは、冷却器のフィンの間に溜まります。ここは自分で掃除できる場所ではありません。フィルターを1回省いたせいで、分解しないと取れない汚れを抱えることになる。交換できる部品を守るために、交換できない部品を犠牲にしている状態です。
乾くまでの間はどうするか。答えは単純で、運転しないことです。どうしても除湿を止められない事情があるなら、フィルターの洗浄は使わない日に回してください。三菱電機の説明書が収納の手順に洗浄を組み込んでいるのも、シーズンの切れ目という「使わない時間」があるからだと考えられます。
除湿機のフィルターに関するよくある質問(FAQ)
除湿機のフィルター掃除は結局どれくらいの頻度が正解ですか?
自分の機種の説明書にある頻度が正解です。三菱電機はフィルターカバーを2週間に1回程度、内側のエアフィルターを3ヵ月に1回程度のつけおき洗いとしています。コロナはエアフィルターそのものを2週間に1回程度としています。同じ数字でも対象の部品が違うので、他社の記事をそのまま当てはめないでください。
目安が分からない場合は、2週間に1回、外から見える範囲のほこりを取るところから始めるのが無難でしょう。加えて、風量が落ちたと感じたときや、シーズンの初めと終わりには内側まで確認する。この運用なら、どのメーカーの基準からも大きく外れません。
フィルターを洗うときに洗剤を使ってもよいですか?
三菱電機の説明書は、エアフィルターのつけおき洗いについて洗剤・熱湯を使用しないでくださいと明記しています。水またはぬるま湯で30分程つけおきする方法だけが案内されているので、洗剤は選択肢に入りません。
汚れが落ちきらないときも、ブラシでこすったりもみ洗いをするのは避けてください。同じ説明書に、エアフィルター破損の原因になりますという理由つきで禁止されています。表面に多少の黄ばみや黒ずみが残っていても効果に影響はないとされているので、落としきろうとしないほうが部品は長持ちします。
フィルターにカビが生えてしまいました。洗えば使えますか?
素材によります。つけおき洗いができる機種なら、まず説明書どおりに水かぬるま湯で洗い、完全に乾かしてから状態を見てください。それでも黒ずみが広範囲に残る場合は、着色が進んだ段階として交換の対象になります。三菱電機は、ほこりで黒ずんだときを交換すべき状態のひとつに挙げています。
洗えない素材のフィルターであれば、洗わずに交換してください。コロナの別売フィルターは材質が紙で、汚れたフィルターは洗って再使用することはできませんと明記されています。なお、カビが出るということは本体内部も湿っている可能性があります。除湿機はカビに効く?予防できる湿度の目安と生えたカビへの対処法を解説もあわせて確認してください。
交換用フィルターはどこで買えますか?純正でなくてもよいですか?
純正品はメーカーの販売店や取扱店で購入できます。三菱電機の説明書では、エアフィルター・タンクは消耗部品であり、お近くの三菱電機ストアか取扱店で求めるよう案内されていて、交換用フィルターの形名と形名コードまで記載されています。説明書に形名が載っている機種なら、それを控えて注文するのが確実です。
純正以外については、この記事では判断を保留します。素材の通気性や枠の寸法が合わないと、風量が落ちたり隙間からほこりが入ったりする可能性があるためです。とくに厚みのある素材は吸気の抵抗になります。互換品を検討する場合は、寸法と通気性の表示を確認したうえで自己責任でお願いします。
フィルターを掃除したのに除湿量が増えません。故障でしょうか?
まず室温と湿度を確認してください。コロナの故障かな?と思ったらの項目では、除湿量が少ないときの確認として、エアフィルターの目詰まりに加えて、部屋の温度・湿度が低くないか、吸込口や吹出口がふさがれていないかが並べて挙げられています。フィルターは原因の1つにすぎません。
とくにコンプレッサー式は室温が低いと能力が落ちます。冬に効かないと感じる場合は、故障ではなく方式の特性である可能性が高いでしょう。方式ごとの得意な季節は除湿機の方式の違いを一覧比較|季節で決まるコンプレッサーとデシカントで比較しています。
まとめ|フィルターは部品ごとに頻度が違う

除湿機のフィルター掃除でつまずく原因は、作業の難しさではなく情報の当てはめ方にありました。「除湿機のフィルターは2週間に1回」という一文が、メーカーによって別の部品を指している。ここを知っているかどうかで、掃除の効果がまったく変わります。
整理します。三菱電機は、外側のフィルターカバーを2週間に1回程度、内側のエアフィルターを3ヵ月に1回程度のつけおき洗いという二段構えです。つけおきは水またはぬるま湯で30分程、洗剤と熱湯は使わず、ブラシでこすったりもみ洗いをしない。コロナはエアフィルターそのものを2週間に1回程度、掃除機か軽くたたく方法で、ブラシ付ノズルは使わない。水洗いの手順は案内されていません。
乾かし方にも指定がありました。平らな場所で乾かし、洗濯バサミなどでつるさない。ぬれたままのエアフィルターは使用しない。戻すときは、下部のツメを「カチッ」と音がするまで押し込む。洗う時間より乾かす時間のほうが長いので、使わない日に作業するのが現実的です。
交換の目安は、三菱電機がつけおき洗い8回程度、寿命のめやす2年という2つの軸を示しています。洗っても落ちない着色が進んだら交換、というのが判断基準になります。コロナの別売フィルターのように洗えない素材もあるので、まず素材を確認してください。
そして、やってはいけないことが2つ。市販のフィルターを重ねて吸気を妨げないこと、フィルターを外したまま運転しないこと。後者は両社が同じ理由で禁止していて、本体内部にほこりが入り故障の原因になると明記されています。交換できる部品を守るために、交換できない部品を汚すのは割に合いません。
なお、この記事で示した頻度・時間・回数はいずれも各社の代表的な機種の取扱説明書に基づく目安であり、機種や使用環境によって異なります。正確な情報はお使いの機種の取扱説明書とメーカー公式サイトをご確認ください。純正以外の部品の使用や、判断に迷う点については、メーカー・販売店へお問い合わせいただくようお願いします。
掃除した日を本体の裏にシールで記録しておくと、次の周期が分かりやすくなります。2週間おきの作業は忘れやすいので、ゴミ出しの曜日や月初など、すでにある習慣に紐づけてしまうのがおすすめです。手間そのものは数分で終わります。