除湿機を使う時に窓は開ける?閉める?部屋を締め切る理由
除湿機を回すとき、窓は開けたほうがいいのか閉めたほうがいいのか。湿気を外に逃がすイメージから開けたくなる人と、空気を閉じ込めたほうが効きそうだと考える人に分かれるところだと思います。
答えははっきりしていて、閉めるが正解です。三菱電機の除湿機取扱説明書には、運転中は部屋の窓や扉を閉め、換気をせずにお使いいただくと効果的ですと明記されています。同社の公式コラムでも、除湿機は外部の空気が室内に入り込まないよう窓を閉めてから使いましょうと案内されています。
ただし、締め切ることには副作用もあります。同じ説明書に、運転中は温風が出るため室温が2〜4℃上がることがありますという記載があるんです。つまり夏場に締め切って回すと、湿度は下がるけれど暑くなる。この記事では、なぜ閉めるのが正しいのかという理屈から始めて、締め切りによる室温上昇への対処、例外的に開けてよい場面、そして閉めても下がらないときの確認先までを整理します。
- 窓を閉めるべき理由と、扉まで閉める意味
- 締め切ると室温が上がる仕組みと夏場の対処
- 窓を開けてもよい例外的な場面
- 閉めても湿度が下がらないときに見る場所
窓は閉める。理由は空気の量にある

除湿機は、部屋の空気を吸い込んで水分を取り、乾いた空気を出す機械です。この「部屋の空気」が入れ替わり続けると、いつまでたっても終わりません。湯船の栓を抜きながら蛇口をひねっているようなもので、作業は進むのに水位は下がらない。窓を閉めるというのは、蛇口を止める行為にあたります。ここを理解しておくと、扉まで閉めたほうがよい理由や、家全体を1台でまかなおうとしてはいけない理由も同じ理屈でつながります。まずはメーカーがどう書いているかを確認してから、締め切る範囲をどこまで広げるべきかを考えていきましょう。なお、ここでいう「閉める」は運転している最中の話で、運転の前後まで閉め切っておく必要はありません。この区別があいまいだと、換気そのものを避けてしまうことになります。
開けたままだと外の湿気が入り続ける

メーカーの記載は明確です。三菱電機の除湿機取扱説明書の浴室カビガードに関する案内には、運転中は部屋の窓や扉を閉め、換気をせずにお使いいただくと効果的ですと書かれています(出典:三菱電機 衣類乾燥除湿機 MJ-P180VX 取扱説明書)。さらに浴室で使う場合の準備として、浴槽内に残り湯があるときはふたをする、浴室の窓を閉めるという手順まで示されています。
同社の公式コラムでも同じ方向です。除湿機は外部の空気が室内に入り込まないよう、窓を閉めてから使いましょうという案内があり、浴室に窓がある場合は窓を閉め、換気はせずに使うと効果的です、部屋のドアや窓は閉め切るのもポイントですと繰り返し書かれています(出典:三菱電機 くらトク「除湿機の効果的な使い方や置き場所を解説」)。取扱説明書と公式コラムの両方が同じことを言っているので、ここは迷う余地がありません。
ここでいう「閉める・換気しない」は、窓・扉と、必要に応じて回す換気扇の話です。住宅に設置されている24時間換気システムは止めないでください。2003年の建築基準法改正でシックハウス対策として設置が義務づけられたもので、窓を開けなくても常時空気を入れ替える仕組みです。除湿の効率を理由に止めてよいものではありません。
また、石油ストーブやガスファンヒーターなどの燃焼器具を使っている部屋では、一酸化炭素中毒を防ぐための換気が最優先です。除湿の効率より安全が先になります。
理屈としては、除湿機が処理できる空気の量に限りがあるからです。仕様表に書かれている除湿能力は1日あたりの除湿量で、三菱電機のMJ-P180VXなら15.5L/日(50Hz)、18.0L/日(60Hz)とされています。この能力で処理できる範囲を超えて新しい湿った空気が入ってくれば、当然ながら追いつきません。
梅雨時の外気はたいてい室内より湿っています。窓を開けて除湿機を回すというのは、外の空気を除湿しようとしているのと変わらない状態です。タンクには水が溜まるので働いているように見えますが、部屋の湿度は下がらない。これが「水は溜まるのに効かない」という現象の正体になります。
扉も閉めて対象を1部屋に絞る
窓だけでなく、扉も閉めてください。メーカーが窓と扉を並べて書いているのは、どちらも空気の出入り口だからです。
三菱電機の説明書には、部屋の扉の開閉が多いときや、部屋の広さ・状態によっては、湿度が下がりきらない場合がありますという記載があります。さらに故障かな?と思ったらの対処欄にも、なるべく部屋を閉め切った状態でご使用ください、窓や出入口の開閉が多くありませんか、除湿可能床面積(適用床面積)の範囲でお使いくださいという3点が並んでいます。開閉の「回数」まで問題として挙げられているのが特徴的です。
ここから導けるのが、家全体を1台でまかなおうとしないという運用です。廊下や隣の部屋とつながった状態で回すと、実質的な対象空間が仕様表の床面積を大きく超えます。除湿したい部屋を1つ決めて、その部屋だけを閉じる。これがいちばん早く効きます。
気密性の影響も無視できません。三菱電機の公式コラムには、気密性の低い木造住宅の方が、鉄筋コンクリート建築の住宅よりも高い除湿能力が必要ですという説明があります。仕様表の除湿可能床面積が木造・プレハブ・コンクリートで分けて書かれているのは、この差を反映したものです。住宅ごとの畳数の読み方は除湿機の畳数の目安を早見表で確認|木造は畳数×0.8が必要な理由で整理しています。
締め切ると室温が上がるという副作用

ここが、窓を閉めるという結論の裏側にある問題です。締め切った部屋で除湿機を回すと、部屋が暑くなります。これは故障でも欠陥でもなく、コンプレッサー式の仕組みそのものから生じる現象で、メーカーも説明書に明記しています。冬場や梅雨の涼しい日なら気にならないのですが、真夏に部屋干しをしようとすると無視できないレベルになります。ここを知らないまま「窓を閉めろと書いてあったから」と締め切ると、湿度は下がったのに部屋にいられないという事態になりかねません。仕組みと数値を押さえたうえで、季節ごとの現実的な運用を考えていきましょう。
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| 場面 | 窓・扉 | 理由と補足 |
|---|---|---|
| 部屋の湿気取り・部屋干し | 閉める | 外気が入ると追いつかない。扉も閉めて1部屋に絞る |
| 浴室のカビ対策 | 閉める(換気もしない) | 残り湯があるときは浴槽のふたも閉める |
| 真夏で室温が上がりすぎる | 時間で分ける | 運転中は温風が出るため室温が上がる(特定機種の取説では2〜4℃、方式により2〜8℃程度) |
| 雨上がりで外のほうが乾いている | 換気を優先 | 外気が乾いているなら窓を開けるほうが速い |
| 運転の前後 | 開けてよい | 回す前に空気を入れ替え、終わったら換気する |
除湿機からは暖かい風が出る
まず仕組みです。コンプレッサー式の除湿機は、空気を冷やして結露させ、水を取り除いたあとの空気を温めて吹き出します。取り出した熱は部屋の中に戻るので、部屋全体で見ると熱が増えることになります。
三菱電機の説明書には、運転可能な室温は1〜40℃ですという記載に続けて、運転中は温風が出るため室温が2〜4℃上がることがあります、除湿機からは暖かい風が出ますが、故障ではありませんと書かれています。冬期など気温が低いときは、吹出す風の温度が体温よりも低いため、暖かく感じないことがありますという補足もあります。2〜4℃という具体的な数字がメーカーから示されているわけです。
ただし上昇幅は機種と方式で変わります。三菱電機の解説ではコンプレッサー式で2〜6℃程度、デシカント(ゼオライト)式で3〜8℃程度という目安も示されています。ここで挙げた2〜4℃はMJ-P180VXという特定機種の取扱説明書の値なので、自分の機種がデシカント式なら、これより大きく上がると考えておいたほうが安全でしょう。ヒーターで乾燥剤を再生する方式は、構造上どうしても発熱が大きくなります。
この上昇は、締め切っているほど顕著になります。窓を開けていれば熱は逃げますが、閉め切れば部屋にたまる。つまり除湿の効率を上げる行為と、室温を上げる行為が同じという構造になっています。ここが除湿機の扱いにくいところです。
なお、室温が上がりすぎると機械側も反応します。同じ説明書には、室温が約35℃を超えると送風運転になったり風量が増える場合があるとしたうえで、本体内部の温度が上がり保護装置が働くためですと説明されています。暑い部屋では除湿そのものが止まることもあるということです。室温との関係をもっと詳しく知りたい場合は除湿機で涼しくなる?室温が2〜8℃上がる理由と体感温度を下げる使い方にまとめています。
真夏は換気と除湿を時間で分ける
では真夏はどうするか。現実的な解は、同時にやろうとしないことです。
窓を開けて換気をする時間と、窓を閉めて除湿する時間を分ける。順番としては、先に換気をして空気を入れ替え、そのあと閉め切って除湿機を回すのが効率的です。換気してから閉めるという順番なら、室内にこもった熱を先に逃がせます。
在室しているなら、除湿の時間を短く区切るのも手でしょう。洗濯物を干した直後の数時間だけ締め切って回し、乾いたら窓を開ける。三菱電機の衣類乾燥運転には、洗濯物が乾く頃を推測し自動で停止する機能があり、約1時間〜最長で約12時間運転しますとされています。自動停止に任せれば、必要以上に締め切り続けずに済みます。
外出中に回すという選択もあります。人がいない時間に締め切って除湿し、帰宅したら窓を開ける。室温が上がっても困る人がいないので、副作用が問題になりません。ただし無人運転には条件があり、三菱電機の説明書には連続排水するときや無人で長時間使用するときは2週間に1回程度点検するという指示があります。
エアコンと併用するときの考え方
夏場にいちばん確実なのは、エアコンと組み合わせることです。役割が違うので、競合しません。
エアコンは室内の熱を屋外へ捨てる機械なので、部屋の温度を下げられます。一方で除湿機は熱を部屋に戻すので、温度は下がりません。温度はエアコン、湿度は除湿機と分担させれば、締め切ったまま快適さを保てます。窓を閉める必要があるという点では、エアコンも除湿機も条件が同じなので相性は良いはずです。
エアコンの除湿機能だけで足りる場合もあります。ただし機種や設定によって、室温を下げながら除湿するものと、温度をあまり変えずに除湿するものがあり、効き方が変わります。洗濯物を乾かすという用途では、風を当てられる除湿機のほうが有利な場面が多いでしょう。
冬場は逆に、除湿機の温風が役に立つ場面もあります。結露対策として使う場合、三菱電機の説明書には冬の窓の結露防止には除湿機の背面を窓に向けて使用しますという設置の案内があります。季節によって、温風は邪魔にも味方にもなるということです。冬の使い方は冬場に除湿機は効果ある?結露に効く方式と加湿器との使い分けを解説で扱っています。
例外的に窓を開けてよい場面
「閉める」が原則ですが、例外はあります。ただしその例外は「なんとなく開けたい」ではなく、条件がはっきりしている場面に限られます。いちばん分かりやすいのが、外の空気のほうが乾いている場合です。室内より外が乾いているなら、窓を開けて空気を入れ替えたほうが電気も使わず速い。もうひとつが、運転の前後に行う換気です。除湿している最中ではなく、その前後に開けるぶんには何も問題ありません。むしろ推奨できます。この2つを押さえておけば、原則と例外を取り違えずに済みます。判断の材料は湿度計ひとつで足ります。逆に言えば、湿度計を持たずに感覚で開け閉めしていると、この例外は使いこなせません。部屋にひとつ置いておくと、判断がそのまま数字で確認できるようになります。
屋外の湿度まで自分で測りたいなら、室内と室外を同時に表示できるタイプが便利です。この記事の例外判断は「外が室内より乾いているか」の一点なので、2つの数字が並んで見えるだけで迷わなくなります。送信機を窓の外や玄関先に置くワイヤレス式なら、窓を開けずに比較できます。
外のほうが乾いているとき
雨上がりの晴れた日や、乾燥した冬の日中は、外気のほうが室内より乾いていることがあります。この状況で窓を閉めて除湿機を回すのは、明らかに遠回りです。
判断には湿度計を使ってください。室内と屋外の両方が分かれば確実ですが、屋外の湿度は天気予報でも確認できます。外が室内より低ければ、窓を開けるほうが速くて安いという単純な比較になります。
ただし注意点が2つあります。1つは相対湿度と気温の関係で、外のほうが気温が高い場合、同じ相対湿度でも空気中の水分量は多くなります。数字だけで判断すると取り違えることがあるので、迷ったら「窓を開けて数十分後に室内の湿度計がどう動いたか」で確かめるのが確実でしょう。
もう1つが、窓を開けられない事情です。花粉や黄砂の時期、交通量の多い道路沿い、防犯上の理由で日中に開けられない住まいもあります。その場合は、外が乾いていても除湿機を使う選択になります。この記事は「効率だけを考えるなら」という前提で書いているので、暮らしの事情を優先してください。
運転の前後に換気する
除湿している最中は閉める、というのが原則です。逆に言えば、運転の前後は開けてよいということになります。
回す前の換気には意味があります。部屋にこもった空気を一度入れ替えておけば、室温も下がり、においも抜けます。そのうえで窓を閉めて除湿機を回せば、締め切りによる室温上昇の出発点が低くなります。三菱電機の公式コラムも、窓を閉めてから使いましょうという書き方をしていて、閉めることと換気しないことは運転中の話だと読めます。
運転後の換気も同様です。洗濯物が乾いたら、あるいは目標の湿度に届いたら、窓を開けて空気を入れ替える。部屋の空気が乾いた状態になっているので、短時間の換気で湿度が一気に戻ることはありません。
ひとつ気をつけたいのが、本体内部の乾燥運転です。三菱電機の説明書には、内部クリーン運転について本体内部にこもった湿気を放出するため、室内の湿度が上がることがありますという記載があります。内部を乾かす運転は、部屋の湿度を一時的に上げるということなので、この運転をするときは窓を開けられる時間帯を選ぶと無駄がありません。
閉めても下がらないときに見る場所

窓も扉も閉めた。それでも湿度が下がらない。そういうときに疑う先は3つあります。部屋の広さ、本体の周囲、そして部屋の中にある湿気の供給源です。いずれも窓の開け閉めとは別の要因なので、閉め切りを徹底しても解決しません。順番としては、まず能力と部屋の関係を確認し、次に設置状態を見て、最後に部屋の中で水分を出しているものがないかを探します。どれも道具なしで確認できる内容なので、修理を考える前にひととおり当たってみてください。ここで解決する例が相当あります。順番に意味があるのは、前の項目が当てはまっていると後ろの項目を直しても効果が見えないからです。部屋が広すぎる状態で置き場所だけ変えても、届かないことに変わりはありません。上から順に潰してください。
部屋が広すぎないかを畳数で確認する
三菱電機の説明書の対処欄には、除湿可能床面積(適用床面積)の範囲でお使いくださいという指示があります。コロナの説明書にも、除湿量が少ないときの確認項目として部屋が広すぎませんかという項目が最初に挙げられています。
確認するのは、仕様表の除湿可能床面積と自分の部屋の広さです。ここで注意したいのが、同じ機種でも運転モードによって目安が違うこと。三菱電機のMJ-P180VXでは、木造和室(50Hz)の場合に強で〜19畳、自動除湿で〜13畳と別々の数字が示されています。自動で使っているなら、比べるべきは小さいほうの数字です。
住宅の種類も効きます。同じ機種でも、木造和室・プレハブ洋室・コンクリート洋室で数字が変わります。三菱電機の公式コラムにある、気密性の低い木造住宅の方が鉄筋コンクリート建築の住宅よりも高い除湿能力が必要ですという説明のとおりです。自分の住まいの区分で読むことを忘れないでください。
範囲を超えている場合の対処は3つです。扉を閉めて対象空間を狭くする、能力の大きい機種に替える、あるいは届かないことを前提に時間をかける。窓を閉める努力だけでは埋まらない差なので、ここは割り切りが要ります。
本体の周囲にスペースがあるか
次に見るのが設置状態です。除湿機は空気を吸って吐くので、その通り道がふさがれていると性能が出ません。
三菱電機の説明書には、除湿機のまわりにスペースをあけてくださいという指示があり、狭い場所で使用すると、性能が低下する原因になりますと理由が書かれています。三菱電機の公式コラムにも、除湿機には通気口と排気口があり、これらを塞いでしまうと効果を十分に発揮できないという説明があります。コロナの説明書の確認項目にも、吸込口や吹出口がふさがれていませんかという項目が入っています。
置き場所についても案内があります。公式コラムには、部屋全体を除湿したいときは部屋の中央に設置すると効果的です、湿度は下の方に溜まりやすいため、除湿機は台の上などに置かずに床に直接置くようにしてくださいと書かれています。中央・床置き・周囲にスペースの3点が基本形です。
押し入れやクローゼットの中に本体を入れて回すのは避けてください。三菱電機の説明書には、押し入れの中・家具の隙間など狭い場所で使用しないという禁止項目があり、風通しが悪くなり、発火・発熱の原因になるとされています。収納の中を除湿したいときは、扉を開けて外から風を送る形にします。
置き方の目的別の最適解は除湿機を置く場所は部屋の中央と床が基本|目的別の最適解と禁止場所にまとめてあるので、部屋の形や家具の配置で迷う場合はそちらを見てください。
湿気の供給源が部屋の中にないか
最後が見落とされやすい点です。窓を閉めても、部屋の中で水分が発生し続けていれば湿度は下がりません。
分かりやすいのが浴室まわりです。三菱電機の説明書の浴室カビガードの準備には、浴槽内に残り湯があるときはふたをするという指示があります。ふたを閉めるだけで、水面からの蒸発を止められるということです。洗面所やキッチンに続く扉が開いていれば、そこからも湿気が来ます。
部屋干しの洗濯物も、当然ながら水分の発生源です。これは除湿の対象そのものなので止められませんが、量が多ければそれだけ時間がかかります。三菱電機の説明書にも、洗濯物の量が多いときは乾くまでに時間がかかりますという記載があります。
意外と見落とされるのが、人そのものです。呼吸や発汗でも水分は出ますし、在室人数が多ければその分だけ湿度は上がります。部屋干しの洗濯物がないのに湿度が下がらないという場合、家族が集まる時間帯と重なっていないかを確認してみてください。除湿機に対して部屋の条件が厳しいなら、時間帯をずらすだけでも結果が変わります。
建物側の要因もあります。1階や半地下、北側の部屋、コンクリートの打ちっぱなしなどは、構造として湿気を抱えやすい環境です。こうした部屋では窓を閉めても地面側や壁から湿気が供給され続けるので、下げる運転ではなく保つ運転に切り替えたほうが現実的でしょう。三菱電機の仕様表にある自動除湿の除湿可能床面積が、相対湿度を50%程度に保つ数値として示されているのは、まさにこの「保つ」用途を想定したものです。
そのほか、観葉植物、水槽、加湿器の消し忘れ、炊事の湯気なども供給源になります。とくに加湿器と除湿機を同じ部屋で同時に動かしていると、互いに打ち消し合うだけで電気を使います。湿度が下がらないと感じたら、部屋の中を一周して水が見えるものを探してみてください。それでも原因が見つからない場合は、機械側の確認手順を除湿機が効かないのは故障?室温・部屋の広さから確認する順番と目安でたどってみてください。
除湿機と窓に関するよくある質問(FAQ)
除湿機を使うとき、換気扇は回してもよいですか?
運転中は止めておくほうが効果的です。三菱電機の除湿機取扱説明書には、運転中は部屋の窓や扉を閉め、換気をせずにお使いいただくと効果的ですと書かれています。公式コラムでも、浴室に窓がある場合は窓を閉め、換気はせずに使うと効果的ですと案内されています。
換気扇は室内の空気を外へ出す装置なので、回せばその分だけ別の場所から外気が入ってきます。除湿機が処理した空気を捨てて、湿った空気を入れることになるわけです。ただし調理中や入浴直後など、換気そのものが必要な場面は別です。その場合は換気を先に済ませてから除湿機を回してください。
窓を閉めると暑くなります。どうすればよいですか?
室温が上がるのは仕様です。三菱電機のMJ-P180VXの説明書には、運転中は温風が出るため室温が2〜4℃上がることがあります、除湿機からは暖かい風が出ますが故障ではありませんと明記されています。ただしこれは特定機種の値で、同社の解説ではコンプレッサー式が2〜6℃程度、デシカント式が3〜8℃程度とされています。方式によって幅があります。
対処は3つあります。換気と除湿を時間で分ける、エアコンと併用して温度と湿度を分担させる、人がいない時間に回す。なお室温が約35℃を超えると送風運転になったり風量が増える場合があるとも書かれていて、これは本体内部の温度が上がり保護装置が働くためとされています。暑すぎる部屋では除湿そのものが止まることがある、という点も覚えておいてください。
1台で家全体を除湿することはできますか?
現実的ではありません。仕様表の除湿可能床面積は1つの空間を想定した数字で、三菱電機の説明書にも除湿可能床面積(適用床面積)の範囲でお使いくださいという指示があります。廊下や隣室とつながった状態では、実質的な対象空間がこの範囲を大きく超えます。
同じ説明書には、部屋の扉の開閉が多いときや、部屋の広さ・状態によっては、湿度が下がりきらない場合がありますという記載もあります。除湿したい部屋を1つ決めて、扉を閉めて回すのが正解です。複数の部屋を順番に処理するか、部屋ごとに1台用意するかの選択になります。
雨の日は窓を閉めるとして、晴れた日はどうしますか?
外の空気が室内より乾いているなら、窓を開けて換気するほうが速くて電気も使いません。判断は湿度計で行ってください。室内の湿度計の数字と、天気予報の湿度を見比べるだけでも見当がつきます。
ただし気温差には注意が必要です。外のほうが気温が高い場合、同じ相対湿度でも空気中の水分量は多くなります。確実に判断したいなら、窓を開けて数十分後に室内の湿度計がどちらへ動いたかを見るのが早いでしょう。花粉や防犯の事情で開けられない場合は、素直に除湿機を使ってください。
窓を閉めているのにタンクに水がたまり続けます。異常ですか?
異常ではなく、部屋の中に湿気の供給源がある可能性が高いと考えられます。浴室の残り湯、洗面所やキッチンへ続く扉の開放、部屋干しの洗濯物、水槽や観葉植物などです。三菱電機の説明書にも、浴室で使う際の準備として浴槽内に残り湯があるときはふたをするという指示があります。
また、建物側から湿気が入り続ける部屋もあります。半地下や1階の北側、コンクリートの打ちっぱなしなどです。この場合は下げる運転ではなく保つ運転が必要になるので、自動運転で長時間動かす運用に切り替えるほうが合理的でしょう。水がたまること自体は、除湿機が働いている証拠です。
まとめ|閉めるのが原則、暑さは時間で分けて解決する
除湿機を使うときに窓を開けるか閉めるかという問いは、閉めるが原則でした。三菱電機の除湿機取扱説明書には、運転中は部屋の窓や扉を閉め、換気をせずにお使いいただくと効果的ですと明記されており、同社の公式コラムにも、除湿機は外部の空気が室内に入り込まないよう窓を閉めてから使いましょう、部屋のドアや窓は閉め切るのもポイントですと書かれています。
理由は空気の量です。除湿機が処理できる量には限りがあり、その範囲を超えて湿った空気が入ってくれば追いつきません。窓だけでなく扉も閉めて、対象を1部屋に絞る。説明書の対処欄にも、なるべく部屋を閉め切った状態でご使用ください、窓や出入口の開閉が多くありませんか、除湿可能床面積(適用床面積)の範囲でお使いくださいという3点が並んでいます。家全体を1台でまかなおうとしないことが、実は最初の一手になります。
一方で、締め切りには副作用があります。運転中は温風が出るため室温が2〜4℃上がることがある、と説明書に明記されています。真夏に部屋干しをするなら、換気の時間と除湿の時間を分ける、エアコンと併用して温度と湿度を分担させる、人がいない時間に回す。このいずれかで対処してください。室温が約35℃を超えると保護装置が働いて送風運転になる場合があるとも書かれているので、暑すぎる部屋では除湿自体が止まることもあります。
例外は2つだけです。外のほうが乾いているときは、窓を開けて換気したほうが速くて安い。そして運転の前後は開けてよく、むしろ回す前に一度換気しておくと室温の出発点が下がります。内部クリーン運転は本体内部にこもった湿気を放出するため室内の湿度が上がることがあるので、この運転こそ窓を開けられる時間帯に行うとよいでしょう。
閉めても下がらないときは、窓ではなく別の場所を見てください。部屋が除湿可能床面積を超えていないか(自動運転なら小さいほうの数字で比べる)、本体の周囲にスペースがあるか、そして部屋の中に湿気の供給源がないか。浴槽の残り湯にふたをするだけで変わることもあります。
ひとつだけ、閉めてはいけないものがあります。住宅に備わっている24時間換気システムです。これは建築基準法で設置が義務づけられた常時換気の仕組みなので、除湿の効率を理由に止めないでください。燃焼器具を使う部屋の換気も同様に優先されます。
なお、この記事の数値や記載は三菱電機 MJ-P180VX の取扱説明書および三菱電機の公式コラム、コロナの取扱説明書に基づくもので、機種や住環境によって異なります。正確な情報はお使いの機種の取扱説明書とメーカー公式サイトをご確認ください。換気の要否は健康や住宅の条件にも関わるため、判断に迷う場合は住宅のメーカーや専門家にご相談ください。
迷ったときの判断は「今、外の空気を部屋に入れたいか」で決められます。入れたくないなら閉める、入れたいなら開けて除湿機は止める。除湿機を回しながら窓を開けるという組み合わせだけが、どちらの目的にも届かない選択になります。