除湿機の畳数の目安|木造と鉄筋で必要な除湿能力が変わる早見表
除湿機の商品ページを見ていると、「〜20畳」「木造11畳・鉄筋23畳」といった数字が並んでいて、自分の部屋にどれを当てはめればいいのか迷いませんか。しかも同じ1台なのに、書かれている畳数が2つも3つもある。この時点で混乱してしまう方は多いと思います。
実はこの複数の数字こそが、除湿機選びでいちばん大事な情報です。というのも、住まいが木造か鉄筋かで、同じ除湿機がカバーできる広さが倍近く変わってしまうからです。ここを読み違えると、せっかく買った除湿機が一日中回っても湿度が下がらない、という結果になりかねません。
この記事では、メーカーが公表している数値をもとに、除湿量と畳数の対応を早見表にまとめました。あわせて、あなたの部屋の畳数から必要な除湿量を逆算する計算のしかたと、よく聞く「畳数の半分」という覚え方がどこまで使えるのかもはっきりさせます。数字の意味が分かれば、商品ページの見え方が変わりますよ。
- 適用畳数が木造・プレハブ・鉄筋の3区分で書かれている理由
- 除湿量から対応畳数を引ける早見表と、畳数から逆算する計算
- 「畳数の半分」という覚え方がどの住宅なら使えるのか
- 早見表どおりでは足りなくなる部屋の条件
除湿機の畳数の目安は住宅の種類で変わる
まず、商品ページに畳数がいくつも書かれている理由から押さえていきましょう。ここが分かると、どの数字を自分に当てはめればいいかが決まります。
除湿機の適用畳数は木造・プレハブ・鉄筋の3つの区分で書かれていて、同じ機種でも対応できる広さが2倍前後違います。目安として必要な除湿量は、木造なら畳数×0.8、プレハブなら畳数×0.5、鉄筋なら畳数×0.4くらいです。よく聞く「畳数の半分」という覚え方はプレハブに近い数字なので、木造の家では能力が足りません。まず自分の住まいがどの区分かを決めてから、表を引いてください。
適用畳数は3つの区分で書かれている

除湿機のカタログや商品ページには、除湿可能面積の目安として複数の畳数が並んでいます。これは木造、プレハブ、鉄筋という建物の種類ごとの数値です。
実際の製品で見てみましょう。コロナが公開しているHシリーズの仕様表では、除湿量1日10L(50Hzは9L)のモデルについて、除湿可能面積のめやすが次のように書かれています。50Hzのときはプレハブおもに17畳、木造11〜鉄筋23畳。60Hzのときはプレハブおもに19畳、木造13〜鉄筋25畳(出典:コロナ「製品詳細|Hシリーズ|衣類乾燥除湿機」)。
同じ1台で、木造13畳と鉄筋25畳。ほぼ倍の開きがあるのが分かりますね。ネット通販の商品名に「〜25畳」とだけ書かれていたら、それは条件のいい鉄筋の数字である可能性が高いということです。
3つの区分は、それぞれ次のような住まいを指します。
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| 区分 | おもな住まい | 気密性 | 対応できる広さ |
|---|---|---|---|
| 木造 | 在来工法の木造住宅、古い戸建て、和室 | 低め | いちばん狭い |
| プレハブ | プレハブ住宅、軽量鉄骨、比較的新しい木造洋室 | 中くらい | 中間 |
| 鉄筋 | 鉄筋コンクリート造のマンション | 高め | いちばん広い |
迷いやすいのが、比較的新しい木造住宅にお住まいの場合です。断熱・気密性能が上がっているので、木造よりプレハブの数字に近い実力が出ることもあります。ただし判断がつかないときは、狭いほうの木造で見ておくのが安全です。
賃貸にお住まいで構造が分からないときは、物件情報を見てみてください。募集図面や契約書には「木造」「軽量鉄骨造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」といった構造の記載があります。鉄筋コンクリート造なら鉄筋の列で見て問題ありません。軽量鉄骨造はメーカーの区分に明確な対応づけがないので、一般的にはプレハブ相当と考えられていますが、安全側に倒すなら木造の列で見ておくと外しません。
木造と鉄筋で倍近く違う理由
なぜここまで差がつくのでしょうか。答えは気密性です。
除湿機がやっているのは、部屋の空気から水分を取り出すことです。ところが部屋は完全な密閉容器ではありません。壁のすき間、床下、窓のまわりから、外の湿った空気が少しずつ入ってきます。除湿機が水を取っても、その分だけ外から補給されてしまうわけですね。
木造住宅は、鉄筋コンクリート造に比べて気密性が低い構造です。だから入ってくる湿気の量が多く、同じ除湿機でも「取っても取っても追いつかない」状態になりやすくなります。逆に鉄筋コンクリートのマンションは、いったん下げた湿度を保ちやすい環境です。
この違いを、水を汲み出す作業にたとえると分かりやすいかもしれません。穴の空いたバケツと、しっかり閉じたバケツ。同じ柄杓で汲み出しても、減り方はまるで違いますよね。除湿機の能力が同じでも、住まいによって結果が変わるのはそういうことです。
ここで気をつけたいのが、気密性が高ければ湿気に強いとは限らない点です。鉄筋コンクリートのマンションは外からの湿気が入りにくい一方で、いったん入った湿気も逃げにくい構造です。だから換気が足りないと、かえって室内に湿気がこもります。結露が出やすいのもこのタイプですね。
つまり鉄筋だから除湿機が小さくて済むのは「閉め切って使う」場合の話で、湿気そのものが出にくいという意味ではありません。適用畳数が広いのは、除湿機が下げた湿度を保ちやすいからだと理解しておくと、実際の使用感とのズレが減ります。
木造の場合はその逆で、外からの湿気が入りやすい代わりに、乾いた空気も自然に入ってきます。晴れて空気が乾いた日に窓を開けるだけでかなり下がる、というのは木造ならではの利点です。除湿機に頼りきらず、換気と使い分けるという選択肢も持っておいてください。
畳数の半分という覚え方が通じない相手

除湿機の選び方を調べていると、「部屋の畳数の半分のリットル数を選べばいい」という覚え方を目にすることがあります。10畳なら5L、20畳なら10L、という考え方ですね。
この覚え方、実は住宅の種類をひとつに固定した場合にだけ成り立つものです。先ほどのコロナの数値で確かめてみましょう。
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| 区分 | 除湿量10L/日で対応する畳数 | 畳数に対する除湿量の比率 |
|---|---|---|
| 木造 | 13畳 | 約0.77(畳数の8割弱) |
| プレハブ | 19畳 | 約0.53(ほぼ畳数の半分) |
| 鉄筋 | 25畳 | 約0.40(畳数の4割) |
見てのとおり、「畳数の半分」がぴったり当てはまるのはプレハブだけです。木造の家でこの覚え方を使うと、必要な能力のおよそ6割しか用意できません。10畳の木造和室に5L/日の機種を置いても、目標の湿度には届かないということですね。
逆に鉄筋のマンションなら、畳数の半分では少し余裕を持ちすぎた選択になります。もちろん余裕がある分には困りませんが、必要以上に大きく重い機種を買うことにはなります。
この覚え方が広まったのは、たぶん覚えやすいからだと思います。ただ、住まいの種類という一番効く条件を落としてしまっているんですよね。せっかく数字を覚えるなら、木造は0.8、プレハブは0.5、鉄筋は0.4と3つセットで覚えるほうが実用的です。
同じ機種でも東日本と西日本で能力が違う
もうひとつ、意外と知られていない条件があります。それが電源周波数です。
先ほどのコロナの仕様表をもう一度見てください。同じ機種なのに、50Hzと60Hzで数値が分かれていました。50Hzのときは除湿量9L・木造11畳、60Hzのときは除湿量10L・木造13畳です。
これはコンプレッサー式の除湿機が、電源の周波数によってモーターの回転数が変わるためです。東日本はおおむね50Hz、西日本はおおむね60Hzなので、同じ製品を買っても住む地域によって能力が1割ほど変わることになります。
境目はおおよそ静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりで、東側が50Hz、西側が60Hzです。自宅の周波数が分からなければ、契約している電力会社のサイトか、検針票で確認できます。東日本にお住まいなら、商品ページで大きく書かれた数字が60Hzのものでないかを確認してください。カタログでは両方が併記されているのが普通ですが、通販サイトの商品名では大きいほうだけが載っていることがあります。
ぎりぎりの能力で選んでいると、この1割の差が効いてきます。次の章の早見表を引くときも、自分の地域の周波数で見るようにしてくださいね。
ちなみに、デシカント式は周波数による差が出にくい傾向があります。ヒーターと乾燥剤で除湿する仕組みなので、コンプレッサーの回転数に左右されにくいからですね。実際、仕様表に50Hz/60Hzの区別がなく単一の数値だけ書かれているデシカント式の機種もあります。ただし機種によって表記のしかたは違うので、仕様表で確かめてください。
引っ越しの予定がある方は、この点も頭の片隅に置いておいてください。東日本から西日本、あるいはその逆へ移ると、同じ除湿機でも除湿量が変わります。壊れたわけではないので、慌てずに仕様表を見返してみてください。
木造と鉄筋の除湿能力の早見表
ここからが本題です。除湿量と畳数の対応をまとめた早見表と、逆に部屋の畳数から必要な除湿量を出す計算のしかたを見ていきます。どちらから引いても同じ答えにたどり着けるので、手元にある情報に合わせて使ってください。
除湿量から対応畳数を引く早見表
まずは、カタログに書かれた除湿量から「どのくらいの広さまでいけるか」を引く表です。パナソニックが公開している目安をもとにまとめました。
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| 1日の除湿量 | 木造 | 鉄筋 | こんな部屋の目安 |
|---|---|---|---|
| 4.5〜6.3L | 6〜8畳未満 | 13〜16畳未満 | 寝室、子ども部屋、一人暮らしのワンルーム |
| 6.3〜8.0L | 8〜10畳未満 | 16〜20畳未満 | 広めの個室、コンパクトなリビング |
| 8.0〜11.0L | 10〜14畳未満 | 20〜28畳未満 | 一般的なリビング、リビングダイニング |
| 11.0〜18.0L | 14〜23畳未満 | 28〜45畳未満 | 広いLDK、続き間、地下室 |
この表はパナソニック「衣類乾燥除湿機の選び方」で公開されている目安をもとにしています。
使い方は単純で、自分の部屋の畳数が入る行を探し、木造か鉄筋かで列を選ぶだけです。たとえば木造の12畳なら、8.0〜11.0Lの行(木造10〜14畳未満)に入るので、8L/日以上の機種が候補になります。
この表をよく見ると、もうひとつ便利な関係が見つかります。どの行でも、鉄筋の畳数を半分にすると木造の畳数にほぼ一致するのです。鉄筋16〜20畳未満の半分は8〜10畳未満で、木造の欄とぴったり同じ。鉄筋20〜28畳未満の半分は10〜14畳未満で、これも一致します。
私がこの表を整理していて助かったのがこの関係でした。通販サイトの商品名に「〜25畳」としか書かれていなくても、木造なら12畳前後まで、と即座に読み替えられます。大きく書かれた畳数を半分にするだけなので、店頭でもすぐ使えますよ。
プレハブにお住まいの場合、この表には列がありません。木造と鉄筋のちょうど中間くらいと考えるか、安全側に倒して木造の列で見てください。
境目にあたったときの読み方
表の区切りは「〜未満」で書かれているので、ちょうど境目の畳数は上の行に入ります。木造10畳なら、6.3〜8.0Lの行(木造8〜10畳未満)ではなく、8.0〜11.0Lの行(木造10〜14畳未満)が正解です。ここを1行読み間違えると、必要な能力が2Lほど変わってしまいます。
また、メーカーによって表の刻み方は微妙に違います。ある社では10畳が上の帯に入り、別の社では下の帯に入る、ということが起こりえます。複数のメーカーで迷ったときは、それぞれの仕様表に書かれた畳数を直接見比べるほうが確実です。カタログの帯ではなく、機種ごとの数値で判断するということですね。
もうひとつ、除湿量の表記には「50Hz/60Hz」だけでなく、測定条件が併記されていることがあります。多くは室温27度・湿度60%のような条件で、この条件から離れた環境では数値どおりにはなりません。表を引くときは、あくまで比較のための共通のものさしだと思ってください。
部屋の畳数から必要な除湿量を出す計算

表に載っていない畳数のときや、暗算でざっと当たりを付けたいときは、比率で計算するほうが早いです。
先ほど確かめた比率を使います。木造は畳数×0.8、プレハブは畳数×0.5、鉄筋は畳数×0.4。これが必要な除湿量(L/日)の目安になります。
実際にいくつか計算してみましょう。
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| 部屋の広さ | 木造なら | プレハブなら | 鉄筋なら |
|---|---|---|---|
| 6畳 | 約4.8L/日 | 約3.0L/日 | 約2.4L/日 |
| 8畳 | 約6.4L/日 | 約4.0L/日 | 約3.2L/日 |
| 10畳 | 約8.0L/日 | 約5.0L/日 | 約4.0L/日 |
| 14畳 | 約11.2L/日 | 約7.0L/日 | 約5.6L/日 |
| 20畳 | 約16.0L/日 | 約10.0L/日 | 約8.0L/日 |
木造10畳の欄を見てください。約8L/日という数字が出ています。さきほどの早見表でも、木造10畳は8.0〜11.0Lの行に入っていましたね。2つの方法で同じ答えになるので、どちらから引いても構いません。
そしてここでもう一度、「畳数の半分」との差を確認しておきます。木造10畳で「半分」の計算をすると5L/日ですが、実際に必要なのは8L/日です。この差はかなり大きく、能力不足の除湿機を一日中回し続けることになってしまいます。
この比率の便利なところは、店頭やスマホで暗算できることです。木造12畳なら12×0.8で約9.6L、つまり10L前後の機種を探せばいい。そう分かっていれば、ずらりと並んだ商品の中から候補を絞るのに数秒しかかかりません。カタログの帯表を毎回開く必要もなくなります。
ただし、この比率は複数メーカーの公表値から逆算した近似値です。厳密な設計基準ではないので、境目にあたったときは各社の仕様表で実際の畳数を確認してください。特に大能力帯では、メーカーごとに数字のばらつきが大きくなります。
なお、この比率はあくまで目安です。実際の必要能力は部屋の構造や気候によって変わりますので、正確な情報は各メーカーの公式サイトで確認してください。
早見表どおりでは足りなくなる部屋の条件
表や計算で出た数字は出発点です。次の条件に当てはまる部屋では、目安どおりでは追いつかないことがあります。
- 洗濯物を部屋干しする:干した洗濯物から出る水分が上乗せされます。1回分でも数百ミリリットルから1リットル以上になります
- 浴室や洗面所に隣接している:入浴後の湿気が流れ込んできます
- 北側や日当たりの悪い部屋:温度が低く、同じ水分量でも湿度が高く出ます
- 1階や半地下:地面からの湿気の影響を受けやすい環境です
- ドアを開けて使う:隣の部屋の空気まで相手にすることになります
- 築年数が経った木造:気密性がさらに落ちている可能性があります
複数当てはまるなら、早見表で出た数字より1段階上を選んでおくのが現実的です。特に部屋干しをする部屋は、洗濯物の水分がそのまま除湿機の仕事量に乗るので、余裕を持たせておくと乾く時間も短くなります。
反対に、早見表より小さい機種で足りるケースはほとんどありません。「そんなに湿気てないから小さくていい」という感覚で選ぶと、能力不足のまま一日中運転し続けることになります。除湿機は目標湿度に届かないかぎり止まらないので、小さい機種を選んでも電気代が安くなるとは限らないんですね。予算を抑えたいなら、能力を落とすより機能を絞るほうが失敗しません。
逆に、しっかり閉め切れる鉄筋の部屋で、部屋干しもしないという条件なら、目安どおりで足ります。この場合はサイズや静かさといった別の条件に予算を回すほうが、満足度は上がりますよ。
面積が同じでも天井の高さで変わる
畳数は床の面積の話なので、天井が高い部屋では実際の空気の量が増えます。一般的な住宅の天井高が2.4メートル前後なので、これが2.7メートルなら空気の量は1割強増える計算です。吹き抜けやロフト付きの部屋になると、差はもっと大きくなります。
この場合も、早見表の数字を1段階上げて見ておくと安全です。逆に天井が低いアパートや、床面積は広くても家具でぎっしり埋まっている部屋なら、空気の量そのものは想定より少なくなります。
除湿量とタンク容量はセットで見る
必要な除湿量が決まったら、あわせて確認したいのがタンク容量です。ここを見落とすと、能力は足りているのに使い勝手で困ることになります。
理由は単純な割り算です。除湿量10L/日の機種にタンクが4.5Lなら、フル稼働した日は1日に2回以上水を捨てることになります。日中は家にいない、夜だけ回したいという使い方だと、満水で止まっている時間のほうが長くなってしまいます。
目安として、除湿量に対してタンクが半分未満しかない機種は、こまめな水捨てが前提だと考えてください。実際、コロナのHシリーズも除湿量10L/日に対してタンクは4.5Lという構成です。
実際の水捨て頻度は、除湿量の数字ほど多くならないことも覚えておいてください。カタログの除湿量は24時間フル運転したときの値なので、湿度設定に達して弱運転に切り替われば、溜まる水は減ります。梅雨の最中で1日2回、湿度が落ち着いている時期なら2〜3日に1回、というくらいに幅があります。
とはいえ、いちばん困るのは梅雨の最中です。設計するなら、いちばん水が溜まる時期を基準に考えてください。「普段は平気だけど梅雨だけ面倒」という機種は、結局その面倒な時期に使われなくなります。
タンクの形も見ておきたいところです。満水の4.5Lはおよそ4.5キロで、片手で持つには重さがあります。口が広くて手が入る形なら洗いやすく、持ち手がしっかりしていれば運ぶのも楽になります。店頭で実物に触れる機会があれば、空のタンクを持ち上げて持ち手の握りやすさを確かめておくとよいですね。
水捨ての回数を減らしたいなら、連続排水に対応した機種を選ぶ方法があります。ただし除湿機の連続排水は自然に流れ落ちる仕組みなので、排水先が本体より低い位置に取れないと使えません。条件は排水ホースをつなぐときの高さと勾配をまとめた記事で確認しておくと、買ってから使えなかったという事態を避けられます。
畳数が決まったあとに確認したいこと
必要な除湿量が固まったら、あと少しです。同じ除湿量でも結果が変わる要素と、最後の判断について整理しておきます。
方式によって同じ除湿量でも結果が変わる
カタログの除湿量は、決められた温度と湿度の条件で測った値です。だから実際の部屋がその条件から離れると、書かれたとおりの水は取れません。
特に差が出るのがコンプレッサー式です。空気を冷やして結露させる仕組みなので、気温が低いと除湿力がはっきり落ちます。冬に「カタログでは10Lなのに全然溜まらない」と感じるのは、故障ではなく測定条件との差であることが多いんですね。
デシカント式は乾燥剤とヒーターを使うため、低温でも性能が落ちにくいという特徴があります。ただし運転すると室温が上がります。コロナも公式サイトで、除湿機に部屋を冷やす機能はなく、運転中は熱を発生するので温度が上がると案内しています。
つまり同じ「10L/日」でも、いつ使うかによって実際に取れる量は変わるということです。冬に使う予定があるなら、除湿量の数字だけで比べず、方式もあわせて見てください。
この差は、畳数の目安にも影響します。カタログの畳数はその機種の除湿量から算出された数字なので、実際の除湿量が落ちれば、カバーできる広さも縮みます。冬にコンプレッサー式を使うなら、表示より狭い部屋向けだと考えておくほうが現実に近いですね。
逆に言えば、夏の湿気だけが悩みなら、コンプレッサー式は表示どおりの力を出しやすい季節に使うことになります。畳数の目安がそのまま信頼できる、という意味では相性がいい組み合わせです。
迷ったら1段階上を選ぶ判断
ここまで計算してきて、ちょうど境目にあたってしまうこともあると思います。木造12畳で、8Lの機種と11Lの機種のどちらにするか、というような場面ですね。
この場合は、上を選んでおくほうが後悔しにくいです。理由は3つあります。
ひとつ目は、能力に余裕があると目標湿度に早く届き、そのあとは弱運転で維持に回れることです。能力が足りない機種はフル運転を続けても目標に届かないので、動かしている時間はむしろ長くなります。
ふたつ目は、部屋の条件が変わっても対応できることです。部屋干しをする日、雨が続く時期、家族が増えたとき。余裕があれば同じ機種で乗り切れます。
3つ目は、実際の住まいが目安より不利な条件を持っていることが多いからです。築年数、隙間、隣室とのつながり。カタログの想定は、条件のそろった部屋での数値です。実際の部屋がその条件を上回っていることは、まずありません。
判断に迷ったら、こう考えてみてください。能力が余ったときに困るのは、本体が少し大きいことと価格が上がることです。能力が足りなかったときに困るのは、目的そのものが達成できないこと。失敗したときの痛みが大きいのは、明らかに後者ですよね。
ただし、上げすぎには注意してください。除湿量が大きい機種は本体も大きく重くなり、価格も上がります。ワンルームに18L級を置いても持て余すだけです。目安の1段階上まで、と決めておくとバランスが取れます。選び方の全体像は除湿機の選び方を5つの順番で整理した記事にまとめているので、能力が決まったら次のステップへ進んでみてください。
商品を見比べるときは、商品名や仕様欄に木造と鉄筋の両方が書かれているかを目印にしてください。たとえば次のモデルは「除湿量10L(木造11畳/鉄筋23畳まで)」と両方が明記されていて、この記事で見てきた2倍の開きがそのまま表れています。片方の数字しか書かれていない商品説明を見かけたら、それは条件のいい鉄筋のほうである可能性が高いと考えてください。
掲載の畳数はメーカーの表記です。部屋の構造や築年数、天井の高さによって実際の対応範囲は変わりますので、購入前に各ショップとメーカー公式サイトで最新の仕様をご確認ください。
除湿機の畳数の目安に関するよくある質問(FAQ)
部屋の畳数が分からないときはどうすればいいですか?
床面積から換算できます。1畳はおよそ1.62平方メートルとして計算するのが一般的なので、部屋の縦と横を測って面積を出し、1.62で割ればおおよその畳数になります。たとえば3.6メートル×3.6メートルなら約12.96平方メートルで、8畳ほどという計算です。メーカーの仕様表には平方メートルの表記も併記されていることが多いので、そちらで直接比べる手もありますよ。賃貸なら契約書や間取り図にも記載があります。
畳数の目安より大きい機種を買うと電気代は上がりますか?
1時間あたりの消費電力は上がりますが、1日の電気代が必ず高くなるとは限りません。能力に余裕がある機種は目標湿度に早く達し、そのあとは弱運転で維持できるためです。逆に能力の足りない機種は、フル運転を続けても目標に届かず、結果として長時間動かすことになります。ただし極端に大きい機種を狭い部屋で使うのは無駄が出ます。目安の1段階上まで、という範囲で選ぶのが現実的でしょう。
木造でも新しい家なら鉄筋の数字で見ていいですか?
鉄筋の数字までは見ないほうが安全です。近年の木造住宅は断熱・気密性能が上がっているので、昔ながらの木造より条件はよくなっています。ただし鉄筋コンクリートと同等かというと、そこまでとは言い切れません。プレハブの数値、つまり木造と鉄筋の中間くらいを目安にするのが現実的な落としどころかなと思います。住宅の性能値が分かるなら、施工会社に気密性能を確認してみるのも手です。
複数の部屋で使いたいときは畳数を足せばいいですか?
足し算では考えないでください。適用畳数は「その広さを閉め切った状態」を前提にした数値なので、ドアを開けて2部屋分をまかなおうとすると、空気の量が増えるだけでなく出入りも増えて、想定から大きく外れます。現実的なのは、必要な部屋へ移動させて1部屋ずつ閉め切って使う方法か、部屋ごとに1台ずつ置く方法です。移動させるならキャスターの有無と本体重量を確認しておくと、実際に運用が続きます。
まとめ|畳数の目安は住宅の種類から逆算する
除湿機の畳数の目安について、押さえるべき点を整理します。
適用畳数は木造・プレハブ・鉄筋の3区分で書かれていて、同じ機種でも対応できる広さが2倍前後違います。コロナの実際の仕様表でも、除湿量10L/日のモデルが木造13畳・プレハブ19畳・鉄筋25畳という表記になっていました。通販サイトで大きく書かれている畳数は、条件のいい鉄筋の数字であることが多いので、そのまま鵜呑みにしないでください。
必要な除湿量を出すなら、木造は畳数×0.8、プレハブは畳数×0.5、鉄筋は畳数×0.4という比率が使えます。よく聞く「畳数の半分」という覚え方はプレハブに近い数字なので、木造の家では6割程度の能力しか用意できません。木造10畳なら5Lではなく8L以上が目安になります。
さらに、東日本の50Hzと西日本の60Hzでは、同じ機種でも能力が1割ほど違います。部屋干しをする、浴室に隣接している、北向きの部屋といった条件が重なるなら、目安より1段階上を選んでおくと安心です。
ここで挙げた数値や比率は、メーカーの公表値をもとにした一般的な目安です。住まいの構造や築年数、地域の気候によって実際の必要能力は変わりますので、正確な情報は各メーカーの公式サイトや取扱説明書をご確認ください。設置環境の判断で迷う場合は、最終的な判断は販売店やメーカーにご相談ください。まずは自分の住まいがどの区分かを決めるところから始めてみてくださいね。