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KADEN LAB

LIVING / RESEARCH REPORT

洗濯機の排水口掃除|部品の外し方と封水を戻すまでの4手順

洗濯機の下にある防水パンと排水口の写真に記事タイトルを重ねた表紙スライド

洗濯機の排水口の掃除|外し方とにおい・つまりを防ぐ手順

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

洗濯機の掃除といえば洗濯槽。そう思って槽洗浄を続けているのに、下水のようなにおいが消えない。あるいは、排水の途中でエラーが出て止まるようになった。こうなったとき、原因は槽ではなく足元にあります。

排水口は、洗濯機の中でいちばん見落とされる場所です。洗濯機の下や横に隠れていて、ふたを開けたことすらないという人も少なくありません。それでいて、糸くずと洗剤カスが確実にたまり続けます。

ただ、掃除そのものは難しくありません。部品を外す順番さえ分かれば、特別な道具なしで15〜30分程度で終わります。この記事では、部品の名前と役割から、外し方、洗い方、そして最後に必ずやるべき「封水を戻す」工程まで順番に説明します。

  • 排水口を構成する部品の名前と、それぞれの役割
  • 道具なしでできる掃除の手順を順番に
  • 部品が固くて外れないときの対処
  • パイプ用洗浄剤を使ってよい場面と危険な組み合わせ
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排水口の構造と部品の役割

目皿・封水筒・泡防止パイプ・排水エルボが重なる分解図と、部品ごとの位置と役割、外し方を並べた表のスライド
排水口の部品を上から順に外す構造

排水口の掃除で外すのは、上から順に重なった数点の部品だけです。格子状の目皿、その下で水の仕切りを作る筒、機種によっては泡の逆流を抑えるパイプがあり、床に固定された排水トラップ本体は外しません。部品の点数や形は住まいの排水設備ごとに異なるため、外した順と向きを記録しておけば、組み立て直すときに迷わずに済みます。

そのうえで最も大切なのが、トラップにたまった封水の働きです。この水が下水管と室内のあいだでふたになり、においと虫の通り道をふさいでいます。ところが部品を外すと封水も抜けるため、洗って組み直しただけでは水のない状態のまま作業を終えることになります。掃除の直後からにおいが強まる失敗の多くはこれが原因です。この章では、各部品の位置と役割を確かめたあと、排水トラップがにおいと虫を防ぐ仕組みと、封水が切れやすい場面を整理します。

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目皿・封水筒・泡防止パイプの役割

洗濯機の排水口は、床に開いた穴にいくつかの部品が組み込まれた構造をしています。

いちばん上にあるのが、目皿と呼ばれる格子状のふたです。大きなゴミが落ちるのを防ぐ役割があり、多くは手で持ち上げるだけで外れます。ここに糸くずが引っかかっているのが、外から見える唯一の部分です。

その下にあるのが、筒状の部品です。封水筒、仕切筒などと呼ばれ、水をためる仕切りを作っています。これが下水管からのにおいを止める仕組みの中心にあたります。

さらに、泡防止パイプが組み込まれている機種もあります。洗剤の泡が下水側から逆流するのを防ぐ部品です。

そして、これらを収める本体部分が排水トラップです。トラップ全体で水をためて、下水管と室内を水で仕切っています。

掃除では、目皿から順に、手で外せる部品を上から取り外していきます。日立は排水口のお手入れ手順として、排水ホースを外す、格子状のふたを外す、排水口の中のパーツを外す、という順番を示しています(出典:日立の家電品 排水口のお手入れ方法を知りたいです。(タテ型))。

部品の数と形は、住宅に設置された排水設備によって違います。2〜3点で済むものもあれば、それ以上に分かれるものもあります。外した順番を写真に撮っておくと、戻すときに確実です。

なお、日立は工具などで無理に外そうとするとパーツが破損する可能性があるため、手で外せるパーツだけ外すよう案内しています。すべての部品を外す必要はありません。

→ 横にスクロールできます

部品 位置 役割 外し方の目安
目皿(格子状のふた) いちばん上 大きなゴミの落下を防ぐ 指を引っかけて持ち上げる
封水筒・仕切筒 目皿の下 水をためて下水と仕切る 反時計回りに回す、または引き抜く
泡防止パイプ 筒の内側(機種による) 洗剤の泡の逆流を防ぐ まっすぐ引き抜く
排水トラップ本体 床に固定 封水をためる器 外さない(固定部品)
排水エルボ 排水口の縁 ホースを差し込むL字部品 引き抜く(固い場合は無理をしない)

ここで挙げた名称は住宅設備で一般に使われている呼び方で、洗濯機メーカーの手順ページでは「格子状のふた」「排水口の中のパーツ」といった表現が使われています。名前が違っても、上から順に外して逆順に戻すという原則は同じです。

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排水トラップが下水臭と虫を止めている

排水トラップの断面図で、たまった水が下水管と室内を仕切り、においと虫の侵入を防いでいることを示したスライド
封水が下水のにおいと虫の侵入を止める仕組み

排水口の部品の中でも、機能として最も重要なのが排水トラップです。

この水が下水管との仕切りになり、においも虫も通さない状態を作っています。東京都下水道局は、洗面台や台所ににおいが逆流してくるケースについて、トラップがついていない、正常に機能していないなどの排水設備の不良により臭気が逆流しているものと考えられると説明し、宅内設備の点検をすすめています(出典:東京都下水道局 洗面台や台所に、においが逆流してくる)。

この「封水」というのが、トラップにたまっている水のことです。水が下水管との間にふたを作っている状態と考えてください。水がある限り、においも虫も上がってきません。

逆に言えば、この水が失われるとどちらも通り抜けてきます。封水は使わない期間が長いほど蒸発して減るため、しばらく洗濯をしていなかった家庭では切れていることがあります。

掃除のときに問題になるのが、部品を外すと封水も一緒に抜けてしまうことです。掃除して部品を戻しただけでは、水がない状態でふたを閉めることになります。

だから、日立の手順でも最後に「排水口のパーツを取り付け、排水トラップに水を注ぐ」という工程が入っています。ここを飛ばすと、掃除した翌日から下水のにおいが上がってくることになります。

掃除のあとに「前よりにおうようになった」という現象は、たいていこれが原因です。汚れを落としたのに悪化したように見えるので、原因に気づきにくいところがあります。

もうひとつ、封水があってもにおう場合があります。排水ホースと排水口の接続部に隙間がある場合です。防臭用のゴム部品が付いているか、外れていないかを確認してください。

◆レンのメモ

封水は、排水のたびに入れ替わると考えられます。排水した水がトラップを通るとき、古い水が押し出されて新しい水に置き換わる仕組みだからです。

だから、定期的に洗濯している家庭では封水が切れにくくなります。切れる場面として多いのは、長期間使わなかったときと、掃除で抜いたまま戻し忘れたときの2つです。ほかにも、糸くずが堆積して水を吸い出してしまう場合など、別の原因で切れることもあります。まずはこの2つを確認し、当てはまらなければ設備側を疑ってください。

排水口の掃除手順

ホースを外す作業と目皿から順に部品を外す作業を写真付きで並べ、注意点を添えたスライド
脱水で水を抜いてから部品を外すまでの2手順

作業は4段階で、最後に排水トラップへ水を注ぐ工程まで終えて初めて掃除が完了します。手順そのものは難しくなく、用意する道具もバケツか洗面器、雑巾やタオル、使い古しの歯ブラシ程度で足ります。汚れに直接触れたくなければゴム手袋があると安心です。所要時間は15〜30分ほどで、洗濯機をずらす必要があるかどうかで前後します。

具体的には、槽の水を抜いてから排水ホースを外し、手で動く部品だけを上から取り出し、部品と排水口の内側を洗い、組み直して封水を戻したうえでホースを差し込む、という流れです。水回りの作業なので、始める前に電源プラグをコンセントから外しておくのが確実です。不意の運転を防げるうえ、感電の予防にもなります。各手順では、ホースの中の水をこぼさない抜き方、外した部品を写真に残しておく理由、取り除いた汚れを排水口へ流さない理由、注ぐ水の量と最後の試し排水までを順に説明します。

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手順1:脱水で水を抜いてホースを外す

最初にやるのは、洗濯機の中の水を空にすることです。

日立は、洗濯槽に水が入っている場合は脱水運転をして排水する、という工程から手順を始めています。槽に水が残ったままホースを外すと、その水が床に流れ出します。

次に、床の準備です。排水口の周りに雑巾やタオルを敷いてください。ホースを外すとき、ホースの中に残っていた水が出てきます。量は少しですが、汚れた水なので床に広がると拭き取りが面倒になります。

そしてホースを外します。排水ホースは、排水エルボと呼ばれるL字型の部品に差し込まれているか、排水口へ直接差し込まれています。多くは引き抜くだけで外れますが、固定用のバンドやクリップが付いていることもあります。

引き抜くときは、ホースの先を上に向けてください。下を向けたまま抜くと、中の水がこぼれます。抜いたホースは、バケツの中に立てかけておくと安全です。

ここで作業スペースの確保も考えます。洗濯機が排水口の真上に乗っている設置では、洗濯機をずらす必要が出てきます。無理に動かすと給水ホースが外れる危険があるので、次の見出しで扱う方法を検討してください。

電源については、作業中に誤って運転が始まらないよう、コンセントを抜いておくと確実です。水を扱う作業なので、感電を防ぐ意味もあります。

作業しやすい服装も考えておきましょう。床にしゃがんで手を伸ばす姿勢になるので、動きやすい服装が向いています。ゴム手袋があれば、汚れに直接触れずに済みます。

においが強い場合は、換気扇を回すか、洗面所の扉を開けておいてください。作業中に排水口が開いた状態になるため、下水のにおいが上がってきます。

ここまで準備できたら、部品を外していきます。

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手順2:部品を上から順に外す

部品は上から順に外していきます。

まず目皿(格子状のふた)です。指を引っかけて持ち上げるだけで外れることがほとんどです。糸くずが絡んでいる場合は、先に取り除いてから持ち上げると引っかかりません。

次に、その下の筒状の部品を外します。反時計回りに回すと外れるタイプと、まっすぐ引き抜くタイプがあります。手で回してみて、動く方向を確かめてください。

さらに内側の部品が入っている場合は、同じように外します。日立は「排水口の中のパーツを外す」とだけ書いていますが、これは住宅によって部品構成が違うためです。

ここで重要な注意があります。日立は、工具などで無理に外そうとするとパーツが破損する可能性があるため、手で外せるパーツだけ外すよう案内しています。固くて動かない部品は、無理に外さず、その状態で洗える範囲を洗ってください。

外した部品は、順番が分かるように並べておきます。スマートフォンで写真を撮っておけば、戻すときに迷いません。部品の向き(どちらが上か)も写しておくと確実です。

この段階で、排水口の中を覗いてみてください。ヘドロ状の汚れや、糸くずの塊が見えるはずです。ここが、においとつまりの発生源です。

水がたまっているのが見えても、それは正常です。封水として機能している水なので、無理に抜く必要はありません。

汚れの量に驚くかもしれませんが、数年ぶりの掃除であればそれが普通です。糸くずと洗剤カスが混ざって、灰色や黒のヘドロ状になっているのが一般的な状態でしょう。

この汚れは、洗濯のたびに少しずつ積み重なったものです。1回の洗濯で出る糸くずはわずかでも、年間300回以上洗えばそれなりの量になります。頻度を決めて掃除する意味は、ここにあります。

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手順3:外した部品と排水口の中を洗う

外した部品を洗います。

付いている汚れは、糸くずと皮脂と洗剤カスが混ざったものです。ぬめりがあるので、水を流しながら歯ブラシでこすると落ちます。洗面台やバケツの中で作業してください。

汚れがひどい場合は、浴室用や台所用の中性洗剤を使うと落ちやすくなります。つけおきする場合は、洗剤を溶かした水に10〜20分ほど浸してからこすってください。

次に、排水口の中です。手が届く範囲の汚れを、歯ブラシや細長いブラシで落とします。柄の長いブラシがあると奥まで届きます。

取り除いた汚れは、そのまま排水口に流さないでください。糸くずの塊は下流で詰まる原因になります。ゴミとして捨てるのが確実です。

ホースの内側も確認しておきましょう。先端から覗いて、黒いぬめりが厚く付いているようなら、ホース側の掃除も必要な段階です。ホースは外さずに洗う方法もあるので、別途対応してください。

洗い終わったら、部品を水ですすぎます。洗剤が残ったまま戻すと、次の洗濯で泡立つことがあります。

ここまでで、汚れを落とす作業は完了です。あとは戻すだけですが、この最後の工程が最も重要になります。

洗った部品は、水気を切ってから戻します。完全に乾かす必要はありませんが、汚れが残ったまま戻すと意味がありません。指でなぞってぬめりがないことを確認してください。

作業のあいだに、排水口の周りの床も拭いておきましょう。防水パンの隅に水や糸くずがたまっていると、そこもにおいの発生源になります。

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手順4:封水を戻してからホースを差し込む

部品を戻すときは、外した順番の逆に組み立てます。

写真を撮っておいた場合は、それを見ながら進めてください。部品の向きを間違えると、封水がたまらなかったり、水の流れが悪くなったりします。

すべての部品を戻したら、排水トラップに水を注ぎます。日立の手順でも、排水口のパーツを取り付けたあとに排水トラップへ水を注ぐ工程が明示されています。

注ぐ量は、コップ1〜2杯程度が目安です。水がたまる音がして、それ以上入らなくなれば十分でしょう。あふれるほど入れる必要はありません。

この工程を飛ばすと、封水がない状態になります。封水は下水管からのにおいをふさぎ、下水側から虫が上がる経路もふさぐものです。水がなければ、どちらも通り抜けてきます。

最後に、排水ホースを差し込みます。奥までしっかり差し込み、固定用のバンドがあれば締めてください。浅く差さっているだけだと、脱水時の勢いで抜けることがあります。

差し込んだら、洗濯機に水を張って1回排水してみてください。床に水漏れがないか、排水がスムーズかを確認します。ここで異常がなければ完了です。

戻すときのチェックリスト

①部品を外した逆順に、向きを合わせて組み立てた
②排水トラップにコップ1〜2杯の水を注いだ
③排水ホースを奥まで差し込み、バンドがあれば締めた
④水を張って1回排水し、水漏れがないことを確認した
⑤床とパンの周りを拭き、コンセントを戻した

この5つを確認しておけば、作業のやり残しはありません。特に②を飛ばすと、掃除の効果が逆転してしまいます。

排水口掃除の4ステップ

①脱水で槽の水を抜き、タオルを敷いてホースを外す
②目皿から順に、手で外せる部品だけを外す(写真を撮る)
③部品と排水口の中を歯ブラシで洗う(汚れは流さず捨てる)
④部品を戻して排水トラップに水を注ぎ、ホースを奥まで差し込む

③で使う道具は歯ブラシでも足りますが、排水口の内側は手が届きにくい場所です。柄が長く、奥のぬめりをこそげ落とせる形のブラシもあります。無理に部品を外さず、届く範囲を洗うという方針とも相性のよい道具です。

部品が外れないときの対処

ぬるま湯を注いで待つ方法と、工具で無理に回すのを避ける理由を対比し、手が届かない場合の選択肢を添えたスライド
固くて回らない部品にやってよいことと避けること

部品が固くて回らないときも、洗濯機が邪魔で手が届かないときも、力で押し切らずに届く範囲だけを洗う形で切り上げて構いません。工具でこじると部品が割れるおそれがあり、破損すれば水漏れにつながります。ホースをつないだまま本体を動かせば、接続が外れたり蛇口の付け根を傷めたりします。目皿を持ち上げて、のぞける範囲の汚れを除くだけでも、においとつまりはかなり和らぎます。

固着しているときは、ぬるま湯で汚れをゆるめる方法、回す向きの探り方、それでも動かない場合に業者や管理会社へ任せる判断を順に扱います。あわせて、間隔を空けすぎないことが固着の予防になる点にも触れます。設置の都合で手が届かないときは、水栓を閉めてから本体をずらす際の注意と一人で動かさない理由、かさ上げ台を掃除目的で使うのを勧めない理由、キャスター付きの台に載せてはいけない理由を説明します。

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固くて回らないときにやってよいこと

部品が固着している原因は、洗剤カスが乾いて固まっていることが多くなります。長年掃除していない排水口では、部品同士が接着したような状態になっていることもあります。

まず試したいのが、ぬるま湯を注ぐ方法です。40℃程度のお湯を排水口に流し込み、数分置いてから回してみてください。固まった洗剤カスがゆるむことがあります。

次に、回す方向を確認します。反時計回りで外れる部品が多いのですが、機種によっては逆のこともあります。両方向に軽く力を加えて、動く感触がある方向を探してください。

それでも動かない場合、日立が案内しているとおり、工具で無理に外そうとするのは避けてください。パーツが破損する可能性があり、破損すると水漏れを起こします。

外せない部品がある場合は、その状態で洗える範囲を洗う、という判断で構いません。目皿だけでも外して、見えている汚れを取り除けば、においとつまりはかなり改善します。

どうしても外したい場合は、専門業者へ依頼するのが確実でしょう。ハウスクリーニング業者や水道設備業者が対応しています。賃貸物件であれば、管理会社に相談すると業者を手配してもらえることもあります。

破損してしまった場合も、自分で修理しようとせず業者へ相談してください。排水口の部品は、床下の配管とつながっています。無理な補修は階下への漏水につながる危険があります。

固着を防ぐには、掃除の間隔を空けすぎないことです。汚れが乾いて固まる前に外せば、次回も手で回せます。日立は排水口について1ケ月に一回のお手入れをすすめています。

年に1回しか触らない部品は、次に外すときには必ず固くなっています。頻度を上げるほど1回の作業は軽くなる、という関係が成り立ちます。

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洗濯機が邪魔で手が届かないとき

もうひとつの壁が、設置の問題です。

洗濯機が防水パンの上に乗っていて、排水口が本体の真下に隠れている。このタイプの設置は珍しくありません。手を入れる隙間すらない場合もあります。

洗濯機をずらす方法もありますが、注意が必要です。給水ホースと排水ホースがつながったまま動かすと、ホースが抜けたり、蛇口の接続部が破損したりします。水栓を閉めてから、ホースに余裕がある範囲で動かしてください。

本体は重量があるため、一人での移動は危険です。ドラム式では70kgを超える機種もあります。無理をせず、二人以上で作業するか、業者へ依頼してください。

かさ上げ台で洗濯機の下に高さを作る方法もありますが、掃除のために使うのはおすすめしません。かさ上げでできたすき間に子どもが手を入れ、運転中の回転部で指の一部を切断した事故が報告されています。消費者庁は、かさ上げする場合はメーカーが推奨する部材と、手の挿入を防ぐカバーを使うよう呼びかけています。すき間の掃除も手は入れず、ハンディモップなどの道具を使ってください。

ただし、かさ上げ台を使うと本体の高さが上がるため、洗濯機の上に棚がある場合は入らなくなることがあります。また、機種によっては設置条件から外れる可能性もあるので、購入前に寸法と対応機種を確認してください。

キャスター付きの台に載せるのはやめてください。日立は「大変危険」、パナソニックは「置かないでください」としており、運転中の振動で本体が動いたり、異常振動や漏電の原因になったりするおそれがあります。

どの方法も難しい場合は、排水口の掃除だけを請け負う業者に依頼するという判断もあります。年に1回程度と考えれば、費用対効果は悪くないでしょう。

洗濯機を買い替えるタイミングであれば、設置の見直しもできます。配送業者が設置するときに、排水口へ手が届く配置を相談してみてください。かさ上げが必要な場合は、メーカー推奨の部材と保護カバーをセットで相談してください。

ただし、防水パンのサイズや蛇口の高さによっては選択肢が限られます。設置条件については販売店に確認してください。

パイプ用洗浄剤を使ってよい場面

糸くずを取り除いたあとのぬめりに洗浄剤が効くことと、種類の違う洗浄剤を混ぜない注意をまとめたスライド
パイプ用洗浄剤が効く場面と併用時の注意

この洗浄剤の出番は、目に見える汚れを手で取り除き終えてから、ブラシの届かない配管の奥のぬめりを落とす場面です。主成分が次亜塩素酸ナトリウムの製品が多く、髪の毛や皮脂のような有機物の汚れには働きます。一方で糸くずの塊は分解されにくく、取り除くには手を使うしかありません。洗浄剤は手作業の代わりではなく、仕上げの補助と考えてください。

もうひとつ欠かせないのが安全面です。塩素系の製品を使うときは必ずそれだけにとどめ、種類の違う洗浄剤をあとから続けて流すことも避けてください。排水トラップに前回の洗浄剤が残っていると、酸性のものと混ざって刺激臭のあるガスが出るおそれがあります。この章では、洗浄剤が効く場面と効かない場面、使う頻度と使用後に十分な水を流す理由、洗濯槽と排水口の掃除を同じ日に重ねたときの危険と換気・保護具の注意を整理し、最後によくある質問に答えます。

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使うべき場面と効かない場面

パイプ用洗浄剤が力を発揮するのは、髪の毛や皮脂といった有機物が原因のぬめりです。次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする製品が多く、これらを分解して流します。

したがって、排水口の内側にぬめりが付いている、においがする、といった状態には有効です。手が届かない配管の内部にも作用します。

一方、効きにくいのが糸くずの塊です。繊維は分解されにくいため、洗浄剤を注いでも形が残ります。詰まりの原因が糸くずである場合、物理的に取り除くしかありません。

つまり、パイプ用洗浄剤は「手で取れる汚れを取り除いたあと」に使うものと考えてください。汚れが詰まった状態で注いでも、洗浄剤が下まで届きません。

使い方は製品の表示に従ってください。放置時間を長くすれば効くというものではなく、製品によっては長時間の放置を避けるよう指示されているものもあります。

使用後は、十分な量の水を流してください。洗浄剤が残った状態は、次に説明する危険につながります。

頻度としては、月1回程度で十分でしょう。毎週使うような使い方は、配管への影響を考えると推奨できません。

排水口のカバー類についても触れておきます。市販の排水口カバーやシリコン製のふたは、隙間をふさいでにおいや虫の侵入を防ぐ目的で使われます。封水が切れやすい環境では有効な補助になるでしょう。

ただし、排水の妨げにならないことが前提です。ホースが通る部分に無理な力がかかる形で取り付けると、抜けや水漏れの原因になります。取り付け後に1回排水して、問題がないことを確認してください。

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併用してはいけない組み合わせ

パイプ用洗浄剤で最も注意すべきなのが、他の洗浄剤との併用です。

塩素系と酸性タイプを続けて使わない

国民生活センターは2026年3月18日に注意喚起を出し、キッチンの排水口に塩素系の洗剤を流したところ、酸性の食器洗い機の洗剤と混ざって刺激臭のあるガスが発生した事例を報告しています。同センターは、排水トラップ内には以前に使用した洗浄剤が残留している場合があるため、使用後は十分に水を流し、他の洗浄剤等を続けて使用することは避けるよう呼びかけています。あわせて「塩素系洗浄剤は、必ず単独で使用しましょう」「換気を十分に行い、保護具を着用しましょう」としています(出典:国民生活センター 住宅用塩素系洗浄剤の使い方−まぜるな危険!浴室などで事故が発生しています−)。

洗濯機の排水口で危険なのは、複数の掃除を同じ日にまとめてやるケースです。洗濯槽に塩素系のクリーナーを使い、その水が排水口を通ったあとに、排水口へクエン酸系の洗浄剤を注ぐ。これで混ざります。

種類の違う洗浄剤を使うときは、あいだに十分な量の水を流してください。バケツ1杯程度を勢いよく流し込むと、残留した洗浄剤が押し流されます。

作業中の換気も忘れないでください。洗面所は狭く、扉を閉めると空気が滞ります。同センターも換気を十分に行い、保護具を着用するよう案内しています。

万一、刺激臭を感じたときはその場を離れてください。同センターは、塩素ガスが発生したらその場を離れること、塩素ガスを吸い込んでしまったら医師に相談することを呼びかけています。

なお、詰まりが取れない、水があふれてくる、といった症状が出ている場合は、洗浄剤で解決しようとせず、専門業者へ相談してください。配管側に原因がある可能性があります。

◆レンのメモ

ここまでが、洗浄剤を使うときの判断基準です。手で取れる汚れを先に取る、単独で使う、使ったら水を流す。この3つが原則になります。

洗濯機の排水口掃除に関するよくある質問(FAQ)

排水口の掃除はどのくらいの頻度で必要ですか?

日立は排水口について1ケ月に一回のお手入れをすすめています。ただし、洗濯の回数や洗濯物の内容によって汚れ方は変わります。ペットの毛が多い家庭や、1日に何度も洗濯する家庭では間隔を詰めたほうがよいでしょう。逆に、洗濯回数が少なく、においやつまりの症状が出ていなければ、2〜3か月に1回でも間に合うことがあります。においが出る前の間隔に合わせて調整してください。

掃除したあとに前よりにおうようになりました

封水を戻し忘れている可能性が高いです。部品を外すと、たまっていた水も一緒に抜けます。そのまま組み立てると、下水管と室内が直接つながった状態になり、においが上がってきます。排水口にコップ1〜2杯の水を注いでください。数分でにおいが弱まるはずです。それでも改善しない場合は、部品の組み方が違っている、または排水ホースの接続部に隙間があることが考えられます。

賃貸ですが、自分で掃除してもいいですか?

目皿を外して手の届く範囲を洗う程度であれば、通常の清掃の範囲と考えられます。ただし、部品を破損させた場合や、水漏れを起こした場合は責任の問題が生じます。固くて外れない部品を無理に外そうとしないでください。洗濯機を動かす必要がある場合や、詰まりが取れない場合は、管理会社へ相談するのが確実です。設備の不具合が原因であれば、貸主側の負担で対応してもらえることもあります。

排水口から水があふれてきます

すぐに洗濯機を止めて、それ以上排水しないでください。あふれる原因は排水経路の詰まりですが、洗濯機側なのか建物の配管側なのかで対応が変わります。まず排水口の目皿を外して、糸くずの塊が詰まっていないかを確認してください。取り除いて改善すれば洗濯機側の問題です。取り除いても改善しない、または他の排水口(洗面台・浴室)でも流れが悪い場合は、建物の配管側の可能性があります。管理会社か水道設備業者へ相談してください。

排水口から虫が出てきます。掃除で解決しますか?

封水が切れているか、接続部に隙間がある可能性が高いでしょう。排水トラップにたまった封水は、においをふさぐと同時に、下水側から虫が上がってくる経路もふさいでいます。まず排水口に水を注いで封水を回復させ、次に排水ホースと排水口の接続部に防臭用のゴム部品が付いているかを確認してください。市販の排水口カバーで隙間をふさぐ方法もあります。それでも侵入が続く場合は、建物側の設備を管理会社へ相談してください。

まとめ|最後に水を注ぐまでが掃除

洗濯機の排水口の掃除は、部品を外す順番さえ分かれば道具なしで進められます。用意するのはバケツとタオル、あとは使い古しの歯ブラシ程度です。

手順は4つ。脱水で槽の水を抜いてホースを外す。目皿から順に手で外せる部品だけを外す。部品と排水口の中を洗う。そして部品を戻して排水トラップに水を注ぎ、ホースを差し込む。

この最後の「水を注ぐ」工程が、掃除の成否を分けます。封水がなければ、下水のにおいも虫も上がってきます。掃除したのににおうようになった、という現象のほとんどはここが原因です。

部品が固くて外れないときは、無理をしないでください。日立も手で外せるパーツだけ外すよう案内しています。破損すれば水漏れという別の問題が発生します。外せる範囲だけ洗っても、においとつまりは十分に改善します。

パイプ用洗浄剤は、手で取れる汚れを取り除いたあとに使うものです。繊維でできた糸くずには効きにくいので、詰まりの原因が糸くずなら物理的に取り除くしかありません。そして、種類の違う洗浄剤を続けて使わないこと。これは洗濯機の都合ではなく、安全の問題です。

なお、ここで挙げた頻度や手順はメーカーや公的機関が公表している一般的な目安であり、住宅の設備によって条件は変わります。正確な情報はお使いの洗濯機の取扱説明書をご確認ください。水があふれる、詰まりが取れない、部品を破損したといった場合は、自分で対処せず管理会社・水道設備業者・メーカーのサポート窓口へご相談ください。

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