本サイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています
KADEN LAB

CLIMATE / RESEARCH REPORT

冬場に除湿機は効果ある?結露に効く方式と加湿器との使い分けを解説

暖房の効いた室内と結露した冬の窓を並べ、冬に除湿機を使う理由を示した記事の表紙

冬に除湿機って意味あるの?結露とカビ対策に活かす使い方を整理しました

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

除湿機は梅雨の家電というイメージが強いので、冬場に使うと聞くとちょっと不思議に感じるかもしれません。冬は乾燥する季節ですし、むしろ加湿器を出している家庭のほうが多いはずですよね。それなのに、なぜ冬に除湿機の話が出てくるのか。

答えは結露です。冬の窓ガラスは外気で冷やされていて、そこに部屋の暖かい空気が触れると、空気が抱えきれなくなった水蒸気が水滴に変わります。これが結露で、放っておくと窓枠やカーテン、壁紙にカビが出る。冬の湿気は外から入ってくるのではなく、部屋の中で発生した水蒸気が冷たい場所に集まって水に戻るという形で問題になるんです。部屋の真ん中は乾燥しているのに窓際はびしょ濡れ、という状況が普通に起きます。

ただし、冬に除湿機を使うときは夏と同じ選び方をしてはいけません。除湿の方式によって、冬の効き方が正反対になるからです。夏に強いコンプレッサー式は室温が下がると能力が落ち、冬に強いのはヒーターを使うデシカント式。ここを知らずに買うと、冬にほとんど水が溜まらない1台を手にすることになります。方式の名前は聞き慣れないかもしれませんが、仕組みから順に説明していくので大丈夫ですよ。

この記事では、冬場に湿気が溜まる仕組みから、結露やカビへの効き方、部屋干しでの使い方、そして加湿器と除湿機が同じ家に共存する理由まで整理します。方式選び、置き場所、電気代、使うときの注意点まで順に見ていきましょう。

  • 冬場に湿気が問題になる仕組みと、結露が起きる条件
  • 冬に強い方式と弱い方式の違い、その理由
  • 加湿器と除湿機を同じ季節に使うことがある理由
  • 結露対策としての置き場所と、電気代・注意点

除湿機を冬場に使う理由と効果

まず、冬に湿気で困る場面を整理します。乾燥する季節なのに除湿が要るという矛盾に見える話は、湿度が部屋の中で偏っていることを知ると腑に落ちますよ。

冬場に湿気が溜まる仕組みは結露

室温20度のときの露点温度を比較した図。湿度60%では約12.0度、50%では約9.3度、40%では約6.0度で結露が始まることを示している
湿度を下げると結露までの余裕が6℃分できる

空気が抱えられる水蒸気の量は、温度によって決まります。温度が高いほどたくさん抱えられて、低いほど少ししか抱えられない。この性質が結露の正体です。

暖房の効いた部屋の空気は、水蒸気をたっぷり含んだ状態で部屋を漂っています。それが窓ガラスに触れると、ガラスは外気で冷やされているので空気の温度が急に下がる。すると抱えきれなくなった水蒸気が水に戻り、ガラスの表面に水滴として現れます。空気が水蒸気を抱えきれなくなる温度を露点温度といい、窓ガラスの表面温度がこれを下回ると結露が始まります

ここで大事なのは、結露する場所と乾燥している場所が同じ部屋の中に共存するという点です。部屋の中央は湿度40%で乾燥しているのに、窓際だけ湿度が100%に達して水が垂れている。湿度は部屋全体で均一ではなく、冷たい面のそばで局所的に跳ね上がる——この偏りが冬の湿気問題の本質なんですよね。

この露点温度は、室温と湿度が決まれば計算で出せます。実際に並べてみると、除湿がどれだけ効くのかがはっきりします。室温20℃で湿度を変えた場合の露点温度がこちらです。

室温 湿度 露点温度(結露が始まる表面温度)
20℃ 60% 約12.0℃
20℃ 50% 約9.3℃
20℃ 40% 約6.0℃

読み方はこうです。室温20℃・湿度60%の部屋では、窓ガラスの表面が12℃を下回った時点で結露が始まります。冬の窓ガラスは外気に近い温度まで冷えるので、12℃というのは簡単に下回る数字。だから結露するわけですね。

ところが湿度を40%まで下げると、結露が始まる温度は6℃まで下がります。湿度を20ポイント下げるだけで、窓が6℃ぶん冷えても耐えられるようになる。除湿が結露対策になるというのは、この余裕を作ることなんです。窓を暖めるのは難しくても、空気の水分を減らすことならできる、という考え方ですね。

水蒸気の発生源も冬ならではです。石油ストーブやガスファンヒーターは燃焼するときに水蒸気を出しますし、加湿器は意図的に水蒸気を出しています。調理、入浴、洗濯物の部屋干し、そして人の呼吸も水蒸気を出す。冬は窓を開ける回数が減るので、これらの水蒸気が室内に溜まりやすいんです。

冬場の除湿機はカビとダニ対策になる

結露そのものは水滴なので、拭けば済むように見えます。問題はその先です。

結露した水分は窓枠、カーテンの裾、サッシのゴムパッキン、窓際の壁紙にしみ込みます。ここは日が当たりにくく空気も動きにくいので、水分が長く残る。カビは湿度が60%を超えたあたりから育ちやすくなるので、結露が続く窓際はカビにとって好条件の場所になってしまいます。

厄介なのは、目に見える場所だけでは済まないことです。カーテンの裏、家具と壁の隙間、押入れの北側の壁。空気が動かない場所ほど水分が滞留するので、気づいたときには黒い点が広がっている、ということが起きます。

ダニにとっても湿度は重要です。ダニは高い湿度と適度な温度を好むため、暖房で暖かく保たれた室内で湿度が高い状態が続くと繁殖の条件がそろいます。寝具や畳、カーペットは水分を含みやすいので、結露が出るような住まいでは注意が必要ですね。

冬の寝具は、実は湿気が溜まりやすい場所です。人は寝ているあいだにも汗をかいていて、その水分は布団やマットレスに移ります。冬は布団を干す機会が減りますし、厚手の布団は乾きにくい。フローリングにマットレスを直置きしていると、床との接地面で結露することもあります。

対策としては、寝具の下に空気が通る隙間を作ること、日中は布団をめくって湿気を逃がすこと、そして部屋の湿度を下げることの3つが基本です。湿気を抜く工夫と、湿気を出さない工夫の両方が要るということですね。除湿機は後者を担当します。

除湿機の役割は、この条件を崩すことです。空気中の水蒸気を減らせば、窓ガラスに触れる空気が抱えている水分そのものが減るので、結露する量も減る。除湿機がカビにどこまで効くのか、すでに生えたカビへの対処と予防の線引きはカビ対策の記事にまとめていますので、いま黒い点が出ている場合はそちらも見てみてください。

冬場の部屋干しは乾燥に時間がかかる

もうひとつ、冬に除湿機が活躍するのが部屋干しです。冬は洗濯物が乾きにくい季節ですよね。

理由は2つあります。1つは気温が低いと水が蒸発しにくいこと。もう1つは、外に干しても日照時間が短く、夕方には気温が下がって湿度が上がるため、乾ききらないまま取り込むことになるからです。花粉や乾燥した空気を嫌って室内干しにする家庭も多いので、冬の部屋干しは条件が重なりやすいんです。

乾燥に時間がかかるほど、繊維に残った菌が増えて生乾き臭の原因になります。冬は室温が低いぶん菌の増え方は夏より緩やかですが、乾くまでの時間が長くなるので、結果として臭いが出ることは珍しくありません。

ここで効くのが、洗濯物の周りの空気を乾かすという考え方です。洗濯物から水分が出ていくのは、周りの空気が乾いているときだけ。湿度が高い部屋に干しても、水分の行き先がないので乾きません。除湿機を洗濯物の真下か斜め下に置き、部屋のドアと窓を閉め切って狭い空間に閉じ込めると、乾燥時間は目に見えて縮みます。

冬ならではのポイントもあります。暖房が効いている部屋のほうが洗濯物は早く乾きます。空気は温度が高いほど水蒸気を多く抱えられるので、暖かい部屋のほうが洗濯物の水分を受け取る余地が大きいからです。寒い部屋で除湿機だけを回すより、暖房と組み合わせるほうが結果は早い。デシカント式なら本体からも熱が出るので、この点でも冬向きなんですよね。

ただし、そこに加湿器が加わると話が壊れます。洗濯物を乾かしたい部屋で加湿器を回していると、除湿機が洗濯物と加湿器の両方から水を集めることになる。部屋干しをする部屋では、加湿器は止めてください。洗濯物自体が水蒸気を出すので、干しているあいだは加湿器がなくても湿度は下がりません。

浴室乾燥機がある住まいなら、そちらを先に試す価値があります。浴室は狭くて密閉されているうえ、水に強い構造なので、洗濯物を乾かす場所としては条件が良い。除湿機を買うかどうかは、浴室乾燥機で足りるかを確かめてから判断しても遅くありません。

洗濯物の干し方と風の当て方で乾燥時間がどう変わるかは、部屋干しを早く乾かす記事で整理しています。除湿機と組み合わせるときの置き方の参考になるはずです。

冬場に適した湿度は40〜60%

では、冬はどれくらいの湿度を目指せばいいのか。目安は40〜60%です。これは夏と変わりません。

湿度の範囲 起きやすいこと 対処
40%未満 喉や肌の乾燥・静電気が起きやすい 加湿する
40〜60% 快適とされる範囲 維持する
60%超 カビが育ちやすくなる・結露のリスクが上がる 除湿・換気する

冬に困りやすいのは、この範囲の下と上に同時にはみ出すことです。部屋の中央は40%を切って乾燥しているのに、窓際は60%を大きく超えて結露している。だから加湿器で全体を上げつつ、窓際の水分は結露として失われていくという、なんとも効率の悪い状態が生まれます。

目標を数字で持つには、温湿度計が要ります。しかも1つでは足りません。部屋の中央と窓際の2か所に置くと、偏りの大きさが見えます。中央が45%で窓際が70%なら、加湿ではなく空気の循環が課題だと分かる。数字が2つあると、加湿すべきか除湿すべきかで迷わなくなります

数値はいずれも一般的な目安で、住まいの断熱性能や暖房の種類によって実際の値は変わります。

除湿機と加湿器を同時に使う矛盾

加湿器と除湿機を場所で分ける・時間で分ける・目的で分ける、という3つの使い分けを並べた図
加湿器と除湿機を共存させる3つの分け方

ここまで読むと、冬に除湿機と加湿器の両方を使うのは矛盾じゃないかと思いますよね。まっとうな疑問だと思います。

結論から言うと、同じ部屋で同時に動かすのは基本的に無駄です。加湿器が出した水蒸気を除湿機が回収するだけで、電気代を二重に払って水を移し替えているのと変わりません。これはやめたほうがいいです。

ただし、次のような使い分けなら成立します。

  • 部屋を分ける:リビングは加湿、結露する北側の寝室や洗面所は除湿
  • 時間を分ける:日中は加湿、就寝前に加湿を止めて窓際を除湿
  • 目的を分ける:居室は加湿、部屋干しをする部屋だけ除湿

いちばん多い失敗は、加湿しすぎて結露を自分で作ってしまうパターンです。加湿器の設定を60%にしていると、部屋の中央は快適でも窓際は結露します。結露が出ているなら、まず加湿器の設定を下げるほうが先で、除湿機を足すのはその次。順番を逆にすると、いつまでも水を作っては回収する消耗戦になります。

加湿と除湿のどちらが必要かは、その部屋の湿度を測れば決まります。ここでも温湿度計が判断の土台になりますね。

冬場に使う除湿機の選び方と効率的な使い方

ここからは実践編です。冬の除湿でいちばん差が出るのは方式選びなので、そこから順に見ていきます。すでに1台持っている場合も、自分のものがどちらの方式かを確認しておくと、効かない理由が分かりますよ。

冬場はデシカント式が主役になる理由

冬に使う前提なら、選ぶべきはデシカント式です。ここは夏と答えが逆になります。

デシカント式は、ゼオライトなどの乾燥剤に空気中の水分を吸わせ、その乾燥剤をヒーターで温めて水分を追い出す仕組みです。空気を冷やす工程がないので、室温が低くても除湿能力がほとんど落ちません。冬の脱衣所や北向きの部屋のように、室温が10℃前後しかない場所でも安定して水を取れます。

副産物として、運転中は部屋がほんのり暖かくなります。メーカーの案内ではデシカント式の室温上昇は3〜8℃程度とされていて、夏なら完全にデメリットですが、冬は洗濯物の乾燥を助ける方向に働く。同じ性質が季節で評価を変えるのが面白いところです。(出典:三菱電機「除湿機を使うと暑いと感じる理由」

もうひとつの利点が静かさと軽さです。コンプレッサーを積んでいないので、運転音の質が違いますし、本体も軽い。冬は結露する部屋、部屋干しをする部屋、脱衣所と、使いたい場所が移り変わるので、持ち運びやすさは実用上けっこう効きます。

では通年で使いたい場合はどうするか。ここで候補になるのがハイブリッド式です。コンプレッサー式とデシカント式の両方の仕組みを積んでいて、気温に応じて自動で切り替わります。夏はコンプレッサー側が働いて室温上昇を抑え、冬はデシカント側が働いて低温でも除湿する。季節ごとの弱点をお互いに埋め合う構成ですね。

弱点は本体が大きく重くなること、そして価格が上がることです。2つの仕組みを1台に収めているので当然といえば当然ですが、置き場所と予算のハードルは上がります。冬しか使わないと決まっているならデシカント式のほうが軽くて安い。通年で使うかどうかが、ハイブリッド式を選ぶ唯一の理由と考えていいと思います。

冬に使う前提での優先順位はシンプルです。①方式はデシカント式(通年で使うならハイブリッド式)②置きたい部屋の広さに合った除湿能力 ③運転音と本体の軽さ。この順に絞ると、冬に効かない1台を選ぶ失敗を避けられます。

コンプレッサー式が冬場に弱い理由

では、なぜコンプレッサー式は冬に弱いのか。仕組みを知ると納得できます。

コンプレッサー式は、冷媒で冷やした金属面に空気を触れさせ、結露させて水を集めます。エアコンの除湿と同じ原理ですね。この方式が力を出すには、空気が水蒸気をたくさん含んでいることと、金属面と空気に十分な温度差があることの2つが要ります。

冬はこの前提が崩れます。気温が低い空気はもともと抱えている水蒸気の量が少ないので、冷やしても取れる水が少ない。さらに室温が低いと金属面との温度差もつきにくく、結露そのものが起きにくくなります。メーカーの解説でも、コンプレッサー方式は高温時の除湿能力に優れる一方、低温時には除湿能力が低下すると案内されています。(出典:トヨトミ「コンプレッサー方式とデシカント方式の違い?」)どの温度から落ち始めるかは機種によって差があるので、購入前に仕様を確認してみてください。

機種によっては、低温時に霜取り運転が入ります。冷却部分に付いた霜を溶かすための運転で、そのあいだは除湿が止まる。効いていないように感じる原因のひとつがこれです。故障ではありませんが、冬の実効的な除湿量はさらに下がります。

すでにコンプレッサー式を持っているなら、冬は暖房の効いた部屋で使うのが現実的な妥協点です。室温が上がっていれば能力は戻るので、暖房を入れているリビングの部屋干しなら実用になります。逆に暖房のない脱衣所や北側の部屋では期待しないほうがいいですね。

方式ごとの仕組みと除湿量の出方の違いは方式比較の記事で詳しく解説していますので、手持ちの機種がどちらか分からない場合の見分け方も含めて確認してみてください。

冬場の結露対策としての置き場所

窓に向かって風が流れる位置に除湿機を置いた図と、家具の裏や押入れの奥など見落としやすい結露ポイントの一覧
結露を防ぐ除湿機の置き方と見落としやすい結露ポイント

冬の除湿は、夏とは置き場所の考え方も変わります。狙う相手が部屋全体ではなく、窓際という一点だからです。

基本は結露する窓の近く、窓に向かって風が流れる位置に置くことです。理由は2つあります。1つは窓際の湿った空気を優先的に吸わせるため。もう1つは、動いている空気は結露しにくいので、窓面に風を当てること自体が結露を減らすからです。

ただし、窓にぴったり付けるのは避けてください。本体は吸込口と吹出口で空気を出し入れするので、周囲に空間が必要です。カーテンで吹出口を塞ぐのも同じ理由でよくありません。カーテンは開けておくか、少なくとも除湿機の周りは空けておきます。

結露が出る部屋が複数あるなら、時間で回すのが現実的です。夜のあいだは寝室、朝は洗面所、日中は北側の部屋、といった具合ですね。部屋のどこに置くと効率が良いか、避けたい場所はどこかは置き場所の解説にまとめていますので、夏との違いを比べてみてください。

見落としやすい結露ポイントも押さえておきましょう。冬に水分が溜まるのは窓だけではありません。

  • 北側の外壁に面した壁:室内側の壁面が冷えて、家具の裏で結露することがある
  • 押入れやクローゼットの奥:外壁側の面が冷えるうえ、扉を閉めていると空気が動かない
  • 玄関のドアと床:金属製のドアは冷えやすく、たたきに水滴が出ることがある
  • 窓のサッシ枠:アルミ製の枠はガラスより冷えやすく、パッキン部分に水が溜まる
  • ベッドやマットレスの裏:床に直置きしていると、寝ているあいだの湿気が抜けない

共通するのは、冷えている面と、空気が動かない状態が重なっている場所です。この2つの条件がそろうと、室内の平均湿度が低くてもその一点だけ湿度が跳ね上がります。除湿機を置くときは、こうした場所に風の通り道を作ることも意識してみてください。

空気が動かない場所を作らないことも効きます。家具は壁から少し離す、押入れやクローゼットは時々開ける、カーテンは日中開ける。こうした習慣は除湿機の有無に関係なく効くので、先に整えておくと除湿機の負担が減ります。

冬場の電気代と室温上昇の考え方

デシカント式を勧めておいて何ですが、弱点もあります。それが電気代です。

ヒーターで乾燥剤を温める方式なので、消費電力はコンプレッサー式より大きくなりがちです。計算してみましょう。電気代は「消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量料金の単価」で出ます。単価は目安として1kWhあたり31円で計算します。

条件 計算 1か月の目安
デシカント式(500W)を1日4時間 0.5kW × 120h × 31円 約1,860円
デシカント式(500W)を1日8時間 0.5kW × 240h × 31円 約3,720円
コンプレッサー式(200W)を1日8時間 0.2kW × 240h × 31円 約1,488円

数字だけ見るとコンプレッサー式が安く見えますが、注意が必要です。冬のコンプレッサー式は同じ時間動かしても取れる水が少ないので、電気代だけで比べると判断を誤ります。水1リットルあたりいくらかかったか、という見方をすると評価が逆転することもあるんですよね。

電気代を抑えるコツは、運転時間を絞ることです。結露は夜間から明け方にかけて、外気温が下がる時間帯に最も出ます。日中ずっと回すより、就寝前の数時間と起床後に絞るほうが、同じ効果を短い運転時間で得られます。切タイマーがある機種なら積極的に使いたいところですね。

室温が上がる点は、冬に限っては受け入れやすいと思います。デシカント式で3〜8℃程度の上昇とされているので、脱衣所で使えばヒートショック対策の面でも悪くない。ただし暖房の代わりになるほどの熱量ではないので、暖房器具として期待はしないでください。

冬場に使うときの注意点

最後に、冬ならではの注意点を挙げておきます。

凍結に注意:除湿機のタンクには水が溜まります。暖房を切った部屋や屋外に近い場所で、気温が氷点下になる環境に置いたままにすると、内部やタンクの水が凍って故障の原因になることがあります。使用可能な温度範囲は機種によって決まっているので、取扱説明書とメーカーの公式サイトで必ずご確認ください。物置やガレージなど暖房のない場所での使用は、対応機種かどうかを確認してから判断してください。

燃焼系の暖房器具との組み合わせにも触れておきます。石油ストーブやガスファンヒーターは、燃焼の過程で水蒸気を出します。これらを使っている部屋は湿度が上がりやすいので、除湿機の負担が大きくなる。除湿機で追いかけるより、こまめな換気とセットにしたほうが結果は早いです。

ただし、ここで換気が必要な理由は湿度対策ではありません。石油ストーブやガスファンヒーターのような開放型の燃焼器具は、不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生し、中毒につながるおそれがあります。一酸化炭素は無色無臭で気づきにくく、重い場合は命に関わります。国や関係団体は、こうした器具を使うときは1時間に1〜2回程度、数分間の換気を行うよう呼びかけています。

つまり除湿機を使っているかどうかに関係なく、燃焼系の暖房器具を使う部屋では換気が必須です。除湿機を回しているから窓を閉めきっておこう、という判断はしないでください。換気の方法や頻度は器具によって異なるので、必ず取扱説明書とメーカーの案内に従ってください。

もうひとつ、乾燥のしすぎにも注意してください。冬は湿度が下がりやすい季節なので、除湿機を回しすぎると40%を割り込みます。喉や肌に影響が出ますし、静電気も起きやすくなる。目標は40〜60%の維持であって、下げ切ることではありません。

そして、結露が住まいの構造に起因している場合もあります。断熱性能が低い窓や壁、換気設備の不調など、除湿機で対処しきれない原因があるケースです。毎日拭いても追いつかないほどの結露が続くなら、最終的な判断は専門家にご相談ください。

除湿機の冬場の使用についてよくある質問

冬に除湿機を使うと部屋が寒くなりませんか

寒くはなりません。除湿機はエアコンと違って熱を屋外へ捨てる仕組みを持たないため、運転すると室温はむしろ上がります。とくにデシカント式はヒーターを使うので、3〜8℃程度の室温上昇が目安とされています。夏はこれが欠点になりますが、冬は洗濯物の乾燥を助ける方向に働きます。ただし暖房器具の代わりになるほどの熱量ではないので、暖房として使うことは想定しないでください。

窓の結露は除湿機だけで完全になくせますか

完全になくすのは難しいと考えてください。結露は室内の水蒸気の量と、窓ガラスの表面温度の両方で決まります。除湿機で減らせるのは水蒸気の量だけで、窓が冷たいという条件は変えられないためです。窓の断熱を上げる(内窓、断熱シート、厚手のカーテン)と組み合わせると効果が上がります。加湿器の設定を下げる、燃焼系の暖房器具を減らす、換気するといった対策も同じ方向に効きます。

使わない季節はどう保管すればいいですか

タンクと内部を乾かしてからしまってください。水を残したまま保管すると、次に使うときに内部でにおいが出る原因になります。タンクを空にして洗い、しばらく送風運転をして内部を乾燥させてから、フィルターのほこりを取って収納するのが基本的な流れです。手順や必要な時間は機種によって異なるので、取扱説明書の指示に従ってください。湿気の多い場所での保管も避けたほうが無難です。

石油ストーブと除湿機を同じ部屋で使っても問題ありませんか

先に安全の話をします。石油ストーブやガスファンヒーターのような開放型の燃焼器具は、不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生し、中毒につながるおそれがあります。一酸化炭素は無色無臭で気づきにくいため、これらを使う部屋では1時間に1〜2回程度、数分間の換気を行うよう呼びかけられています。除湿機を使っているかどうかに関係なく、この換気は必ず行ってください。そのうえで効率の話をすると、燃焼器具は水蒸気を出すため除湿機はそれを追いかけ続けることになり、あまり効率的ではありません。設置の際は、暖房器具の近くに除湿機を置かないよう距離を取ることも大切です。換気の方法や頻度は器具によって異なるので、取扱説明書とメーカーの案内に従ってください。

まとめ|除湿機は冬場こそ方式選びで差が出る

冬場の除湿機について、要点をまとめます。

冬に湿気が問題になるのは結露があるからです。暖房で暖まった空気が冷たい窓ガラスに触れると、抱えきれなくなった水蒸気が水滴に変わる。部屋の中央は乾燥しているのに窓際だけ湿度が跳ね上がるという偏りが起きて、その水分が窓枠やカーテン、壁紙のカビにつながります。冬の湿気は外から入ってくるのではなく、室内で作られた水蒸気が冷たい場所に集まる形で問題化するわけですね。

そして冬に使うなら、方式の選択が決定的です。デシカント式は室温が低くても除湿能力が落ちないので冬向き。一方のコンプレッサー式は、空気を冷やして結露させる仕組み上、低温では取れる水が減り、霜取り運転で除湿が止まる時間も出ます。夏に強い方式と冬に強い方式は逆になる、と覚えておくと選び方を間違えません。

効き方を数字で言うと、室温20℃の部屋で湿度を60%から40%に下げると、結露が始まる窓の表面温度は約12℃から約6℃へ下がります。窓そのものを暖めるのは簡単ではありませんが、空気の水分を減らして6℃ぶんの余裕を作ることならできる。これが冬の除湿の考え方です。

使い方は、結露する窓の近くに置いて窓に風が流れる向きにすること、結露が出やすい夜間から明け方に運転を寄せること、そして加湿器と同じ部屋で同時に動かさないこと。結露が出ているなら、除湿機を足す前に加湿器の設定を下げるほうが先です。目標は湿度40〜60%の維持で、下げ切ることではありません。

電気代はデシカント式のほうが高くつきます。500Wの機種を1日8時間動かすと1か月で約3,720円という計算になるので、運転時間を絞る工夫が効きます。ただし冬のコンプレッサー式は同じ時間で取れる水が少ないため、電気代の数字だけで比べると判断を誤る点には注意してください。

記事で挙げた数値はいずれも一般的な目安であり、住まいの断熱性能や機種によって実際の値は変わります。お使いの機種の使用可能温度範囲や仕様は、取扱説明書とメーカーの公式サイトでご確認ください。結露が構造に起因していると思われる場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。