洗濯機の選び方|タイプ・容量・置き場で失敗しない決め方
洗濯機を買い替えようと思って調べ始めると、まず出てくるのが人気ランキングですよね。上位のモデルを見て「これにしようかな」と思ったところで、次に容量の話が出てきて、さらに縦型とドラム式の比較が出てきて、気づけば何から決めればいいのか分からなくなる。洗濯機選びって、検討する項目が多いわりに順番を教えてくれる情報が少ないんです。
そこで先に結論をお伝えします。洗濯機は、ランキングの上位から選ぶのではなく、①置き場の寸法と搬入経路 ②世帯人数から出す容量 ③縦型かドラム式か、という順番で絞っていくと候補が数機種まで減ります。この順番には理由があって、置き場という物理的な制約はどう頑張っても変えられないからです。逆にここを最後に確認すると、気に入った機種が置けないと分かって振り出しに戻ることになります。
この記事では、その3ステップを順番にたどれるように整理しました。防水パンの測り方、蛇口の高さ、搬入経路の確認、人数別の容量早見表、縦型とドラム式の選び分けまで、実際に手を動かす順で並べています。メジャーを1本用意してから読み進めてもらえると、読み終わるころには候補が絞れているはずですよ。
- 洗濯機選びを3ステップで進める理由と全体の流れ
- 防水パン・蛇口・搬入経路を測る具体的な手順
- 世帯人数から必要な容量を出す計算と早見表
- 縦型とドラム式のどちらが自分に向いているかの判断軸
洗濯機の選び方は3ステップで決まる
最初に全体像をつかんでおきましょう。何をどの順番で決めるのかが分かると、情報に振り回されずに済みます。
ランキングから選ぶと失敗する理由
洗濯機のランキングは参考になりますが、選び方の起点にすると危ないんです。理由は単純で、ランキングは「よく売れている順」であって「あなたの家に置ける順」ではないからです。
とくに近年は、乾燥機能付きのドラム式が上位に並びやすくなっています。ドラム式は本体が大きく、幅も奥行きも高さも縦型より必要になることが多い。ランキング上位の機種をそのまま候補にすると、防水パンに収まらない、蛇口に当たって扉が開かない、玄関から入らない、といった物理的な壁にぶつかります。
もうひとつの落とし穴が容量です。ランキングは家族構成を問わずに並んでいるので、一人暮らしの人が4人家族向けの10kgクラスを選んでしまうこともあります。容量が大きい機種は本体も大きく価格も上がるので、置き場を圧迫したうえに予算も膨らむ。
価格帯の感覚もつかんでおくと、ランキングに引っ張られにくくなります。おおまかには、一人暮らし向けの縦型(5〜6kg)で数万円台から、ファミリー向けの縦型(8〜10kg・乾燥なし)で十万円前後まで、乾燥機能付きのドラム式になると十数万円から数十万円という幅になります。同じ容量でも、方式が変わるだけで価格は大きく動くわけですね。価格は時期や販売店によって変動するので、正確な情報は各販売店の公式サイトでご確認ください。
この価格差をどう見るかも、選び方の一部です。ドラム式と縦型の差額が十万円あるとして、その差額で「干す手間が消えること」を買うかどうか。価格差は機能差ではなく、家事の時間を買う金額だと考えると判断しやすくなります。ランキングは、この判断を代わりにしてはくれません。
洗濯機は「変えられない条件」から順に絞るのが鉄則です。置き場の寸法は変えられません。家族の人数もすぐには変わりません。一方で、メーカーや細かい機能は最後まで選択の余地が残ります。変えられないものを先に決めて、選べるものを後に回す。この順番だけで失敗はかなり減らせます。
置き場・容量・タイプの順に絞る

では具体的な3ステップです。この順番で進めてください。
ステップ1:置き場の寸法と搬入経路を測る(防水パンの有効内寸・蛇口の高さ・排水口の位置・玄関から設置場所までの幅)
ステップ2:世帯人数から容量を決める(1人あたり1日1.5kgを基準に、まとめ洗いや毛布の有無で調整)
ステップ3:縦型かドラム式かを選ぶ(洗浄力・乾燥・価格・ランニングコストで比較)
ステップ1で置ける本体サイズの上限が決まり、ステップ2で必要な容量の下限が決まります。この2つで挟むと、候補はかなり絞られるんですよね。置けるサイズの上限と必要な容量の下限がぶつかる場合は、洗濯の回数を増やして容量を落とすか、置き場そのものを工事するかの二択になります。ここが分かっていると、後から慌てずに済みます。
容量の計算をもっと細かく詰めたい場合は、1人1日1.5kgの内訳から人数・頻度別に必要容量を出す手順をまとめた記事が参考になります。
ステップ3のタイプ選びを最後にするのは、ここが唯一「好みで決めていい部分」だからです。縦型もドラム式もそれぞれに得意分野があって、どちらが優れているという話ではありません。置き場と容量の条件を満たす機種の中から、自分の暮らし方に合うほうを選ぶ。この順番なら、選んだあとに置けないと分かる事態は起きません。
所要時間の目安は、ステップ1の採寸が15分ほど、ステップ2は5分、ステップ3の比較検討は好みしだいです。最初の15分の採寸が、この買い物のほぼすべてを決めると言ってもいいくらい大事な工程になります。
ステップ1:洗濯機の置き場と搬入経路を測る
いちばん重要で、いちばん飛ばされやすいのがこの工程です。メジャーを持って洗面所へ行きましょう。測る場所は4か所、所要15分ほどです。
防水パンの有効内寸を測る

洗濯機の下に置かれている四角い受け皿が防水パンです。ここに洗濯機の脚を収めるので、まずこの内側の寸法を測ります。
ポイントは、外側の寸法ではなく内側のフラットな面の寸法を測ることです。防水パンは周囲に立ち上がりの枠があるので、外寸で測ると実際に置けるサイズより大きい数字が出てしまいます。枠を含めない、内側の平らな部分の幅と奥行きを測ってください。
さらに注意したいのが有効内寸です。防水パンの内側には排水口や、その周りの突起がある場合があります。これらを避けて洗濯機の脚を置く必要があるので、突起物を除いた実際に使える平面の寸法が有効内寸になります。排水口が真ん中寄りにあるタイプだと、外寸は足りているのに脚が乗らない、ということが起きます。
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| 測る場所 | 測り方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 内寸(幅・奥行き) | 枠を含めない内側の平面 | 外寸で測ると過大になる |
| 有効内寸 | 排水口や突起を避けた実際に使える面 | ここが本当の制約 |
| 防水パンの高さ | 床から枠の上端まで | かさ上げ台(本体を持ち上げる台)の要否に関わる |
| 洗濯機の脚の位置 | 候補機種の仕様書で確認 | 脚幅は本体幅より狭いことが多い |
防水パンの規格としてよく使われるのは640mm×640mm、小型のものだと600mm×600mmです。ただしこれは規格上の外寸なので、実際に脚を置ける有効内寸はこれより一回り小さくなります。カタログの数字をそのまま使わず、必ず自宅のものを実測してください。(出典:アイリスオーヤマ「防水パンのサイズの測り方と役割とは?」)
ちなみに、洗濯機本体の幅より脚の間隔のほうが狭いのが普通です。だから本体幅が防水パンの内寸を少し超えていても、脚が収まれば設置できる場合があります。逆に脚が収まらなければ、本体が小さくても置けません。見るべきは本体の幅ではなく脚の位置だと覚えておいてください。候補機種が決まったら、メーカーの仕様書で脚の間隔を確認しましょう。
蛇口の高さと排水口の位置
次に上を見ます。洗濯機置き場の壁に付いている蛇口、その高さが2つ目の制約です。
洗濯機は蛇口の真下に置くわけではありませんが、本体の高さが蛇口の位置を超えていると、給水ホースをつなげなかったり、ドラム式の扉が当たって開かなかったりします。床から蛇口のハンドルの一番下までの高さを測って、候補機種の本体高さと比べてください。
この問題はドラム式で起きやすいです。ドラム式は縦型より背が高い機種が多く、蛇口の位置が低い住まいだと物理的に入らない。とくに築年数の経った物件では、洗濯機が小さかった時代の設計のまま蛇口が低く付いていることがあります。
対処法はいくつかあります。壁に沿わせて給水口の位置を高くできる水栓に交換する方法があり、パナソニックの壁ピタ水栓のように、洗濯機用の蛇口の高さを上げられる製品が市販されています。(出典:パナソニック「壁ピタ水栓 CB-L6」)どれくらい高くできるかは製品によって違うので、仕様はメーカーの公式サイトで確認してください。ただし賃貸の場合は、水栓の交換に大家さんや管理会社の許可が必要になることが多いので、事前に相談が必要です。
排水口の位置も見ておきます。防水パンの中に排水口がある場合、洗濯機を置いたあとに排水口が本体の真下に隠れてしまうと、掃除やホースの点検がしづらくなります。かさ上げ台を使って本体を持ち上げると、下に手が入るようになって掃除しやすくなる。ドラム式で蛇口が低い場合の逃げ道としても使えるので、覚えておくと便利ですよ。
搬入経路は幅プラス10cmが目安
最後に、洗濯機が家の中を通れるかを確認します。ここを忘れると、玄関の前で立ち往生することになります。
測るのは、玄関から洗濯機置き場までのすべての通り道です。玄関ドアの開口部、廊下の幅、曲がり角、洗面所の入口。このうちいちばん狭い場所が搬入経路の制約になります。
必要な余裕は、洗濯機の幅にプラス10cm以上が目安とされています。人が両側を持って運ぶので、本体ぴったりの幅では通せません。曲がり角がある場合は、本体の奥行きも関係してくるので、角の手前と奥の両方の幅を測っておくと安心です。
階段を使う搬入では、踊り場の広さと天井の高さも制約になります。エレベーターのない集合住宅の2階以上や、屋内階段のある戸建てでは、搬入できないケースがあります。判断に迷うときは、購入前に販売店へ間取りと寸法を伝えて相談してください。搬入できずに引き取りになると、追加費用が発生する場合があります。正確な情報は購入先の販売店にご確認ください。
実測した数値は、スマートフォンのメモに残しておくと家電量販店で役に立ちます。防水パンの有効内寸、蛇口の高さ、搬入経路の最小幅。この3つをメモしておけば、店頭で「この機種は置けますか」と聞かずに自分で判断できます。
採寸のときは、洗濯機の周囲に必要な余白も忘れないでください。本体を防水パンにぴったり収めても、背面の給排水ホースを通すスペースがなければ設置できません。壁と本体のあいだに数センチの隙間が必要になる機種が多く、この余白ぶんまで含めて置けるかを見ることになります。必要な隙間は機種ごとに決まっているので、候補が絞れたら仕様書の設置寸法図で確認してください。
洗面所の扉の開き方も見ておくと安心です。内開きの扉だと、洗濯機を設置したあとに扉が本体に当たって全開できなくなることがあります。扉が開く軌道の上に本体がかからないか、採寸のついでに確認しておきましょう。
ステップ2:世帯人数から容量を決める
置ける本体サイズの上限が分かったら、次は必要な容量の下限を出します。ここは計算で決まるので迷う余地がありません。
容量の目安は1人1日1.5kg
洗濯機の容量は、洗濯物の重さで表されます。基準になるのが1人あたり1日1.5kgという数字です。これは1日に出る洗濯物の重さの目安で、ここに人数を掛ければ必要な容量が出ます。
計算してみましょう。
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| 世帯人数 | 計算 | 1日に出る量 | 毎日洗う場合の最低容量 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 1.5kg × 1 | 1.5kg | 約1.5kg |
| 2人 | 1.5kg × 2 | 3.0kg | 約3.0kg |
| 3人 | 1.5kg × 3 | 4.5kg | 約4.5kg |
| 4人 | 1.5kg × 4 | 6.0kg | 約6.0kg |
| 5人 | 1.5kg × 5 | 7.5kg | 約7.5kg |
ただし、この数字をそのまま容量にすると失敗します。1.5kgという目安は「毎日きっちり洗う」前提の最小値だからです。実際の生活では、2日に1回まとめて洗ったり、バスタオルやシーツが加わったりします。
調整の考え方はこうです。2日に1回のまとめ洗いなら計算結果を2倍に。週末にシーツや大物を洗うなら、そこにさらに余裕を足します。4人家族で6.0kgと出たとしても、実際に選ぶのは8〜10kgクラスというのが現実的な線になります。
もうひとつ、容量には余裕が必要な理由があります。洗濯槽に洗濯物を詰め込みすぎると、水と洗剤が全体に回らず洗浄力が落ちるんです。洗濯物の量は容量の7〜8割までが目安とされていて、10kgの機種なら7〜8kgで運転するのが本来の性能を出せる使い方になります。定格いっぱいまで入れる前提で容量を選ぶと、洗い上がりに不満が出やすくなります。
容量で迷ったら、大きいほうを選ぶのが無難です。容量が余っても困りませんが、足りないと洗濯回数が増えて水道代も時間も余分にかかります。ただし本体サイズは容量に比例して大きくなるので、ステップ1で測った置き場の上限を超えないことが前提になります。
人数別の容量早見表

計算の考え方を踏まえて、実際に選ぶときの目安をまとめました。まとめ洗いや大物を含めた現実的な数字です。
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| 世帯人数 | 推奨容量の目安 | 選ぶときの考え方 |
|---|---|---|
| 1人暮らし | 5〜6kg | まとめ洗いをするなら6kg以上。毛布を洗うなら7kgも候補 |
| 2人 | 6〜8kg | 共働きで2日に1回なら7kg以上が快適 |
| 3人 | 7〜9kg | 子どもがいると洗濯物が増えやすい |
| 4人 | 8〜10kg | 部活や作業着があるなら10kg以上 |
| 5人以上 | 10kg〜 | 1回で洗いきれる容量を優先 |
この表はあくまで一般的な目安です。同じ人数でも、洗濯の頻度、洗うものの種類、乾燥機能を使うかどうかで必要な容量は変わります。
幅の下側と上側の使い分けも書いておきます。毎日こまめに洗うなら下限側、2日に1回のまとめ洗いや乾燥機能の併用が前提なら上限側を選んでください。メーカーが案内している容量の目安は、毎日洗う前提の数字に近いことが多いので、まとめ洗いをする家庭ではワンクラス上を見ておくとちょうど良くなります。
とくに注意したいのが乾燥機能付きを選ぶ場合です。洗濯容量と乾燥容量は別の数字で、乾燥容量のほうが小さく設定されています。洗濯10kg・乾燥5kgという表記なら、10kg洗えても一度に乾かせるのは5kgまで。洗濯から乾燥まで一気に回したいなら、乾燥容量のほうを基準に選ぶ必要があります。ここは見落としやすいポイントです。
毛布や布団を洗いたい場合も、容量が効いてきます。シングルの毛布1枚でおおよそ2kg前後、洗濯機で洗える大きさかどうかは機種ごとの対応表示で決まります。毛布を家で洗う予定があるなら、購入前に対応の可否を確認しておくと安心ですね。
ステップ3:縦型とドラム式を選び分ける
置き場の上限と必要な容量が決まれば、候補はかなり絞られています。最後にタイプを決めましょう。ここは優劣ではなく、暮らし方との相性で選ぶ部分です。
縦型が向いているのはこんな人
縦型は、洗濯槽の底にあるパルセーターという羽根を回して水流を作り、衣類同士をこすり合わせて洗います。この「かくはん洗い」が縦型の特徴です。
向いているのは次のような場合です。
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| 条件 | 縦型が向く理由 |
|---|---|
| 泥汚れや食べこぼしが多い | たっぷりの水でこすり洗いするため固形の汚れに強い |
| 本体価格を抑えたい | 構造がシンプルで同容量ならドラム式より安い傾向 |
| 設置スペースが限られる | 同じ容量ならドラム式より小さい機種が多い |
| 洗濯物は外干しか部屋干しが基本 | 乾燥機能を使わないならドラム式の強みが活きない |
| 予算を洗浄力に集中させたい | 乾燥機構がないぶん同価格帯なら洗浄性能に振れる |
子どもの体操着や部活のユニフォーム、作業着など、はっきりした汚れを落とす機会が多い家庭では縦型の使い勝手が良いです。水量を使って物理的にこすり落とす方式なので、泥や砂といった固形の汚れに対しては素直に強いという特性があります。
ただし、ひと昔前のように「洗浄力なら縦型」と単純には言い切れなくなっています。ドラム式も洗剤や水流の制御が進化していて、機種ごとの性能差のほうが方式の差より大きいことも珍しくありません。方式で決めつけず、候補機種ごとの仕様を見るのが確実です。
デメリットも押さえておきましょう。縦型は水量を多く使うので、1回あたりの水道代はドラム式より高くなります。乾燥機能が付いている機種もありますが、ヒーターで乾かす方式が主流で、乾燥にかかる時間と電気代はドラム式に分があります。
買ったあとの手入れという観点では、縦型のほうが気楽です。日常的に必要なのは糸くずフィルターのゴミを取ることくらいで、あとは月に一度ほど槽洗浄コースを回せば維持できます。フタが上にあるぶん、洗濯槽の中を覗いて確認しやすいのも地味に助かるところ。
ただし縦型にも弱点があります。洗濯槽の裏側は構造上どうしても洗いにくく、長く使っていると黒いカスが出てくることがあります。これは槽洗浄コースと専用のクリーナーで対処する部分で、方式を問わず洗濯機に共通する課題でもあります。手入れの手間をゼロにできる洗濯機はないと考えて、どの手間なら許容できるかで選ぶのが現実的ですね。
ドラム式が向いているのはこんな人

ドラム式は、斜めまたは水平のドラムを回転させ、持ち上げた衣類を落とす「たたき洗い」で汚れを落とします。少ない水で洗えるのが構造上の特徴です。
向いているのはこんな場合ですね。
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| 条件 | ドラム式が向く理由 |
|---|---|
| 洗濯物を干す時間を減らしたい | 洗濯から乾燥までボタンひとつで完結する |
| 共働きで洗濯が夜になる | 就寝中に乾燥まで終わらせられる |
| 水道代を抑えたい | 1回あたりの使用水量が縦型より少ない |
| 部屋干しのにおいを避けたい | 乾燥まで機械で完結すれば干す工程自体がなくなる |
| 設置スペースに余裕がある | 本体が大きく扉の開閉スペースも必要 |
ドラム式の価値は、洗浄力よりも「干す」という家事がまるごと消えることにあります。洗濯機を回して、干して、取り込んで、たたむ。この工程のうち2つが不要になるので、時間で見ると効果は大きいです。乾燥はドラムの中で衣類を広げながら温風を当てるため、シワが付きにくくふんわり仕上がるという特徴もあります。
水道代でも差が出ます。1回あたりの使用水量はドラム式が縦型のおよそ半分程度とされ、年間で数千円の差になるという試算もあります。ただし乾燥機能を毎回使うと電気代が上乗せされるので、トータルのランニングコストは使い方しだいです。数値はあくまで一般的な目安で、機種や使用頻度によって変わります。
一方で、注意点も明確です。本体価格が縦型より高く、同じ容量でも数万円から十万円以上の差が出ることがあります。本体が大きいので置き場の制約も厳しく、扉が手前に開くタイプでは扉の可動域ぶんのスペースも必要です。ステップ1で測った寸法が、ここで効いてきます。
買ったあとの手入れも、判断材料に入れておいてください。ドラム式で乾燥機能を使う場合、乾燥フィルターのほこり取りは基本的に毎回必要です。ここが詰まると乾燥時間が延び、電気代も増えます。機種によっては乾燥経路の内部にもほこりが溜まるため、定期的な手入れが案内されています。
もうひとつ、ドアのパッキン部分に水や汚れが残りやすいという特徴もあります。使用後に扉を開けて内部を乾かす習慣がないと、においの原因になることがある。干す手間が消える代わりに、フィルター掃除という別の手間が毎回発生する——この交換条件を許容できるかどうかが、実際に使い続けられるかの分かれ目になります。必要な手入れの頻度と方法は機種によって違うので、購入前に取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認しておくと安心です。
縦型とドラム式を洗浄力・乾燥方式の電気代・手入れの5項目で比べた記事では、この判断をさらに細かく分解しています。
乾燥機能を使わない前提なら、ドラム式を選ぶ理由は水道代の節約に絞られます。部屋干しで乾かすなら送風の当て方で乾燥時間はかなり変わるので、干し方の工夫でカバーする道もあります。乾燥機能に価格差ぶんの価値を感じるかどうかが、最終的な判断軸になりますね。
洗濯機の選び方に関するよくある質問(FAQ)
防水パンがない置き場でも洗濯機は設置できますか?
設置できます。防水パンは万一の水漏れを受け止めて階下への被害を防ぐためのもので、洗濯機の動作に必須の部品ではありません。ただし防水パンがない場合は、床に直接置くことになるため、水漏れが起きたときの被害が大きくなります。とくに集合住宅の2階以上では、階下への漏水が賠償問題につながることもあります。防水パンがない置き場では、防水トレーを敷く、排水ホースの接続部を定期的に点検するといった対策をしておくと安心です。賃貸の場合の扱いは契約内容によって異なるので、管理会社に確認してください。
古い洗濯機の処分はどうすればいいですか?
洗濯機は家電リサイクル法の対象品目なので、粗大ごみとして捨てることはできません。主な方法は、新しい洗濯機を買う販売店に引き取ってもらう、購入した店舗に依頼する、自治体が案内する方法で処理する、の3つです。いずれの場合もリサイクル料金と収集運搬料金がかかります。買い替えのタイミングなら、新しい洗濯機の配送時に古い機種を引き取ってもらうのがいちばん手間がかかりません。料金や手順は販売店・自治体によって異なるので、正確な情報は購入先や自治体の公式サイトでご確認ください。
洗濯機の寿命はどれくらいですか?買い替えの目安は?
一般的には7〜10年程度が目安とされています。補修用性能部品の保有期間も、電気洗濯機は製造打ち切り後6年と定められていて、これを過ぎると部品がなく修理できない可能性が高まります。買い替えを検討するサインとしては、脱水時の異音や大きな振動、水漏れ、エラー表示の頻発、洗濯時間が以前より長くなる、といった症状が挙げられます。修理費用が本体価格の半分を超えるようなら、買い替えのほうが結果的に安く済むことも多いです。判断に迷う場合は、メーカーのサポート窓口に型番と症状を伝えて相談してみてください。
設置工事は自分でできますか?
給水ホースと排水ホースの接続だけであれば自分で行うことも可能ですが、販売店の設置サービスを利用するほうが確実です。理由は、水平の調整が不十分だと脱水時に大きな振動や騒音が出ること、排水ホースの接続が甘いと水漏れの原因になること、そして本体が重く運搬時に床や壁を傷つけるおそれがあることです。ドラム式は縦型よりさらに重いので、無理に自分で運ぶのは避けたほうが安全です。多くの販売店では購入時に標準設置サービスが用意されているので、購入前に内容と費用を確認しておきましょう。
一人暮らしでも大きめの容量を選んだほうがいいですか?
置き場に余裕があるなら、少し大きめが使いやすいです。一人暮らしでも毛布やシーツを洗う機会はありますし、まとめ洗いをするなら計算上の1.5kgでは足りません。5〜6kgクラスを基準に、毛布を家で洗いたいなら7kg前後を検討するとよいでしょう。ただし本体サイズは容量に比例して大きくなるので、ワンルームの限られた置き場では入らないこともあります。優先すべきはあくまで置き場の寸法で、そこに収まる範囲でいちばん大きい容量を選ぶ、という順番が失敗しにくいです。
まとめ|洗濯機の選び方は置き場から始める
洗濯機の選び方を、3ステップで整理してきました。最後に流れをおさらいします。
ステップ1は置き場の採寸です。防水パンの有効内寸(枠と突起を除いた実際に使える平面)、蛇口の高さ、排水口の位置、そして玄関から設置場所までのいちばん狭い場所。この4か所を測れば、置ける本体サイズの上限が決まります。搬入経路は本体の幅にプラス10cm以上の余裕を見てください。所要時間は15分ほどですが、この工程が買い物の成否をほぼ決めます。
ステップ2は容量の計算です。1人あたり1日1.5kgを人数分で掛けて、まとめ洗いをするなら2倍に。さらに洗濯槽は容量の7〜8割で使うのが本来の性能を出せるので、計算値より余裕を持たせます。4人家族なら計算上は6.0kgですが、実際に選ぶのは8〜10kgクラスというのが現実的な線でした。乾燥機能付きを選ぶ場合は、洗濯容量ではなく乾燥容量を基準にしてください。
ステップ3でようやくタイプを選びます。泥汚れに強く価格を抑えられるのが縦型、干す手間がまるごと消えて水道代も抑えられるのがドラム式。どちらが優れているという話ではなく、洗濯物の種類と、干す時間を買いたいかどうかで決まります。乾燥機能を使わないなら、ドラム式を選ぶ理由は水道代の節約に絞られます。
この順番で進めれば、気に入った機種が置けないと後から分かる失敗は避けられます。変えられない条件から先に決めて、選べるものを後に回す。それだけのことですが、順番を逆にすると振り出しに戻ることになります。まずはメジャーを持って洗面所へ行ってみてください。
なお、この記事で挙げた寸法・容量・価格の数値はいずれも一般的な目安であり、機種や住まいの条件によって実際の値は変わります。候補機種の正確な仕様は、必ずメーカーの公式サイトでご確認ください。設置の可否や搬入経路の判断に迷う場合は、最終的な判断は販売店・メーカーの専門スタッフにご相談ください。