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LIVING / RESEARCH REPORT

縦型とドラム式はどっち?洗浄力・乾燥の電気代・価格で比較して選ぶ

洗面所のドラム式洗濯機とたたんだタオルの写真に、縦型とドラム式の選び分けを解説する記事タイトルを重ねた表紙

縦型とドラム式はどっち?洗浄力・乾燥・価格で選び分ける

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

洗濯機を買い替えるとき、最後まで悩むのが縦型かドラム式かという選択ですよね。店頭で説明を聞くと「ドラム式は乾燥が便利」「縦型は洗浄力が高い」と言われるものの、じゃあ自分にはどっちなのか、という答えは出ないままだったりします。

先に結論を言うと、この2つに優劣はありません。洗い方の仕組みが違うので、得意な汚れが違うだけなんです。泥や砂のような固形の汚れは縦型が得意で、皮脂汚れはドラム式が得意。どちらが上という話ではなく、あなたの家の洗濯物がどちらに寄っているかで決まります。

そのうえで、実際の判断を分けるのは乾燥機能と価格です。ドラム式には乾燥方式が2種類あって、ヒートポンプ式とヒーター式では乾燥1回の電気代が倍以上違います。この差は本体価格の差とセットで考える必要があって、計算してみると回収に何年かかるかまで出せるんですよ。

この記事では、洗い方の仕組みから乾燥方式の違い、設置スペース、価格、そして買ったあとの手入れまで、5つの視点で並べて比較します。読み終わるころには、自分がどちらを選ぶべきか判断できるようになっているはずです。

  • 縦型とドラム式で洗い方の仕組みがどう違うのか
  • 得意な汚れが分かれる理由と、自分の洗濯物との相性
  • ヒートポンプ式とヒーター式の電気代を計算した差
  • 設置スペース・価格・手入れの手間を含めた総合判断

縦型とドラム式の違いは洗い方にある

まずは仕組みからです。ここが分かると、なぜ得意な汚れが違うのかが理屈で理解できます。

縦型のかくはん洗いの仕組み

縦型洗濯機は、洗濯槽の底にパルセーターと呼ばれる回転する羽根が付いています。これが回ると水流が生まれ、洗濯物が槽の中でぐるぐると動きます。

このとき何が起きているかというと、洗濯物どうしがこすれ合っているんです。水流で衣類が動き、隣の衣類と擦れる。この摩擦で汚れを剥がすのが縦型の洗い方で、かくはん(かき混ぜること)水流によるもみ洗いと呼ばれます。(出典:パナソニック「ドラム式と縦型 洗浄方式の違いは?」

この方式には水がたくさん必要です。洗濯物が自由に動ける状態を作らないと摩擦が生まれないので、槽に水を張って泳がせる必要がある。縦型の水道代がドラム式より高くなるのは、この構造から来ています。

水の量が多いことには利点もあります。洗濯物がしっかり水に浸かるので、洗剤やすすぎが全体に行き渡りやすい。粉末洗剤を使う場合も溶け残りが起きにくく、洗剤の選択肢が広いのは縦型の使いやすさです。柔軟剤の香りをしっかり残したい場合も、水量がある縦型のほうが分散しやすいと言われます。

洗濯物を入れる向きも縦型ならではです。上から放り込めるので、洗濯機の前で身をかがめる必要がありません。洗濯物を出し入れする姿勢の楽さは、毎日使う家電として地味に効いてくる部分ですね。洗濯の途中で入れ忘れに気づいたときも、フタを開けて追加できる機種が多いです。

構造がシンプルなことは、故障のしにくさや修理のしやすさにもつながります。可動部分が少なく、機構が複雑でないぶん、長く使いやすいという評価もあります。仕組みが単純であることは、家電にとって素直な利点ですね。

ドラム式のたたき洗いの仕組み

ドラム式は、円筒形のドラムが回転します。中の洗濯物はドラムの壁面に沿って持ち上げられ、上まで来たところで落下する。このたたき洗いが基本の動きです。

これに加えて、ドラムを急速に反転させて衣類を小刻みに動かすもみ洗いや、押し洗いを組み合わせている機種もあります。持ち上げて落とす、揺すって動かす、押しつける。複数の動作を組み合わせて汚れを落としているわけですね。

ドラム式の特徴は水の量です。ドラムの下側にだけ水を張り、回転で洗濯物を水に浸すので、槽全体を満たす必要がありません。少ない水で洗える構造になっています。

ここが洗浄力に効いてきます。水が少ないということは、その水に溶けた洗剤の濃度が高いということ。濃い洗剤液に衣類を浸して叩くので、洗剤の力を使って落とす汚れに強くなります。パナソニックの解説でも、ドラム式は洗剤液の濃度が高く皮脂汚れが得意とされています。

ドラムの角度にも種類があります。手前に向かって斜めに傾いているタイプと、水平に近いタイプ。斜めドラムは洗濯物の出し入れがしやすい一方、洗濯物が手前に寄りやすいという指摘もあります。水平ドラムは同じ設置面積でも容量を確保しやすく、槽内で洗濯物が均等に動くため洗いムラが出にくいと言われます。使い勝手を取るか、洗い方の均一さを取るかの違いですね。

もうひとつ、ドラム式は洗濯物が上から落ちる構造上、衣類が絡まりにくいという特徴もあります。縦型は水流で回すため長袖のシャツやズボンが絡まることがありますが、ドラム式では起きにくい。取り出すときのストレスが少ないのは、地味ですが毎日効いてくる差です。

洗浄力は得意な汚れで決まる

縦型はかくはん水流で衣類どうしをこすり合わせて物理的に汚れを剥がし、ドラム式は少ない水で濃度の高い洗剤液を使って化学的に分解することを比較した図
縦型とドラム式の洗い方の仕組みの違い

ここまでの仕組みから、得意分野の違いが導けます。

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汚れの種類 得意なタイプ 理由
泥・砂・食べこぼし(固形) 縦型 衣類どうしの摩擦で物理的に剥がす
皮脂・襟袖の黄ばみ(油性) ドラム式 濃い洗剤液で化学的に分解する
汗のにおい どちらも対応可 洗剤と水温の影響が大きい
血液・食品のシミ どちらも部分処理が前提 洗濯前の下処理で決まる

整理すると、物理的に剥がすのが縦型、化学的に溶かすのがドラム式という違いになります。だから子どもの泥だらけのユニフォームには縦型が向き、大人のワイシャツの襟汚れにはドラム式が向く。どちらが優れているという話ではないんですね。

ただし、この違いは以前ほど絶対的ではなくなっています。各社とも水流の制御や洗剤の投入方法を工夫していて、方式による差より機種ごとの性能差のほうが大きいこともあります。方式で決めつけず、候補機種ごとの仕様を見るのが確実です。

洗剤との相性も押さえておきましょう。ドラム式は水量が少ないため、泡立ちすぎる洗剤を使うと泡が抜けきらず、すすぎに時間がかかることがあります。ドラム式対応と明記された洗剤や、液体・ジェルボール型を選ぶのが無難です。縦型は水量があるので洗剤の種類を選びません。

この違いは、洗剤の買い方にも影響します。ドラム式にすると使える洗剤の選択肢がやや狭まる、と考えておくといいですね。とはいえ現在は主要な洗剤のほとんどがドラム式に対応しているので、実用上の不便は小さくなっています。

自分の家の洗濯物を思い浮かべてみてください。泥汚れが定期的に出るなら縦型寄り、そうでないならドラム式でも困りません。この判断は洗浄力というより、生活の中身の話ですね。

乾燥機能で選ぶならドラム式

ここからが実際の判断を分ける部分です。乾燥機能は縦型にもありますが、実用性ではドラム式に分があります。ただしドラム式の中でも方式によって性能が大きく違うので、そこを整理します。

ヒートポンプ式とヒーター式の違い

ドラム式の乾燥方式は大きく2つ、ヒートポンプ式ヒーター式です。この違いを知らずに買うと、電気代で後悔することがあります。

ヒーター式は、電気ヒーターで空気を温めて洗濯物に当てる方式です。ドライヤーの原理に近いですね。温度が高いぶん乾きは早いのですが、電気を熱に変えるので消費電力が大きくなります。

ヒートポンプ式は、エアコンと同じ仕組みを使います。電気で熱そのものを作るのではなく、空気中にある熱を集めて移動させる。だから少ない電力で温風を作れるわけですね。エアコンが電気ストーブより効率よく部屋を暖められるのと同じ理屈です。

この仕組みの違いが消費電力に直結します。パナソニックの解説では、ヒートポンプ式は約65℃の低温風で乾燥させるとされています。一方のヒーター式は機種やモードによって幅があり、低温風で乾かすタイプの室温プラス約15℃から、80℃近くまで上がるタイプまで開きがあります。(出典:パナソニック「ドラム式と縦型 乾燥機能の違い」

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項目 ヒートポンプ式 ヒーター式
仕組み 空気中の熱を移動させる(エアコンと同じ原理) 電気ヒーターで空気を温める
乾燥温度 約65℃の低温風 機種により室温+約15℃〜80℃近くまで幅がある
衣類への影響 縮み・傷みが少ない 傷み・縮みが起きやすい
消費電力 小さい 大きい
本体価格 高い 比較的安い

低温で乾かせることは、衣類にとっても優しいという意味を持ちます。高温で乾かすほど繊維は縮み、傷みやすくなるので、お気に入りの服を乾燥までかけたいならヒートポンプ式のほうが安心ですね。

乾燥1回の電気代を計算する

ヒートポンプ式約25円とヒーター式約52円の差から、週5回使った年間差額約7,020円、本体価格差5万円の回収に約7.1年かかることを段階的に示した図
乾燥方式による電気代の差と本体価格の回収年数

方式の違いは、そのまま電気代に出ます。実際に計算してみましょう。

パナソニックが公開している消費電力量は、ヒートポンプ式の乾燥1回が約800Wh、ヒーター式が約1,670Whです。同じページで示されている電力量の目安単価(1Whあたり0.031円)をかけると、ヒートポンプ式が約25円、ヒーター式が約52円。1回あたり約27円の差になります。

これを年間に換算します。週5回、洗濯から乾燥まで回す家庭を想定してみます。

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方式 計算 年間の電気代(乾燥ぶん)
ヒートポンプ式 25円 × 5回 × 52週 約6,500円
ヒーター式 52円 × 5回 × 52週 約13,520円
差額 約7,020円/年

年間で約7,000円の差になります。ここで本体価格を思い出してください。ヒートポンプ式のほうが本体は高く、機種にもよりますが5万円ほど差が出ることがあります。

5万円 ÷ 7,020円 ≒ 7.1年。これが本体価格の差を電気代で回収するのにかかる年数です。洗濯機の使用年数は7〜10年程度が目安とされているので、毎日のように乾燥を使う家庭なら、ぎりぎり元が取れる計算になります。

逆に、乾燥を使うのが週1〜2回なら回収には20年前後かかることになり、現実的ではありません。乾燥をどれくらいの頻度で使うかが、方式選びの分かれ目ということですね。数値はいずれも一般的な目安で、機種や電力料金プランによって変わります。

もうひとつ、電気代以外の違いも計算に入れてください。ヒートポンプ式は約65℃という低温で乾かすので、衣類の縮みや傷みが起きにくい。お気に入りの服を毎回乾燥までかけるなら、この差は金額に換算しにくい価値になります。逆に乾かすのがタオルと下着だけなら、衣類へのやさしさはあまり効いてきません。

判断の順番としては、①乾燥を週に何回使うか ②何を乾燥にかけるか、の2つを先に決めてから方式を選ぶのがおすすめです。使い方が決まると、方式は自動的に決まると言ってもいいくらいですね。

縦型の乾燥機能はどこまで使えるか

縦型にも乾燥機能付きの機種があります。ただし、ドラム式の乾燥とは実力が違います。

縦型の乾燥はヒーター式が主流です。パナソニックの解説でも、縦型は排気タイプまたは水冷・除湿タイプのヒーター式が採用されています。ヒートポンプ式を積んだ縦型は一般的ではありません。

もうひとつ、構造上の制約があります。縦型は洗濯物が槽の底にたまった状態で温風を当てることになるので、ドラム式のように衣類を舞い上げながら乾かすことができません。乾燥ムラが出やすく、乾燥容量も洗濯容量に対してかなり小さいのはこのためです。

だから縦型の乾燥機能は、洗濯物を全部乾かす前提ではなく、補助的に使うものと考えたほうがいいです。タオルだけ乾燥させる、雨の日に半乾きの洗濯物を仕上げる、といった使い方なら十分に役立ちます。

縦型の乾燥にはもうひとつタイプの違いがあります。排気タイプは湿った空気を室外や室内へ排出する方式で、水冷・除湿タイプは水で冷やして湿気を水に変えて排出する方式です。排気タイプは運転中に湿った空気が出るため、洗面所の湿度が上がることがあります。設置場所の換気を考えるうえで、この違いは知っておくと役立ちます。

実用面での目安としては、縦型の乾燥容量は洗濯容量の半分以下に設定されていることが多いです。洗濯10kgの機種でも乾燥は5kg、さらに小さい機種もあります。縦型で乾燥まで一気に済ませたいなら、乾燥容量を基準に機種を選ぶ必要があり、そうすると本体は大きくなる。結果として、乾燥をしっかり使いたい人はドラム式に行き着くことが多いわけですね。

洗濯物を干す前提なら、乾燥機能に予算を割く必要はありません。部屋干しの乾燥時間は干し方と送風の当て方でかなり変わるので、そちらを工夫するほうが費用対効果は高いです。乾燥機能の価格差ぶんで、サーキュレーターと除湿機の両方が買えることも珍しくありません。

設置スペースと本体価格の差

仕組みと乾燥の違いが分かったところで、現実的な制約を見ていきます。ここで候補が絞られることも多いです。

設置に必要なスペースの違い

同じ容量なら、ドラム式のほうが本体は大きくなります。ドラムを斜めに配置する構造上、幅も奥行きも必要になるからです。

さらにドラム式で見落とされやすいのが、扉の開閉スペースです。ドラム式の扉は手前に開くので、本体の前に扉が開ききるだけの空間が要ります。洗面所が狭いと、扉を開けたときに反対側の壁や洗面台にぶつかることがある。本体が収まるかどうかだけでなく、扉が開くかどうかまで確認してください。

縦型はフタが上に開くので、前方のスペースは要りません。その代わり、上方向に空間が必要です。吊り戸棚や棚板の下に設置する場合、フタが全開できるかを確認しておきましょう。

大まかな傾向として、同じ容量帯なら本体の幅はドラム式のほうが数センチから十数センチ広く、奥行きも同様に大きくなります。10kgクラスで比べると、縦型は幅60cm前後に収まる機種が多いのに対し、ドラム式は幅・奥行きとも60cmを超えることが珍しくありません。標準的な防水パン(640mm角)に対して余裕が少なくなる、というのが実際のところです。

高さの制約も方向が逆です。ドラム式は背が高い機種が多く、蛇口の位置が低い住まいでは物理的に入らないことがあります。縦型は本体の高さ自体は低めでも、フタを開けたときの高さが加わる。ドラム式は蛇口の高さ、縦型はフタの可動域が、それぞれ上方向の制約になると覚えておくと確認しやすいです。

賃貸で洗濯機置き場が狭い場合は、選択肢がほぼ縦型に限られることもあります。ワンルーム向けの物件では防水パンが600mm角ということもあり、そこにドラム式を入れるのは現実的ではありません。設置スペースは好みで動かせない条件なので、ここで決まってしまうケースは意外と多いですね。

設置寸法は機種ごとに異なり、本体の周囲に必要な隙間も仕様で決まっています。防水パンの内寸、蛇口の高さ、扉やフタの可動域、搬入経路のいちばん狭い場所。この4点を実測してから候補を絞ってください。搬入できずに引き取りになると追加費用が発生する場合があります。正確な設置条件は購入先の販売店とメーカーの公式サイトでご確認ください。

本体価格とランニングコストの合計で見る

価格差は、本体だけで判断すると見誤ります。ランニングコストを含めた合計で考えましょう。

本体価格の相場としては、縦型が数万円から十万円前後、ドラム式が十数万円から数十万円という幅があります。同じ容量なら2〜3倍の差が出ることも珍しくありません。

ランニングコストは方向が逆になります。ドラム式は使用水量が少ないため水道代が安く、1回あたりで縦型の6割程度に収まるという試算もあります。年間では数千円の差になる計算ですね。

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項目 縦型 ドラム式
本体価格 安い(数万円〜十万円前後) 高い(十数万円〜数十万円)
水道代 高い 安い(縦型の6割程度が目安)
電気代(洗濯のみ) 安い 安い
電気代(乾燥まで) 高い(ヒーター式) 方式による(ヒートポンプ式なら安い)
干す手間 かかる 乾燥を使えば不要

水道代の差が年間数千円だとすると、本体価格の差10万円を回収するには十数年かかる計算になります。水道代の節約だけでドラム式の価格差を埋めるのは難しいというのが正直なところですね。

だからドラム式を選ぶ理由は、金額ではなく時間になります。干す・取り込む・たたむという工程のうち2つが消えることに、価格差ぶんの価値を感じるかどうか。ドラム式の価格差は機能差ではなく、家事の時間を買う金額と考えると判断しやすくなります。

時間を金額に換算してみると判断しやすくなります。洗濯物を干して取り込む作業が1回15分だとして、週5回なら年間で約65時間。10年使えば650時間です。価格差10万円をこの時間で割ると、1時間あたり約154円という計算になります。この金額で家事の時間を買えると考えるか、高いと考えるか。ここが最終的な判断の分かれ目ですね。

もちろん、干す作業が苦にならない人もいます。外干しの気持ちよさを大事にしたい、天気のいい日に干すのが習慣になっている、という価値観なら、ドラム式の乾燥機能は宝の持ち腐れになります。金額の計算はあくまで参考で、最後は暮らし方との相性です。

買ったあとの手入れの違い

最後に、購入後に毎日効いてくる部分を見ておきます。ここは店頭で説明されにくいところです。

縦型とドラム式で必要な手入れを比べる

縦型は干す手間とフィルター掃除が数回に1回、ドラム式は干す手間が不要になる代わりに乾燥フィルターの掃除が毎回必要になることを比較した図
縦型とドラム式で必要な手入れの違い

どちらも手入れは必要ですが、内容が違います。

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手入れの項目 縦型 ドラム式
糸くずフィルター 数回に1回ゴミを取る 数回に1回ゴミを取る
乾燥フィルター 乾燥を使ったとき 乾燥を使うたび(基本毎回)
ドアパッキン 水や汚れが残りやすく拭き取りが要る
洗濯槽の洗浄 月1回程度が目安 月1回程度が目安
槽内の確認 フタを開けて上から見える かがんで覗き込む必要がある

いちばん差が出るのが乾燥フィルターです。ドラム式で乾燥を使うなら、フィルターのほこり取りは基本的に毎回必要になります。ここが詰まると乾燥時間が延び、電気代も増える。乾燥機能を使うということは、この手間を毎回引き受けるということでもあります。

ドアパッキンの手入れもドラム式特有です。扉のゴム部分に水や糸くずが残りやすく、放置するとにおいの原因になります。使用後に扉を開けて内部を乾かす習慣がないと、カビが出ることもあるんですね。小さなお子さんがいる家庭では、扉を開けっ放しにできない事情もあるので、そのぶん拭き取りをこまめにする必要が出てきます。

乾燥フィルターの掃除がどれくらいの作業かというと、フィルターを引き出して溜まったほこりを取り除き、必要に応じて水洗いして乾かす、という流れです。1回あたり数十秒で済みますが、乾燥を使うたびに発生します。年間250回乾燥を使うなら250回この作業をすることになる、と考えると重みが分かりますね。

面倒に感じてサボると、乾燥時間が延びて電気代が増えるという形で跳ね返ってきます。機種によっては乾燥フィルターの奥にもほこりが溜まり、定期的な分解清掃が案内されているものもあります。ドラム式の乾燥は、掃除とセットで初めて性能が出る機能だと考えておくと、購入後のギャップが小さくなります。

縦型は上から槽内を見渡せるので、汚れの発見が早いという利点があります。かがまずに確認できるのは、日々の管理では意外と大きい差です。洗濯槽の裏側にカビが出る問題はどちらの方式にもありますが、槽の中を目視しやすいぶん、対処のタイミングを逃しにくくなります。

まとめると、ドラム式は「干す手間」が減る代わりに「フィルター掃除」が毎回増えるという交換になります。この交換条件を許容できるかどうかが、実際に使い続けられるかの分かれ目です。手入れの頻度や方法は機種によって違うので、購入前に取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認しておくと安心ですよ。

縦型とドラム式に関するよくある質問(FAQ)

ドラム式は洗浄力が低いというのは本当ですか?

一概には言えません。得意な汚れが違うというのが正確な理解です。ドラム式は少ない水で洗うため洗剤液の濃度が高く、皮脂汚れのような油性の汚れに強い一方、泥や砂のような固形の汚れは衣類どうしをこすり合わせる縦型のほうが落としやすいとされています。かつては「洗浄力なら縦型」と言われていましたが、現在は各社の水流制御や洗剤投入の工夫が進んでおり、方式の差より機種ごとの性能差のほうが大きい場合もあります。候補機種の仕様で比べるのが確実です。

乾燥機能を使わないならドラム式を選ぶ意味はありますか?

水道代の節約という理由は残りますが、本体価格の差を埋めるほどの効果は期待しにくいです。ドラム式の使用水量は縦型の6割程度に収まるとされ、年間で数千円の差という試算があります。一方で本体価格の差は十万円前後になることもあるため、水道代だけで回収するには十年以上かかる計算になります。乾燥を使わない前提なら、縦型を選んで浮いた予算を別のことに回すほうが合理的な場合が多いでしょう。

ドラム式は洗濯物を取り出しにくいと聞きましたが本当ですか?

姿勢の問題があります。ドラム式は前面の扉から出し入れするため、かがんだ姿勢で作業することになります。腰への負担を感じる方もいるでしょう。この点は、かさ上げ台や専用の台を使って本体の位置を高くすると軽減できます。一方の縦型は上から出し入れできますが、槽が深いため底に残った衣類を取るときには腕を伸ばして手を伸ばす必要があります。身長や体格によって使いやすさは変わるので、可能であれば店頭で扉やフタを開けて姿勢を試してみてください。

ヒーター式のドラム式を選ぶメリットはありますか?

本体価格が抑えられる点が最大のメリットです。ヒートポンプ式より数万円安く手に入ることが多く、初期費用を抑えたい場合には有力な選択肢になります。また高温で乾かすため、乾燥時間そのものは短くなる傾向があります。乾燥を使う頻度が週1〜2回程度なら、電気代の差が本体価格の差を上回るまでに長い年数がかかるので、ヒーター式のほうが総額で安く済む可能性があります。ただし高温は衣類が縮みやすいので、乾燥にかける衣類の種類には注意してください。

今まで縦型を使っていた人がドラム式に変えると戸惑いますか?

いくつか慣れが必要な点はあります。運転中に扉を開けられない機種が多いこと、洗濯物の出し入れでかがむ姿勢になること、乾燥フィルターの掃除という新しい作業が加わることなどです。また運転時間が縦型より長い機種もあり、洗濯にかかる時間の感覚が変わります。一方で、干す工程がなくなることの効果は大きいので、生活リズムに合えば手間の総量はむしろ減ります。慣れるまでの数週間をどう見るか、という話ですね。

まとめ|縦型とドラム式は暮らし方で選び分ける

縦型とドラム式、どちらを選ぶべきかを整理します。

まず洗い方の仕組みが違います。縦型はパルセーターが作る水流で衣類どうしをこすり合わせる方式で、泥や砂のような固形の汚れを物理的に剥がすのが得意。ドラム式はドラムの回転で持ち上げて落とすたたき洗いで、少ない水ぶん洗剤液の濃度が高くなり、皮脂汚れのような油性の汚れに強い。優劣ではなく、得意分野の違いです。

次に乾燥機能で差がつきます。ドラム式の乾燥方式にはヒートポンプ式とヒーター式があり、乾燥1回あたり約25円と約52円という差があります。週5回使うと年間で約7,000円の差。本体価格の差が5万円なら回収に約7年かかる計算で、洗濯機の寿命が7〜10年程度であることを考えると、毎日のように乾燥を使う家庭でようやく元が取れるラインです。

そして価格とスペース。ドラム式は本体が大きく、扉が手前に開くぶんの空間も必要です。本体価格は縦型の2〜3倍になることもあり、水道代の節約だけでその差を埋めるのは現実的ではありません。ドラム式を選ぶ理由は金額ではなく、干す手間が消えることへの価値ですね。

最後に手入れ。ドラム式で乾燥を使うなら、乾燥フィルターの掃除が基本的に毎回必要になります。干す手間が減る代わりにフィルター掃除が増える、という交換条件です。

置き場や容量まで含めた全体の進め方は、洗濯機の選び方を3ステップで整理した記事にまとめてあります。

判断の軸をひとつに絞るなら、干す時間を買いたいかどうか。買いたいならドラム式でヒートポンプ式、そうでないなら縦型を選んで予算を別に回す。この線引きがいちばん分かりやすいと思います。

なお、この記事で挙げた価格・電気代・温度などの数値はいずれも一般的な目安であり、機種や契約している電力料金プランによって実際の値は変わります。候補機種の正確な仕様と設置条件は、必ずメーカーの公式サイトと販売店でご確認ください。設置の可否に迷う場合は、最終的な判断を販売店の専門スタッフにご相談ください。