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洗濯機が臭い原因は3つ|洗濯槽・排水口・下水臭の見分け方と対処の手順

明るい洗面所に置かれたドラム式洗濯機の写真に記事タイトルを重ねた表紙スライド

洗濯機が臭い原因はどこ?槽・排水口・下水臭の見分け方

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

洗濯機のにおいが気になって洗濯槽クリーナーを買い、説明どおりに槽洗浄を回した。それでもにおいが消えず、何度か繰り返しても変わらない。そんな状況で検索している方が多いのではないでしょうか。こうなると、洗濯機が壊れたのではないかと不安になってきます。

ここで知っておきたいのは、洗濯機まわりのにおいには発生源が3つあるということです。洗濯槽のカビ、排水口から上がってくる下水のにおい、そして洗濯物そのものに残った雑菌。原因が違えば、対処もまったく変わります。

特に多い取り違えが、下水臭を槽のにおいだと思い込むケースです。排水トラップの水が切れて下水管とつながっている状態なら、洗濯槽を何度洗ってもにおいは止まりません。この記事では、においの種類から発生源を絞り込む順番と、それぞれの対処を整理します。

  • においの種類から発生源を見分ける方法
  • 槽・排水口・洗濯物のどこが原因かを切り分ける手順
  • 発生源ごとの具体的な対処のやり方
  • においを戻さないための毎日の習慣
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洗濯機のにおいは3種類に分かれる

洗濯機まわりで感じるにおいは、酸っぱい・雑巾のようなにおい、下水や生ゴミのようなにおい、乾いた洗濯物が湿ったときの生乾き臭の3つに分けられ、それぞれ発生源が違います。前の2つはそれぞれ洗濯槽の裏側のカビと雑菌、排水トラップの封水切れや接続部の隙間が主な原因です。生乾き臭は繊維に残った雑菌が湿り気で再び増えることで生じます。

見分ける手がかりは、においを感じる場面です。ふたを開けた瞬間や使っていない朝に強いなら槽、ふたを閉めていても部屋に漂うなら排水側、洗い上がりの直後ではなく乾いてから初めてにおうなら干し方の側が疑わしくなります。においの型が決まれば、探す場所を大きく絞り込めます。この章では3つの型それぞれの特徴と見分け方を説明し、表で甘いにおいや局所的なカビ臭も含めて整理します。

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酸っぱい・雑巾のようなにおいは槽のカビ

洗濯機のふたを開けた瞬間に、むわっとした酸っぱいにおいや、濡れた雑巾のようなにおいがする。これが最も一般的なパターンで、原因は洗濯槽の裏側に繁殖したカビと雑菌です。

汚れの成り立ちについて、パナソニックは、洗剤と汚れが結合して洗剤カス(石ケンカス)が発生し、それがタンクや外周部に付着すると、空気中にあるカビがこれらを分解しようとして黒カビになる、と説明しています(出典:Panasonic 洗濯槽の黒カビ 予防と対策)。つまり、洗剤カスと皮脂という「エサ」があるところに、湿気と温度がそろって繁殖が進む形です。

このにおいの特徴は、洗濯機を使っていない時間が長いほど強くなることです。ふたを閉めたまま数日置くと、槽の中の湿度と温度が保たれ、雑菌が増えます。朝いちばんにふたを開けたときが最も強く感じられるのはこのためです。

もうひとつの特徴が、洗い上がった洗濯物にもにおいが移ることです。カビや雑菌が繁殖した水で洗っているので、洗濯物にも同じにおいが付きます。干して乾かせば薄まりますが、湿ると戻ってきます。

黒いカスやワカメ状の汚れが一緒に出ているなら、槽の汚れはかなり進んだ段階です。においだけの段階なら、まだ剥がれるほどには育っていません。

この種類のにおいであれば、対処は槽洗浄です。ただし1回で終わらないことがあり、汚れが厚い場合は複数回の繰り返しが必要になります。

逆に言えば、槽洗浄を何度か繰り返しても変わらないなら、原因は別のところにあると考えたほうがよいでしょう。次の2つを確認してください。

◆レンのメモ

においの強さは季節でも変わります。気温と湿度が上がる梅雨から夏は、同じ汚れの量でも菌の活動が活発になるぶん、においが立ちやすくなります。

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下水のようなにおいは排水トラップの封水切れ

排水トラップの断面図で、封水がたまる部分と下水管のつながりを示し、水が減るとにおいが上がってくる流れを説明したスライド
排水トラップの封水が下水のにおいをせき止める仕組み

洗濯機の周りで、下水のような、あるいは生ゴミのようなにおいがする。これは槽ではなく、排水口が原因です。

洗濯機の排水口には「排水トラップ」という部品が付いています。ここには常に一定量の水がたまる構造になっていて、この水が下水管からのにおいや害虫の侵入を防ぐふたの役目を果たします。この水のことを封水(ふうすい)と呼びます。

この封水がなくなると、下水管と室内が直接つながった状態になります。東京都下水道局は、洗面台や台所ににおいが逆流してくるケースについて、トラップがついていない、正常に機能していないなどの排水設備の不良により臭気が逆流しているものと考えられると説明し、宅内設備の点検をすすめています(出典:東京都下水道局 洗面台や台所に、においが逆流してくる)。洗濯機の排水口も同じ構造なので、考え方はそのまま当てはまります。

洗濯機の排水口で封水が切れる原因は主に2つあります。ひとつは、長期間洗濯をしなかったことによる蒸発。旅行や出張で1〜2週間家を空けたあとに急ににおい始めた、というケースはこれに当たります。

もうひとつが、排水口の掃除をしたあとに水を戻し忘れたケースです。日立は排水口のお手入れ手順の中で、パーツを取り付けたあとに排水トラップへ水を注ぐ工程を示しています(出典:日立の家電品 排水口のお手入れ方法を知りたいです。(タテ型))。掃除して水を抜いたまま戻すと、その日から下水臭が上がってきます。

そのほか、排水ホースが排水口に差し込まれているだけで隙間がある場合や、防臭のためのゴムパッキンが外れている場合にも、においが漏れます。この場合は封水があってもにおいます。

見分け方は簡単で、洗濯機のふたを閉めた状態でも部屋がにおうなら排水側、ふたを開けたときだけにおうなら槽側の可能性が高くなります。

下水臭には、もうひとつ分かりやすい特徴があります。洗濯をしていない時間帯にも、同じ強さでにおい続けることです。槽のカビが原因の場合はふたを開けたときに強く感じますが、下水臭は洗濯機を使っていなくても部屋に漂います。

また、洗濯機を使った直後は弱まり、しばらく使わないと強くなるという出方をするなら、封水の蒸発が進んでいる可能性が高くなります。排水するたびに水が補充され、時間が経つと減っていく。この繰り返しが、においの波として表れます。

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洗濯物から漂う生乾き臭は干し方の問題

3つめが、洗濯機ではなく洗濯物そのものからにおうケースです。

洗い立てのときは気にならないのに、乾いてしばらくすると、あるいは汗をかいて湿ると、においが立ち上がってくる。これは繊維に残った雑菌が水分を得て活動を再開している状態です。

原因は洗濯機側にあることも、干し方にあることもあります。洗濯機側なら槽のカビ、干し方側なら乾くまでの時間が長すぎることが問題になります。濡れた状態が続くほど、雑菌が増える時間を与えることになるためです。

切り分けの方法としては、洗い終わった直後の洗濯物のにおいを確かめてみてください。その時点でにおうなら洗濯機側、乾いてからにおうなら干し方側と考えられます。

干し方が原因の場合の対策は、乾燥時間を短くすることに尽きます。風を当てる、湿気を逃がす、間隔を空けて干す。この3つで乾く時間が変わります。送風の当て方と乾燥時間の関係については、部屋干しの臭いをサーキュレーターで防ぐ|生乾き臭を抑える送風と洗濯のコツで詳しく整理しています。

洗濯物をためこむ習慣も影響します。汗を吸った衣類を洗濯機の中に何日も入れておくと、その間に雑菌が増え、洗っても落ちにくい状態になります。洗濯かごを別に用意するだけで変わってきます。

洗剤の量が足りていないケースもあります。ただし、多く入れれば解決するわけではありません。溶け残った洗剤は槽の汚れになり、次のにおいの原因を作ります。規定量を守ることが結局の近道です。

洗濯機の容量に対して詰め込みすぎている場合も、においが出やすくなります。槽の7〜8割を超えて入れると水流が弱くなり、汚れが十分に落ちません。落ちなかった皮脂が繊維に残れば、それが雑菌のエサになります。

すすぎの回数を減らす節水設定も、条件によっては影響します。洗剤が繊維に残ると、それ自体が雑菌の栄養になるためです。においが気になる時期だけすすぎを1回増やす、という調整も選択肢のひとつです。

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においの種類 においを感じる場面 考えられる発生源 対処
酸っぱい・雑巾のよう ふたを開けた瞬間・使っていない朝 洗濯槽の裏側のカビ 槽洗浄を複数回繰り返す
下水・生ゴミのよう ふたを閉めていても部屋がにおう 排水トラップの封水切れ・接続の隙間 排水口に水を注ぐ・接続を確認
生乾き・汗のよう 乾いた洗濯物が湿ったとき 洗濯物に残った雑菌 乾燥時間を短くする・槽洗浄
甘い・薬品のよう 洗濯直後 洗剤や柔軟剤の入れすぎ・投入口の残り 規定量に戻す・投入口を洗う
カビ臭い(局所的) ドアを開けたとき手前から ドアパッキンの溝・洗剤投入口 溝と投入口を拭く・洗う

においの発生源を特定する順番

においを嗅ぐ・水を流す・時間を置く、の順に発生源を切り分ける手順を写真付きで並べたスライド
発生源を絞り込む3つの手順

においの種類がはっきりしないときや原因が重なっていそうなときは、掃除に手をつける前に発生源を絞り込むのが近道です。手当たり次第に洗うと、どの作業が効いたのかが分からなくなります。特別な道具は要らず、においを嗅ぐ場所を分ける、水を張って排水してから変化を見る、一晩使わずに置いて変化を見る、という順に確かめていけば、主な原因はかなり絞れます。

嗅ぐ場所は、洗濯槽の内側、排水口の周り、洗剤の投入口の3か所です。排水したあとににおいが弱まれば封水切れ、変わらなければ接続部の隙間を疑い、使わずに置く時間が長いほど強まるなら槽のカビが疑わしくなります。この章では、3か所の嗅ぎ方と判断に迷うときの工夫、排水テストと一晩置くテストの見方、集合住宅で管理会社へ相談する目安までを順に説明します。

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においを嗅ぐ場所を3か所に分ける

最初にやるのは、においがどこから来ているのかを物理的に確かめることです。

1か所目は洗濯槽の中。ふたを開けて、槽の内側に鼻を近づけます。ここで強くにおうなら槽が発生源です。ドラム式ならドアを開けて、内部とゴムパッキンの溝を確認してください。

2か所目は排水口の周り。洗濯機の下、または横にある排水口に顔を近づけます。ここでにおうなら排水側です。洗濯機が防水パンの上に乗っていて排水口が見えない場合は、防水パンの隅に鼻を近づけるだけでも違いが分かります。

3か所目は洗剤の投入口です。洗剤ケースを引き出して、内側とその奥をのぞきます。ピンク色のぬめりや黒い点が見えるなら、ここも発生源のひとつです。

この3か所を順番に嗅いでいけば、どこが最も強いかが判断できます。すべてが同じくらいにおう場合は、複数の原因が重なっている状態です。その場合は、対処しやすいところから順に片付けていきます。

においに慣れてしまって判断できないときは、いったん窓を開けて外の空気を吸ってから戻ると、感度が戻ります。家族に確認してもらうのも有効でしょう。

なお、洗面所全体がにおう場合は、洗濯機以外の排水口(洗面台・浴室)が原因のこともあります。洗濯機だけを疑わず、周辺の水回りも確認してください。

においの強さを記録しておくと、対処の効果が判断しやすくなります。5段階でメモしておくだけで十分です。掃除の前後で数字が変わらないなら、探す場所が違っていたということになります。

3か所を確認しても発生源が特定できないときは、補助的に洗濯機の下や裏側も見てください。排水ホースから水がわずかに漏れていると、床や防水パンに水がたまり、そこがにおいの発生源になります。懐中電灯で照らして、濡れた跡がないかを見てください。

嗅ぎ分ける3か所のうち、糸くずフィルターは開けた瞬間に分かりやすい場所です。ぬめりや黒ずみが見つかったときの洗い方は糸くずフィルターの掃除を頻度別にまとめた記事にあります。

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水を流して変化するかで排水側を切り分ける

排水側が原因かどうかを判定する、もう少し確実な方法があります。

やり方は簡単で、洗濯機に水だけを張って「排水」または「脱水」を1回行い、そのあと数分待ってからにおいを確認します。排水すると、その水が排水トラップを通ってたまるため、封水が回復します。

これでにおいが弱くなったなら、原因は封水切れだったと判断できます。長期間洗濯していなかった場合や、排水口を掃除したあとに水を戻し忘れていた場合が該当します。

変わらない場合は、封水はあるがどこかに隙間がある可能性を考えます。排水ホースと排水口の接続部、防臭ゴムの外れ、目皿の浮きなどを確認してください。

もうひとつの簡易テストが、洗濯機を使わずに一晩置いてから確認する方法です。使わない時間が長いほど強くなるなら槽のカビ、使っていなくても一定なら排水側の可能性が高くなります。

集合住宅では、上下階の排水の影響を受けることもあります。自室の排水口をすべて確認してもにおいが残る場合は、管理会社へ相談してください。共用の排水管に問題があるケースも考えられます。

ここまでで発生源が絞れたら、次は対処に移ります。原因ごとにやることが違うので、順番に見ていきましょう。

複数の原因が重なっている場合は、対処しやすいところから順に片付けます。排水口に水を注ぐ作業そのものは数十秒で終わりますし、洗剤投入口を洗うのも浸け置きをしなければ10分程度です。時間のかかる槽洗浄は最後に回しても構いません。

切り分けの3ステップ

①槽の中・排水口の周り・洗剤投入口の3か所を順番に嗅ぐ
②水を張って排水し、数分後ににおいが弱くなるかを見る(弱くなれば封水切れ)
③一晩使わずに置いて、強くなるか一定かを見る(強くなれば槽のカビ)

発生源別の対処法

対処は、突き止めた発生源に合わせて選びます。下水臭に槽洗浄を重ねても改善は見込めず、槽のカビに消臭スプレーを使っても一時的に覆うだけで元に戻ってしまうからです。槽のカビなら槽洗浄を間隔をあけて繰り返し、封水切れならまず排水口に水を注ぎ、投入口やパッキンが原因なら外して洗ってから乾かして戻す、と手当てがそれぞれ異なります。

作業にはいくつか注意点があります。槽洗浄には取扱説明書が認める洗剤を使い、排水口の部品は手で外せるものだけを外してください。排水口へ塩素系のパイプ用洗浄剤を流すときは、必ずほかの洗浄剤と重ねずに使い、酸性タイプなどを続けて流さないでください。この章では、日立のコースの使い分けと頻度の目安、排水口の掃除と接続部の確認、洗剤ケースや自動投入部の手入れ、ピンク色のぬめりを早めに落とす理由までを発生源ごとに説明します。

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槽のカビが原因のとき

洗濯槽の内部写真を背景に、黒カビができる理由と塩素系クリーナーで複数回繰り返す対処をまとめたスライド
槽のカビが原因のときに効く洗浄の考え方

槽のカビが原因の場合、対処は槽洗浄です。

コースの選び方は症状の強さで決めます。日立は縦型の3時間コースを「においの発生を抑制したいときに使用します」、11時間コースを「洗濯槽や洗濯物に汚れが付着したときや、においが気になるときに使用」と使い分けています(出典:日立の家電品 洗濯槽のお掃除(槽洗浄コース)について知りたいです。(タテ型))。においが取れない状態なら11時間コースを選んでください。

洗剤は、取扱説明書が認めているものを使います。日立は洗濯槽用塩素系漂白剤・衣類用塩素系漂白剤・防食剤配合塩素系漂白剤を挙げ、酸素系漂白剤と台所用漂白剤は泡が多量に発生するため使わないよう案内しています。においの原因が雑菌である場合、除菌力の高い塩素系のほうが結果は出やすくなります。

1回で改善しないことも珍しくありません。汚れが厚く堆積している場合、剥がれるのは表面の層だけです。1〜2週間の間隔をあけて2〜3回繰り返し、変化を見てください。

槽洗浄が終わったら、ふたを開けて乾かします。日立はタテ型について、ふたを開けて自然乾燥させることで槽乾燥の代用ができると説明しており、ドラム式では洗濯運転終了後に毎回槽乾燥をすることをすすめています(出典:日立の家電品 洗濯槽洗浄と洗濯槽乾燥をする頻度は、どのくらいですか?)。

それでも改善しない場合は、槽以外の場所を疑ってください。特にドラム式では、ドアのゴムパッキンの溝に汚れがたまり、そこが発生源になっていることがあります。溝に指を入れて拭くと、黒い汚れが取れることがあります。

10年以上使っている洗濯機で、何度繰り返しても改善しないなら、樹脂部品の細かなひび割れに汚れが入り込んでいる可能性があります。この場合は専門業者による分解洗浄か、買い替えの検討という段階になるでしょう。

槽洗浄の効果を長持ちさせるには、終わったあとの使い方も大切です。汚れを落としきった直後は、槽の裏側に新しい汚れが付きやすい状態でもあります。洗剤を規定量で使い、洗濯のたびにふたを開けておけば、次ににおい始めるまでの期間は延びやすくなります。

頻度の目安としては、日立が自動おそうじ機能を設定していない機種で1〜2か月に1回、設定している機種やらくメンテ搭載機種で3〜4か月に1回という間隔を示しています。においが出てから対処するのではなく、出る前に回すほうが手間は小さくなります。

槽洗浄そのものの進め方でつまずきそうなら、槽洗浄コースの4ステップと所要時間をまとめた記事を先に読んでおくと迷いません。

においの原因が槽のカビだった場合に使うのが、この洗濯槽クリーナーです。塩素系は除菌力が高く、においの元そのものに働きます。お使いの機種で使えるかどうかは、購入前にパッケージの対応表示をご確認ください。

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排水トラップの封水切れが原因のとき

下水臭の場合、最初にやることは水を注ぐことです。

排水口のふた(目皿)を外し、コップ1〜2杯の水を注いでください。封水が回復すれば、においは数分から数十分で弱まります。これで解決するなら、原因は蒸発による封水切れだったということです。

それでも改善しないなら、排水口の掃除に進みます。日立が案内している手順は、脱水運転で洗濯槽の水を抜き、排水ホースを外し、格子状のふたと中のパーツを取り外して洗い、最後に排水トラップへ水を注いでからホースを戻す、という流れです。

作業のときに注意したいのが、部品を無理に外さないことです。日立は、工具などで無理に外そうとするとパーツが破損する可能性があるため、手で外せるパーツだけ外すよう案内しています。無理に力を加えると水漏れにつながります。目皿の下の筒状の部品(封水筒)まで含めた外し方と、最後に封水を戻す手順は、洗濯機の排水口掃除を4つの手順に分けて説明した記事にまとめています。

掃除しても改善しない場合は、接続部の隙間を確認します。排水ホースと排水口のあいだに防臭のためのゴム部品が入っているか、外れていないか。ホースが浅く差さっているだけになっていないか。ここが開いていると、封水があってもにおいは上がってきます。

防臭ゴムはホームセンターで入手できますが、サイズが合わないと機能しません。排水口の内径を測ってから購入するか、部品の型番を確認してください。自分で対応できないと感じたら、無理をせず販売店や設備業者へ相談しましょう。

長期間家を空ける予定があるなら、出発前に排水口へ水を注いでおくと、帰宅時のにおいを防げます。封水は放置すれば少しずつ蒸発するため、使わない期間が長いほど切れやすくなります。

排水口の位置によっては、そもそも手が届かないこともあります。洗濯機が防水パンの上に乗っていて、排水口が本体の真下に隠れている設置です。この場合、洗濯機をずらす必要がありますが、無理に動かすとホースが外れて水漏れを起こします。かさ上げ台を使って高さを確保する方法もありますが、機種によっては設置条件から外れるため、購入前に寸法と対応機種を確認してください。

自力での対応が難しいと感じたら、販売店やハウスクリーニング業者へ相談するのが確実です。排水口の清掃だけを請け負うサービスもあります。

排水口にパイプ用洗浄剤を使うときの注意

排水口のにおいに塩素系のパイプ用洗浄剤を使う場合は、必ず単独で使ってください。前に使った洗浄剤が残っている状態で酸性タイプを流すと、塩素ガスが発生します。国民生活センターは2026年3月18日に注意喚起を出し、キッチン排水口で塩素系洗剤と食器洗い機洗剤が混ざり刺激臭のあるガスが発生した事例を挙げたうえで、「使用後は十分に水を流し、他の洗浄剤等を続けて使用することは避けましょう」と呼びかけています(出典:国民生活センター 住宅用塩素系洗浄剤の使い方−まぜるな危険!浴室などで事故が発生しています−)。

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洗剤投入口やパッキンが原因のとき

引き出した洗剤投入口とドラムのパッキン部分の写真を並べ、それぞれの手入れ方法を添えたスライド
槽洗浄の液が届かない洗剤投入口とドアパッキンの溝

ここまでの3つとは別に、局所的な原因として見ておきたいのが、洗剤・柔軟剤の投入口や、ドアパッキンの溝です。

これらの場所は、水と洗剤が残ったまま乾かない構造になっています。槽洗浄コースの洗剤液もほとんど届きません。つまり、槽をどれだけ洗ってもここは汚れたままです。

洗剤ケースが取り外せるタイプなら、外して洗ってください。日立は、洗剤ケースに洗剤や柔軟剤が付着していたり汚れていたりしたら水で洗い流すこととし、汚れがひどいときは約40℃のお湯に約10分浸してから歯ブラシなどで掃除する方法を案内しています。

自動投入機能がある機種では、タンクと経路の手入れが必要です。日立はドラム式の自動投入部について2〜3か月に一度を目安にお手入れをするよう案内しており(出典:日立の家電品 自動投入のお手入れ方法を知りたいです。)、パッキンについては歯ブラシなどで強くこすらないよう注意しています。パッキンが傷むと液漏れの原因になるためです。

ドラム式のドアパッキンは、溝に水と糸くずがたまります。使い終わったあとに乾いた布で溝をひと拭きするだけで、状態はかなり変わります。週1回を目安に習慣化しておくとよいでしょう。

ピンク色のぬめりが出ている場合、それはカビではなく酵母の一種とされています。黒カビより先に現れる性質があるので、ピンクが見えた段階で洗っておけば、黒カビまで進む前に止められます。

洗った部品は、乾かしてから戻してください。濡れたままセットすると、すぐに元の状態に戻ります。

投入口の奥にある経路までは、手や歯ブラシが届きません。日立は自動投入部の経路について、タンクに約40℃のお湯を入れて洗濯機にセットし、お手入れ運転を行う方法を案内しています。手動投入の機種でも、洗剤ケースを外した奥をのぞくと汚れが見えることがあるので、届く範囲を布で拭いておくとよいでしょう。取り外せる洗剤ケースの洗い方や、自動投入の経路を詰まらせない使い方まで知りたい方は、洗剤・柔軟剤投入口のカビ掃除を機種別に整理した記事も読んでみてください。

柔軟剤の投入口は、洗剤側より汚れが残りやすい傾向があります。油分を含むため水で流れにくく、においも強く残ります。においの原因を探しているときは、ここを最初に見てもよいくらいです。

においを戻さないための習慣

洗濯後にふたを開ける・衣類をためない・洗剤を規定量にする、の3点を番号付きで並べたスライド
においが出るまでの期間を延ばす3つの習慣

においを消したあとは、汚れがたまる速度を落とすことで再発までの期間を延ばせます。カビや雑菌が増えるにはエサと水分と温度が要り、家庭で減らせるのはエサと水分です。洗濯後に槽の中を乾かす、脱いだ衣類や洗い終わった洗濯物を槽に置いたままにしない、洗剤と柔軟剤を規定量にとどめる、という道具も費用も要らない動作がその役目を果たします。

ただし、槽を乾かす方法は機種によって異なります。タテ型ならふたを開けて自然に乾かせますが、ドラム式ではドアを閉じた状態を保ち、内部は槽乾燥で乾かしてください。子どもがドラムに入り込んで出られなくなる事故が起きているためで、消費者庁も、使用していないときの扉の閉鎖とチャイルドロックの活用を呼びかけています。この章では、毎日の3つの習慣に加え、旅行や出張で家を空ける前後に排水口と槽で行うことを説明し、最後によくある質問に答えます。

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毎日できる3つのこと

1つめは、洗濯が終わったらふたを開けておくことです。

作業時間は数秒、費用はゼロ。それでいて、槽の内部を乾かしてカビの繁殖を遅らせられます。日立もタテ型について、ふたを開けて自然乾燥させることで槽乾燥の代用ができると説明しています。ただし、ドラム式はドアを開けたままにせず、閉めておいてください。子どもがドラムの中に入って閉じ込められる事故があり、消費者庁は使っていないときは扉を閉めてチャイルドロックを使うよう呼びかけています。ドラム式は槽乾燥で乾かします。

2つめは、洗濯物を洗濯機の中にためないことです。脱いだ衣類を槽に入れておくと、汗の水分で槽内の湿度が上がり、雑菌が増えます。洗濯かごを別に用意して、洗う直前に投入するようにしてください。

洗い終わった洗濯物を放置しないことも同じ理由です。濡れた衣類を入れたままにすれば、槽の中は高湿度が続きます。すぐに干せないときは、せめてふたを開けておきましょう。

3つめは、洗剤と柔軟剤を規定量で使うことです。パナソニックは、洗剤を入れ過ぎると溶け残ってカビの栄養分になると指摘しています。多く入れれば汚れが落ちるという考え方は、においの観点では逆効果になります。

柔軟剤も同様で、規定量を超えると投入口や槽に残ります。香りでにおいを覆う使い方は、根本のにおいを増やすことにつながりかねません。

この3つはどれも道具が要らず、費用もかかりません。それでいて、槽洗浄の間隔を延ばす効果が期待できます。

◆レンのメモ

ここまでが、毎日できる3つの習慣です。どれか1つだけ選ぶなら、ふたを開けることをおすすめします。

ドラム式で乾燥機能を毎回使っている場合は、槽の内部が温風で乾くため、この点では有利に働きます。ただし乾燥フィルターの手入れが毎回必要になるので、別の手間が増えることは考慮してください。

習慣のほかに、部位ごとの掃除間隔を決めておくとにおいが戻りにくくなります。洗濯槽・フィルター・排水口それぞれの目安は掃除頻度を部位別にまとめた記事で確かめられます。

においを戻さない3つの習慣

①洗濯が終わったらふたを開けて乾かす(ドラム式はドアを閉めて槽乾燥)
②洗濯物を洗濯機の中にためない(洗濯かごを別に用意する)
③洗剤と柔軟剤は規定量を守る(多く入れるとカビのエサになる)

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長期間留守にするときの対策

旅行や出張、帰省などで家を空けるときは、封水の蒸発に備えておきます。

出発前にやることは2つ。洗濯槽を空にして乾かしておくことと、排水口に水を注いでおくことです。

槽については、最後の洗濯のあとに槽乾燥を回してください。タテ型ならふたを開けたまま出発する方法もありますが、ドラム式はドアを閉めておきます。濡れたまま数週間閉め切ると、帰宅時には強いにおいが待っています。

排水口については、使わない期間が長いほど封水が蒸発して減っていきます。出発前にコップ1〜2杯の水を注いでおけば、蒸発までの時間を稼げます。

1か月以上の長期になる場合は、封水の蒸発を完全には防げません。帰宅したらまず排水口に水を注ぎ、洗濯機に水を張って1回排水する。これで封水が回復します。

帰宅後ににおいが残っているなら、槽と排水の両方を確認してください。留守のあいだに湿度が高い日が続いていれば、槽のカビも進んでいる可能性があります。

集合住宅で長期不在の家が多い時期は、共用部の排水管でにおいが発生することもあります。自室で対処してもにおいが取れない場合は、管理会社へ相談するのが確実でしょう。

帰宅後の最初の洗濯は、汚れても構わないものから始めると安心です。留守のあいだに槽の内部で汚れが乾いて剥がれ、洗濯物に付く可能性があるためです。タオル類を1回洗ってから、通常の洗濯に戻してください。

季節によっては、留守の前に槽洗浄を済ませておくという方法もあります。汚れを落とした状態で乾かして出発すれば、帰宅時のにおいはかなり抑えられます。

洗濯機のにおいに関するよくある質問(FAQ)

槽洗浄をしてもにおいが取れません。何が悪いのでしょうか?

まず、においの種類を確認してください。下水のようなにおいであれば、原因は排水トラップの封水切れや接続部の隙間なので、槽洗浄では改善しません。排水口に水を注いで変化を見てください。酸っぱいにおいであれば槽が原因ですが、汚れが厚い場合は1回では落ちきりません。11時間コースを1〜2週間おきに2〜3回繰り返してください。それでも変わらないなら、洗剤投入口やドアパッキンの溝を確認しましょう。

洗濯機の消臭スプレーは効果がありますか?

においを一時的に覆う効果は期待できますが、発生源そのものは残ります。カビや雑菌が繁殖している状態では、数時間から数日で元に戻るでしょう。また、洗濯機の取扱説明書で使用が想定されていない製品を槽の中で使うと、部品への影響が確認できません。使用の可否が判断できない製品は、メーカーのサポート窓口へ確認してください。根本的な対処としては、発生源を特定して掃除するほうが確実です。

新しい洗濯機なのににおいます。初期不良でしょうか?

購入から日が浅い場合、槽のカビとは考えにくくなります。設置時に排水トラップへ水が入っていない可能性を確認してください。新規設置や引っ越し直後は封水が空の状態から始まるため、最初の洗濯までは下水臭が上がることがあります。水を張って1回排水すれば解決します。それでもにおう場合は、排水ホースの接続や防臭部品の取り付けを確認し、判断できないときは購入店またはメーカーのサポート窓口へ相談してください。

洗濯物だけがにおうのですが、洗濯機の掃除は必要ですか?

洗い終わった直後の洗濯物のにおいを確かめてみてください。その時点でにおうなら洗濯機側に原因があるので、槽洗浄が必要です。乾いてからにおう、あるいは湿ったときだけにおうなら、繊維に残った雑菌が原因で、干し方や乾燥時間の問題である可能性が高くなります。どちらとも判断がつかない場合は、槽洗浄をしたうえで乾燥時間を短くする工夫を並行して試すと切り分けやすくなります。

排水口から虫が出てくることがあります。においと関係ありますか?

関係がある可能性が高いです。排水トラップにたまった封水は、下水管からのにおいをふさぐと同時に、下水側から虫が上がってくる経路もふさいでいます。つまり、においと害虫の侵入は同じ原因で起こります。封水が切れているか、接続部に隙間があるかのどちらかです。排水口に水を注ぎ、ホースの接続と防臭部品を確認してください。東京都下水道局も、においの逆流について排水設備の不良を原因に挙げ、宅内設備の点検をすすめています。改善しない場合は、建物側の排水設備に問題があることも考えられるため、管理会社や設備業者へ相談しましょう。

まとめ|においの種類で探す場所が決まる

洗濯機まわりのにおいには、発生源が3つあります。洗濯槽のカビ、排水口の封水切れ、そして洗濯物に残った雑菌。原因が違えば対処も違うので、まずどれに当たるのかを見分けることが先決です。

酸っぱい・雑巾のようなにおいで、ふたを開けたときに強く感じるなら槽のカビ。ふたを閉めていても部屋がにおい、下水や生ゴミのようなにおいなら排水トラップ。乾いた洗濯物が湿ったときににおうなら、繊維に残った雑菌です。

判断に迷うときは、3か所を順番に嗅ぐ、水を張って排水してみる、一晩使わずに置いてみる。この3ステップで絞り込めます。

対処は原因に対応させてください。槽のカビなら11時間コースの槽洗浄を複数回。封水切れなら排水口に水を注ぎ、それでも改善しないなら排水口の掃除と接続部の確認。洗濯物の生乾き臭なら、風を当てて乾く時間を短くする。投入口やパッキンといった局所的な原因が見つかったときは、外して洗い、乾かしてから戻す。

そして再発を防ぐのは、ふたを開ける・洗濯物をためない・洗剤を規定量で使う、という3つの習慣です。長期不在の前には排水口に水を注いでおきましょう。

なお、ここで挙げた手順や頻度はメーカーや公的機関が公表している一般的な目安であり、機種や住まいの設備によって条件は変わります。正確な情報はお使いの洗濯機の取扱説明書をご確認ください。排水設備そのものに不具合が疑われる場合や、水漏れ・異音がある場合は、自分で対処せずメーカーのサポート窓口・販売店・管理会社へご相談ください。

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