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槽洗浄コースがない洗濯機の掃除|標準コースのつけおきで代用する4手順

洗面所に置かれたドラム式洗濯機の写真に記事タイトルを添えた表紙スライド

槽洗浄コースがない洗濯機の掃除|つけおきで代用する手順

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

洗濯槽クリーナーを買ってきて、いざ使おうと洗濯機の操作パネルを見たら「槽洗浄」のボタンがない。パッケージの裏には「槽洗浄コースで運転してください」と書いてあるのに、そのコースが存在しない。こういう状況は、少し前の機種や、シンプルな構成の洗濯機では珍しくありません。

結論から言うと、槽洗浄コースがなくても洗濯槽の掃除はできます。あのコースがやっていることは、高い水位で水をため、長い時間つけおきし、そのあとしっかりすすぐという3つだけ。標準コースを途中で止めれば、手動でも同じ状態を作れます。

この記事では、つけおきで代用する手順を機種共通の形で示します。あわせて、一時停止のさせ方が機種によって違うために起こる失敗と、洗剤を切らしたときに代用してよいものの線引きまで扱います。

  • 槽洗浄コースがやっていることの中身
  • 標準コースを使ったつけおきの具体的な手順
  • 一時停止で失敗しやすいポイントとやり直し方
  • 洗剤を切らしたときに代用してよいものと危険なもの
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槽洗浄コースがなくても掃除はできる

高水位・つけおき・すすぎ追加という槽洗浄コースの目的と、標準コースでの代用方法を並べた表のスライド
槽洗浄コースが担う3つの働きと手動での代用方法

専用のコースが付いていないことは、洗濯槽を掃除できない理由にはなりません。槽洗浄コースがしているのは、槽の上端近くまで水を張り、洗剤液に長く浸し、すすぎを重ねるという設定の組み合わせで、特別な装置が働いているわけではないからです。汚れが付いているのは内槽と外槽のすき間という見えない面なので、そこまで液を届けて時間を置き、剥がれたものを流せれば目的は果たせます。

根拠になるのが日立の縦型の案内で、11時間コースのうち約10時間がつけおきに充てられており、長く浸すことがコースの大きな役割だとわかります。この章では、コースの各工程が標準コースのどの操作に置き換えられるかを対応させたうえで、別の名前で搭載されている場合や、つけおきコースで代われる場合も含めて、手元の洗濯機に本当にコースがないかを確かめる順番を示します。

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コースが担っているのは高水位とつけおき

槽洗浄コースの中身を分解すると、次の3つになります。

1つめは高水位です。洗濯槽の汚れは、内槽の外側と外槽の内側という「見えない面」に付いています。標準コースの水位では、槽の上のほうに付いた汚れが水に浸かりません。だから槽洗浄コースは、内槽の上端に近いところまで水をためます。

2つめはつけおき時間です。日立の縦型では、槽洗浄3時間コースのつけおき時間が約1時間40分、11時間コースでは約10時間と案内されています(出典:日立の家電品 洗濯槽のお掃除(槽洗浄コース)について知りたいです。(タテ型))。洗剤が汚れを分解したり剥がしたりするには、それだけの時間が必要ということです。

3つめは複数回のすすぎです。剥がれた汚れをそのまま排水すると経路に詰まるため、注水すすぎを繰り返して流し切ります。

この3つは、標準コースの操作だけで再現できます。水位を最高に設定し、洗い工程の途中で一時停止して時間を稼ぎ、そのあとすすぎと脱水まで回す。それだけです。

実際、洗剤メーカーもこの方法を前提にした手順を案内しています。花王は粉末酸素系の「洗たく槽ハイター」の使い方として、高水位までぬるま湯(または水)をはり、全量を入れて2〜3分運転して溶かし、約2時間放置してから標準コース(洗たく・すすぎ・脱水)で運転する、と示しています。槽洗浄コースを使う前提になっていません。ただし花王は、ドラム式では洗濯槽全体を液に浸せない場合が多く効果が十分に出ないことがあるとして、この製品をドラム式にはすすめていません。ドラム式をお使いなら、取扱説明書が認めている洗剤を選んでください。

つまり「専用コースがないから掃除できない」という状況は、そもそも成立しないわけです。手間が少し増えるだけで、到達点は同じところに置けます。

コースがやっていることと、手動で代用する操作を並べると次のようになります。

→ 横にスクロールできます

槽洗浄コースの働き 目的 手動での代用方法
高水位まで給水する 槽の上部に付いた汚れまで水に浸す 水量を手動で最高値に設定する
数分だけ回して洗剤を溶かす 洗剤液を槽の裏側へ送り込む 標準コースで2〜3分運転する
長時間つけおきする 汚れを分解・剥離させる 一時停止して数時間〜一晩放置する
注水すすぎを複数回行う 剥がれた汚れを流し切る すすぎ→脱水を1〜2回追加する
運転後に槽乾燥・送風する(機種による) 再発を遅らせる ふたを開けて数時間乾かす

こうして並べると、代用でやることは特別な作業ではないとわかります。違いは、自動で進むか自分で操作するかという点だけです。

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自分の洗濯機にコースがあるか確認する

作業に入る前に、本当にコースがないのかを確認しておきましょう。名前が違うだけで搭載されているケースがあるためです。

呼び名はメーカーによって変わります。「槽洗浄」のほかに「槽洗い」「洗濯槽クリーン」「クリーンコース」「お手入れコース」といった表記が使われます。パネルに小さく印字されているだけで、独立したボタンになっていない機種もあります。

確認の順番としては、まず操作パネルのコース一覧を端から読むこと。次に、コース選択ダイヤルを一周させて、通常は使わない位置に何があるかを見ること。そして取扱説明書の目次で「お手入れ」の項目を引くことです。

取扱説明書が手元にない場合は、洗濯機の側面や背面に貼られた銘板シールで型番を確認し、メーカーのサイトで検索すれば電子版が見つかることがほとんどです。型番はアルファベットと数字の組み合わせで、「NW-」「BW-」「BD-」「NA-」「AW-」などから始まるものが一般的です。

もうひとつの確認方法が、洗濯機に「つけおき」コースがあるかどうかです。つけおきコースは本来、汚れのひどい衣類を洗剤液に浸すためのものですが、これを高水位で使えば槽洗浄の代わりになります。停止と再開を手動でやらずに済むぶん、失敗が減ります。

ここまで確認して見つからなければ、いよいよ手動でのつけおきです。二槽式洗濯機や、10年以上前の全自動洗濯機ではこのケースが多くなります。

なお、コースがない機種は自動おそうじ機能も持っていないことがほとんどです。汚れがたまる速度は速いと考えて、掃除の間隔は短めに設定しておくほうが安全でしょう。

◆レンのメモ

コースの有無は、洗濯機の古さだけでは決まりません。シンプルな構成の新しい機種でも、槽洗浄コースを省いているものがあります。

もうひとつ確認しておきたいのが、洗濯機が「槽乾燥」を持っているかどうかです。槽乾燥は汚れを落とす機能ではありませんが、掃除の後に槽を乾かすことで再発までの時間を延ばせます。コースがない機種では、ふたを開けて自然乾燥させる方法で代用してください。日立もタテ型について、ふたを開けて自然乾燥させることで槽乾燥の代用ができると説明しています(出典:日立の家電品 洗濯槽洗浄と洗濯槽乾燥をする頻度は、どのくらいですか?)。

確認した結果コースが付いていたなら、無理につけおきで代用する必要はありません。その場合は槽洗浄コースの手順と所要時間をまとめた記事のほうが素直に進められます。

つけおきで代用する手順

高水位で水をためる・洗剤を回す・一時停止してつけおき・すすぎと脱水、の4手順を矢印でつないだスライド
つけおきで代用するときの4ステップ

槽洗浄コースの役目は、標準コースの運転を途中で自分の手で止め、つけおきの時間を作ることで代わりに果たせます。用意するのは洗濯槽クリーナーと、つけおきに回せる時間の余裕だけです。運転の途中で洗濯機を止める操作が入るため、初めて試すときは説明書をそばに置き、操作を確かめながら進めてください。

工程は、水をためる、洗剤を溶かす、止めて置いておく、汚れを流し切るの4段階です。待ち時間は、花王が案内する酸素系の手順なら約2時間、塩素系で汚れが厚いときは数時間から一晩が目安なので、始める時刻を先に決めておくと途中で止めずに済みます。以下では、衣類を出して高水位で給水するところから、数分回して洗剤を溶かす工程、止めてつけおく工程、浮いた汚れを取り除いてからすすぎを重ねて終える工程までを順に扱い、お湯を使うときの温度の上限や風呂の残り湯を避ける理由にも触れます。

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手順1:高水位に設定して水をためる

最初にやるのは、洗濯槽を空にすることです。衣類が残っていると、塩素系の洗剤で色が抜けたり、繊維が傷んだりします。日立も槽洗浄コースの手順で、洗濯槽内に衣類が残っている場合は必ず取り除くよう案内しています。

糸くずフィルターにたまったゴミも、先に捨てておきましょう。剥がれた汚れが一気に流れ込むと目詰まりを起こし、排水エラーの原因になります。

次に水位の設定です。標準コースを選び、水量の設定を手動で最高値に変更します。自動で水量が決まる機種では、水量ボタンを押して手動設定に切り替える操作が必要になることがあります。

ここで使う水の温度も考えたいところです。酸素系のクリーナーを使う場合、ぬるま湯のほうが反応が活発になります。花王も「ぬるま湯(または水)」という書き方をしています。給湯栓からホースで入れる方法もありますが、外から入れるお湯の温度には上限があります。パナソニックは、お湯を使用する場合は50℃未満の温水を使うこと、50℃未満の設定でも瞬間的に50℃以上のお湯が給水されると給水経路のプラスチック部品が変形して水漏れのおそれがあることを案内しています。取扱説明書に記載がなければ、40℃程度にとどめておくのが安全です。

塩素系のクリーナーであれば、常温の水で問題ありません。むしろ高温になりすぎると成分の分解が早まるため、無理に温める必要はないでしょう。

水がたまったら、いったんスタートボタンで運転を止めるか、給水完了の状態で待ちます。ここで洗剤を入れる準備に移ります。

なお、風呂の残り湯は使わないでください。皮脂や雑菌を槽に持ち込むことになり、掃除の目的と逆方向に働きます。入浴剤が入っている場合は、成分によって金属部品を傷めるおそれもあります。

水をためる量も確認しておきましょう。最高水位で入る水の量は、洗濯容量によって大きく変わります。洗濯容量が大きい機種ほど最高水位の水量も増え、小容量機とは倍近い差が出ることもあります。正確な数値は取扱説明書の仕様欄(標準水量・最高水位の水量)で確認してください。洗剤の使用量は水量を基準に決められているため、水位が低いと濃度が上がりすぎ、高すぎると薄まります。パナソニックは水量50Lに対して衣類用の塩素系漂白剤を約200mLという示し方をしているので、これを基準に自分の機種の水量で換算すると計算しやすくなります。

たとえば水量が60Lなら、60 ÷ 50 × 200 = 240mL という計算です。ただし、製品に使用量の記載がある場合や、洗濯機メーカーが目安量(日立は縦型500mL・ドラム式200mL)を示している場合は、そちらが優先されます。

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手順2:洗剤を入れて数分だけ回す

水がたまったら洗剤を投入します。入れる場所は洗剤ケースではなく、洗濯槽へ直接です。洗剤ケースに入れると、自動投入機能のある機種では次の洗濯にも影響が出ます。

洗剤の量は、製品に書かれている使用量に従ってください。記載がないときの目安として、日立は縦型で500mL、ドラム式で200mLという数字を挙げています(ドラム式の出典:日立の家電品 洗濯槽のお掃除(槽洗浄コース)について知りたいです。(ドラム式))。粉末タイプの場合は、1袋を全量使い切る指定になっている製品が多くあります。

入れたら、そのまま数分だけ運転します。花王の手順では2〜3分運転して溶かす、とされています。この短い運転には2つの意味があります。ひとつは洗剤を水全体に行き渡らせること、もうひとつは槽を回転させて洗剤液を裏側へ送り込むことです。

粉末タイプでは、この工程を省くと溶け残りが底にたまります。濃度が偏るだけでなく、溶け残った粉が排水経路に流れて詰まる原因にもなるため、確実に溶かしてください。

回している最中に水面を見ておくと、汚れの状態がある程度わかります。すぐに黒い破片が浮いてくるようなら、汚れがかなり進んでいる証拠です。この場合はつけおき時間を長めに取ってください。

逆に、数分回しても水がきれいなままなら、汚れは薄い段階です。つけおきは短めでも構いません。

洗剤が溶けたら、次の工程に進みます。ここからが、槽洗浄コースの代わりになる部分です。

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手順3:一時停止してつけおきする

一時停止後の放置時間の目安と、途中で数分だけ運転を再開して撹拌する効果を説明したスライド
つけおきの放置時間と途中で撹拌する効果

洗剤が溶けたところで運転を一時停止し、そのまま放置します。これがつけおきです。

放置する時間は、洗剤の種類と汚れの度合いで決めます。花王の酸素系クリーナーの手順では約2時間。塩素系で汚れが厚い場合は、槽洗浄11時間コースのつけおき時間が約10時間であることを踏まえると、数時間から一晩が目安になります。

一時停止のやり方は機種によって異なります。多くの機種ではスタート/一時停止ボタンを押せば止まりますが、一定時間が経過すると自動で電源が切れ、そのときに排水されてしまうタイプもあります。この点は次の見出しで詳しく扱います。

つけおきの最中は、ふたを開けて中を見ても構いません。むしろ酸素系を使っている場合は、途中で様子を見ておくと汚れの出方がわかります。ただし、ふたの開閉が運転のキャンセル扱いになる機種もあるので、初回は慎重に確認してください。

途中で1〜2回、数分だけ運転を再開して撹拌(かくはん)すると、汚れの落ちがよくなります。洗剤液が動くことで、剥がれかけた汚れが物理的に押し流されるためです。ただし、そのたびに一時停止の操作が必要になるので、負担にならない範囲で構いません。

長時間放置する場合は、洗濯機のそばに「槽洗浄中」と書いたメモを置いておくのが確実です。家族が知らずに洗濯を始めてしまうと、洗剤入りの水で衣類を洗うことになります。

時間が来たら、次の工程へ進みます。ここまでで汚れは浮いた状態になっています。

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手順4:すすぎと脱水まで回して流し切る

つけおきが終わったら、浮いた汚れを取り除いてから排水します。

酸素系を使った場合、水面に黒い破片やワカメ状の塊が浮いているはずです。これを網ですくい取ってください。すくわずに排水すると、剥がれた汚れが排水経路に詰まるおそれがあります。金魚用のネットや園芸用の土すくいで代用できます。

すくい終わったら、運転を再開して洗い・すすぎ・脱水まで通します。花王の手順でも、放置後に標準コース(洗たく・すすぎ・脱水)で運転する、とされています。

ここで大切なのが、すすぎを1回で終わらせないことです。槽洗浄コースが注水すすぎを3回繰り返す機種もあるように、汚れと洗剤成分を流し切るには複数回のすすぎが要ります。標準コースが終わったあと、水だけで「すすぎ→脱水」をもう1〜2回追加してください。

運転が終わったら、糸くずフィルターを確認します。剥がれた汚れが集まっているので、取り除いて水洗いしてください。日立も槽洗浄コースの手順の最後に、糸くずフィルターの掃除を挙げています。

最後に、ふたを開けたまま数時間おいて槽を乾かします。カビは水分がなければ増えにくいので、この工程が次の掃除までの間隔を延ばします。

汚れがまだ出るようなら、1〜2週間の間隔をあけてもう一度繰り返してください。長く掃除していなかった洗濯機では、2〜3回続けるうちに出てくる量が減っていきます。

つけおき代用の4ステップ

①槽を空にして高水位で水(またはぬるま湯)をためる
②洗剤を槽へ直接入れて2〜3分運転し、溶かす
③一時停止して数時間〜一晩つけおきする
④浮いた汚れをすくってから、洗い・すすぎ・脱水を通し、すすぎを1〜2回追加する

つけおきで代用する場合、汚れが目に見えて浮くぶん、酸素系のほうが進み具合を確かめやすくなります。ただし機種によっては使用できないので、取扱説明書の「使用できる洗剤」の指定を必ず先に確認してください。

一時停止のさせ方は機種で違う

スタート一時停止ボタン・ふたを開ける・つけおき予約機能という3つの止め方の違いを並べたスライド
一時停止のさせ方を機種別に比べる

つけおきの代用で失敗が起きやすいのは、運転の止め方です。止めたつもりが排水されていたり、朝には運転が終わっていたりすると、つけおきの時間はほとんど取れず、水が抜けた後は見た目でも気づきにくいまま空振りになります。原因は、一時停止の扱いが機種ごとに異なることです。電源を切るとコースの設定が消えて最初からやり直しになる機種が多く、電源を落としただけで水を抜いてしまう機種もあるため、つけおき中に電源ボタンで止めるのは避けてください。

この章では、ボタンで止めるもの、ふたを開けると止まるもの、つけおきや予約の機能を使えるものという3つの型を見分け、水をためて10分ほど止めてみる事前の確認方法を紹介します。そのうえで、途中で排水されたときに洗剤から入れ直すか、すすぎと脱水で流し切るかの判断と、在宅中の時間帯に作業したほうがよい理由も扱います。

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電源を切ると設定が消えるタイプがある

一時停止の方法は、大きく3つに分かれます。

1つめは、スタート/一時停止ボタンを押して止めるタイプ。最も一般的で、押した時点で動作が止まり、もう一度押せば続きから再開します。ただし、停止したまま一定時間が経過すると自動で電源が切れる機種があり、そのときに排水されるかどうかは機種次第です。

2つめは、ふたを開けると止まるタイプ。安全のために動作が停止する仕組みで、ふたを閉めてスタートを押せば再開します。この場合、つけおき中はふたを開けたままにしておけば止まった状態が続きます。

なお、つけおき中に停電が起きた場合も、電源が切れたときと同じ挙動になる機種があります。復帰後に運転が再開されないときは、そのまま放置せず「すすぎ→脱水」を回して汚れと洗剤を流してください。

3つめは、「つけおき」や「予約」の機能を使うタイプ。もともと機能として用意されているので、手動で止める必要がありません。時間の設定もできるため、いちばん確実な方法です。

ここで注意したいのが、電源ボタンを押して止める方法です。多くの機種では電源を切るとコース設定がリセットされ、再開ではなく最初からのやり直しになります。しかも、電源オフの操作で自動的に排水される機種もあるため、つけおき中の水が失われます。

初回は、短い時間で試してみるのが安全です。水をためて洗剤を入れ、10分だけ一時停止してみて、水が残っているかを確認する。これで自分の洗濯機の挙動がわかります。

取扱説明書では「一時停止」「途中で止めるとき」といった見出しで説明されていることが多いので、該当ページを先に読んでおくと確実です。

一時停止の3タイプ

①スタート/一時停止ボタンで止める=最も一般的。ただし放置時間が長いと自動で電源が切れる機種がある
②ふたを開けると止まる=つけおき中はふたを開けたままにしておく
③つけおきコース・予約機能を使う=時間設定ができるので最も確実

自分の機種がどのタイプかを把握しておけば、つけおきの失敗はほぼなくなります。3つのうち複数に該当する機種もあるので、いちばん確実な方法を選んでください。

電源ボタンで止めない

つけおき中に電源ボタンを押すと、コース設定がリセットされたり、自動で排水されたりする機種があります。止めるときはスタート/一時停止ボタンを使ってください。ふたを開けると停止するタイプなら、ふたを開けたままにしておく方法もあります。挙動は機種によって異なるため、取扱説明書の「一時停止」の項目を確認してから作業してください。

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排水されてしまったときのやり直し方

つけおきの途中で排水されてしまった場合、どうすればよいでしょうか。

結論としては、もう一度水をためて洗剤を入れ直すことになります。洗剤成分は排水と一緒に流れているため、水だけを足しても意味がありません。

もったいないと感じるかもしれませんが、汚れが中途半端に剥がれた状態で放置するほうが問題です。剥がれかけた汚れは、次の洗濯で衣類に付きます。やり直すか、少なくとも「すすぎ→脱水」を2回回して汚れを流し切るか、どちらかを選んでください。

2回目は、排水されない方法を選びます。ふたを開けたまま止める、つけおきコースを使う、あるいは短いつけおきを複数回に分ける、といった方法が考えられます。

つけおきを短く分ける方法は、意外に現実的です。1時間のつけおきを3回繰り返せば、合計3時間になります。1回あたりの放置が短ければ、自動電源オフに引っかかりません。手間はかかりますが、確実です。

それでもうまくいかない場合は、洗剤の種類を変えるという選択肢もあります。塩素系はつけおき時間が長いほど効果が出ますが、短時間でも一定の除菌効果は期待できます。何度か短時間の運転を繰り返すことで、少しずつ汚れを落としていく形になります。

また、槽洗浄コースを搭載した機種への買い替えを検討している場合は、この作業のたびに発生する手間も判断材料になるでしょう。10年前後使っている洗濯機であれば、掃除の手間だけでなく、消費電力や水量の面でも差が出ています。

やり直しの回数を減らすには、作業を始める時間帯も工夫できます。就寝前に始めれば、朝までの時間がそのままつけおきになります。ただし、自動電源オフのある機種では夜のうちに排水されてしまうため、この方法が使えるかどうかは事前の10分テストで確認しておいてください。

外出前にスタートする方法もありますが、水を張ったまま家を空けることになるため、水漏れのリスクを考えると在宅時のほうが安心でしょう。とくに古い洗濯機や、排水弁の状態がわからない機種では、目の届く時間帯に行うことをおすすめします。

やり直しても、においだけが残ることもあります。そのときは原因が槽ではなく排水側にある可能性があるので、洗濯機のにおいを発生源ごとに切り分ける記事で当たりを付けてみてください。

洗剤を切らしたときに代用してよいもの

衣類用塩素系漂白剤は取扱説明書に記載があれば使える一方、台所用漂白剤や重曹・クエン酸は適さないことを対比したスライド
代用してよい洗剤と使ってはいけない洗剤の線引き

洗濯槽クリーナーを切らしたとき、家にあるもので代わりが務まるのはごく一部です。判断の軸は、汚れを落とす力があるかと、洗濯機を傷めないかの2点で、優先するのは後者です。衣類用の塩素系漂白剤なら、取扱説明書で使用が認められている機種に限り使えますが、台所用漂白剤は泡が大量に出て故障や水漏れにつながるため使えず、酸素系漂白剤は使用を禁じている機種があります。重曹とクエン酸も候補に挙がりがちですが、前者は溶け残りが出やすく、後者は酸性で洗濯槽の汚れの性質に合わないため、代わりにはなりません。

なかでも重く見てほしいのが、塩素系のものと酸性のものを合わせると塩素ガスが出るという点です。浴室などで実際に事故も起きているため、塩素系はほかの洗剤と一緒に使わず、必ず単独で使ってください。この章では、代用の可否を製品の種類ごとに区切り、洗剤メーカーと洗濯機メーカーで見解が分かれる点も示したうえで、100円ショップでそろう道具や、二槽式・お湯の温度などの疑問まで扱います。

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使えるものと使ってはいけないもの

まず、使えるものから挙げます。

衣類用の塩素系漂白剤は、洗濯機の取扱説明書に「衣類用塩素系漂白剤が使える」と書かれていれば使用できます。日立は槽洗浄コースで使える洗剤として、洗濯槽用塩素系漂白剤・衣類用塩素系漂白剤・防食剤配合塩素系漂白剤を挙げています。

ただし、洗剤メーカーの立場は少し違います。花王は、衣料用の塩素系漂白剤「ハイター」について、洗濯槽クリーナーとして設計された製品ではないので使用をおすすめはしていない、と回答しています。そのうえで、洗濯機の取扱説明書に使用可能と記載されている場合は、使い方の手順や使用量にしたがって使うよう案内しています(出典:花王 製品Q&A 洗濯機の取扱説明書には『洗濯槽の洗浄に衣料用の塩素系漂白剤を使用する』と書いてありますが、「ハイター」を使っていいの?)。

次に、使ってはいけないものです。台所用漂白剤は使えません。日立は槽洗浄コースで台所用漂白剤を使用しないよう明記しており、理由は泡が多量に発生して故障や水漏れの原因になるためとしています。台所用には界面活性剤が配合されているためです。

酸素系漂白剤も、機種によっては使用が禁じられています。日立はタテ型・ドラム式の両方で、槽洗浄コースにおける酸素系漂白剤の使用を避けるよう案内しています。「縦型なら酸素系が使える」と一律に考えず、取扱説明書を確認してください。

重曹とクエン酸については、洗濯槽の汚れに対しては力不足です。重曹は水に溶けにくく溶け残りのリスクがあり、クエン酸は酸性なので洗剤カスや皮脂という汚れの相手として適していません。

そして最も重要な注意点が、混ぜないことです。塩素系と酸性タイプが混ざると塩素ガスが発生します。国民生活センターは2026年3月18日に注意喚起を出し、スプレータイプの塩素系洗浄剤と酸性洗浄剤を浴室内で一緒に使用したところ、数分後には塩素ガス濃度が16ppmを超えたと報告しています。同センターは「塩素系洗浄剤は、必ず単独で使用しましょう」と呼びかけています(出典:国民生活センター 住宅用塩素系洗浄剤の使い方−まぜるな危険!浴室などで事故が発生しています−)。

専用のクリーナーを買い直す場合は、塩素系と酸素系のどちらを選ぶかで手順も変わります。選び分けの条件は洗濯槽クリーナーを条件別に比べた記事にまとめました。

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100円ショップでそろう道具

洗剤以外の道具については、100円ショップで十分にそろいます。

つけおき代用でいちばん必要になるのが、浮いた汚れをすくう網です。金魚用のネット、園芸用の土すくい、油こし用のあみじゃくしなど、目の細かいものであれば何でも使えます。専用品を買う必要はありません。

細かい場所を洗うブラシも便利です。歯ブラシ型のもの、隙間用の細長いもの、洗剤投入口の溝に届く先の細いものなど、数種類がセットになった製品が売られています。使い終わったら洗濯機まわりの掃除用として分けておくと衛生的でしょう。

排水口の掃除に使うなら、柄の長いブラシもあると作業が楽になります。ただし、日立が注意しているように、工具などで無理に部品を外そうとすると破損の可能性があります。ブラシで届く範囲にとどめてください。

ゴム手袋も用意しておきたい道具です。塩素系の洗剤は皮膚に付くと荒れることがあります。国民生活センターも、塩素系洗浄剤を使うときは換気を十分に行い、保護具を着用するよう案内しています。

一方、100円ショップで売られている「洗濯槽クリーナー」については、内容量と成分を確認してから使ってください。専用品より容量が少ない場合、規定の濃度に達しないことがあります。価格の安さだけで選ぶと、結局2本必要になって割高になるケースもあります。

カビ予防をうたうグッズ類も並んでいますが、効果の程度は製品によって差があります。基本になるのは、洗濯のたびにふたを開けて乾かすこと。道具に頼る前に、この習慣を先に作るほうが確実でしょう。

◆レンのメモ

ここまでが、道具についての整理です。まずは網とブラシ、そしてゴム手袋。この3つがあれば作業は進みます。

なお、洗濯槽に入れっぱなしにして使う「カビ取り剤」のような製品もありますが、洗濯機の取扱説明書で使用が想定されていないものを常時入れておくのは避けてください。部品への影響が確認できないうえ、洗濯物と一緒に回ることになります。使用の可否が判断できない製品は、メーカーのサポート窓口へ確認するのが確実です。

槽洗浄コースがない場合のよくある質問(FAQ)

二槽式洗濯機でもつけおきで掃除できますか?

洗濯槽に水をためて洗剤を入れ、放置してから排水するという流れ自体は可能です。ただし、二槽式は洗いと脱水が別の槽に分かれているため、全自動のように一連の運転で完結しません。すすぎも手動で水を入れ替える必要があります。また、花王は粉末酸素系の「洗たく槽ハイター」について、二槽式洗濯機ではつけおきが十分にできないため使用できないとしています。洗剤の対応表示を必ず確認してください。

つけおきは何時間がベストですか?

洗剤の種類と汚れの度合いで変わります。花王は酸素系の「洗たく槽ハイター」について約2時間放置する手順を案内しています。塩素系で汚れが厚い場合は、槽洗浄11時間コースのつけおき時間が約10時間であることから、数時間から一晩が目安になるでしょう。ただし、長ければ長いほど落ちるというものでもなく、洗剤の成分が働く時間には限りがあります。まず2時間で試し、汚れが残るようなら次回に延ばす形が現実的です。

つけおき中に水が減っているのですが大丈夫ですか?

少しずつ水位が下がる場合、排水弁からわずかに漏れている可能性があります。長時間の停止を想定していない機種では起こりうる現象です。極端に減るようであれば、つけおき時間を短く区切って複数回繰り返す方法に切り替えてください。なお、床に水がしみ出している場合は排水ホースや接続部からの水漏れが疑われるため、運転を止めて確認し、原因がわからないときはメーカーのサポート窓口や販売店へ相談してください。

お湯を使いたいのですが、何度までなら大丈夫ですか?

外から入れるお湯の上限は、機種の指定に従ってください。パナソニックは、お湯を使用する場合は50℃未満の温水を使うよう案内し、50℃未満の設定でも瞬間的に50℃以上のお湯が給水されると給水経路のプラスチック部品が変形し、水漏れのおそれがあるとしています。なお「60℃コース」といった表示がある機種は、内蔵ヒーターで水から温度を上げる仕組みであり、外から60℃のお湯を注いでよいという意味ではありません。取扱説明書の「使用できる水温」を確認し、記載が見つからない場合は40℃程度にとどめておくのが安全です。

つけおきのあと、洗濯機から洗剤のにおいが残ります

塩素系の洗剤を使った直後は、薬剤のにおいが残ることがあります。水だけで「すすぎ→脱水」を1〜2回追加し、ふたを開けて乾かせば和らぎます。それでも消えない場合は、洗剤の量が多すぎた可能性があります。次回は規定量を守ってください。数日たってから別のにおいが出てくる場合は、原因が洗濯槽ではなく排水口や洗剤投入口にあることも考えられます。

まとめ|コースがなくても手順は同じ

槽洗浄コースがない洗濯機でも、洗濯槽の掃除はできます。あのコースがやっているのは、高水位で水をため、長時間つけおきし、複数回すすぐという3つだけだからです。

手順は4つです。槽を空にして高水位で水をためる。洗剤を槽へ直接入れて2〜3分運転し、溶かす。一時停止して数時間から一晩つけおきする。浮いた汚れをすくってから、洗い・すすぎ・脱水を通し、すすぎを1〜2回追加する。花王が案内している酸素系クリーナーの手順も、この流れに沿っています。

いちばん失敗しやすいのが一時停止です。電源ボタンで止めると設定がリセットされたり、自動で排水されたりする機種があります。スタート/一時停止ボタンを使うか、ふたを開けて止めるタイプならそのままにしておく。初回は10分だけ止めてみて、水が残るかを確認しておくと確実でしょう。

洗剤の代用については線引きが明確です。衣類用の塩素系漂白剤は取扱説明書が認めていれば使える。台所用漂白剤は使わない。酸素系は機種によって禁止されている。重曹とクエン酸は洗濯槽の汚れには向いていません。そして塩素系と酸性のものを混ぜないこと。これは洗濯機の都合ではなく、安全の問題です。

なお、ここで挙げた時間や分量はメーカーが公表している一般的な目安であり、機種や製品によって条件は変わります。正確な情報はお使いの洗濯機の取扱説明書と、洗剤のパッケージ表示をご確認ください。判断に迷う場合や異常が出た場合は、自分で対処せずメーカーのサポート窓口・販売店へご相談ください。

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