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KADEN LAB

COOKING / RESEARCH REPORT

ヨーグルトメーカーの甘酒を麹のみで|分量と60℃の作り方・保存の目安

キッチンのテーブルにヨーグルトメーカーと米麹を入れたガラスボウルを並べた表紙スライド

甘酒は麹だけでも作れる?ヨーグルトメーカーなら米麹と水だけで足ります

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

甘酒のレシピを調べていると、ご飯やお粥を炊いてから米麹を混ぜる作り方がよく出てきますよね。でも、ご飯を炊くところから始めるとなると、思っていたより手間だなと感じる方も多いと思います。

実は甘酒は、米麹と水だけでも作れます。むしろ麹のみのほうが手順が少なく、温度の管理さえ外さなければ失敗しにくいんですよ。ヨーグルトメーカーを使えば、材料を混ぜてスイッチを押すだけで、あとは放っておくだけになります。

この記事では、麹のみの甘酒とご飯入りの甘酒がどう違うのか、米麹と水の割合で甘さと濃さがどう変わるのか、なぜ60度前後という温度なのか、そして甘くならなかったときや酸っぱくなったときの原因まで、順番に整理していきます。温度については、50度を下回ると酸っぱくなり、70度を超えると甘くならないという明確な境目があるので、そこを押さえるのが最短ルートですよ。

  • 麹のみとご飯入りで変わる甘さ・濃さ・手間の違い
  • 米麹と水の割合で甘さと濃度を設計する方法
  • 甘くならない・酸っぱくなる原因と温度の境目
  • 火入れの有無で変わる保存期間の目安

麹のみで作るヨーグルトメーカーの甘酒の基本

まずは材料と設定です。麹のみの甘酒は材料が2つしかないので、覚えることは割合と温度、それに時間だけになります。

麹のみの甘酒とご飯入りの甘酒の違い

麹のみとご飯入りの甘酒について、材料・手順・味の傾向・失敗のしやすさを左右に並べて比較した表のスライド
麹のみとご飯入りの材料・手順・味の違い

その前に、ひとつだけ整理しておきたいことがあります。甘酒には作り方の違う2種類があるという点です。

ひとつが米麹から作る甘酒で、この記事で扱っているものです。もうひとつが酒粕から作る甘酒で、こちらは日本酒を搾ったあとに残る酒粕をお湯で溶き、砂糖を加えて甘くします。甘さの出どころが根本的に違うわけですね。米麹の甘酒は麹の酵素が作る甘さ、酒粕の甘酒は加えた砂糖の甘さです。

ヨーグルトメーカーで作れるのは前者だけです。酒粕の甘酒はお湯で溶いて温めれば済むので、そもそも発酵させる工程がありません。レシピを探していて「砂糖を加える」と書かれていたら、それは酒粕の甘酒か、麹の甘さを補強する目的の記述だと考えてください。

それでは本題に入ります。甘酒の甘さは、砂糖ではなく米麹の酵素が作っています。麹に含まれるアミラーゼという酵素がでんぷんを分解して、ブドウ糖に変える。これが甘さの正体です。

ここで大事なのが、でんぷんはどこから来るのかという話です。麹のみの甘酒では、米麹そのものに含まれるでんぷんが分解されます。ご飯入りの甘酒では、そこにご飯やお粥のでんぷんが加わります。つまりご飯を入れる目的は、酵素に分解させるでんぷんを増やすことなんですね。

この違いが、そのまま仕上がりの差になります。

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比較項目 麹のみ ご飯入り
材料 米麹・水の2つ 米麹・ご飯(お粥)・水
手順 混ぜてセットするだけ ご飯を炊いて温度を下げる工程が要る
味の傾向 すっきりした甘さ。麹の風味が出やすい とろみととろっとした重さが出る
糖質・エネルギー 同じ量ならご飯入りより控えめになりやすい でんぷんが増えるぶん高くなりやすい
材料費 米麹の値段がそのまま効く ご飯でかさが増えるぶん割安になりやすい
失敗のしやすさ 少ない(工程が短い) ご飯の温度管理を誤ると失敗しやすい

ご飯入りが失敗しやすい理由は、炊きたてのご飯が熱すぎるからです。80度や90度のご飯に麹を混ぜると、その時点で酵素が壊れてしまいます。麹のみならこの工程自体が無いので、そもそもその失敗が起こりません。

◆レンのメモ

はじめて甘酒を作るなら、私は麹のみをおすすめします。理由は味の好みではなく、うまくいかなかったときに原因を特定しやすいからです。変数が水と温度と時間の3つしかないので、次にどこを直せばいいかがすぐ分かるんですよ。

米麹と水の分量と甘さの決まり方

麹のみの甘酒で調整できるのは、米麹に対する水の量だけです。ここで濃さと甘さの感じ方が決まります。

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米麹:水 例(生米麹の場合) 仕上がり 飲み方
1:1 米麹300g+水300ml とろりと濃厚。ペーストに近い 水やお湯で2倍前後に薄めて飲む
1:2 米麹200g+水400ml そのまま飲める濃さ 薄めずに飲める
1:3 米麹200g+水600ml さらっとして軽い そのまま。甘さは控えめ

ここで誤解しやすいのが、水を減らせば甘くなるわけではない、という点です。甘さのもとになる糖の総量は、米麹の量でほぼ決まります。水を減らすと同じ糖が少ない水に溶けるので濃く感じますが、糖そのものが増えているわけではありません。

つまり、たくさん飲みたいなら1対2から1対3で、濃いものを少しずつ使いたいなら1対1で仕込む、という考え方になります。1対1で作っておいて飲むときに薄めるやり方は、冷蔵庫の場所を取らないという実用的な利点もありますよ。

米麹の量は、ヨーグルトメーカーの専用容器の大きさから逆算します。容器が900ミリリットル前後の機種が多いので、1対2で仕込むなら米麹200グラムに水400ミリリットルで合計600ミリリットルほど。麹が水を吸って膨らむぶんを見込んでも、これくらいが扱いやすい量です。

1回でどれくらいの量ができるか

仕込みの量を決めるときは、できあがりが何杯分になるかで考えると失敗しません。米麹200グラムに水400ミリリットルで仕込むと、およそ600ミリリットルの甘酒ができます。マグカップ1杯を150ミリリットルとすると、4杯ぶんという計算です。

火入れをしない場合の冷蔵の目安は1週間なので、1日1杯のペースなら4日で飲み切る量。ちょうどいい仕込み量だと思います。逆に1対1の濃いめで仕込んだ場合は、飲むときに2倍に薄めるので、米麹300グラム+水300ミリリットルで約500ミリリットル、薄めれば1リットル前後になります。

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仕込み できあがりの目安 飲むときの量 1杯150mLなら
米麹200g+水400mL 約600mL そのまま 約4杯
米麹300g+水300mL 約500mL 2倍に薄めて約1L 約6〜7杯
米麹150g+水450mL 約550mL そのまま(軽め) 約3〜4杯

使い切れる量を仕込む、というのが甘酒ではけっこう大事です。保存期間が長い食品ではないので、作りすぎると持て余します。まずは少なめに作って、足りないと感じたら次から増やすほうがうまくいきますよ。

米麹はスーパーだと扱いが無いこともある材料です。乾燥米麹なら常温で置いておけますし、製菓・製パンの材料を扱う専門店なら生麹と乾燥麹の両方が選べるので、仕込む量を決めてから探してみてください。

富澤商店オンラインショップ

発酵温度は60度前後・時間は6〜8時間

温度計の図を使って、70度超・55から60度・50度未満・40度前後の4つの温度帯で甘酒がどう変わるかを示した図解スライド
温度帯ごとに変わる酵素の働きと仕上がり

温度はこの記事でいちばん大事な部分です。甘酒作りには、上と下の両方に明確な境目があります。

まず下の境目。でんぷんを分解する酵素は、50度を下回るとうまく働きません。さらに40度あたりまで下がると、今度は乳酸菌が増えやすい温度帯に入ります。乳酸菌は酸味のもとになる乳酸を作るので、甘くなる前に酸っぱくなってしまいます。

次に上の境目。麹の酵素はたんぱく質なので、70度を超えると働きを失います。しかもこれは元に戻りません。一度70度以上にしてしまうと、そのあと温度を下げても甘くはならないんですね。「途中で温度を上げて早く仕上げよう」という発想が通用しないのは、このためです。

この上下に挟まれた50度から60度が、酵素がよく働く帯です。ヨーグルトメーカーの設定としては、真ん中よりやや上の60度前後を狙うのが定番になっています。

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温度帯 何が起きるか 仕上がり
40度前後 乳酸菌が増えやすい 酸っぱくなる
50度未満 でんぷんを分解する酵素が働きにくい 甘くならない
55〜60度 酵素がよく働く 狙いどおりの甘さ
70度超 酵素が失活する(元に戻らない) 甘くならない

時間は6時間から8時間が目安です。6時間で一度味を見て、甘さが足りなければ1時間ずつ延ばします。長くするほど甘みは増していきますが、公的な研究機関の報告でも、麹を使った調味料では温度が高いほどでんぷんを分解する酵素の活性の低下が著しいとされています(塩麹を対象にした報告ですが、麹の酵素という点では共通します。出典:あいち産業科学技術総合センターニュース 2017年3月号「塩麹の製造条件と酵素活性について」)。ずっと働き続けるわけではないので、10時間を超えて延ばしても甘さが比例して増えるわけではない、と考えておくといいですよ。

ヨーグルトメーカー以外の方法との違い

甘酒は炊飯器の保温や保温ポットでも作れます。ただ、どちらも温度を狙って設定できるわけではないのが弱点です。

炊飯器の保温は機種によって60度台後半から70度台になることがあり、そのままだと酵素が失活する温度に届いてしまいます。だから炊飯器で作るレシピでは、蓋を開けたまま布巾をかける、といった方法で温度を逃がす調整が入るんですね。炊飯器の保温がどのくらいの温度帯で働くのかは、保温時間の考え方とあわせて整理した記事がありますので、手持ちの炊飯器で試したい方は先に見ておくと判断しやすくなります。

保温ポットや魔法瓶を使う方法は、熱を足せないぶん時間とともに温度が下がっていきます。仕込みの湯温を高めにしても、途中で50度を割ると糖化が止まってしまう。ここがヨーグルトメーカーとの決定的な差です。

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方法 温度の狙いやすさ 手間 弱点
ヨーグルトメーカー 設定温度を維持できる ほぼ放置 本体の購入が必要
炊飯器の保温 機種まかせ(60〜70度台) 蓋を開けて温度を逃がす調整 高すぎて酵素が失活しやすい
保温ポット・魔法瓶 下がる一方 途中で湯を足す 50度を割ると糖化が止まる

温度を保って発酵させるという考え方そのものは、甘酒以外にも使えます。砂糖を使わずに小豆を甘くする発酵あんこも、麹の酵素と温度管理でできている料理ですので、仕組みが同じだと分かると応用が利きますよ。

生米麹と乾燥米麹で変わる水の量

米麹には生タイプと乾燥タイプがあり、含んでいる水分が違います。生麹はおおむね25パーセントから30パーセント程度の水分を含み、乾燥麹は10パーセント以下まで乾かしてあります。

この差のぶん、乾燥麹は水を余計に吸います。生麹のレシピの水の量をそのまま乾燥麹に当てはめると、仕上がりが固くなりがちです。

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麹の種類 水分量の目安 水の量の考え方 下ごしらえ
生米麹 25〜30%程度 表の割合そのまま 粒をほぐすだけ
乾燥米麹 10%以下 1.2倍前後まで増やして調整 先に水でほぐしておくと均一になりやすい

迷ったときは少なめの水で仕込んで、途中で様子を見て足すほうが安全です。逆に水を入れすぎてしまうと、あとから減らすことはできません。

お湯を使うか水を使うかについても触れておきます。60度くらいのお湯で仕込むと、庫内が設定温度に達するまでの時間が短くなります。ただし熱湯は絶対に使わないでください。仕込みの時点で麹に熱湯をかけると、その瞬間に酵素が失活してしまいます。

仕込みから完成までの手順と衛生管理

手順そのものは驚くほど簡単です。

  1. 容器とスプーンを消毒する(煮沸、または食品用アルコール)
  2. 手を石けんでよく洗い、しっかり乾かす
  3. 米麹の粒を手でほぐし、かたまりをなくす
  4. 容器に米麹を入れ、60度くらいのお湯を注いでよく混ぜる
  5. ヨーグルトメーカーにセットし、60度・6〜8時間で設定してスタート
  6. 途中で1〜2回、清潔なスプーンで全体を混ぜる
  7. 甘い香りととろみを確認したら、粗熱を取って冷蔵庫へ

3番の「かたまりをなくす」は地味ですが効きます。麹がかたまったままだと、そこだけ水が届かず糖化が進まないので、部分的に甘くない場所ができてしまいます。

消毒については、耐熱容器なら80度以上のお湯で10分以上を目安に煮沸し、清潔な布巾の上で自然乾燥させます。プラスチックなど熱に弱いものは、食品に使える70パーセント程度のアルコールを吹きかけて拭き取ってください。

覚えるのは3つだけです。麹に対する水の量、温度は50度から60度、時間は6〜8時間。この3つが決まれば、麹のみの甘酒は毎回同じように作れます。うまくいかなかったときも、この3つのどれかを疑えば原因にたどり着けますよ。

ヨーグルトメーカーの麹のみ甘酒で失敗しないコツと保存

ここからは、うまくいかなかったときの原因と、できあがったあとの扱い方です。甘酒は保存の条件が味に直結するので、そこも押さえておきましょう。

甘くならない・酸っぱいときの原因

甘くない・甘さが弱い・酸っぱい・一部だけ甘くないという症状ごとに、考えられる原因と対応をまとめた表のスライド
症状から逆算する原因と次にやること

甘酒の失敗は、ほとんどが温度に原因があります。症状から逆算すると、どこで間違えたかが分かります。

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症状 考えられる原因 次にやること
まったく甘くない 仕込み時の熱湯、または庫内が70度超 設定温度を下げる。仕込みの湯温を60度前後にする
甘さが弱い 温度が50度を下回っていた/時間が足りない 1〜2時間延長する。次回は設定を60度にする
酸っぱい 温度が40度前後まで下がり乳酸菌が増えた 加熱調理に回す。次回は途中で温度を確認する
一部だけ甘くない 麹のかたまりが残っていた 仕込みでしっかりほぐす。途中で混ぜる
固い・水分が足りない 乾燥麹に対して水が少なかった 水を足して1時間ほど追加で加温する
アルコールのような匂いが強い 時間の延ばしすぎ、または温度が低く別の発酵が進んだ 使用を控える。次回は時間と温度を見直す

ひとつ知っておいてほしいのは、甘くならなかった甘酒は、温め直しても甘くはならないということです。酵素が失活しているなら、もう分解する働き手がいません。ただ捨てるしかないわけではなく、料理の下味やパンを焼くときの材料に回せば無駄にはなりませんよ。

甘くならなかった甘酒の使い道

甘さが出なかった甘酒は、味としては「やや甘みのある米のペースト」です。飲み物としては物足りませんが、料理に混ぜてしまえば違和感なく使えます。

使いやすいのは、カレーやシチューに少量加える方法です。とろみと軽い甘みが加わるので、市販のルウの角が取れます。ハンバーグのタネに混ぜればつなぎの役割もしますし、パンやホットケーキの生地に水分の一部として入れることもできます。

酸っぱくなってしまった場合も、加熱する料理なら気になりにくくなります。ただし、においが明らかにおかしい、糸を引くといった状態のものは使わないでください。味が想定と違うだけなのか、傷んでいるのかを先に切り分けるのが大事です。

温度計で一度実測しておくと迷わない

甘酒がうまく作れないとき、設定温度と実際の庫内温度がずれている可能性は意外と高いです。設定は60度なのに中身は50度そこそこ、ということが起こり得ます。

調理用の温度計があるなら、仕込みから2時間ほど経ったところで一度中身の温度を測ってみてください。設定どおりなら以後は信用して構いませんし、低いようなら設定を2〜3度上げれば済みます。一度実測しておけば、その機種のクセが分かって以後ずっと迷わなくなります。ふたを開ける時間は短くして、測ったらすぐ閉めてくださいね。

完成の見分け方と失敗と判断する基準

うまくいっているときは、麹の粒がふやけてやわらかくなり、全体にとろみが出て、甘い香りがしています。味見をして甘ければ完成です。

色は白から薄いクリーム色くらいが普通です。時間が長いと少し色づきますが、これは糖とアミノ酸が反応した色なので異常ではありません。

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見た目・におい 考えられる状態 対応
白〜薄いクリーム色・甘い香り・とろみ 正常な仕上がり 使用可
うっすら色づいている 糖とアミノ酸の反応による色づき においが正常なら問題ない
ツンとした酸味の強い匂い 乳酸菌が増えた 加熱して使う。生では飲まない
緑・黒の点々 カビ 一部だけ取り除かず全量を廃棄
糸を引く、ぬめりが強い 異常発酵の可能性 廃棄
容器がふくらんでいる 発酵によるガス。密閉していた場合に起きる においを確認し、異常がなければ蓋をゆるめる

判断に迷う状態のものは口にしないのがいちばん確実です。甘酒は砂糖を加えていなくても糖分が多い食品なので、扱いを誤れば傷みます。見た目とにおいの両方を確認して、少しでも違和感があれば使わないでください。判断に迷うときは、メーカーの案内や専門家にご相談ください。

保存期間と冷凍するときの目安

火入れの有無で日持ちが変わるのは甘酒の特徴です。メニューごとの保存期間と傷んだサインの見分け方もあわせて確認しておくと、判断に迷いません。

できあがった甘酒は、粗熱を取ってから清潔な容器に移して冷蔵庫へ入れます。ここで知っておきたいのが、火入れをするかどうかで保存期間が変わるという点です。

火入れとは、完成した甘酒を加熱して発酵を止める処理のことです。100度近くまで加熱すると発酵が止まり、品質が安定します。そのぶん、含まれている酵素などは減ります。

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保存方法 期間の目安 注意点
冷蔵(火入れなし) 1週間程度 少しずつ発酵が進む。蓋は軽く乗せる程度に
冷蔵(火入れあり) 1か月程度 発酵は止まるが酵素などは減る
冷凍 3か月程度 1杯ずつ小分けにすると使いやすい

火入れをしない場合、密閉容器にきっちり蓋をして冷蔵庫に入れるのは避けてください。発酵で出たガスで容器がふくらむことがあります。蓋は軽く乗せる程度にするか、ガスが抜けるようにしておくと安心です。

取り出すときは必ず乾いた清潔なスプーンを使ってください。使いかけのスプーンを戻すと、そこから傷みます。

濃さの調整と飲み方・料理への使い方

1対1の濃いめで仕込んだ場合は、飲むときに薄めます。冷たい水で割ればさっぱり、お湯で割れば体が温まる飲み方になります。夏なら氷を入れて、豆乳や牛乳で割るのもおすすめです。

薄める割合に決まりはありませんが、まずは甘酒1に対して水やお湯を1、つまり2倍希釈から試してみてください。そこから好みで調整するのが早いです。

◆レンのメモ

粒が気になるなら、ブレンダーやミキサーにかけるとなめらかになります。麹の粒がそのままだと飲みにくいという方は多いので、仕込みが終わったあとに一度かけておくと、その後ずっと飲みやすくなりますよ。

飲む以外の使い道も広いです。砂糖の代わりとして、煮物や照り焼きのタレに使えます。

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使い方 目安 ポイント
そのまま飲む 2倍希釈から 冷やしても温めてもよい
豆乳・牛乳割り 1対1 とろみが出て飲みごたえが増す
砂糖の代わりに使う 砂糖大さじ1に対して甘酒大さじ2前後 水分が増えるので煮汁を少し減らす
肉や魚の下味 食材の重量の10%前後 糖分が多く焦げやすいので弱めの中火で
スムージーに入れる 好みで 果物の酸味と合わせやすい

砂糖の代わりに使うときの考え方

甘酒を砂糖の代わりに使うときは、2つの違いを頭に入れておくと失敗しません。ひとつは甘さの強さ、もうひとつは水分です。

甘酒の甘みはブドウ糖が中心で、同じ重さで比べると砂糖よりも甘さの立ち方が穏やかです。だいたい砂糖大さじ1に対して甘酒大さじ2前後から試して、味を見ながら足していくのが実用的です。そのぶん水分が増えるので、煮汁やだしを大さじ2ほど減らして帳尻を合わせます。この一手間を省くと、煮物が水っぽくなりやすいです。

照り焼きのタレのように煮詰めて使う場合は、焦げやすさにも注意してください。糖分が多いので、砂糖のときと同じ火加減だと先に色がついてしまいます。弱めの中火で、様子を見ながら煮詰めるのが安全です。

温めて飲むときは、煮立たせないほうが香りが残ります。鍋なら弱火で、電子レンジなら短時間ずつ様子を見ながら温めてください。

甘酒作りに向くヨーグルトメーカーの選び方

甘酒を作る前提で機種を選ぶなら、見るところは絞られます。

1. 60度以上に設定できて、温度が細かく刻めるか

甘酒は50度から60度という狭い帯を狙う必要があるので、温度の刻みが大きい機種だと調整しづらくなります。1度刻みで25度から65度あたりまで設定できるものが扱いやすいです。ヨーグルト専用のシンプルな機種は上限が低いことがあるので、仕様表で必ず確認してください。

2. 保温の安定性と庫内の温度ムラ

設定温度と実際の庫内温度がずれると、そのまま甘さに影響します。気になる場合は調理用温度計で一度実測してみると、自分の機種のクセが分かります。冬場は室温が低いぶん設定に届くまで時間がかかるので、1時間ほど長めに見ておくと安心です。

3. 容器の容量と洗いやすさ

甘酒はとろみがあるので、洗いやすさが地味に効いてきます。900ミリリットル前後の広口容器で、丸洗いや煮沸ができる素材かどうかを見ておきましょう。牛乳パックを差し込む方式だけの機種は、麹を混ぜる作業がしにくくなります。

4. 自動メニューの有無

甘酒メニューが登録されている機種なら、温度と時間を毎回設定する手間が省けます。ただし自動メニューの設定値は機種ごとに違うので、思ったより甘くならない場合は手動で60度に設定し直してみてください。

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チェック項目 甘酒作りの目安 確認する場所
温度設定範囲 60度以上に設定できる(25〜65度程度) 仕様表の「温度設定範囲」
温度の刻み 1度刻み 仕様表・取扱説明書
タイマー 最低12時間 仕様表の「時間設定範囲」
専用容器 900mL前後・広口・丸洗い可 付属品の欄
自動メニュー 甘酒メニューがあると手軽 製品ページの機能説明

電気代も出しておきます。消費電力35ワット級の機種を8時間動かすと、35ワット × 8時間 = 280ワットアワー、つまり0.28キロワットアワーです。1キロワットアワーあたり31円で計算すると 0.28 × 31 = 約8.7円になります。

1回あたり10円弱です。米麹200グラムでおよそ600ミリリットルの甘酒ができることを考えると、材料費のほうが圧倒的に大きい計算になりますね。なお電力量料金の単価は契約プランや時期で変わりますので、正確な金額はご契約中の電力会社の明細でご確認ください。

製品ごとの正確な仕様や使用上の注意は、必ずメーカーの公式サイトと取扱説明書をご確認ください。食品を扱う家電なので、洗浄方法や耐熱温度についてもメーカーの案内に従うのが安全です。判断に迷う点があれば、メーカーの問い合わせ窓口や販売店にご相談ください。

温度が1度刻みで設定できるかどうか、これだけで甘酒の作りやすさはかなり変わります。候補が見つかったら仕様表の温度設定範囲から確認してみてください。価格や在庫、現行モデルかどうかは変わりますので、購入前に各ショップでご確認をお願いします。

麹のみの甘酒についてよくある質問

麹のみの甘酒にアルコールは入っていますか?

米麹と水だけで作る甘酒は、麹の酵素がでんぷんを糖に変えたものなので、アルコール発酵の工程がありません。酒粕から作る甘酒とは製法がまったく違います。ただし、温度が低い状態で長時間置いたり、完成後に常温で放置したりすると、思わぬ発酵が進むことはあります。仕込みは60度前後を保ち、完成したら冷蔵か冷凍で保存してください。気になる場合は製品や原料の表示、販売店の案内をご確認ください。

麦麹や玄米麹でも同じ作り方でいいですか?

温度と時間の考え方は米麹と同じで問題ありません。麦麹は香ばしさ、玄米麹はコクが出やすいと言われ、色も米麹より濃くなりやすいので、色の濃さだけで失敗と判断しないようにしてください。水の量については、原料によって吸い方が変わります。米麹の割合をそのまま当てはめると固くなることがあるので、少なめの水で仕込んで様子を見ながら足すのが確実です。

作った甘酒が余りました。加熱してから冷凍しても大丈夫ですか?

問題ありません。むしろ火入れをしてから冷凍すれば、解凍後に発酵が進む心配が減ります。ただし火入れをすると酵素などは減るので、そのまま冷凍するか火入れしてから冷凍するかは、何を優先するかで選んでください。冷凍するときは製氷皿や小分けの保存袋を使うと、必要な量だけ取り出せて便利です。解凍は冷蔵庫に移してゆっくり戻すか、凍ったまま料理に使う形がやりやすいです。

同じ米麹で2回続けて甘酒を作れますか?

できません。ヨーグルトの種菌のように、できあがったものを次の仕込みに使い回すことはできない、と考えてください。甘酒作りで働いているのは麹菌そのものではなく、麹が作り出した酵素です。1回の糖化でその酵素は使われ、加熱によって失活していきます。毎回あたらしい米麹を用意する必要があるので、まとめ買いしたときは麹の保存方法も確認しておくと無駄になりません。

ヨーグルトメーカーで麹のみの甘酒を作る要点

最後にまとめます。

麹のみの甘酒は、米麹と水の2つだけで作れます。ご飯を入れるのは分解させるでんぷんを増やすためで、入れなくても甘酒は成立します。工程が短いぶん失敗しにくく、うまくいかなかったときの原因も特定しやすいので、はじめての1回にも向いています。

割合は米麹1に対して水1から3。水を減らせば濃く感じますが、甘さのもとになる糖の総量は米麹の量で決まります。たくさん飲みたいなら1対2、濃いものを薄めて使いたいなら1対1、と目的から決めてください。

温度は50度から60度。50度を下回ると甘くならず、40度前後まで下がると酸っぱくなり、70度を超えると酵素が失活して元に戻りません。この3つの境目さえ守れば、あとは6時間から8時間待つだけです。

保存は火入れなしなら冷蔵1週間、火入れをすれば1か月、冷凍なら3か月が目安。火入れをしない場合は密閉せず、蓋を軽く乗せる程度にしてください。記載した数値はいずれも一般的な目安ですので、正確な情報は各メーカーの公式サイトや取扱説明書をご確認ください。