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KADEN LAB

COOKING / RESEARCH REPORT

電子レンジに入れてはいけないもの一覧|火花と破裂を防ぐ3系統の判断

食器や保存容器が並んだキッチンの棚と、電子レンジに入れてはいけないものという見出し

電子レンジに入れてはいけないもの一覧|危険な理由と正しい代替

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

電子レンジに入れてはいけないもの、と言われて思い浮かぶのはアルミホイルくらいでしょうか。実際にはもっと種類があって、しかも「まさかこれが」と思うようなものも含まれています。ゆで卵、洗ったばかりのお気に入りの器、コンビニ弁当のフタ。どれも日常にあるものですよね。

とはいえ、ひとつひとつを丸暗記する必要はありません。危ないものには共通点があって、大きく3つの系統に分けられます。金属を含むもの、密閉されているもの、水分が少なくて燃えやすいもの。この3つを覚えておけば、初めて見る食品や容器でも自分で判断できるようになります。

実際の事故も少なくありません。製品評価技術基盤機構(NITE)の公表資料によると、2014年度から2018年度の5年間に通知のあった電子レンジの事故は157件ありました(出典:製品評価技術基盤機構「5年で157件、電子レンジで発生する事故」)。同資料では、庫内に入れた物を加熱し過ぎると発火などの事故に至ることや、庫内の汚れが発火の原因になることが挙げられています。

この記事では、3つの系統ごとに、何が起きるのかと、代わりに何を使えばいいのかを対で並べていきます。容器・食器の見分け方、食材の注意点、そしてもし入れてしまって火花や煙が出たときの手順まで扱いますね。

  • 入れてはいけないものを3系統で覚える考え方
  • 容器と食器の使える・使えないの見分け方
  • 卵や皮つき食材など気をつけたい食材
  • 火花や煙が出てしまったときの手順
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電子レンジに入れてはいけないもの3系統

2014年度から2018年度の5年間に通知のあった電子レンジの事故が157件だったことと、加熱しすぎや庫内の汚れが原因に挙げられていることを示した図
電子レンジの事故は5年間で157件報告されている

まずは全体像です。電子レンジに入れてはいけないものは、3つの系統に分けられます。金属を含むもの、密閉されたもの、そして水分の少ないものです。

この3つで、危険の種類がきれいに分かれるんですよね。金属は電波を反射して火花が出ますし、密閉されたものは内側の圧力が逃げずに破裂します。水分の少ないものは、電波のエネルギーが水に吸収されないぶん温度が一気に上がって燃えることがある。つまり「なぜ危ないか」が系統ごとに違うので、覚え方も系統で持っておくほうが応用が利きます。個別の商品名を暗記するより、目の前のものがこの3つのどれかに当てはまるかを考えるほうが確実です。

この章では、金属を含むもの、密閉されたもの、水分の少ないものという3系統を、それぞれ何が起きるのかとあわせて見ていきます。

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金属を含むものは火花が出る

1つめの系統が金属です。電子レンジはマイクロ波という電波で食品を温めていますが、金属はこの電波を通さずに反射します。反射した電波が金属の角や薄い部分に集まると、そこで放電が起きます。これが火花、いわゆるスパークですね。

金属というとフォークやスプーンを思い浮かべますが、見落としやすいものがいくつもあります。アルミホイル、金属製の弁当箱、缶詰、アルミ蒸着の袋、金属のクリップが付いた保存袋。さらに食器についた金彩・銀彩の模様も金属です。

火花が出ると、庫内の壁が焦げたり、電波を発生させる部品が傷んだりすることがあります。火花に気づいたら、すぐに運転を止めてください。運転を続けると発煙・発火につながるおそれがあります。安全に関わる判断が必要な場合は、最終的な判断はメーカーや販売店にご相談ください。

ただし例外もあります。メーカーの案内では、アルミホイルは解凍時に加熱し過ぎる部分をおおう用途に限って使えるとされています(出典:日立「電子レンジに使える容器、使えない容器を知りたいです」)。それ以外の金属製容器はレンジ加熱には使えません。使い方が限定される例外なので、判断に迷うなら使わないほうが安全です。

アルミホイルはとくに迷いやすいところなので、レンジ加熱とオーブン・グリルでの扱いの違いや、入れてしまった後に庫内のどこを見ればよいかは別の記事で詳しくまとめています

見落としやすい金属を挙げておきます。冷凍食品の袋の内側に貼られたアルミ蒸着フィルム、保存袋の口を留める金属入りのクリップ、ティーバッグのホチキス、保温バッグの銀色の裏地。どれも「金属の器」には見えませんが、中身は金属です。パッケージのまま温めるときは、銀色に光る部分がないか確認する習慣をつけておくと安心です。

断熱シートやアルミの落としブタも同じです。とくに冷凍ピラフやグラタンのように、トレーの底がアルミになっている製品があります。こういう製品は必ずパッケージに加熱方法が書かれているので、レンジ可かオーブン専用かを読んでください。指示がオーブン専用なら、レンジでは使えません。

金属の代わりに使うなら、耐熱ガラス、陶磁器(模様のないもの)、耐熱表示のあるプラスチックです。この3つを覚えておけば困りません。

弁当の銀紙カップやステンレス容器のように、判断に迷う金属もあります。厚みと形状で危険度がどう変わるのかと、迷いやすい品目ごとの可否は金属だけを扱った記事で一覧にしています

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密閉されたものは破裂する

密閉状態で加熱すると水蒸気が膨張して圧力が上がり破裂することがある流れと、代表例および安全な代わりをまとめた図
密閉された状態で加熱すると破裂する仕組み

2つめが密閉です。加熱すると中の水分が水蒸気になって体積が急に増えます。逃げ道がないと圧力が上がり、限界を超えたところで破裂します。

代表がゆで卵と生卵です。殻や薄い膜で覆われているため、中の水蒸気が出口を失います。NITEの資料でも、ゆで卵を加熱して破裂し、庫内のガラスプレートが破損した事例が挙げられています。加熱直後は何も起きていなくても、取り出して箸を入れた瞬間に破裂することもあります。

ほかにも、フタを閉めたままの保存容器、未開封のレトルトパウチ、缶詰、真空パック、栓をしたペットボトルや瓶。これらはすべて同じ理屈で危険です。コンビニ弁当のように上からフィルムがかかっているものは、フィルムの端を少し開けるだけで逃げ道ができます。

飲み物にも同じ注意が必要です。栓をしたままのペットボトルや瓶は、中の圧力が上がって変形したり破裂したりします。ペットボトルはそもそも耐熱温度が低い製品が多く、フタを開けても容器自体が変形することがあります。飲み物を温めるなら、耐熱のマグカップや耐熱ガラスの容器に移し替えてください。

ラップの扱いも押さえておきましょう。ラップは密閉ではなく「ふんわりかける」が基本です。ぴったり張ると内側の水蒸気が逃げず、膨らんで破れます。破れる程度なら大きな事故にはなりませんが、熱い蒸気が一気に出るのでやけどのおそれがあります。端を少し開けておくか、少しゆるめてかけるのが安全です。

◆レンのメモ

保存容器のフタは「乗せるだけ」にするか、蒸気弁のあるタイプを使ってください。容器本体がレンジ対応でも、フタは熱に弱くて使えない製品もあります。本体とフタは別物として確認するのが確実です。

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水分の少ないものは燃える

金属を含むもの・密閉されたもの・水分が少ないものの3系統と、それぞれ火花・破裂・発煙発火につながることを並べた図
覚えておきたい3つの系統

3つめが乾いたものです。電子レンジは水分を振動させて熱を作ります。水分が少ないと熱が逃げる先がなく、局所的に高温になって焦げ、やがて発火します。

NITEの資料では、加熱しすぎると食品が炭化し、さらに加熱を続けるとマイクロ波が集中してスパークが発生し、発煙・発火するおそれがあると説明されています。つまり「乾いたものを入れた」ときと「長く加熱しすぎた」ときは、同じ結末につながるわけですね。

→ 横にスクロールできます

系統 起きること 代表例 安全な代わり
金属を含む 火花・部品の損傷 アルミホイル・缶・金銀模様の食器 耐熱ガラス・無地の陶磁器
密閉されている 破裂・飛び散り 卵・未開封パウチ・フタ付き容器 フタを外す・切り込みを入れる
水分が少ない 焦げ・発煙・発火 乾いたパン・少量の食品・庫内の汚れ 水を足す・時間を短くする

乾いた食品の代表がパンです。トーストやロールパンを長めに温めると、水分が飛んで一気に硬くなり、そこから焦げに進みます。パンを温めるなら数十秒単位で区切って、湿らせたキッチンペーパーを添えるのが定番のやり方です。乾物や砂糖の多いお菓子も、同じ理由で焦げやすい部類に入ります。

油分の多い食品も水分が少ない側に入ります。油は水より高い温度になり、しかも沸騰しないので変化が見えません。気づいたときには煙が出ていることがあるため、揚げ物やベーコンの温め直しは短く区切って様子を見てください。

意外なところでは、庫内の汚れも同じ系統です。飛び散った食品のカスは乾いて炭化しやすく、そこにマイクロ波が集中して発火の原因になります。掃除は衛生のためだけでなく、安全のためでもあるということですね。

電子レンジで使えない容器と食器

ここからは容器と食器です。いちばん見落とされやすいのが金銀の装飾で、縁に細い金の線が1本入っているだけでも対象になります。

装飾に使われているのは金属なので、量が少なくても火花が出るんですよね。普段使いの茶碗やカップに入っていることがあるので、レンジに入れる前に縁を見る習慣をつけておくと安全です。プラスチック容器も同じで、素材によって耐熱温度が大きく違います。見た目では判断できないので、底面の表示を確認することになります。そして判断を助けてくれるのがレンジ対応マーク。この表示があるものを選べば、迷う場面そのものが減りますよ。

この章では、金銀の装飾がある陶磁器、耐熱でないプラスチック容器、そしてレンジ対応マークの見方を確認します。

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金銀の装飾がある陶磁器

陶器や磁器は基本的にレンジで使えます。ただし例外があります。メーカーの案内では、色絵付け、ひび模様、金・銀模様のあるものは使用不可とされています。

金彩・銀彩は名前のとおり金属を薄く焼き付けたものなので、金属と同じ理由で火花が出ます。縁に細い金の線が1本入っているだけでも対象です。お客様用の食器や贈り物の器は装飾が多いので、レンジには使わないと決めておくのが安全ですね。

ひび模様(貫入)のある器も注意が必要です。細かいひびに水分が入り込んでいると、そこが急に膨張して割れることがあります。見た目の風合いとして意図的に作られたものでも、レンジ加熱には向きません。

もうひとつ気をつけたいのが、輸入食器や作家物の器です。海外製の食器は日本の表示ルールとは異なる表記になっていることがあり、レンジ対応の有無が読み取れない場合があります。作家物の陶器は釉薬や土の性質が製品ごとに違い、内部に水分を含みやすいものもあります。どちらも「表示がないなら使わない」で統一しておくと迷いません。

金属の装飾は、内側だけでなく外側にもあります。持ち手にメッキが施されたカップ、縁に金の縁取りがあるだけのプレート。装飾が食品に触れない位置でも、金属である以上は火花が出る可能性があります。位置ではなく素材で判断してください。

判断に迷ったら、裏側の表示を見てください。「電子レンジ可」と書かれていればそのまま使えます。何も書かれていない器は、装飾がなくても避けたほうが無難です。

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耐熱でないプラスチック容器

プラスチックは素材によって耐熱温度が大きく違います。メーカーの案内では、耐熱温度の表示があり、耐熱温度が140℃以上のものが使えるとされています。逆に耐熱温度の表示が140℃未満のものは使えません。

数字を確認する場所は、容器の底や側面です。「耐熱温度140℃」のように刻印や印字があります。プラスチックの種類ではポリプロピレン(PP)が耐熱性のある素材として使われることが多く、逆にポリスチレン(PS)やポリエチレン(PE)は熱に弱い傾向があります。

容器を見るときの3つのチェック

  • 「電子レンジ可」の表示があるか
  • 耐熱温度が140℃以上と書かれているか
  • フタも同じ条件を満たしているか

メーカーの案内では、プラスチックやシリコン容器を使う場合は家庭用品品質表示法に基づく耐熱温度を確認し、材質や耐熱温度の表示がないものは使わないようにと書かれています。表示がないものは判断材料がないので、使わないという選択が正解ですね。

素材の記号も読めると便利です。容器の底には三角形のリサイクルマークや、PP・PS・PEといったアルファベットが刻まれていることがあります。PPはポリプロピレンで比較的熱に強く、PSはポリスチレン、PEはポリエチレンで熱に弱い傾向があります。ただし記号だけでレンジ可と判断するのは早いので、あくまで耐熱温度の表示と合わせて見る材料と考えてください。

色や見た目では判断できません。透明でも耐熱でないものはありますし、白く不透明でも耐熱のものはあります。同じシリーズの容器でもサイズによって素材が違うことがあるので、1つずつ確認するのが確実です。

素材ごとの耐熱温度の目安と、耐熱140℃の容器でも溶けてしまう条件については、プラスチック容器だけを取り上げた記事で整理しています

持ち帰った惣菜の容器やコンビニ弁当のトレーは、製品によって条件が違います。フタだけ熱に弱いことも多いので、フタを外して本体だけ温めるか、耐熱皿に移し替えるのが確実です。

買い替えるなら、蒸気弁の付いた耐熱ガラスの保存容器が扱いやすいです。フタを外さずに蒸気を逃がせるので、密閉による破裂の心配がなくなります。

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レンジ対応マークの見方

市販の容器には、レンジ対応を示す表示が付いていることがあります。電子レンジの絵や波線のマーク、「電子レンジ使用可」「レンジOK」といった文字ですね。ただし表記はメーカーごとに違うので、マークの形を覚えるより文字と数字を読むほうが確実です。

気をつけたいのが、条件付きの表示です。「フタを外して使用」「解凍のみ」「オーブン不可」といった但し書きが小さく添えられていることがあります。マークだけを見て安心せず、周囲の文字も読んでください。

「レンジ可」の表示が容器の内側や底の凹んだ部分にあって読みにくいこともあります。指で触って刻印を探すと見つかることがあるので、印字が薄い容器はいちど明るいところで確認してみてください。それでも読めないものは、判断できないものとして扱うのが安全です。

そして、レンジ対応とオーブン対応は別物です。レンジ可でもオーブン不可の容器は多くあります。オーブン機能を使うつもりなら、レンジとは別に確認が必要です。機能の違いや使い分けについては置き場の寸法・容量・機能で絞る選び方の記事でも触れています。

表示が消えかけている古い容器は、判断できないものとして扱ってください。使い込んだプラスチックは劣化して耐熱性が落ちていることもあります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。

電子レンジに入れてはいけない食材

容器の次は食材です。代表が殻付き卵や栗、ぎんなん。ゆで卵をほんの10秒だけ温めた場合でも破裂の報告があり、時間が短ければ安全というわけではありません。

殻や膜の内側で蒸気が発生して、逃げ場がなくなるからですね。だから加熱時間の問題ではなく、構造の問題ということになります。もうひとつが少量の加熱で、ミニトマト1個、にんにく1片、パン1切れ、乾いたご飯を少しだけ。こうした加熱は空焚きに近い状態になり、発火につながることがあります。量が少ないほど安全そうに感じますが、実際は逆なんですよね。皮や膜のある食材も同じ理屈で破裂するので、切れ目を入れるといった下ごしらえが要ります。

この章では、殻付き卵と栗・ぎんなん、少量の加熱、そして皮や膜のある食材を見ていきます。

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殻付き卵と栗・ぎんなん

殻や硬い皮で覆われた食材は、そのまま加熱すると破裂します。生卵、ゆで卵、栗、ぎんなん、殻付きの銀杏。どれも中の水分が水蒸気になったときに逃げ場がありません。

ゆで卵はすでに火が通っているので大丈夫だと思われがちですが、これが誤解です。白身と黄身の中には水分が残っていて、加熱すれば水蒸気になります。むしろ固まった白身が壁になるため、圧力が抜けにくいとも言えます。

どうしても温めたい場合は、切り分けて断面を作ってください。半分に切る、細かく刻む、フォークで数か所穴を開ける。逃げ道を作れば破裂しにくくなります。ただし穴を開けても内部の状態は見えないので、加熱は短めにして様子を見ながら進めるのが安全です。

加熱時間も関係します。ゆで卵をほんの10秒だけ温めた場合でも破裂の報告があり、時間が短ければ安全というわけではありません。中の水分が局所的に沸点を超えれば、そこで一気に膨張します。時間を短くするより、逃げ道を作るほうが確実な対策です。

卵を使った料理でも、状態によって注意が必要です。目玉焼きの黄身は膜に包まれているので、そのまま温めると弾けることがあります。黄身に切り込みを入れる、ラップをふんわりかけて飛び散りを抑える、といった対策を取ってください。茶碗蒸しのように水分の多い状態なら比較的落ち着いていますが、それでも加熱しすぎると膨張します。

栗やぎんなんは、殻に切り込みを入れる方法が知られていますが、加減が難しい食材です。専用の道具や別の調理法を選ぶほうが確実だと思います。

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少量の加熱は空焚きに近い

意外と危ないのが「量が少ない」場合です。マイクロ波は庫内に出続けているので、吸収してくれる水分が少ないと、電波がわずかな食品に集中します。結果として、少量のものは想定より早く高温になります。

ミニトマト1個、にんにく1片、パン1切れ、乾いたご飯を少しだけ。こういう加熱で焦げたり煙が出たりするのは、量が少ないからです。同じ時間でも量が多ければ問題ないのに、少ないと焦げる。この非対称さは覚えておく価値があります。

対策は2つです。加熱時間を短く区切って様子を見ること、そして水を少し足すことです。耐熱容器に水を入れて一緒に庫内へ置く方法もあります。加熱時間とワット数の関係は600Wが何度になるのかを計算で解説した記事で扱っているので、時間の見当をつけたいときに役立つと思います。

水を足す量の目安は、耐熱の小さなカップに半分程度です。食品と一緒に庫内へ入れておくと、電波の一部が水に吸収されるので集中が緩みます。飲み物を温めるついでに小皿のご飯を温めるといった組み合わせでも、同じ効果が得られます。

回転皿のあるタイプでは、置く位置も影響します。中央より少し外側に置いたほうが電波が当たりやすい機種が多いので、少量のものは中央に置きっぱなしにしないほうがムラが減ります。とはいえ機種による差があるので、取扱説明書の記載を優先してください。

そして、食品を入れずに運転するのは絶対に避けてください。吸収先がまったくないので、電波が庫内で反射を繰り返し、部品を傷めます。空焚き防止機能のない機種では特に危険です。

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皮や膜のある食材は破裂する

殻ほど硬くなくても、皮や膜があると同じことが起きます。ソーセージ、たらこ、いくら、トマト、なす、ししとう、皮付きのじゃがいも。どれも表面が水蒸気を閉じ込めます。

ソーセージは加熱すると皮が破れて中身が飛び散ります。加熱前に切り込みを入れるか、爪楊枝で数か所刺しておけば防げます。じゃがいもは皮にフォークで穴を開け、ラップで包んで加熱するのが定番のやり方ですね。

逆に、皮や膜があっても心配の少ない食材もあります。皮をむいたにんじんやかぼちゃ、切ったキャベツ、みずみずしい葉物。断面が出ていて水蒸気の逃げ道があるものは、破裂の心配はほとんどありません。判断のポイントは「表面が閉じているかどうか」なので、切ってあるかどうかを見れば見当がつきます。

魚卵はとくに注意が必要な食材です。細かい粒が膜に包まれた状態なので、一粒ずつが小さな圧力容器のようになります。加熱すると勢いよく飛び散ることがあるため、レンジでの加熱は避けたほうがいいと思います。

油分の多い食品も別の理由で注意が必要です。油は水より高温になりやすく、しかも温度が上がっても沸騰しないので変化に気づきにくい。揚げ物の温め直しは短時間ずつにして、目を離さないようにしてください。同じ「入れてはいけないもの」の考え方は他の調理家電にもあり、電気圧力鍋に入れてはいけないものをまとめた記事生ごみ処理機で避けるべきものの記事も、判断の型として参考になると思います。

電子レンジで火花や煙が出たときの対処

最後に、実際に火花や煙が出てしまったときの対処です。最優先はドアを開けることではなく、まず運転を止めて電源プラグを抜くこと。順番を間違えると危険が増します。

ドアを先に開けると空気が入って、くすぶっていたものが燃え上がることがあるからですね。煙が出ている場合は、しばらく閉めたまま様子を見るほうが安全です。火が収まったことを確認してから取り出し、庫内を掃除します。原因を特定しておくのも大事で、前の章までで見た3系統のどれに当てはまったのかを振り返ると、次に同じことを起こさずに済みます。金属だったのか、密閉だったのか、水分不足だったのか。ここがはっきりすれば対策も決まります。

この章では、火花や煙が出たときの手順と、そのあとの確認を見ていきます。

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火花・発煙が出たときの手順

まず運転を止めます。停止ボタンを押し、それでも止まらない場合は電源プラグを抜いてください。マイクロ波の発生を止めることが最優先です。

次に、扉はすぐに開けないでください。庫内で炎が出ている場合、扉を開けると空気が入って一気に燃え広がるおそれがあります。煙が出ている程度なら、扉を閉めたまま様子を見て、炎が収まってから開けるのが基本です。

火花や発煙が起きたあとは、庫内に焦げやすすが残っていることがあります。掃除をしても異臭や動作の異常が残る場合は、そのまま使い続けずメーカーや販売店に点検を依頼してください。炎が消えない、煙が止まらないといった状況では、消火や避難を優先し、必要に応じて消防へ通報してください。最終的な判断は専門家にご相談ください。

◆レンのメモ

扉を開けないというのは直感に反しますが、庫内は金属の箱なので、閉じたままなら炎が外に広がりにくい構造になっています。酸素の供給を断つという意味でも、開けないほうが被害は小さくなります。

庫内で炎が出ている場合、水をかけようとしないでください。電気製品なので感電のおそれがありますし、熱くなった庫内に水をかけるとガラスが割れることもあります。プラグを抜いて扉を閉めたまま様子を見る、これが基本の手順です。

手が届く範囲にある可燃物は離しておきましょう。電子レンジの上にレシピ本や紙袋を置いている家庭は少なくありませんが、発煙時にそれが引火するおそれがあります。ふだんから本体の上に物を置かないようにしておくと、いざというときの被害が小さくなります。

収まったあとは、原因を確認します。何を入れていたか、加熱時間はどのくらいだったか、庫内に古い汚れがなかったか。この3つを振り返れば、多くの場合どの系統に当てはまったかが分かります。

予防としていちばん効くのは、加熱時間を決め打ちしないことです。「3分」と入力して離れるより、2分で一度止めて確認する。この習慣だけで過加熱による事故はかなり減ります。とくに解凍や再加熱は、食品の量や温度によって必要な時間が変わるので、表示された時間をそのまま使うより様子を見ながら足していくほうが安全です。

そして庫内を掃除してください。焦げ付きが残っていると、次の加熱でまた同じことが起きます。柔らかい布とぬるま湯で拭き取り、こびりつきは水を含ませてしばらく置いてからゆるめると取りやすくなります。研磨剤や金属たわしは庫内を傷めるので使わないでください。

電子レンジに入れてはいけないものに関するよくある質問(FAQ)

アルミホイルは絶対に使えないのですか?

メーカーの案内では、解凍時に加熱し過ぎる部分をおおう用途に限って使えるとされています。それ以外の使い方や、その他の金属製容器はレンジ加熱には使えません。用途が限定された例外なので、判断に迷う場面では使わないほうが安全です。お使いの機種で認められている使い方は、取扱説明書をご確認ください。

「電子レンジ可」と書かれた容器なら何を温めても大丈夫ですか?

容器が対応していても、中身が問題になることがあります。油分の多い食品は容器の耐熱温度を超える高温になることがあり、少量の食品は焦げやすくなります。また容器がレンジ可でもフタは対応していない製品があるので、本体とフタを別に確認してください。

ゆで卵は火が通っているのに破裂するのはなぜですか?

火が通っていても内部には水分が残っていて、加熱すれば水蒸気になります。殻や固まった白身が壁になって水蒸気の逃げ道がないため、圧力が高まって破裂します。NITEの資料でも、ゆで卵を加熱して破裂し庫内のガラスプレートが破損した事例が挙げられています。温めたい場合は切り分けて断面を作ってください。

少しだけ温めたいのに焦げてしまいます。何が原因でしょうか?

量が少ないことが原因である可能性が高いです。マイクロ波を吸収する水分が少ないと、電波がわずかな食品に集中して想定より早く高温になります。加熱時間を短く区切って様子を見る、耐熱容器に少量の水を入れて一緒に置く、といった対策が有効です。

火花が出ましたが今は普通に動いています。そのまま使っていいですか?

庫内に焦げやすすが残っていないかを確認し、まず掃除してください。そのうえで、異臭がする、加熱ムラが急に増えた、異音がするといった変化があれば使用を控えて点検を依頼してください。見た目に異常がなく動作も安定しているなら使えることもありますが、判断に迷う場合は最終的な判断をメーカーや販売店にご相談ください。

まとめ|電子レンジに入れてはいけないもの

電子レンジに入れてはいけないものは、3つの系統で覚えると迷いません。金属を含むものは火花が出て部品を傷めます。密閉されているものは水蒸気の逃げ場がなくて破裂します。水分の少ないものは熱が集中して焦げ、やがて発煙・発火につながります。

容器で見るポイントは3つです。「電子レンジ可」の表示があるか、耐熱温度が140℃以上と書かれているか、そしてフタも同じ条件を満たしているか。陶磁器は基本的に使えますが、色絵付け・ひび模様・金銀模様のあるものは使えません。表示がないものは、判断材料がないので使わないのが正解です。

食材では、殻や皮や膜のあるものに気をつけてください。卵、栗、ソーセージ、たらこ、皮付きのじゃがいも。切り込みや穴で逃げ道を作れば防げるものもありますが、魚卵のように避けたほうがいいものもあります。少量の加熱が焦げやすいことも、知っておくと事故を減らせます。

もし火花や煙が出たら、まず運転を止め、扉はすぐに開けない。この2つが順番です。収まってから原因を振り返り、庫内を掃除する。庫内の汚れそのものが発火の原因になるので、日常の掃除が予防になります。

もうひとつ覚えておきたいのは、家族で共有している家電だという点です。自分は分かっていても、別の人がゆで卵を入れてしまうことはあります。よく使う容器のうちレンジに入れてよいものだけを決まった場所に置く、といった仕組みにしてしまうと、知識に頼らずに防げます。小さな子どもがいる家庭では、扉のチャイルドロックの有無も確認しておくと安心です。

3系統の考え方が身につくと、初めて見る食品や容器でも「これはどの系統だろう」と考えられるようになります。一覧を覚えるより応用が効くので、迷ったときはこの3つに立ち返ってみてください。

なお、この記事で挙げた内容は一般的な目安です。使える容器や認められている使い方は機種によって異なりますので、必ずお使いの電子レンジの取扱説明書をご確認ください。正確な情報は公式サイトをご確認ください。安全に関わる判断が必要な場合は、最終的な判断を専門家にご相談ください。

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