電子レンジの選び方|容量・加熱方式・置き場で失敗しない決め方
電子レンジを買い替えようと調べはじめると、まずランキングや人気商品の一覧にたどり着きますよね。評価の高い機種を選んでおけば間違いないだろう、と考えるのは自然な流れだと思います。
ところが、この買い方では「届いたけれど置けない」という失敗が起こります。本体はラックに収まったのに、放熱のすき間が足りなくて使えない。あるいは扉が壁にぶつかって開ききらない。庫内が広いモデルを選んだのに、コンビニ弁当が入らなかった、という声もあります。
電子レンジは、家電のなかでも設置条件がきびしい部類です。だからこそ、選ぶ順番を変えるだけで失敗はほとんど防げます。この記事では、①置き場の寸法と放熱スペース②世帯人数から出す庫内容量③単機能かオーブン付きか、という3段階で絞り込む方法を解説します。この順番なら、候補は数機種まで自然に減っていきますよ。
- ランキングから選ぶと失敗しやすい理由
- 置き場の寸法と放熱スペースの測り方
- 世帯人数から庫内容量を決める考え方
- 単機能とオーブン付きの選び分け
電子レンジの選び方は3つの順番で決まる
最初に全体の流れを押さえておきましょう。電子レンジ選びでつまずく人の多くは、実は「見る順番」が逆になっています。ここを入れ替えるだけで、候補の絞り込みは驚くほど楽になりますよ。
ランキングから選ぶと失敗する理由
ランキングや売れ筋一覧は、たしかに参考になります。ただ、そこに並んでいるのは「多くの人が買った機種」であって「あなたの家に置ける機種」ではありません。この違いが失敗の入口になります。
電子レンジには、本体の外形寸法とは別に設置に必要な寸法があります。本体の周囲にすき間を空けないと、内部にこもった熱を逃がせないからです。ランキングの商品ページに大きく出ているのは外形寸法のほうなので、それだけを見て「ラックの幅に収まる」と判断すると、実際には置けないという事態になります。
もうひとつ、容量の落とし穴もあります。庫内容量はリットル(L)で表されますが、この数字は容積であって、庫内の「形」までは教えてくれません。容量が大きくても庫内が狭くて奥行きがあるタイプだと、幅のある弁当や大きめの皿が入らないことがあります。
そして機能です。オーブン機能やスチーム機能が付いているほど上位機種に見えますが、使わない機能にお金を払うことになりますし、本体も大きくなって置き場のハードルが上がります。機能の多さと、あなたにとっての使いやすさは別物なんですね。
この3つの落とし穴に共通しているのは、どれも商品ページの目立つところには書かれていないという点です。価格・容量・機能は大きく出ていますが、設置寸法や庫内寸法は仕様表の下のほうにあります。だから見落とすんですね。
逆に言えば、見る場所さえ分かっていれば防げます。この3つの落とし穴は、どれも「選ぶ順番」を変えるだけで避けられますよ。
置き場から容量、機能の順に絞る
おすすめの順番は、制約が強いものから決めることです。具体的にはこうなります。
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| 順番 | 決めること | なぜこの順番か |
|---|---|---|
| 1 | 置き場の寸法と放熱スペース | 変えられない条件。ここで候補が最も絞れる |
| 2 | 世帯人数から庫内容量 | 置ける範囲の中で、必要な広さを決める |
| 3 | 単機能かオーブン付きか | 残った候補から、使う機能で選ぶ |
この順番が効くのは、1番が最も変えにくい条件だからです。置き場は簡単には広げられませんが、機能は妥協できます。逆に機能から入ると、置けない機種に心を奪われてから「実は置けない」と気づくことになり、また最初から選び直しになってしまいます。
この考え方は、実は電子レンジに限りません。設置条件が厳しい家電はどれも同じ順番で絞るのが早道です。同じ手順を洗濯機に当てはめた例として、置き場の寸法から容量、タイプの順に絞る3ステップをまとめた記事も参考になるかなと思います。
買い物の前にやることは1つだけです。置き場の内寸をメジャーで測ること。幅・奥行き・高さの3つを控えておけば、この記事の残りはその数字に当てはめていくだけになります。
電子レンジを置く場所と放熱スペース
ここが選び方の要になる部分です。放熱スペースは見落とされやすいところなので、少し丁寧に見ていきますね。
本体寸法だけでは置けるか決まらない

商品ページに書かれている外形寸法は、あくまで本体そのもののサイズです。実際に必要なのは、それに放熱スペースを足した設置寸法のほうになります。
なぜすき間が要るのかというと、電子レンジは内部で発生した熱を排気口から逃がしているからです。パナソニックは、放熱スペースが足りないと空気が循環せずにレンジの過熱や機能低下につながるとして、必ず本体上面・壁から指定の距離を確保するよう案内しています(出典:パナソニック「レンジの放熱スペース(離隔距離)が足りないが問題ないか」)。
つまり、すき間を削ると壊れやすくなるだけでなく、温める性能そのものが落ちるということです。ぎゅうぎゅうに押し込んで使うと、あたために時間がかかるようになったり、思ったほど熱くならなかったりします。
測るときは、次の3つを紙に書き出しておいてください。
- 置き場の内寸(幅・奥行き・高さ)。棚板の上に置くなら、その棚の内側の寸法です
- 扉が開く向きと、開ききるのに必要な前方のスペース
- コンセントの位置と、そこまでの距離
この3つが揃えば、商品ページの設置寸法と突き合わせるだけで置けるかどうかが判断できます。
測るときに見落としやすいのが、棚板の奥にある巾木や配線の出っ張りです。壁際にコンセントがあると、プラグの厚み分だけ本体を手前に出す必要が出てきます。奥行きの数字がぎりぎりだった場合、この数センチで置けなくなることがあります。
扉の開き方も確認しておきたいところです。電子レンジの扉は左開きが多いのですが、縦開き(手前に倒れるタイプ)もあります。左開きの機種を壁のすぐ右に置くと、扉が壁にぶつかって半分しか開きません。扉が全開したときに、皿を出し入れできる空間が残るかまで想像してみてください。
賃貸で置き場が決まっている場合は、先に置き場の寸法を測ってから店に行くのがいちばん確実です。店頭では本体の見た目に目が行きがちなので、数字を持っていないと判断がぶれます。
上・後ろ・左右に必要なすき間
では、どれくらいのすき間が必要なのでしょうか。
パナソニックは電子レンジの置き場について、背面と左右は一般的に10〜20cm、上方は8cmほど空ける必要があると説明しています。ただし、これはあくまで一般的な目安です(出典:パナソニック「電子レンジの置き場はどこが正解?」)。
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| 方向 | 目安 | 確認するときの注意 |
|---|---|---|
| 上方 | 8cmほど | 棚板やつり戸棚の下面まで測る。機種によっては15〜20cm必要なものもある |
| 背面 | 10〜20cm | 壁との距離。コンセントの出っ張りも含めて考える |
| 左右 | 10〜20cm | 片側だけ大きく空ける指定の機種もある |
ここで強調しておきたいのが、必要な離隔距離は機種によってかなり違うという点です。パナソニックが示しているのはあくまで一般的な目安で、実際にはメーカーやモデルごとに個別の指定があります。上方に20cm以上を求める機種もありますし、左右のどちらか一方を大きく開けるよう指定する機種もあります。
ですので、目安で当たりをつけたら、最終的には候補機種の取扱説明書か商品ページの設置寸法を必ず確認してください。メーカーの公式サイトには機種ごとの設置寸法が掲載されています。ここを飛ばすと、寸法が合わずに置けないという結果になりかねません。
ビルトイン風に棚へぴったり収めたいと考える方もいるかもしれません。ただ、すき間を詰めると過熱や機能低下につながるとメーカーが明記している以上、見た目を優先して指定距離を削るのはおすすめできません。どうしても収めたいなら、必要な離隔距離が小さい機種を選ぶか、棚板の位置を変えるほうが確実です。
置いてはいけない場所と電源の条件
寸法が合っていても、置いてはいけない場所があります。パナソニックが挙げているのは次のような場所です。
- コンロやIHなど火元のそば。樹脂部品の変形や焦げのおそれがあります
- 開閉式の窓が背面にある場所。雨風による漏電の危険があります
- 熱に弱い壁材や家具が近い場所
- 背面が防火性能の低い化粧板の場所
電源についても条件があります。アース線は必ず取り付けましょうと明記されており、湿気が多い場所ではアース工事が必要になるとされています。また、延長コードやタコ足配線は避けること、複数の家電を同時に使うと発火のおそれがあることも案内されています。
電子レンジは消費電力の大きい家電です。一般家庭のコンセント1口で使える目安は15アンペア程度とされているので、同じ回路でほかの調理家電を同時に使うとブレーカーが落ちることがあります。アース端子付きのコンセントが近くにあるかは、置き場を決める段階で確認しておいてください。
そのほか、テレビやラジオから4m以上離すこと、吸気口・排気口を塞がないこと、地震対策として転倒防止器具を使うことも挙げられています。本体の上にラップやグリル皿などの物を置かないようにも注意されています。
置き場を決めるときは、コンロ・シンク・冷蔵庫を結ぶ動線の中に入れると使いやすくなります。調理台と同じ高さに置けると、熱い皿の出し入れも安全ですよ。
世帯人数から庫内容量を決める
置き場が決まったら、その範囲に収まる機種の中から容量を選びます。ここは人数だけでなく、使い方の癖も効いてくる部分です。
庫内容量の人数別の目安

庫内容量はリットル(L)で表されます。一般的な目安を整理すると、次のようになります。
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| 世帯人数 | 庫内容量の目安 | 本体サイズの傾向 |
|---|---|---|
| 1人暮らし | 20L以下(16〜18L前後) | 幅450mm×奥行350mm程度が一般的 |
| 2人暮らし | 20〜25L(22L前後) | 同上〜やや大きめ |
| 3〜4人 | 25〜30L(26L前後) | 幅500mm×奥行400mm程度が一般的 |
| 4人以上 | 30L以上 | 幅500mm×奥行450mm程度が一般的 |
これはあくまで一般的な目安です。数字の幅があるのは、同じ人数でも使い方が違うからですね。
目安からずらしたほうがよいのは、次のような場合です。
- 1人暮らしでも作り置きをするなら、20L台を選ぶと大きめの保存容器が入りやすくなります
- 家族が多くても温めるのは1人分ずつなら、無理に30L以上にしなくても足ります
- 冷凍食品をよく使うなら、箱のサイズが入るかを基準にしたほうが確実です
容量の数字だけを追うより、普段いちばん多く温めるものが何かを思い浮かべるほうが、選択を外しません。
人数だけでは決めきれないと感じたら、同時に何皿温めるかまで含めて見ると答えが出ます。人数と同時加熱数の組み合わせから必要な容量の下限を出す早見表をまとめた記事もあるので、あわせて確認してみてください。
もうひとつ、容量は本体サイズと連動している点も押さえておきましょう。表の右側にあるとおり、20L未満なら幅450mm×奥行350mm程度、25〜30Lなら幅500mm×奥行400mm程度、30L以上なら幅500mm×奥行450mm程度が一般的なサイズ感です。これはあくまで傾向ですが、容量を1段階上げると本体も一回り大きくなると考えておくと、置き場との突き合わせがしやすくなります。
ここで前半の話とつながります。置き場の内寸をすでに測ってあるなら、そこから放熱スペースを引いた残りが、置ける本体の最大サイズです。その範囲に収まる容量が、あなたの選べる上限になります。人数の目安より置き場の制約のほうが厳しければ、置ける側に合わせるのが正解です。
容量が足りないと感じたときの回避策もあります。1回で全部を温めようとせず、2回に分ける。あるいは、平たい容器に移して面積を稼ぐ。この工夫があれば、目安より1段階小さい容量でも足りる場合があります。
容量より先に確かめたい庫内の形
実はここが、容量の数字以上に大事なポイントです。
同じ20Lでも、庫内の形は機種によって違います。幅が広く奥行きが浅いタイプもあれば、奥行きがあって幅が狭いタイプもあります。容積が同じでも、入る皿の大きさは変わるということですね。
とくに確認したいのが次の3つです。
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| 確認するもの | 見るところ | 合わないと起きること |
|---|---|---|
| コンビニ弁当・スーパーの惣菜 | 庫内の幅と奥行き | 斜めにしないと入らない、扉が閉まらない |
| 普段使っている大皿 | 庫内の幅(回転式なら回れる直径) | 回転皿に載せると引っかかる |
| 冷凍食品の箱 | 庫内の高さ | 立てて入れられない |
商品ページには庫内寸法が載っていることが多いので、家でよく使う容器を実際に測って比べてみてください。定規で測った数字を控えておくと、店頭でもネットでも判断が一瞬で済みます。
なお、庫内が広いほど良いとは限りません。庫内が大きくなれば本体も大きくなり、置き場のハードルが上がります。使わない広さのために置き場の選択肢を狭めるのは、もったいない選び方かなと思います。
庫内の形でもうひとつ見ておきたいのが、扉を開けたときの底面の高さです。ラックの上段に置く場合、庫内の底が目線より高くなると、中の様子が見えずに出し入れしづらくなります。熱い皿を扱うことを考えると、これは安全面にも関わる部分です。設置する高さは、庫内の底が胸から腰くらいに来る位置が扱いやすいとされています。
単機能かオーブン付きかを決める
最後が機能の選択です。ここまでで置ける機種と必要な容量が決まっているので、あとは使い方に合わせるだけになります。
単機能レンジで足りる人
単機能電子レンジは、あたためと解凍に絞った機種です。オーブン機能やグリル機能は付いていません。
次のような使い方なら、単機能で十分です。
- 冷凍食品やお弁当をあたためるのが中心
- ご飯や作り置きのおかずを温め直す
- 牛乳や飲み物を温める
- パンやお菓子を焼く習慣がない
単機能を選ぶ利点は3つあります。ひとつは価格が抑えられること。8,000〜15,000円程度の価格帯が中心で、オーブンレンジより手が届きやすくなっています。ふたつめは庫内の掃除がしやすいこと。オーブン機能がない分だけ構造がシンプルで、こびりつきも少なくなります。
どちらにするか決めきれない場合は、できること以外の違いも並べて比べると判断しやすくなります。本体価格・掃除の手間・設置サイズまで4点で比較し、焼く回数から決める考え方を整理した記事も参考になりますよ。
3つめが本体を小さくしやすいことです。置き場の制約が厳しい家では、これが決め手になることもあります。オーブン機能を外すことで、放熱スペースまで含めて収まる機種が候補に入ってくることがあります。
単機能を選ぶときに気をつけたいのが、出力の切り替えができるかという点です。安価な機種のなかには、出力が固定されているものや、切り替えの段階が粗いものがあります。牛乳を温めたい、解凍だけしたい、といった使い方をするなら、低出力に落とせるかを見ておくと後悔しません。
もうひとつ、あたための自動機能の有無も確認しておきましょう。センサーで温度を見て自動で止まるタイプなら、時間を設定しなくても済みます。毎日使うものなので、この手間の差は積み重なりますよ。
単機能で足りそうなら、この記事で挙げた条件を満たす一例です。庫内は18Lで1人暮らしの目安に収まり、掃除のしやすいフラットテーブル。引っ越しても使えるヘルツフリー仕様です。
設置に必要な離隔距離は必ず商品ページか取扱説明書でご確認ください。価格や在庫、現行モデルかどうかは変わります。
オーブンレンジが要る人
一方で、オーブンレンジを選んだほうがよいのは次のような場合です。
- パンやお菓子を焼く
- グラタンやローストなど、焼き目をつける料理を作る
- トースターを別に置く場所がない、または置きたくない
- ノンフライ調理など、油を減らす調理をしたい
判断の目安として、「ひと月に何回オーブンを使うか」を具体的に思い浮かべてみてください。月に数回以上使うイメージが湧くなら、オーブンレンジを選ぶ価値があります。逆に、あったら使うかも、という程度なら単機能で足りることが多いです。
ここで比較したいのが、単機能レンジ+トースターという組み合わせです。焼き目をつけたいだけならトースターで足りることが多く、しかも2台合わせてもオーブンレンジ1台より安く収まる場合があります。ただし置き場は2台分必要になるので、前半で測った寸法との兼ね合いで判断してください。
逆にオーブンレンジ1台にまとめる利点は、置き場が1つで済むことと、庫内が広いぶん一度に扱える量が多いことです。キッチンが狭い家では、この一体化が効きます。どちらが正解ということはなく、置き場と使う頻度の掛け算で決まる話ですね。
オーブンも使いたい、でも置き場は広くない。そういう条件に向くのが省スペース設計をうたうモデルです。庫内26Lは3〜4人の目安に当たり、こちらもフラットテーブルです。
省スペース設計でも放熱スペースは必要です。前半で測った置き場の内寸と、商品ページの設置寸法を必ず突き合わせてから選んでくださいね。
オーブンレンジを選ぶ場合、置き場の条件はさらに厳しくなります。庫内が大きくなるぶん本体も大きく、発熱量が増えるので放熱スペースも広く求められる傾向があります。オーブン付きを検討するなら、置き場の寸法をもう一度確認してからにしてくださいね。
なお、調理家電をどう組み合わせるかという視点も役に立ちます。役割が重なる家電の使い分けについては、電気圧力鍋と炊飯器の違いを比較した記事でも整理しているので、キッチンの家電構成を見直すときの参考にしてみてください。
フラットとターンテーブルの違い

もうひとつ、庫内の方式にも2つのタイプがあります。これは価格と使い勝手のバランスに関わる部分です。
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| 方式 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| フラットテーブル | 庫内の底が平ら。回転皿がなく、四角い弁当や大皿もそのまま置ける。構造がシンプルで拭き掃除がしやすい | 掃除の手間を減らしたい、大きめの容器を使う |
| ターンテーブル | 回転皿が回る方式。フラットより価格が抑えられた機種が多い | 価格を優先したい、温めるものが小さめ |
フラットテーブルは掃除のしやすさと入れやすさが利点で、いま主流になっている方式です。庫内に段差がないので、皿が引っかかることもありません。
ターンテーブルは価格面が強みです。ただし、回転皿からはみ出す大きさのものは入れにくく、四角い弁当だと回転中に庫内の壁に当たることがあります。庫内の広さを実質的に使い切れるのはフラットのほうと考えておくとよいでしょう。
加熱ムラについては、方式だけで一概に優劣は決まりません。ターンテーブルは回すことでムラを減らす仕組みですが、フラットテーブルもアンテナの回転などでムラを抑える設計になっています。気になる場合は、途中でかき混ぜる、加熱時間を分けるといった使い方で調整できます。
実際の選択場面では、方式は単独で選ぶものではなく、価格帯についてくるものと考えるほうが実態に近いかなと思います。手ごろな価格帯にはターンテーブルが残っていますが、一定以上の価格帯はほぼフラットテーブルです。ですので、予算を決めた時点で方式もおおよそ絞られる、という関係になります。
ここまでで3段階の絞り込みが終わりました。最後に、候補が2〜3機種に絞れたときの決め方も置いておきますね。
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| 迷ったときの基準 | 優先すること |
|---|---|
| 置き場に余裕がない | 必要な離隔距離が小さい機種を選ぶ |
| 掃除の手間を減らしたい | フラットテーブルで、庫内がシンプルな機種 |
| 予算を抑えたい | 単機能・ターンテーブル。使わない機能を切る |
| 長く使いたい | 補修用性能部品の保有期間と保証を確認する |
最後の行は見落とされやすいので補足しておきます。家電メーカーは製造を打ち切ったあとも一定期間、修理用の部品を保有しています。この期間を過ぎると有償でも修理を受けられなくなるため、長く使いたいなら購入前に確認しておく価値があります。期間はメーカーと製品カテゴリーによって違うので、公式サイトのサポートページで確認してみてください。
置き場まわりの考え方は、蒸気や熱を出す他のキッチン家電にも共通します。棚の寸法と熱の逃がし方については、炊飯器の置き場所と蒸気対策をまとめた記事でも具体的に扱っているので、キッチン全体のレイアウトを考えるときに読んでみてください。
掃除のしやすさは、毎日使う家電では想像以上に効いてきます。回転皿があると、皿を外して洗い、軸のまわりの汚れも拭く、という手間が毎回かかります。予算に大きな差がないなら、フラットテーブルを選んでおくと日々のストレスが減りますよ。
電子レンジの選び方に関するよくある質問(FAQ)
放熱スペースが少し足りないのですが、そのまま使っても大丈夫ですか?
おすすめできません。パナソニックは、放熱スペースが足りないと空気が循環せずにレンジの過熱や機能低下につながるとして、必ず本体上面・壁から指定の距離を確保するよう案内しています。少し足りない程度でも、あたために時間がかかる、思ったほど熱くならないといった形で表れることがあります。棚板の位置を変える、必要な離隔距離が小さい機種に替えるといった対応を検討してください。正確な情報は各メーカーの公式サイトと取扱説明書をご確認いただき、設置に不安がある場合は販売店にご相談ください。
冷蔵庫の上に電子レンジを置いてもよいですか?
冷蔵庫の天面が耐熱仕様になっているかを確認する必要があります。近年は天面に物を置ける設計の冷蔵庫もありますが、すべてがそうではありません。冷蔵庫側の取扱説明書で耐熱仕様と耐荷重を確認し、電子レンジ側の放熱スペースも同時に満たせるかを見てください。どちらか一方でも条件を満たさない場合は、別の置き場を検討したほうが安全です。あわせて、水平で安定していること、地震時の転倒対策ができることも確認してくださいね。
ワット数が大きいほど早く温まりますか?
基本的には、出力が大きいほど短時間で温まります。ただし、高出力を長時間続けられるかは機種によって違い、一定時間で自動的に出力が下がる設計のものもあります。また、出力が大きい機種は消費電力も大きくなるため、コンセントの容量や同時に使う家電との兼ね合いも確認が必要です。日常のあたためが中心なら、最大出力の数字よりも庫内の広さや使い勝手のほうが満足度に効いてくることが多いかなと思います。
安い機種と高い機種で、何がいちばん違いますか?
価格差の中心は、オーブンやスチームなどの調理機能と、センサーの精度です。単機能レンジは8,000〜15,000円程度の価格帯が中心で、オーブンレンジやスチームオーブンレンジになるほど価格が上がっていきます。あたためだけを使う人にとっては、価格差の多くが使わない機能に対するものになります。逆に、自動あたためを頻繁に使うならセンサーの差は体感しやすい部分です。自分がどの機能を実際に使うかで判断してください。
置き場の寸法はどこを測ればよいですか?
測るのは置き場の内寸です。棚に置くなら棚板の上面から上の棚板の下面までの高さ、左右の壁や仕切りの内側までの幅、手前から奥までの奥行きの3つを測ってください。あわせて、扉が開ききるのに必要な前方のスペースと、コンセントの位置も確認します。この数字を控えておけば、商品ページの設置寸法と突き合わせるだけで判断できます。メジャーがない場合は、スマートフォンの計測アプリより実物のメジャーのほうが確実です。
まとめ|電子レンジの選び方は置き場から始める
ここまでの内容を整理します。
電子レンジ選びで失敗しないコツは、選ぶ順番を変えることです。ランキングや機能から入るのではなく、①置き場の寸法と放熱スペース②世帯人数から出す庫内容量③単機能かオーブン付きかの順に絞っていきます。制約が強いものから決めるので、候補が自然に減っていきます。
置き場については、本体の外形寸法だけでは判断できません。放熱スペースの目安は上方が8cmほど、背面と左右が10〜20cmとされていますが、必要な離隔距離は機種によってかなり違います。目安で当たりをつけたら、候補機種の設置寸法を必ず確認してください。放熱スペースが足りないと、過熱や機能低下につながるとメーカーが明記しています。
容量は、1人暮らしなら20L以下、2人なら20〜25L、3〜4人なら25〜30L、4人以上なら30L以上が目安です。ただし容量の数字より、普段よく使う弁当や皿が入るかどうかを確認するほうが確実です。同じ容量でも庫内の形は違います。
機能は、オーブンを月に数回以上使うイメージが湧くならオーブンレンジ、あたためと解凍が中心なら単機能で足ります。単機能は価格が抑えられ、掃除がしやすく、本体を小さくしやすいという利点があります。庫内の方式は、掃除のしやすさと入れやすさならフラットテーブル、価格を優先するならターンテーブルです。
最後にもう一度お伝えしておくと、買い物の前にやることは置き場の内寸を測ることだけです。幅・奥行き・高さの3つが分かっていれば、あとはその数字に当てはめていくだけで候補は数機種まで絞れますよ。
なお、設置条件や仕様は機種によって異なります。数値はあくまで一般的な目安なので、正確な情報は各メーカーの公式サイトと取扱説明書をご確認ください。設置場所や電源の条件で判断に迷う場合は、最終的な判断を販売店やメーカー、必要に応じて電気工事の専門家にご相談くださいね。