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KADEN LAB

COOKING / RESEARCH REPORT

電子レンジのワット数換算早見表|600Wと500Wの時間の計算方法

キッチンに置かれた電子レンジと、記事タイトル「電子レンジのワット数換算早見表 600Wと500Wの加熱時間の直し方」を重ねた表紙スライド

電子レンジのワット数換算早見表|600Wと500Wの時間の直し方

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

レシピに「600Wで2分」と書かれているのに、家のレンジは500Wしか選べない。冷凍食品の袋には500Wと700Wしか書かれていないのに、うちは600W。そんな場面、けっこうありますよね。

このとき必要になるのがワット数の換算です。仕組みはシンプルで、加熱時間はワット数に反比例します。つまり出力が下がれば、その分だけ時間を伸ばせばいい。600Wを500Wに直すなら約1.2倍が基準になります。

この記事では、換算係数の出し方をまず示し、そのまま使える早見表を置きます。さらに、量が倍になったときに時間を単純に倍にしてはいけない理由も計算で説明します。読み終えるころには、どんなワット数のレシピでも自分の機種に合わせられるようになりますよ。

  • 加熱時間がワット数に反比例する理由と計算式
  • 600W基準と500W基準のワット数換算早見表
  • 量が変わったときに時間をどう調整するか
  • 換算どおりにいかないときに疑うこと

ワット数換算は反比例で計算する

まず計算の考え方から押さえましょう。ここが分かると、早見表がなくても暗算で出せるようになります。

加熱時間はワット数に反比例する

電子レンジのワット数は、1秒あたりに食品へ与えるエネルギーの量を表しています。ワット(W)は「1秒あたり何ジュールのエネルギーを出すか」という単位だからです。

ということは、同じだけ温めたいなら、必要なのはエネルギーの総量です。総量は「出力×時間」で決まるので、出力が小さくなればその分だけ時間を伸ばせば、同じ総量になります。

式にすると次のとおりです。

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考え方
エネルギーの総量 出力(W)× 時間(秒)
換算後の時間 もとの時間 ×(もとのワット数 ÷ 換算先のワット数)

この2行目が換算式そのものです。もとのワット数を換算先のワット数で割った数を、時間に掛ける。これだけで求まります。

もう少し踏み込むと、必要なエネルギーの量そのものも計算で出せます。水を温める場合、1グラムの水を1度上げるのにおよそ4.2ジュールが要ります。

マグカップ1杯分の水150グラムを、20度から80度まで、つまり60度ぶん上げるとしましょう。計算は「150 × 4.2 × 60 = 37,800ジュール」です。

これを600Wで割ると63秒。500Wで割ると約76秒になります。63秒に1.2を掛けると75.6秒ですから、先ほどの換算式ときちんと一致します。反比例というのは、こういう意味なんですね。

ただし、この計算値は「最短でこれくらい」という下限だと考えてください。実際には容器が熱を吸い、庫内の壁からも熱が逃げ、マイクロ波のすべてが食品に届くわけでもありません。そのため実測は計算値より長くなるのが普通です。あくまで一般的な目安として使い、最終的にはご自身の機種での結果を基準にしてくださいね。

600Wを500Wにするなら約1.2倍

実際に数字を入れてみましょう。

600Wの表示を500Wに直したい場合、式は「600 ÷ 500 = 1.2」となります。つまり時間を1.2倍にすればよいということです。

600Wで2分(120秒)なら、120 × 1.2 = 144秒。つまり2分24秒です。

逆に、500Wの表示を600Wに直すなら「500 ÷ 600 = 0.83」なので、時間は0.83倍。500Wで2分(120秒)なら、120 × 0.83 = 約100秒、つまり1分40秒になります。

1.2倍という数字が扱いにくければ、「1分あたり12秒足す」と言い換えてもいいでしょう。600Wで3分なら、3分に36秒を足して3分36秒。暗算ならこちらのほうが早いかもしれません。

覚えるのは1つだけで足ります。600W→500Wは1.2倍。この関係を知っていれば、逆向き(500W→600W)は1.2で割ればよく、他のワット数も同じ式で出せます。迷ったら「出力が下がったら時間は伸びる」という方向だけ間違えないようにしてくださいね。

換算係数の出し方

よく使う組み合わせの係数を出しておきます。式は同じで、もとのワット数を換算先のワット数で割るだけです。

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もとの表示 換算先 計算 係数
600W 500W 600 ÷ 500 ×1.20
600W 700W 600 ÷ 700 ×0.86
600W 800W 600 ÷ 800 ×0.75
600W 1000W 600 ÷ 1000 ×0.60
500W 600W 500 ÷ 600 ×0.83
500W 700W 500 ÷ 700 ×0.71
500W 800W 500 ÷ 800 ×0.63
500W 1000W 500 ÷ 1000 ×0.50

表を眺めると規則性が見えます。換算先のワット数が大きいほど係数は小さくなる、つまり時間が短くなります。出力が上がったぶん早く終わる、という当たり前の関係が数字で確認できますね。

そもそも同じワット数で何度まで温まるのかが気になった場合は、計算の中身から追うと納得しやすくなります。ワット数が温度ではなくエネルギーの量である理由を計算で示した記事もあるので、あわせて読んでみてください

1000Wへの換算だけは覚えやすいので触れておきます。600Wからなら0.6倍、500Wからならちょうど半分です。500Wの表示を1000Wで使うなら時間は半分、と覚えておくと便利ですよ。

表に無いワット数も同じ式で出せます。900Wを使うなら「600 ÷ 900 = 0.67」でおよそ3分の2。700W表示のレシピを600Wで作るなら「700 ÷ 600 = 1.17」で、2割弱の増しと見ておきましょう。

ここで1つ、換算式を当てはめないほうがよい設定があります。解凍モードと、200W前後の低出力設定です。

数字だけを見れば「600Wの3倍の時間」で済みそうですが、解凍は温めるのが目的ではなく、氷を溶かしつつ端が煮えるのを防ぐための工程です。多くの機種では重量やセンサーの情報をもとに独自の制御をしているため、単純な時間換算では想定どおりに進みません。解凍は換算せず、機種の解凍モードに任せるのが確実です。

電子レンジのワット数換算早見表

ここからは計算せずに使える表を置きます。よく出てくる時間だけを並べたので、そのまま参照してください。

600W表示を他のワット数に直す

600W表示の30秒・1分・2分・3分・5分を、500W・700W・800W・1000Wに換算した加熱時間を並べた早見表のスライド
600W表示の加熱時間を500W・700W・800W・1000Wへ換算した早見表

レシピや冷凍食品でいちばん多いのが600W表示です。まずはこれを他のワット数に直す表から。

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600Wの表示 500Wなら 700Wなら 800Wなら 1000Wなら
30秒 36秒 26秒 23秒 18秒
1分 1分12秒 51秒 45秒 36秒
2分 2分24秒 1分43秒 1分30秒 1分12秒
3分 3分36秒 2分34秒 2分15秒 1分48秒
5分 6分 4分17秒 3分45秒 3分

表にない時間は、係数を掛けて計算してください。たとえば600Wで4分なら、500Wは240秒 × 1.2 = 288秒、つまり4分48秒です。

この表がいちばん活きるのは、冷凍食品を温めるときでしょう。パッケージの加熱時間は多くの場合500Wと600W、あるいは500Wと700Wで併記されています。手持ちの機種のワット数が併記に無いときは、近いほうの数字を選ぶのではなく換算してください。600Wしかない機種で700W表示の時間を選ぶと、その100W分の差がそのまま加熱不足になります。

500W表示を他のワット数に直す

500W表示の30秒・1分・2分・3分・5分を、600W・700W・800W・1000Wに換算した加熱時間を並べた早見表のスライド
500W表示の加熱時間を600W・700W・800W・1000Wへ換算した早見表

次に、500W表示を他のワット数に直す表です。冷凍食品のパッケージでは500Wと700Wが併記されていることも多いので、この向きも使います。

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500Wの表示 600Wなら 700Wなら 800Wなら 1000Wなら
30秒 25秒 21秒 19秒 15秒
1分 50秒 43秒 38秒 30秒
2分 1分40秒 1分26秒 1分15秒 1分
3分 2分30秒 2分9秒 1分53秒 1分30秒
5分 4分10秒 3分34秒 3分8秒 2分30秒

2つの表を見比べると、同じ「2分」でも基準が違えば結果が変わることが分かります。レシピがどのワット数を前提にしているかを必ず確認してから換算してください。ここを取り違えると、計算は正しくても結果が合いません。

意外と見落としやすいのが、レシピの表記そのものです。ワット数を書かずに「レンジで2分」とだけ書かれている場合、どの出力を前提にしているかは読み取れません。仕上がりが合わないときは、自分の計算より先に基準ワット数を疑ってみてください。500Wのつもりで600Wの表示を読んでいた、というのはよくあるずれ方です。

秒数の丸め方と安全な使い方

計算すると1分43秒のような半端な数字が出ますが、電子レンジは秒単位で設定できない機種もあります。そんなときの考え方をまとめておきましょう。

基本は短いほうへ丸めるのがおすすめです。1分43秒なら1分40秒に。理由は単純で、足りなければ後から追加できるけれど、加熱しすぎたものは戻せないからです。

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計算結果 おすすめの設定 理由
1分43秒 1分40秒 → 様子を見て追加 不足は足せるが、加熱しすぎは戻せない
2分34秒 2分30秒 → 様子を見て追加 同上
4分17秒 4分 → 様子を見て追加 長い加熱ほど誤差が大きくなる

とくに加熱時間が長いものほど、短めに設定して追加するやり方が効きます。5分の加熱で1割ずれると30秒の差になりますが、30秒の加熱なら3秒です。長い加熱ほど、一発で決めようとしないほうが安全ですね。

追加するときの刻み方にもコツがあります。もとの時間の1割から2割を目安にしてください。2分の加熱に足すなら10〜20秒、5分なら30秒から1分といった具合です。

ここで「あと1分」と大きく足してしまうと、せっかく短めに設定した意味がなくなります。短く設定して追加するやり方の狙いは、近づきすぎて行き過ぎるのを防ぐことにあるからです。刻みを小さくするほど、狙った状態で止めやすくなります。

なお、10秒単位でしか設定できない機種でも、途中でドアを開けて中身を確認すれば細かい調整の代わりになります。ドアを開けると加熱は止まるので、途中で確認しても問題ありません。

もうひとつ、加熱を止めた直後に判断しないことも大切です。マイクロ波が止まっても、表面近くにたまった熱は中心へ向かって伝わり続けます。取り出して1分ほど置くと、庫内で感じたよりも中心が温まっていることがよくあります。

厚みのあるものほど、この後追いの効果は大きくなります。「まだぬるい気がする」とすぐ追加してしまうと、少し置けばちょうどよかったものを加熱しすぎることになります。追加するかどうかは、少し待ってから決めてくださいね。

量が変わるときの時間の考え方

ワット数の換算と並んで悩ましいのが、量が違うときです。ここは単純な比例にならないので、分けて説明します。

量を倍にしても時間は倍にしない

ごはんの量を2倍にしたとき体積は2倍でも表面積は約1.6倍にとどまることを図示し、加熱時間の目安を1.5〜1.8倍とする理由を示したスライド
量が2倍でも表面積は約1.6倍にとどまるため加熱時間は2倍にしない

1人分のレシピを2人分作りたい。このとき加熱時間をどうするかという話です。

理屈だけで言えば、温める量が倍になれば必要なエネルギーも倍なので、時間も倍というのが出発点になります。ここまでは前半の式と同じ考え方です。

ところが、実際に倍の時間をかけると加熱しすぎになることがあります。理由は熱の逃げ方にあります。

加熱中、食品は表面から熱を逃がしています。ここで大事なのが、量を増やしても表面積は同じ比率では増えないという点です。

形が変わらないまま体積が2倍になると、長さは2の3乗根で約1.26倍、表面積はその2乗で約1.59倍にしかなりません。中身は2倍になったのに、熱が逃げる窓口は1.6倍止まりということです。量が増えるほど、逃げる熱の割合は相対的に小さくなるわけですね。

つまり、量が倍のときに必要な時間は倍より少し短くて済むことが多くなります。目安としては、まず1.5〜1.8倍程度で設定し、足りなければ追加するのが実用的です。

具体的に見てみましょう。冷蔵したごはん150グラムを600Wで1分30秒温めるとします。これを300グラムに増やすなら、単純な倍の3分ではなく、1.6倍の2分24秒あたりから試すという考え方です。

足りなければ20秒ずつ足していけば、行き過ぎずに済みます。最初から3分にしてしまうと、戻す手段がありません。この順序を守るだけで、失敗はぐっと減りますよ。

逆に量を半分にするときは、この関係が反対に働きます。体積が半分になっても表面積は0.63倍までしか下がらず、体積の減り方(0.5倍)に追いつきません。相対的に熱が逃げやすくなるので、時間を半分にすると足りないことがあります。半分の量なら0.6倍程度から試すとよいでしょう。

この調整は目安であって、食材や容器、庫内での置き方によって結果が変わります。とくに肉や魚を加熱する場合は、中心部まで十分に加熱されているかを確認してください。生焼けは食中毒の原因になり得るので、時間を短くする方向の調整をしたときは、必ず中心の状態を確かめてから食べるようにしてくださいね。

分けて加熱するほうが確実な理由

量が多いときの選択肢として、そもそも分けて温めるという方法があります。手間は増えますが、仕上がりは安定します。

理由はマイクロ波が届く深さに限りがあるからです。マイクロ波は食品の表面から数センチの深さまで届き、そこで水分を振動させて熱を生みます。中心部は、表面近くで生まれた熱が伝わることで温まっていきます。

ということは、食品の塊が厚くなるほど、中心まで熱が届くのに時間がかかります。厚みのあるものを一度に温めようとすると、外側が熱くなりすぎているのに中心が冷たいという状態になりやすいわけです。

対策は3つあります。

  • 平たく広げる。同じ量でも厚みが減れば、中心までの距離が短くなります
  • 2回に分ける。1回あたりの量を減らせば、厚みも減ります
  • 途中で混ぜる。熱くなった部分と冷たい部分を入れ替えます

とくに1つめは効果が大きく、時間の短縮にもつながります。カレーやシチューのようなものは、深い器より平たい器に移したほうが早く均一に温まりますよ。

3つめの「途中で混ぜる」は、タイミングにもコツがあります。全体の半分から3分の2ほど進んだあたりで一度止めるのが目安です。早すぎるとまだ差が生まれておらず、遅すぎると外側が熱くなりすぎたあとになってしまいます。

2分の加熱なら1分過ぎ、3分なら2分あたりで一度開けて混ぜる。この一手間で、追加加熱の回数そのものが減ることも多いですよ。

並べ方にも工夫の余地があります。おにぎりや小さめの惣菜を複数温めるとき、中央にまとめず円を描くように外側へ並べると、それぞれにマイクロ波が当たりやすくなります。中央に積み重ねると、内側のものだけ温まりにくくなってしまうんですね。

ラップの使い分けも仕上がりに影響します。水分を逃したくないもの(ごはん、煮物、野菜)はラップをかけると蒸気が保たれます。逆に水分を飛ばしたいもの(揚げ物の温め直しなど)はラップをせず、耐熱皿にキッチンペーパーを敷くほうが向きます。同じ時間でも、この違いだけで仕上がりの印象は変わります。

換算どおりにいかないとき

計算は合っているのに仕上がりがずれる。そんなときに疑うポイントを整理しておきます。

表示ワット数と実際の出力の違い

まず知っておきたいのが、表示されているワット数がずっと維持されるとは限らないということです。

高出力のモードでは、一定時間が過ぎると自動的に出力が下がる設計の機種があります。1000Wや900Wといった高出力は、短時間の加熱を想定していることが多いんですね。長時間の加熱で高出力を選んでも、換算どおりの結果にならないことがあります。

もうひとつ、低いワット数の作り方にも機種差があります。電子レンジでマイクロ波を発生させるマグネトロンという部品は、本来オンかオフしかありません。

そのため、価格を抑えた機種ではオンとオフを繰り返して平均的な出力を作っています。500Wと表示されていても、実際には高出力の加熱と休止を交互に行っているわけです。一方、インバーターと呼ばれる制御(出力を細かく調整する仕組み)を積んだ機種は、出力そのものを連続的に絞れます。

これから買い替える場合は、出力の刻み方も選ぶ段階で見ておきたい点になります。単機能とオーブンレンジを4点で比較し、出力の切り替えまで含めて確認する項目をまとめた記事も参考になりますよ

この違いが効いてくるのは、低いワット数でじっくり温めたいときです。オンとオフを繰り返すタイプでは、オンの瞬間に高出力がかかるため、ムラが出やすくなります。低ワット数の換算どおりにしても仕上がりが揃わない場合、この構造が理由かもしれません。

低いワット数での仕上がりを揃えたいなら、インバーター制御を積んだモデルが候補になります。仕様欄に「インバーター」と明記されているかが見分け方です。価格帯は機種によって差があるので、実際の販売価格を見比べてから判断してくださいね。

続けて何度も使うときにも差が出ます。マグネトロンは動作中に発熱するため、短い間隔で連続して使うと部品の温度が上がり、機種によっては保護のために出力が抑えられることがあります。作り置きをまとめて温め直すような場面で「2回目以降だけ時間が足りない」と感じたら、これが理由かもしれません。

また、電子レンジの出力表示は消費電力ではなく加熱に使われる出力を指します。消費電力のほうは表示出力より大きい数値になるので、この2つを混同しないでください。換算に使うのは加熱側の数字です。

この加熱側の出力は、一定量の水を温めたときの温度上昇から算出する方法で定められています。つまり水を基準にした値なので、水分の少ない食品では表示どおりの効率にならないことがあります。正確な仕様は機種ごとに違うので、高出力を長時間使う場面が多いなら、お使いのモデルの取扱説明書で出力の維持時間を確認しておくとよいでしょう。

食材によって伝わり方が違う

もうひとつの要因が食材です。マイクロ波は水分に働くので、水分量が違えば温まり方も変わります

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状態・種類 温まり方 調整のしかた
水分が多いもの(スープ、野菜) 温まりやすい 換算どおりで足りることが多い
水分が少ないもの(パン、揚げ物) 局所的に熱くなりやすい 短めに設定して様子を見る
冷凍状態のもの 氷は水よりマイクロ波を受けにくい 解凍モードを使うか、低出力で時間をかける
油分・糖分が多いもの 局所的に高温になりやすい 短めに設定し、途中で混ぜる

とくに冷凍状態のものは注意が必要です。氷の状態ではマイクロ波のエネルギーを受け取りにくく、一部が溶け始めるとそこだけ急激に温まる、という偏りが起きやすくなります。解凍は専用モードか低出力で、というのはこの性質があるからですね。

見落としやすいのが、加熱前の温度です。同じ料理でも、室温に置いていたものと冷蔵庫から出したてでは、スタート地点が10度以上違います。前半で示した計算式に当てはめれば、温度差が大きいほど必要なエネルギーも増えるということです。

レシピの時間が常温のものを前提にしている場合、冷蔵庫から出したてで同じ時間だと足りません。冷蔵状態から温めるなら、時間を1〜2割増しで見ておくとちょうどよくなることが多いですよ。

もうひとつ、量が少なすぎるときも換算どおりにはいきません。マイクロ波は食品の水分に吸収されて熱に変わりますが、吸収する相手が少ないと、行き場を失ったマイクロ波が反射してマグネトロンに戻り、負荷をかけるおそれがあります。ごく少量を長く加熱するのは避け、短い時間で区切って様子を見てください。

容器の材質も無視できません。厚みのある陶器は自身が熱を吸うため、その分だけ食品に回るエネルギーが減ります。薄い耐熱ガラスや樹脂の容器に比べて、同じ時間でもぬるく感じることがあります。いつも使う器で結果を覚えておくと、次からの調整が楽になりますね。

◆レンのメモ

換算はあくまで出発点です。同じ計算でも食材と量で結果は変わるので、最初の1回は短めに設定して、追加した秒数を覚えておく。それが自分の機種の癖をつかむ近道になりますよ。

電子レンジのワット数換算のよくある質問(FAQ)

レシピに書かれていないワット数しか選べません。どうすればよいですか?

この記事の式で換算してください。「もとの時間 ×(もとのワット数 ÷ 手持ちのワット数)」で求まります。たとえばレシピが600Wで3分、手持ちが900Wしかないなら、180秒 × 600 ÷ 900 = 120秒、つまり2分です。ただし高出力ほど加熱の進みが早く、少しの差が大きく響きます。計算値より短めに設定して、様子を見ながら追加するのが安全です。とくに初めて作るレシピでは、一発で決めようとしないでくださいね。

低いワット数で長く温めるのと、高いワット数で短く温めるのは同じですか?

与えるエネルギーの総量としては同じですが、仕上がりは変わります。高出力で短時間だと、表面近くが急に熱くなり、中心まで熱が伝わる時間が足りずにムラが出やすくなります。逆に低出力で時間をかけると、生まれた熱が内部へ伝わる余裕があるので、均一に仕上がりやすくなります。厚みのあるものや、じっくり温めたいものは低出力を選ぶ。飲み物や薄いものは高出力で手早く。この使い分けが実用的です。

半端な秒数は切り上げと切り捨てのどちらがよいですか?

切り捨て、つまり短いほうへ丸めるのがおすすめです。足りなければ10秒ずつ追加できますが、加熱しすぎたものは元に戻せません。とくに水分の少ないものや糖分の多いものは、少しの加熱しすぎで焦げたり硬くなったりします。ただし肉や魚など、中心まで加熱する必要があるものは別です。短く設定した場合は必ず中心の状態を確認し、足りなければ追加してください。安全に関わる部分なので、見た目だけで判断しないようにしてくださいね。

2人分を作るとき、時間は何倍にすればよいですか?

理屈の上では2倍ですが、実際には2倍より短くて済むことが多くなります。量が増えても表面から逃げる熱の割合は相対的に小さくなるためです。目安としては1.5〜1.8倍程度から始め、足りなければ追加してください。ただし、これは量が増えたときに厚みも増えるという条件で変わります。平たく広げれば熱が中心まで届きやすくなるので、器を変えるだけで必要な時間が変わることもあります。肉や魚の場合は、必ず中心まで加熱されているかを確認してから食べてください。

ワット数が高い機種のほうが電気代はかかりますか?

1秒あたりの消費は大きくなりますが、そのぶん加熱時間が短くなるので、同じものを温める電気代は大きくは変わりません。使う電力量は「消費電力×時間」で決まり、出力が倍になれば時間はおよそ半分になるからです。ただし高出力の機種は本体価格が上がる傾向があり、待ち時間の短さと価格のどちらを取るかという選択になります。正確な消費電力は機種によって異なるので、気になる場合は各メーカーの公式サイトで仕様をご確認ください。

解凍モードも同じように時間を換算できますか?

解凍モードは換算の対象外と考えてください。解凍は温めるのが目的ではなく、氷を溶かしながら端が煮えるのを防ぐ工程で、多くの機種が重量やセンサーの情報をもとに独自の制御をしています。単純に「600Wの3倍の時間で200W」といった置き換えをしても、想定どおりには進みません。冷凍のものを扱うときは、機種の解凍モードを使うか、低出力で短めに区切って様子を見ながら進めるのが確実です。詳しい使い方はお使いの機種の取扱説明書をご確認ください。

まとめ|ワット数換算は1.2倍から覚える

ここまでの内容を整理します。

電子レンジの加熱時間はワット数に反比例します。換算式は「もとの時間 ×(もとのワット数 ÷ 換算先のワット数)」で、これ1つですべての組み合わせに対応できます。

いちばん使う600Wから500Wへの換算は1.2倍。600Wで2分なら500Wで2分24秒です。逆に500Wから600Wなら0.83倍で、500Wで2分は600Wで1分40秒になります。1000Wへの換算は、500W基準ならちょうど半分と覚えると簡単です。

量が変わるときは、単純な比例にはなりません。量が倍でも表面から逃げる熱の割合は相対的に小さくなるので、時間は倍より短くて済むことが多くなります。目安は1.5〜1.8倍程度から始めて追加する形です。厚みが増すと中心まで熱が届きにくくなるので、平たく広げる・2回に分ける・途中で混ぜるという3つの工夫も効きます。

換算どおりにいかないときは、高出力が一定時間で下がる機種があること、低いワット数をオンとオフの繰り返しで作る機種があること、食材の水分量や冷凍状態、加熱前の温度によって温まり方が違うことを疑ってください。とくに冷凍状態のものは偏りが出やすいので、解凍モードか低出力を使うのが確実です。

そして、どの場面でも短めに設定して追加するのが基本です。足りない分は足せますが、加熱しすぎたものは戻せません。追加は元の時間の1〜2割ずつを目安にすると、行き過ぎずに狙った状態で止められます。

なお、出力の維持時間や自動メニューの挙動は機種によって異なります。数値はあくまで一般的な目安なので、正確な情報はお使いのモデルの取扱説明書と各メーカーの公式サイトをご確認ください。とくに肉や魚など中心まで加熱が必要な食材については、加熱不足がないかを必ず確かめ、判断に迷う場合は食品の表示や公的機関の案内に従ってくださいね。