除湿機の設定湿度は何%が正解?カビを防ぐ目安と下げすぎの害
除湿機の湿度設定を何%にすればいいのか。50%なのか、60%なのか、いっそ40%まで下げたほうがカビに強いのか。数字が並ぶと迷いますよね。しかも下げるほど電気代は増えるので、適当に決めるわけにもいきません。
先に答えを言うと、50〜60%に置いておけば家庭の用途ではまず足ります。この数字には根拠があって、メーカーの自動運転がまさにその範囲を目標に動いているんです。三菱電機の除湿機の自動除湿運転は、室温20℃以下では湿度60%、室温20〜27℃では湿度50%に設定を変えて除湿すると説明書に明記されています。
そしてもうひとつ、検索されている言葉を見ていて気づいたことがあります。「除湿機 設定温度」「除湿機 何度から」という探し方をしている人がかなりいる。ところが多くの除湿機に、温度を設定する機能はありません。この記事では、その誤解をほどくところから始めて、設定湿度の決め方、下げすぎたときに起きること、そして設定どおりにならないときの確認先までを整理します。
- 除湿機で設定できるのは何で、できないのは何か
- メーカーと公的基準から見た適切な湿度の範囲
- 40%まで下げても得にならない理由
- 設定したのに湿度が下がらないときに見る場所
多くの除湿機に温度設定はない

最初に、探し方そのものを整理しておきます。「除湿機の設定温度は何度がいい?」という疑問は、前提が少しずれていることが多いからです。除湿機は空気から水分を取り除く機械であって、部屋を冷やしたり暖めたりする機械ではありません。エアコンのように温度を指定する操作は、基本的に用意されていないのです。ただし、室温がまったく無関係かというとそうでもなく、機種によっては室温に応じて内部の目標値を変えています。ここを知っておくと、操作パネルで何を触ればよいかがはっきりします。まずは設定できるものとできないものを分けましょう。操作パネルに並んでいるスイッチを1つずつ見ていけば、数分で確認できます。なお機種によっては温度を表示するものもありますが、表示と設定は別の機能です。
設定できるのは湿度だけという機種が多い
三菱電機の除湿機の操作部には、運転切換スイッチと湿度設定スイッチが並んでいます。ここで選べるのは運転モードと湿度で、温度の項目はありません。説明書にも、「湿度設定」以外では、湿度を設定することはできませんという一文があり、湿度設定という運転モードを選んで初めて数値を指定できる仕組みだと分かります。
つまり、強運転や弱運転を選んでいる状態で湿度の数字をいじろうとしても反応しません。これを「設定できない機種だ」と受け取ってしまう人がいますが、モードの問題です。同じ説明書には、湿度設定スイッチを押すと「湿度設定」に切換わりますという案内もあるので、スイッチひとつで移れます。
設定できる数値は段階式で、押すごとに設定湿度が変わる方式です。表示についても仕様があり、現在湿度は30〜80%まで表示します、湿度が30%以下のときは30%を表示、湿度が80%以上のときは80%を表示すると説明書に書かれています。30%と80%は「それ以上・それ以下」を意味する打ち止めの表示だということです。ずっと80%から動かないように見えるときは、実際にはもっと高い可能性があります。
なお、運転モードは記憶される機種があります。三菱電機の説明書には、この除湿機は運転モードを記憶しています、運転「切」にしても次回は前回と同じ設定で運転を始めますという記載があります。前回の設定が引き継がれるので、季節が変わったら見直す習慣をつけておくとよいでしょう。
室温で設定湿度を変える自動運転がある
温度設定はないと書きましたが、室温を見ていないわけではありません。むしろ機械のほうが室温に応じて目標湿度を切り替えています。
三菱電機の説明書の自動除湿運転の説明には、室温20℃以下では湿度60%、室温20〜27℃では湿度50%に設定を変えて除湿しますと書かれています(出典:三菱電機 衣類乾燥除湿機 MJ-P180VX 取扱説明書)。メーカー自身が、室温によって狙う湿度を50%と60%で使い分けているわけです。これは、同じ相対湿度でも室温によって空気中の水分量が変わることを踏まえた設計だと考えられます。
さらに室温が高い場合の挙動も書かれていて、湿度50%まで除湿したあと送風はしますが除湿はしません、湿度が60%まで上がると、再び除湿しますとされています。つまり自動除湿は50%まで下げて、60%まで戻ったらまた動くという幅を持った制御になっています。50と60という2つの数字が、メーカーの設計思想の中に明確に存在しているということです。
この仕様を知っていると、設定湿度を自分で決める必要があるのかという問いにも答えが出ます。細かく管理したい事情がなければ、自動除湿に任せておけば適切な範囲に収まります。手動で設定したいのは、部屋干しで一時的に強く除湿したいときや、逆に電気代を抑えたいときでしょう。室温そのものが気になる場合は別の話になり、除湿機からは温風が出る仕様なので、除湿機で涼しくなる?室温が2〜8℃上がる理由と体感温度を下げる使い方で温度の扱いを確認してください。
設定湿度は50〜60%で足りる
ここからが本題です。手動で設定するとき、何%を選ぶべきか。結論は50〜60%で、その根拠は3つあります。メーカーの自動運転が狙っている値、公的な基準が示す範囲、そしてカビが育ちにくい条件。この3つがきれいに重なる帯域が50〜60%です。逆に言えば、この範囲から外して得をする場面は家庭ではほとんどありません。もちろん部屋干しのように一時的に強く除湿したい場面はありますが、それは常用の設定とは別の話になります。まずは湿度帯ごとに何が起きるのかを一覧で押さえたうえで、根拠を順に見ていきましょう。
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| 相対湿度 | この帯で起きやすいこと | 除湿機の設定としての位置づけ |
|---|---|---|
| 40%未満 | のどや肌の乾燥、静電気が起きやすい | 下げすぎ。家庭で狙う必要はない |
| 40〜50% | 公的基準の下限側。乾きは早い | 部屋干しなど一時的な用途向き |
| 50〜60% | メーカーの自動運転が狙う範囲 | 常用の設定として推奨できる |
| 60〜70% | 公的基準の上限側。カビの条件に近づく | これ以上は上げない目安 |
| 70%超 | カビ・ダニが活発になりやすい | 除湿を強める場面 |
メーカーの自動運転が目標にしている値
まず、いちばん実務的な根拠です。前の章で見たとおり、三菱電機の自動除湿運転は室温20℃以下で湿度60%、室温20〜27℃で湿度50%を目標にしています。加えて仕様表の注記にも、自動除湿運転時の除湿可能床面積のめやすは相対湿度を50%程度に保つ数値ですと書かれていて、カタログの性能表示そのものが50%を基準に作られていることが分かります。
別の運転モードにも数字が出てきます。浴室カビガードという機能について、説明書は自動的に風量を切換えて運転し、湿度50%まで除湿したあと約4時間運転して自動停止すると説明しています。カビ対策を目的にした専用モードの目標値が、やはり50%です。
さらに上限側の手がかりもあります。同じ機種には、運転「切」のときに部屋の湿度が約75%以上になると表示が点滅してお知らせする機能があり、説明書には点滅したときは除湿することをおすすめしますと書かれています。75%は「そろそろ動かしたほうがいい」とメーカーが判断する水準ということです。
これらを並べると、メーカーが想定している家庭の湿度の姿が見えてきます。ふだんは50%前後に保ち、60%を超えたら除湿を再開し、75%まで上がったら警告を出す。手動で設定するなら、この設計に乗るのがいちばん素直でしょう。
公的な基準は40〜70%だが家庭向けではない
もうひとつの根拠が、法令にもとづく基準です。ただしこれは家庭にそのまま当てはまるものではないので、注意して読む必要があります。
厚生労働省が公開している建築物環境衛生管理基準では、空気調和設備を設けている場合の空気環境の基準として、相対湿度は40%以上70%以下と定められています。同じ表には、温度は18℃以上28℃以下、二酸化炭素の含有率は1000ppm以下といった項目も並んでいます。
ここで重要なのが適用範囲です。この基準は特定建築物、つまり一定規模以上のビルなどの維持管理に関するもので、住宅がそのまま対象になるわけではありません。しかも同じページには、外気導入機能のない家庭用ルームエアコンは、空気調和設備にも機械換気設備にも該当しませんという注記まであります。家庭の除湿機を縛る基準ではないということは、はっきりさせておきたいところです。
それでも参考になる理由は、この40〜70%という幅が「人が過ごす室内として望ましい範囲」として行政が示した数字だからです。同ページには、特定建築物以外の建築物であっても、多数の者が使用、利用するものについては建築物環境衛生管理基準に従って維持管理をするよう努めなければならないという努力義務の記載もあります。家庭で50〜60%を狙えば、この範囲のちょうど真ん中に収まります。(出典:厚生労働省 建築物環境衛生管理基準について)
カビを避けたいなら60%を超えさせない
3つめの根拠が、カビの側から見た条件です。設定湿度を決める動機がカビ対策なら、意識すべきは下限ではなく上限になります。
カビが育つには湿度・温度・栄養の3つがそろう必要がありますが、家庭で現実的に断てるのは湿度だけです。温度は人が快適に過ごす範囲と重なってしまいますし、栄養源となるほこりや皮脂は掃除で減らせてもゼロにはできません。だから湿度を上げさせないことが唯一の実効性のある手になります。カビと除湿機の関係を詳しく整理したものは除湿機はカビに効く?予防できる湿度の目安と生えたカビへの対処法を解説にあるので、予防と除去の違いも含めて確認しておくと設定の意味が分かりやすくなります。
ここで効いてくるのが、設定湿度を下げれば下げるほどカビに強くなるわけではない、という点です。60%を超えさせないことが目的なら、設定を55%にしても40%にしても、達成される結果は同じです。違うのは、そこに至るまでに使う電気の量だけ。目的が上限の管理なら、下限を攻める意味がないということになります。
そもそも除湿機が必要かどうかの判断基準としても、湿度60%はよく使われる数字です。住まいの条件と暮らし方から必要性を考えたい人は除湿機は必要か?いらない人と必要な人の違いを湿度60%で見分けるも参考になります。設定の話と購入判断の話は地続きで、どちらも60%という線を軸にしています。
40%まで下げても得はない

「念のため低めに設定しておこう」という判断は、除湿機についてはおすすめできません。下げるほど効果が増えるわけではなく、コストと不快だけが増えるからです。理由は2つあって、ひとつは機械の動き方、もうひとつは人体側の反応です。前者は電気代と運転時間に、後者はのどや肌の乾燥という形で表れます。しかも厄介なのが、どちらも「設定を下げたから悪くなった」と結びつけにくいこと。冬に湿度が下がるのは自然なことだと思ってしまうので、設定が原因だと気づかないまま過ごしてしまいます。ここでは、下げすぎたときに何が起きるのかを具体的に見ていきます。結論を先に言えば、カビ対策という目的が60%以下で達成される以上、そこから下は払うだけで返ってこない領域です。設定を下げる前に、何のために下げるのかを一度確かめてみてください。
電気代と運転時間だけが伸びる
設定湿度を下げるということは、除湿機が止まるタイミングを遠くすることです。三菱電機の説明書には、現在湿度が設定湿度より低くなると除湿運転を停止し、設定湿度より高くなると運転を再開しますと書かれています。設定値が低いほど、停止できる時間が短くなるという単純な関係になります。
もうひとつ、空気から水を取り出すのは湿度が低いほど難しくなります。空気中に水分が少なければ、同じ時間運転しても取れる水の量は減る。三菱電機の仕様表の注記にも、除湿能力は室温27℃、相対湿度60%を持続する室内で運転した数値ですとあり、温度・湿度が下がると除湿量は少なくなりますという記載もあります。低い湿度域では、同じ電気を使っても取れる水が減っていくわけです。
つまり40%を狙うというのは、効率の悪い領域で長時間運転し続けることを意味します。カビ対策という目的が60%以下で達成されるなら、そこから先は純粋に上乗せのコストです。電気代の計算そのものに関心がある場合は、風量や運転時間の影響も含めて検討したほうが精度が上がります。
なお、設定を下げても湿度が下がりきらない場合もあります。三菱電機の説明書には、お部屋が広いと設定湿度まで湿度が下がらない場合がありますという但し書きがあります。この場合は延々と運転を続けることになるので、電気代だけが増えて結果が出ないという最悪の形になります。部屋の広さと能力の関係は除湿機の畳数の目安を早見表で確認|木造は畳数×0.8が必要な理由で確認できます。
乾燥しすぎの不快と静電気
人体側の影響も無視できません。一般に、湿度が下がりすぎるとのどや鼻の粘膜、肌が乾きやすくなるとされています。ここは個人差が大きく、この記事で断定できる範囲を超えるので、あくまで一般的な傾向として受け取ってください。
目安として使えるのが、先ほどの公的な基準です。建築物環境衛生管理基準が相対湿度の下限を40%以上としているのは、乾燥しすぎた環境を避けるためだと読めます。行政が「40%を下回らないように」と書いている値を、わざわざ狙いにいく理由はありません。40%という数字は、除湿の目標ではなく避けるべき下限として覚えておくのが正しい使い方でしょう。
体感としては、静電気が起きやすくなる、朝起きたときにのどが痛い、肌がつっぱるといった形で表れるといわれます。これらも一般論であり、症状として気になる場合は医師にご相談ください。冬場は暖房で湿度が下がりやすい季節なので、そこに除湿機を低い設定で重ねると、乾燥が進みすぎることがあります。冬に除湿機を使うなら、設定は高め(60%)に寄せるほうが理にかなっています。三菱電機の自動除湿が室温20℃以下で60%を目標にしているのも、同じ方向の判断だと考えられます。
冬の除湿は結露対策として有効な場面もあるので、使わないほうがよいという話ではありません。目的が窓の結露なのか、部屋干しなのか、カビ予防なのかで適切な設定は変わります。季節ごとの使い分けは冬場に除湿機は効果ある?結露に効く方式と加湿器との使い分けを解説にまとめています。
設定どおりにならないときに見る場所
設定は正しいのに、湿度計の数字が動かない。あるいは本体の表示と部屋の湿度計が違う。この2つは、設定湿度の話で必ず出てくる悩みです。どちらも故障とは限らず、仕組みを知れば説明がつくことがほとんどです。除湿機のセンサーは本体が吸い込む空気を測っているので、部屋の真ん中の空気とは条件が違います。また、設定湿度に達していても運転を続ける時間帯が設計上あります。ここを知らないと、正常に動いている機械を疑い続けることになります。確認する場所を3つに分けて見ていきましょう。いずれも説明書に記載のある仕様なので、推測ではありません。順番としては、まず表示のずれを切り分け、次に能力と部屋の関係を見て、最後に運転の仕様を確認するのが効率的です。
本体センサーと部屋の湿度計はずれる

まず、本体の表示と手持ちの湿度計が一致しないのは、珍しいことではありません。理由は測っている場所が違うからです。
除湿機のセンサーは、本体が吸い込む空気の湿度を見ています。除湿機は床置きで使うことが多く、しかも自分自身が周囲の空気を除湿しているので、本体の周りは部屋の平均より乾いていることになります。逆に部屋の隅や窓際は湿度が高くなりがちです。同じ部屋でも場所によって数値が変わるのは当然と考えてください。
判断に使うなら、部屋の中央あたり、床から1メートル前後の高さに置いた湿度計の数値を基準にするほうが実態に近くなります。本体表示は「機械が今どう判断しているか」を示すもので、部屋の状態を代表する値ではありません。2つの数値は役割が違うので、一致させようとしなくてよいのです。
表示の仕様も押さえておきましょう。三菱電機の説明書には、現在湿度は30〜80%まで表示しますとあり、30%以下は30%、80%以上は80%と表示されるとされています。表示が80%から動かないときは、実際にはそれ以上ある可能性があります。
部屋が広いと設定湿度まで下がらない
設定しても湿度が落ちない場合、最初に疑うのは能力と部屋の関係です。
三菱電機の説明書には、お部屋が広いと設定湿度まで湿度が下がらない場合がありますとはっきり書かれています。除湿機には除湿可能床面積の目安があり、その根拠も示されています。同社の仕様表には、強運転時の除湿可能床面積のめやすは一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)規格(JEM 1411)に基づく数値ですという注記があります。畳数表示は業界規格にもとづく数値なので、部屋がそれを超えていれば能力不足です。
室温の影響もあります。同じ説明書には、室温が約5℃以下のときは水分が蒸発しにくいという趣旨の記載があり、仕様表にも温度・湿度が下がると除湿量は少なくなりますと書かれています。冬の朝など、条件によっては設定湿度に届かないことが起こります。
換気の状態も見てください。窓や扉が開いていれば、外から湿った空気が入り続けます。除湿機は部屋を閉じた状態で使うのが前提です。効かないと感じたときの確認手順は除湿機が効かないのは故障?室温・部屋の広さから確認する順番と目安にまとめてあるので、設定を疑う前に一度当たってみてください。
停止と再開の条件を知っておく
最後に、設定湿度に関わる動作の仕様です。ここを知らないと、正常な挙動を不具合と誤解します。
三菱電機の説明書には、運転開始後と再開後約6〜10分間は、部屋の湿度にかかわらず運転しますという記載があります。つまり設定湿度に達していても、最初の数分は止まらないということです。電源を入れた直後に「設定より低いのに動いている」と感じても、この時間帯なら正常です。
逆に、設定湿度に達すると止まります。同じ説明書には、設定湿度になると送風・ルーバーが停止する場合がありますという記載があり、現在湿度が設定湿度より低くなると除湿運転を停止するとも書かれています。止まったのは壊れたからではなく、目的を達成したからです。止まったり動いたりを繰り返すのも、湿度を追いかけている証拠になります。
この断続運転は音にも表れます。説明書には、圧縮機が動いている音です、自動で湿度をコントロールする運転や内部クリーン運転では断続運転をするため音がしたり止まったりしますと説明されています。設定湿度を使った運転では、音の出方が一定にならないのが普通だということです。
なお、タンクが満水になっても運転は止まります。これは設定湿度とは無関係の停止なので、止まったときはまずタンクを見るのが手順として早いでしょう。停止の原因を網羅的に切り分けたい場合は除湿機が途中で止まる5つの原因|満水・霜取り・自動停止の見分け方が使えます。
除湿機の設定湿度に関するよくある質問(FAQ)
除湿機は湿度何パーセントから使えばよいですか?
60%を超えたら動かす、という目安が分かりやすいでしょう。三菱電機の自動除湿運転は、湿度50%まで除湿したあと60%まで上がると再び除湿するという動き方をします。メーカーの制御がこの幅で組まれているので、手動でも同じ考え方で問題ありません。
もっと分かりやすい合図もあります。同機種には運転「切」のときに部屋の湿度が約75%以上になると表示が点滅してお知らせする機能があり、点滅したときは除湿することをおすすめしますと案内されています。75%は明確に「動かすべき」水準ということです。
部屋干しのときは設定を40%まで下げたほうが早く乾きますか?
乾く速さは湿度だけでなく風の当たり方にも左右されるので、設定を下げれば下げるほど速くなるとは限りません。多くの機種には衣類乾燥用の運転モードがあり、風量やルーバーの動きを含めて最適化されています。まずはそのモードを使うほうが確実です。
一時的に湿度を下げる使い方自体は問題ありません。ただし乾いたあとも低い設定のまま回し続けると、電気代と乾燥だけが残ります。洗濯物が乾いたら通常の設定に戻す、という運用にしてください。
絶対湿度で管理したほうが正確ではないですか?
考え方としては理にかなっていますが、家庭用の除湿機で絶対湿度を設定できる機種は一般的ではありません。操作パネルで指定するのは相対湿度で、本体の表示も相対湿度です。管理の単位を変えたくても、機械側が受け付けないというのが現実的な制約になります。
ただし、室温によって同じ相対湿度でも含まれる水分量が違うという感覚は持っておくと役に立ちます。三菱電機の自動除湿が室温20℃以下で60%、20〜27℃で50%と目標を変えているのは、まさにその差を吸収するための設計だと考えられます。自動運転に任せることが、結果的に近い管理になります。
本体の湿度表示が部屋の湿度計と10%以上違います。故障ですか?
測っている場所が違うので、ずれること自体は異常ではありません。除湿機のセンサーは本体が吸い込む空気を見ており、その空気は本体自身の除湿の影響を受けています。部屋の中央に置いた湿度計とは条件が違います。
確認するなら、除湿機を止めて30分ほど置いてから、本体表示と湿度計を見比べてみてください。それでも大きく離れていて、かつ除湿しても湿度計の数値がまったく動かないなら、センサーではなく能力や設置環境の問題を疑う段階です。表示は30〜80%の範囲でしか出ない点にも注意してください。
設定湿度を変えても運転が止まりません。壊れているのでしょうか?
まず、運転モードを確認してください。三菱電機の説明書には「湿度設定」以外では湿度を設定することはできませんと書かれています。強運転や弱運転を選んでいる状態では、そもそも設定湿度が効きません。
モードが正しい場合、運転開始後と再開後の約6〜10分間は部屋の湿度にかかわらず運転するという仕様があります。また、お部屋が広いと設定湿度まで湿度が下がらない場合があるとも書かれています。この2つに当てはまらず、何時間も止まらないようなら、部屋の広さと能力の関係、換気の状態、フィルターの目詰まりを順に確認してください。
まとめ|50〜60%に置けば迷わなくなる

除湿機の設定湿度は、50〜60%に置いておけば家庭の用途ではまず足ります。この結論は、3つの独立した根拠が同じ帯域を指していることから導けました。
1つめがメーカーの設計です。三菱電機の自動除湿運転は、室温20℃以下では湿度60%、室温20〜27℃では湿度50%に設定を変えて除湿します。さらに湿度50%まで下げたあと60%まで戻ると再び除湿するという幅を持った制御で、カタログの除湿可能床面積も相対湿度50%程度を保つ数値として示されています。50と60という数字は、メーカーの設計の中にそのまま埋まっているわけです。
2つめが公的な基準です。厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では、空気調和設備を設けている場合の相対湿度を40%以上70%以下としています。ただしこれは特定建築物を対象としたもので、家庭に直接適用される基準ではありません。参考値として使うなら、50〜60%はこの範囲の中央に収まります。
3つめがカビの条件です。カビ対策の要点は上限の管理なので、60%を超えさせなければ目的は達成されます。設定を40%まで下げても、達成される結果は変わりません。
逆に、下げすぎると2つの損が出ます。設定が低いほど機械の停止時間が短くなり、しかも湿度が低い領域では同じ運転時間で取れる水の量が減ります。効率の悪い領域で長く回すことになる、ということです。もうひとつが乾燥で、行政が下限として40%以上を示している以上、それを下回る環境をわざわざ作る理由はありません。冬に除湿機を使うなら、むしろ60%寄りに設定するほうが理にかなっています。
そして「除湿機の設定温度」という機能は、多くの機種に存在しません。設定できるのは湿度で、しかも「湿度設定」モードを選んでいるときだけです。室温は、自動除湿運転の中で機械が勝手に見てくれています。
なお、ここで挙げた数値は特定メーカーの取扱説明書と公的基準に基づくもので、機種や環境によって適切な設定は変わります。正確な情報はお使いの機種の取扱説明書とメーカー公式サイトをご確認ください。体調に関わる乾燥や湿気の影響については、気になる症状があれば医師にご相談ください。
設定を決めたら、部屋の中央に湿度計をひとつ置いてみてください。本体の表示だけを見ていると、部屋全体が下がったのか本体の周りだけなのかが分かりません。数百円の温湿度計でも、設定が効いているかどうかの答え合わせには十分役立ちます。
選ぶときは、湿度が1%刻みで表示されるデジタル式で、置き場所を選べる小型のものが扱いやすいでしょう。この記事で見てきたとおり判断に使うのは50〜60%という幅なので、5%刻みの表示だと境目が読み取りにくくなります。壁掛けと据え置きの両方に対応していると、部屋の中央あたりへ移したいときに困りません。