スマートリモコンの設置場所はどこがいい?反応が安定する置き方をやさしく整理
スマートリモコンを買ったものの、どこに置けばいいのか決めきれない。あるいは、とりあえずテレビ台の上に置いてみたら、エアコンだけ反応しない。そんな状態でこのページにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
置き場所ひとつで動いたり動かなかったりするので、機器の不具合を疑いたくなりますよね。その気持ち、とてもよく分かります。
先に結論からお伝えしますね。スマートリモコンの設置場所は、操作したい家電の受光部を見通せる、少し高めの位置が基本です。赤外線は光の一種で直進性が強く、壁や家具に遮られると回り込んでくれません。だから距離よりも先に、遮られていないかどうかを疑うのが近道になります。
そしてもうひとつ。スマートリモコンは赤外線とWi-Fiの二本立てで動いています。赤外線が届く場所であっても、Wi-Fiの電波が弱かったり、対応していない周波数帯につながっていたりすると、アプリからの操作は通りません。つまり置ける場所は、赤外線の条件とWi-Fiの条件、そして電源の条件の三つが重なったところに決まります。
この記事では、赤外線の有効範囲や壁越しの可否といった基本から、リビングや寝室といった部屋別の置き方、棚の上と壁掛けと天井のどれを選ぶか、そして何台必要かの判断まで、順番にたどっていきます。
なお、私が確認できるのは各メーカーが公開している仕様や案内までです。あなたの家の間取りや家電の型番までは分かりませんので、断定ではなく判断の材料としてお読みいただけると、ちょうどよい距離感かなと思います。
この記事で理解できることは、次の4つです。
- 赤外線が届く仕組みと有効範囲の目安
- 高さ・光・Wi-Fi・電源という4つの設置条件
- リビングや寝室など部屋ごとの置き方
- 棚上・壁掛け・天井の選び分けと必要な台数
スマートリモコンの設置場所を決める赤外線の基本
まずは、なぜ置き場所でここまで結果が変わるのかというところから見ていきますね。
ここが分かると、「なんとなく置いてみて反応を試す」という当てずっぽうから抜け出せます。うまくいかないときも、距離が悪いのか、遮蔽が悪いのか、光が悪いのか、通信が悪いのかを自分で切り分けられるようになりますよ。
この章では、赤外線という信号の性質、有効範囲の読み方、壁越しの可否、高さと受光部の関係、光の影響、そしてWi-Fiと電源という物理的な制約まで、順番に整理していきます。
赤外線が届く仕組みと直進性の弱点

スマートリモコンが家電を動かすときに使っているのは、赤外線という目に見えない光です。テレビやエアコンに付属している普通のリモコンと、まったく同じ方式ですね。
一般的な家電用リモコンは、波長940ナノメートル前後の近赤外線を、38キロヘルツ前後で細かく点滅させて信号を送っています。この点滅のパターンが「電源オン」「温度を1度上げる」といった命令になっているわけです。
ここで押さえておきたいのが、赤外線は電波ではなく光だという点です。この一点が、設置場所の考え方をほとんど決めてしまいます。
光ですから、まっすぐにしか進みません。壁や扉、厚いカーテンに当たればそこで止まり、向こう側には届かないということです。Wi-Fiやスマートフォンの電波が壁をある程度すり抜けるのとは、性質がまるで違います。
ただし、完全に一方向にしか飛ばないわけでもありません。多くのスマートリモコンは本体の周囲に複数の赤外線LEDを配置していて、水平方向に広い角度をカバーする設計になっています。さらに、白い壁や天井に当たった赤外線は、弱いながらも反射して回り込むことがあります。
この「反射で回り込む」という性質は、実際の設置で意外と効いてきます。家電の受光部が真正面を向いていなくても、天井や壁で跳ね返った光が届いて動くことがあるからです。逆にいうと、黒っぽい家具や布に囲まれた場所は、反射の助けが得られにくくなります。
赤外線が光だと分かると、置き場所の判断がぐっと楽になります。最初の基準は「その位置から家電が見えるか」だけで十分です。人の目で家電の受光部が見える位置なら、赤外線も届く可能性が高い。逆に、あなたがしゃがんでも家電が見えない位置なら、赤外線も同じように遮られていると考えたほうが自然です。難しい計算をする前に、まず視線を通してみてくださいね。
そもそもスマートリモコンがどういう機器で、何をそろえれば使い始められるのかが曖昧なままだと、置き場所の話も宙に浮いてしまいます。仕組みとできること、必要なものを初心者向けに整理した記事から先に読んでおくと、この後の内容がすんなり入ってくるはずです。
有効範囲は何メートルが目安か
次は距離の話です。製品ページには「赤外線範囲」や「送信距離」といった数値が載っていますが、これをどう読めばいいのかを整理しておきますね。
代表的な製品の公称値を見ると、Natureのネイチャーリモ3は赤外線範囲を30畳程度と案内しています(出典:Nature公式サイト Nature Remo 3製品ページ)。一方、SwitchBotのハブ2は赤外線の送信範囲を最大30メートルとしています(出典:SwitchBot公式サイト ハブ2製品ページ)。
畳数で書く製品とメートルで書く製品があるので、そのままでは比べにくいですよね。ただ、どちらにも共通する前提があります。公称値はいずれも見通しが確保された理想的な条件での数値だという点です。
畳数表記をメートルに換算しておくと、比べやすくなります。1畳を1.62平方メートルとすると、30畳はおよそ48.6平方メートルです。仮に幅3.6メートルの細長い部屋だとすれば奥行きは13.5メートル、対角線は√(3.6の2乗+13.5の2乗)で約14メートルという計算になります。
つまり「30畳程度」という表記は、おおむね10メートルから15メートル級の到達距離を想定した数値だと読めます。メートル表記の製品と横並びで比べたいときは、こうして一度そろえてから見ると判断しやすくなりますよ。
ここで、部屋の広さを距離に置き換えてみましょう。部屋のいちばん端から端までの長さは、対角線を計算すれば出ます。計算式はシンプルで、対角線=√(たての長さの2乗+よこの長さの2乗)です。
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| 部屋の広さ | おおよその寸法 | 対角線の長さ | 10メートル級の公称値との関係 |
|---|---|---|---|
| 6畳 | 約2.7m×3.6m | 約4.5m | 見通せていれば余裕がある |
| 8畳 | 約3.6m×3.6m | 約5.1m | 見通せていれば余裕がある |
| 12畳 | 約3.6m×5.4m | 約6.5m | 見通せていれば足りることが多い |
| 16畳 | 約3.6m×7.2m | 約8.0m | 置き場所の寄せ方で差が出る |
| 20畳(広めのLDK) | 約3.6m×9.0m | 約9.7m | 中央寄りに置くほうが安全 |
1畳を1.62平方メートルとして計算した目安です。実際の間取りは形が違いますが、傾向はつかめると思います。
この表を見ると、一般的な住宅の一部屋なら、距離そのものが原因で届かないケースはあまり多くないと分かります。6畳でも12畳でも、対角線は10メートルに届きません。
では、なぜ届かないことがあるのか。ここでもうひとつ、光の性質が効いてきます。赤外線の強さは、距離が伸びるほど急激に弱まります。ざっくりいうと、距離の2乗に反比例して弱くなる性質があります。
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| 本体から家電までの距離 | 受光部に届く光の強さの目安(1mを100として計算) |
|---|---|
| 1m | 100 |
| 2m | 25 |
| 3m | 約11 |
| 4m | 約6 |
| 5m | 4 |
| 7m | 約2 |
| 10m | 1 |
100を距離の2乗で割っただけの単純な計算です。実際には反射や指向性が加わるのでこのとおりにはなりませんが、「5メートル離れると1メートルのときの数十分の一になる」という感覚はつかめると思います。
つまり公称値いっぱいの距離は、余裕のある使い方ではありません。数値の半分くらいまでを常用範囲と考えておくと、季節や家具の移動で条件が変わっても安定しやすくなりますよ。
なお、数値は製品や世代によって変わります。正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
壁越しや別の部屋に届かない理由
ここは、多くの方がつまずくところです。結論からいうと、赤外線は壁越しには届きません。閉じた扉の向こう側にも届きません。
理由は先ほどの話のとおりで、赤外線が光だからです。部屋の照明を消して隣の部屋の明かりが漏れてこないのと同じ理屈で、壁は赤外線をきれいに遮ります。
これは製品の性能不足ではなく、方式そのものの性質です。ですから「もっと高性能な機種に買い替えれば壁を越えられる」という解決にはなりません。ここを最初に理解しておくと、無駄な買い替えを避けられます。
では、扉が開いていればどうでしょうか。開いた扉の隙間から、光が直進できる経路があれば届く可能性はあります。ただ、隙間の分だけ届く角度が狭くなり、扉を閉めた瞬間に動かなくなるので、安定した運用にはなりません。毎回扉を開けておく前提の設置は、あまり現実的ではないかなと思います。
2階建ての住宅で、1階に置いた本体から2階の家電を操作したい、という相談もよく見かけます。これも同じ理由で難しいです。床と天井は壁よりさらに厚い構造材ですから、赤外線はまず通りません。
「Wi-Fiにつながっているのに家電が動かない」という状態は、通信の問題と赤外線の問題が混ざって見えるので、原因を取り違えやすい場面です。アプリ上で本体がオンラインと表示されているなら、Wi-Fiは届いています。それでも家電が動かないなら、疑うべきは赤外線側、つまり遮蔽物か距離か向きです。アプリの表示と赤外線の到達は別の話なので、切り分けて考えてくださいね。
整理すると、赤外線が越えられないのは、壁・床・天井・閉じた扉・厚手のカーテン・扉付きの収納家具です。これらを挟む位置関係になっているなら、置き場所を変えるか、その部屋にもう1台置くかの二択になります。
「別の部屋の家電を、どうしても1台で動かしたい」という場合の代替も触れておきますね。赤外線にこだわらなければ、方法はあります。照明なら、電球そのものがWi-Fiにつながるスマート電球に替えれば、赤外線を使わずにアプリから操作できます。電源のオンオフだけでよい家電なら、コンセントとの間に挟むスマートプラグという選択肢もあります。
これらは赤外線を使わないので、壁も扉も関係ありません。ただし、エアコンのように温度や風量を細かく指定する家電は、赤外線での操作が前提になっている製品がほとんどです。すべてを置き換えられるわけではないので、「照明と電源は別の方法、エアコンは部屋ごとに1台」という組み合わせで考えると現実的かなと思います。
台数の考え方は、この記事の後半で詳しく扱いますね。
家電の受光部と高さの関係を知る

ここまでは「遮られていないこと」を見てきました。次は、どの高さに置くかという話です。
置き場所として最も安定しやすいのは、部屋を見渡せる少し高めの位置です。理由は単純で、高い位置ほど視線が通りやすいからです。
床に近い場所に置くと、ソファの背もたれ、ローテーブル、観葉植物、脱ぎっぱなしの上着といった障害物に、いとも簡単に遮られます。ところが同じ部屋でも、棚の上段や壁の高い位置に移すだけで、それらの上を越えて信号が飛ぶようになります。
もうひとつ大事なのが、操作したい家電の受光部がどこにあるかです。受光部というのは、リモコンの信号を受け取る小さな窓のことですね。
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| 家電 | 受光部のおおよその位置 | 設置で気をつけたいこと |
|---|---|---|
| エアコン | 本体下部の表示ランプ付近(床から1.8m前後の高さが多い) | 本体より低い位置からだと角度がつきやすい |
| テレビ | 画面下のフレーム中央または右下 | テレビ台の上に置くと同じ高さで正面を向きにくい |
| シーリングライト | 本体の外周またはカバー内側 | 天井向きなので反射を利用しやすい |
| 扇風機・サーキュレーター | 操作パネルの前面 | 床置きのため高い位置からは角度が厳しい |
表を見ると、家電によって受光部の高さがばらばらだと分かります。エアコンは高い位置、扇風機は低い位置ですね。
すべてに真正面から当てるのは、現実には無理があります。そこで役に立つのが、先ほど触れた反射です。天井や白い壁に当たった赤外線が拡散して部屋全体に回るので、多少角度がずれていても届くことがあります。
このとき、高い位置に置いておくほうが天井を使いやすくなります。迷ったら、床から1.2メートルから1.8メートルくらいの、部屋の中が見渡せる高さを目安にしてみてください。
なお、エアコンを最優先で確実に動かしたいなら、エアコン本体の下あたりの壁面を狙うのも有力です。この位置は部屋の中を見渡せるうえ、エアコンとの距離も近くなります。
直射日光や強い光を避ける理由
意外と見落とされがちなのが、光の影響です。
家電用リモコンが940ナノメートル前後の波長を使っているのは、太陽光に含まれるこの帯域の成分が比較的少なく、ノイズになりにくいからだと説明されます。ただし「少ない」であって「ゼロ」ではありません。
強い直射日光が受光部に当たっていると、赤外線の信号が背景の光に埋もれて読み取れなくなることがあります。晴れた昼間だけ反応が悪い、西日が差す時間帯だけ動かない、といった症状が出たら、光を疑ってみる価値があります。
同じ理由で、白熱電球やハロゲンランプのような赤外線を多く出す照明の近くも、あまり良い置き場所とはいえません。
避けたほうがよい場所は、窓際で直射日光が当たるところ、白熱灯やハロゲンランプのすぐ近く、そして熱がこもる場所です。逆に選びたいのは、部屋を見渡せる高さがあり、日光が直接当たらず、風通しがよく、電源とWi-Fiが届く場所です。この4条件がそろう位置を探すと、後から動かす手間が減りますよ。
熱についても少し触れておきますね。温湿度センサーや照度センサーを内蔵したスマートリモコンでは、置き場所がそのまま測定値になります。
エアコンの吹き出し口の正面、暖房器具のそば、テレビや録画機器といった発熱する機械の上、直射日光が当たる窓際。こうした場所に置くと、部屋の実際の空気とはかけ離れた数値を拾ってしまいます。
温度をきっかけにエアコンを自動運転させる使い方を考えているなら、ここは特に効いてきます。センサー付きの機種は、赤外線の条件だけでなく「そこで測った数値が部屋を代表しているか」も一緒に考えてみてください。
Wi-Fiと電源で置ける場所が決まる
最後に、物理的な制約を確認しておきます。赤外線の条件をどれだけ満たしていても、Wi-Fiと電源が届かない場所には置けません。
まずWi-Fiです。スマートリモコンには2.4ギガヘルツ帯のみに対応する製品が多く、5ギガヘルツ帯に対応する機種は限られます。実際、ネイチャーリモ3の対応規格はIEEE 802.11 b/g/nで、公式に2.4ギガヘルツのみ対応と明記されています。SwitchBotのハブ2も同様に2.4ギガヘルツ帯のみです。
ここでつまずく方が本当に多いです。最近のルーターは5ギガヘルツ帯を優先する設定になっていることがあり、スマートフォンが5ギガヘルツにつながったまま初期設定を進めると、本体が見つからないという状態になります。
設定のときは、スマートフォンをいったん2.4ギガヘルツ帯のネットワークにつなぎ直しておくと、つまずきにくくなります。
2.4ギガヘルツ帯は電波が回り込みやすく壁に比較的強い一方で、電子レンジ、Bluetooth機器、コードレス電話などと同じ帯域を使うため、干渉を受けやすいという弱点もあります。電子レンジのすぐ横やルーターから極端に離れた場所は、避けておくほうが無難です。
次に電源です。スマートリモコンの多くはUSB給電で、コンセントに挿したアダプターから電気を取ります。つまり置ける場所はケーブルが届く範囲に限られるということですね。
理想の高さに置きたくても、そこにコンセントがなければケーブルが宙を渡ることになります。見た目の問題もありますし、引っかけて落とす原因にもなります。付属ケーブルの長さは製品によって違い、2メートル前後の製品もあれば、もっと短いものもあります。
電気代が気になる方もいるかもしれませんが、ここはあまり心配しなくてよさそうです。仮に消費電力を1.5ワットとして計算してみましょう。
1.5ワットを1000で割って0.0015キロワット、これに24時間と30日を掛けると、1か月あたり約1.08キロワットアワーになります。電気料金の目安単価としてよく使われる1キロワットアワーあたり31円を掛けると、1か月あたり約33円、1年でも約400円という計算です。
つないだままにしておいても負担は小さいので、電気代を理由に置き場所を妥協する必要はないかなと思います。ただし単価も消費電力も製品や契約によって変わるので、あくまで目安として見てくださいね。
部屋別に選ぶスマートリモコンの設置場所
ここからは、実際の部屋に落とし込んでいきます。
基本の考え方は前の章のとおりですが、リビングと寝室では家電の並び方も生活の仕方も違います。同じ理屈でも、答えは部屋ごとに変わってきますよね。
この章では、リビング、寝室や個室という部屋別の考え方に加えて、棚の上・壁掛け・天井という設置方法の選び分け、そして何台必要かの判断まで扱います。最後に、この記事全体をまとめますね。
リビングで家電を見渡せる位置
リビングは、操作したい家電がいちばん多く集まる部屋です。エアコン、テレビ、シーリングライト、サーキュレーター、床暖房のコントローラーなど、対象が5つを超えることも珍しくありません。
対象が多いということは、それだけ受光部の位置がばらけるということでもあります。どこか1台に狙いを定めるのではなく、部屋全体を見渡せる位置を探すのが基本になります。
具体的な候補としては、テレビボードの上段、壁面収納の中段から上段、キッチンカウンターの端、エアコン下の壁面あたりが挙げられます。
いずれも共通しているのは、部屋の中心方向に開けていて、家具の陰に入らないことです。逆に避けたいのは、ソファの後ろの低い位置、テレビの裏側、扉付きのキャビネットの中、雑誌や小物が積み上がる場所ですね。
対象が多いリビングでは、死角の確認を先にやっておくと失敗が減ります。手順はかんたんで、操作したい家電の受光部の位置に自分の目を持っていき、そこから置きたい場所が見えるかを一つずつ確かめるだけです。
エアコンなら本体の下あたり、テレビなら画面下のフレーム、サーキュレーターなら操作パネルの前。その高さまでしゃがんだり背伸びしたりして、候補地が視界に入るかを見ます。全部から見える位置があればそこが正解ですし、どうしても1か所が見えないなら、その家電だけ諦めるか、置き場所を妥協するか、台数を増やすかの判断になります。
家電の側から見る、というのがポイントです。人の目線から家電を見ると届きそうに感じても、受光部の高さから見ると家具に隠れていた、ということが起こります。
対面キッチンのあるLDKでは、少し注意が要ります。カウンターの立ち上がりが壁と同じように赤外線を遮るので、キッチン側に置いた本体からリビング側の家電が見えないことがあります。カウンターより高い位置に上げるか、リビング側に寄せるかを検討してみてください。
もうひとつ、テレビとの位置関係にも触れておきますね。テレビの受光部は画面下のフレームにあることが多く、テレビ台の上に本体を置くと、同じ高さでほぼ真横から信号を送る形になります。届かないわけではありませんが、余裕があるとはいえません。テレビ台の上に置くなら、できるだけテレビから離れた端に寄せて、正面を向く角度をつくると安定しやすくなります。
置き場所を決めるときに私がおすすめしたいのが、本設置の前に仮置きで試すことです。まだ両面テープを貼らず、ケーブルもまとめずに、候補の位置へ置いて、操作したい家電をひととおり動かしてみる。数日そのまま使ってみると、家族が扉を閉めたとき、洗濯物を干したとき、季節家電を出したときといった生活の変化で反応が落ちるかどうかも見えてきます。位置を確定させるのは、その後でも遅くありませんよ。
寝室や個室での置き方の注意点

寝室は、リビングとは事情が変わります。操作したい家電はエアコンと照明くらいで、数は多くありません。そのぶん、生活の質に直結する条件が出てきます。
まず、動作ランプの明るさです。多くのスマートリモコンには通電や通信の状態を示すランプがあり、暗い部屋では思った以上に目立ちます。枕元の正面に置くと気になる方もいるので、視界に直接入らない位置を選ぶか、ランプの明るさを調整できる機種を選ぶと快適です。
次に、エアコンとの位置関係です。寝室では就寝中や起床前にエアコンを自動運転させたい方が多いので、エアコンへの到達は確実にしておきたいところです。エアコンの受光部は本体下部にあることが多いので、部屋の反対側の壁の高い位置か、エアコン下の壁面が候補になります。
センサー付きの機種を寝室で使う場合は、置き場所がそのまま「快適さの判断基準」になります。エアコンの風が直接当たる位置に置くと、部屋がまだ暑いのにセンサーだけ涼しくなって、運転が止まってしまうことがあります。ベッドの高さに近く、風が直接当たらない場所を選ぶと、体感に近い数値を拾えます。
子ども部屋や書斎といった個室も、考え方は同じです。ドアを閉めて使う部屋なので、廊下やリビングに置いた本体からは届きません。その部屋の家電を操作したいなら、その部屋に置くのが前提になります。
なお、就寝時の温度管理や高齢のご家族の部屋での運用など、健康に関わる場面で使うときは、自動運転だけに頼りきらないほうが安心です。体調に不安がある場合の判断は、最終的に医師など専門家にご相談ください。
棚上と壁掛けと天井の選び分け
置き場所の目星がついたら、次はどう固定するかです。方法によって、届く範囲も見た目も変わってきます。
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| 設置方法 | 向いている場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 棚やテレビボードの上に置く | まず試したいとき、位置を変える可能性があるとき | 本体が軽くケーブルの反発で動きやすい/物が積まれて遮られやすい |
| 壁に貼る・掛ける | 高さを稼ぎたいとき、床や棚を占有したくないとき | フック穴がない製品が多い/賃貸では跡が残らない方法を選ぶ |
| 天井付近に取り付ける | 部屋全体へ反射で回したいとき、遮蔽物が多い部屋 | 電源の取り回しが難しい/設定変更のたびに手が届きにくい |
| エアコン脇のコンセントを使う | エアコン操作を最優先するとき | 高所作業になる/コンセントの位置に左右される |
最初は棚置きから始めるのが手軽です。ただ、スマートリモコンは本体が軽い製品が多く、USBケーブルの反発力で少しずつ向きが変わってしまうことがあります。反応が日によってばらつくときは、本体が動いていないかを確認してみてください。
高さを稼ぎたいなら、壁面の活用が効きます。フック穴のない製品でも、貼ってはがせるタイプの両面テープや、粘着式のフックと組み合わせることで固定できます。
固定具を選ぶときは、耐荷重を計算しておくと安心です。スマートリモコンの本体はかなり軽く、たとえばネイチャーリモ3の公称重量は40グラムです。ここにUSBケーブルとアダプターの重さが加わりますが、それでも合計200グラムから300グラム程度に収まることが多いはずです。
耐荷重500グラム級の粘着フックなら、数字のうえでは十分な余裕があります。ただ、粘着面は時間の経過と温度の変化で少しずつ弱っていきます。夏場に日が当たる壁面や、浴室に近く湿度が高い場所では、表示どおりの力が出ないこともあります。実際の重さの2倍から3倍の耐荷重を目安に選んでおくと、落下を避けやすくなりますよ。
賃貸で壁の傷みを抑えたい場合は、はがせるタイプの粘着フックを使う、突っ張り式の柱を立てて本体をそこに固定する、といった選択肢があります。細いピンで留める石膏ボード用の金具も、跡が画びょう程度に収まる製品がありますが、穴が残る点は変わらないので事前確認が要ります。粘着製品は耐荷重の表示を必ず確認して、本体とケーブルの重さに余裕がある製品を選んでください。落下すると本体も床も傷みますし、貼り直しのたびに壁紙を痛めることもあります。使用可否や原状回復の条件は契約によって異なるので、心配なときは管理会社に確認しておくと安心です。
天井付近への設置は、反射を最大限に使えるので到達の面では有利です。実際、エアコン用のコンセントが壁の高い位置にある間取りなら、そこにアダプターを挿して本体を固定するだけで、部屋を見渡す位置を確保できます。
一方で、電源ケーブルが目立ちやすく、脚立が必要になる点はデメリットです。設置後にほとんど触らない使い方なら向いていますが、置き場所をまだ試している段階では、棚置きから始めるほうが回り道が少ないかなと思います。
部屋数から必要な台数を決める

ここまで読んでいただくと、答えは見えてきたと思います。赤外線は壁と扉を越えないので、操作したい部屋ごとに1台が基本です。
「1台で家じゅうを操作したい」という期待は、残念ながら赤外線方式では叶いません。ここは製品選びではなく方式の限界なので、最初に前提として置いておくと、後の判断が早くなります。
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| 住まいの条件 | 台数の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| ワンルーム・1K | 1台 | 一部屋の中で家電を見渡せる |
| 1LDK・2LDK(同一フロア) | 操作したい部屋の数だけ | 扉を閉めると届かなくなる |
| 2階建て・メゾネット | フロアごと、さらに部屋ごと | 床と天井は赤外線を通さない |
| 廊下や水回りを挟む部屋 | その部屋に1台 | 曲がった先へは直進できない |
| 広いLDK(20畳以上) | 1台+反応を見て追加を判断 | 距離と家具の配置で死角が出やすい |
ここで、費用の考え方も整理しておきますね。2台目、3台目を買い足す前提なら、1台あたりの価格が効いてきます。
たとえばセンサー機能が充実した上位機を3台そろえるより、リビングだけ上位機にして、寝室と個室は赤外線操作に絞った下位機にする、という組み合わせも現実的です。寝室で温湿度を測りたいなら上位機、照明とエアコンを動かせれば十分なら下位機、といった具合に部屋の役割で分けると、無駄が出にくくなります。
複数台の導入を考えているなら、総額がどのくらいになるかは先に把握しておきたいところですよね。安い機種でも足りるかどうかをコスパの条件から整理した記事が、予算配分を考えるときの材料になるはずです。
なお、複数台を使う場合はアプリ上で部屋名やデバイス名を分けておくのがおすすめです。同じ「エアコン」という名前が2つあると、音声操作のときにどちらが動くか分からなくなります。「寝室のエアコン」「リビングのエアコン」のように、部屋名を先頭に付けておくと迷いません。
機種そのものをこれから選ぶ段階なら、赤外線範囲やセンサーの有無を比較軸として整理しておくと選びやすくなります。6つの軸と目的別に選ぶポイントをまとめた記事もあわせて見てみてください。
スマートリモコンの設置場所についてよくある質問
冷蔵庫やテレビ、録画機器の上に置いても大丈夫ですか?
置けないわけではありませんが、あまりおすすめしません。理由は3つあります。ひとつ目は熱で、これらの機器は動作中に放熱するため、上に置くと本体が温まりやすくなります。センサー内蔵の機種では測定値もずれます。ふたつ目は振動で、冷蔵庫のコンプレッサーが動くたびに本体の向きが少しずつずれることがあります。3つ目は電波で、金属の筐体はWi-Fiの電波を反射したり弱めたりすることがあります。どうしてもその位置しか選べない場合は、金属面に直接置かず、木製の台などを挟むと影響を減らせます。
見た目が気になるので扉付きの棚や引き出しの中に隠せますか?
扉を閉めた状態では、赤外線が外へ出られないため家電は動きません。木の扉もガラス扉も、赤外線にとっては壁と同じです。すりガラスや樹脂の扉なら弱く通ることもありますが、安定した動作は期待しにくいと考えてください。隠したい場合は、扉のないオープンラックに置く、家具の上面に置いて手前に寄せる、壁面の目立たない位置に色の近い本体を貼るといった方法のほうが現実的です。本体が小型の製品を選ぶのも手ですね。
設置場所を移動したら、家電の登録はやり直しになりますか?
同じWi-Fiネットワークの範囲内で移動するだけなら、登録し直す必要はないのが一般的です。登録済みのリモコン情報はアプリやクラウド側に保存されるため、本体を動かしても引き継がれます。ただし、Wi-Fiの電波が届かない場所へ移した場合や、引っ越しでネットワークが変わった場合は、ネットワークの再設定が必要になります。また、移動後は必ず全部の家電を1回ずつ操作して、届かなくなったものがないか確かめておくと安心です。手順は製品によって異なるので、詳細は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
エアコンや加湿器の風が直接当たる場所は避けるべきですか?
避けたほうがよいです。赤外線の到達そのものには風は影響しませんが、センサー内蔵の機種では測定値が大きくずれます。エアコンの冷風が当たれば実際の室温より低く、暖房の風が当たれば高く表示されます。温度をきっかけに運転を切り替える設定をしていると、部屋がまだ暑いのに冷房が止まる、といった動きになりかねません。加湿器の噴霧が直接かかる位置も、湿度の数値が跳ね上がるうえ、精密機器に水分が付着するので避けてください。センサーのない機種であれば、風そのものは大きな問題になりません。
スマートリモコンの設置場所まとめ
ここまで見てきた内容を、判断しやすい形に整理しておきますね。
スマートリモコンの設置場所を決めるときは、次の順番で確認していくのがおすすめです。まず、操作したい家電の受光部がその位置から見通せるか。次に、床から1.2メートルから1.8メートルくらいの高さを確保できるか。そして、直射日光や強い照明、発熱する機器の影響を受けないか。最後に、Wi-Fiの電波と電源ケーブルが届くか。この4つがそろう場所が、あなたの部屋での最適解になります。
覚えておきたいのは、赤外線は光であって電波ではないという一点です。壁も扉も床も越えません。届かないときに真っ先に疑うべきは距離ではなく遮蔽物で、家具の配置や扉の開閉が原因になっていることが少なくありません。
有効範囲の公称値は、あくまで見通しが確保された条件での数値です。一般的な住宅の一部屋なら対角線は10メートルに届かないので、公称値の半分程度を常用範囲と考えておくと安定します。
台数については、操作したい部屋ごとに1台が基本になります。1台で家じゅうをまかなうことは方式上できないので、間取りに合わせて配置を考えてみてください。
そして、いきなり本設置をしないこと。仮置きで数日使って、家族が扉を閉めたときや季節家電を出したときにも反応するかを確かめてから固定すると、貼り直しの手間が減ります。
なお、この記事で挙げた数値や仕様は、私が公開情報を確認した時点のものです。製品や世代によって変わりますので、正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。電気工事が必要になる設置や、高所での作業に不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談くださいね。
置き場所が決まると、スマートリモコンは驚くほど素直に動いてくれます。あなたの部屋に合う位置が見つかることを願っています。