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KADEN LAB

SMART HOME / RESEARCH REPORT

スマートリモコンの赤外線とRF・Bluetoothの違い|選び方の基準

リビングのテーブルに置かれたスマートリモコンから信号が広がる様子を描いた表紙スライド

赤外線・RF・Bluetoothスマートリモコンの違いを解説

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

スマートリモコンを調べていると、赤外線、RF、Bluetooth、Wi-Fi、Matterといった言葉が次々に出てきますよね。どれも「無線でつながる」という点では同じに見えるので、何がどう違うのか分かりにくいと思います。

先に結論を書いておきます。市販のスマートリモコンは、そのほとんどが赤外線を送るための機器です。RFやBluetoothでつながる機器を一律に操作できるわけではありません。ここを勘違いすると、買ったのに目的の機器が動かない、という結果になります。

ただし、方式ごとの性質が分かれば、自分の家に必要なものは自然に決まります。赤外線が向いている場面、RFでないと成り立たない場面、Bluetoothの機器を扱うために何が要るのか。この記事では、通信方式そのものの違いから整理して、製品を選ぶときの判断基準まで落とし込んでいきます。

  • 赤外線が家電のリモコンで使われ続けてきた理由
  • RF・Bluetooth・Wi-Fiそれぞれの得意と不得意
  • RF対応をうたう製品を選ぶときの落とし穴
  • Matterという規格が何を解決しようとしているか
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スマートリモコンが扱う赤外線という通信方式

まずは主役である赤外線から。なぜ家電のリモコンがこれを使い続けてきたのか。理由は安価で確実、そして規格が枯れているからです。ただし3つの制約があります。

赤外線は1980年代から家電のリモコンで使われてきた技術で、点滅のパターンで信号を表すという単純な仕組み。それゆえに安く作れて、誤動作も少ないんですね。ただし制約もはっきりしていて、直進するので壁・扉・家具の陰には届かない(対処は部屋ごとに1台置く)、距離に限りがあるので広い部屋では端まで届かない(中央付近の高い位置に設置する)、そして片方向しか送れないので家電の状態が分からない。この3つ目がいちばん誤解を生む性質です。

この章では、赤外線が家電のリモコンで使われてきた理由、赤外線の3つの制約、そして片方向通信だから状態が分からないという性質を確認します。

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赤外線が家電のリモコンで使われてきた理由

懐中電灯とリモコンを並べ、直進する・反射する・強い光に弱い・透明なものは通過するという赤外線の4つの性質を示したスライド
赤外線を見えない光として捉えると分かること

赤外線は、目に見えない光を点滅させて信号を表す通信方式です。1980年代から家電のリモコンで使われてきました。

なぜこれが選ばれたのか。理由は3つあります。

ひとつめが、安く作れること。発光する部品と受け取る部品があれば成立するので、リモコン1本あたりのコストがほとんどかかりません。数百円で作れる技術が、テレビ1台に1本ずつ付いてくる用途にはぴったりだったわけですね。

ふたつめが、電波の免許や規制と無関係なこと。赤外線は電波ではなく光なので、電波を使う機器に求められる手続きが要りません。メーカーにとっては採用のハードルが低い方式です。

みっつめが、隣の部屋に干渉しないこと。光は壁を越えないので、隣家のテレビが勝手に消える、といった事故が起きません。集合住宅の多い日本では、この性質はむしろ利点でした。

この3つのおかげで、赤外線は家電の標準になりました。エアコン、テレビ、照明、扇風機のほとんどが赤外線という状況が、いまも続いています。スマートリモコンが赤外線を中心に作られているのは、単純にそこがいちばん需要のある場所だからなんですね。

赤外線は「見えない光」だと考えると分かりやすい

赤外線の性質を理解するコツは、電波ではなく光として考えることです。目に見えないだけで、振る舞いは懐中電灯の光とほぼ同じだと思ってください。

そう考えると、いろいろな現象が説明できるようになります。

まず、壁や扉を越えられないのは光だからです。懐中電灯を隣の部屋に向けても壁で止まりますよね。赤外線もまったく同じです。

次に、壁や天井に反射して届くことがあるのも光だからです。白い壁に向けて懐中電灯を照らすと部屋全体が少し明るくなるのと同じで、赤外線も反射して回り込みます。だから家電に正対していなくても効くことがあるわけですね。

そして、強い光の下では読み取りにくくなるのも同じ理屈です。直射日光や強い照明が当たる場所では、信号の点滅が周囲の光に埋もれてしまいます。学習機能がうまく働かないときに「暗い場所で試す」と案内されるのは、このためなんですよ。

逆に、透明なガラスやアクリル板なら通過します。ラックの扉がガラス製なら閉めたままでも効く、というのはよくある話です。光が通る場所には赤外線も通り、光が遮られる場所では赤外線も遮られる。この置き換えで、たいていの疑問は解けます。

仕組みそのものが曖昧な方は、スマートリモコンの仕組みとできることを整理した記事から読んでおくと理解が早いと思います。

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赤外線の3つの制約

ただし、赤外線には明確な弱点もあります。安さと引き換えに諦めているものがある、という言い方が正確でしょう。

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制約 何が起きるか 対処のしかた
直進する 壁・扉・家具の陰には届かない 部屋ごとに1台置く
距離に限りがある 広い部屋では端まで届かない 中央付近の高い位置に設置する
片方向しか送れない 家電の今の状態を受け取れない 操作をアプリ側に寄せる

この3つは方式そのものの性質なので、製品を高いものに変えても解決しません。できることとできないことの線引きは、どのメーカーの製品でも基本的に同じだと考えてください。

届く範囲の問題は設置場所の工夫でかなり改善します。赤外線が届かないときの症状別の切り分け方をまとめた記事もあるので、設置後に困ったらそちらを見てみてください。

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片方向通信だから状態が分からない

3つの制約のうち、いちばん誤解を生むのが片方向という性質です。ここだけ少し詳しく書いておきます。

赤外線は、リモコンから家電へ一方通行で信号を送るだけの仕組みです。家電の側から「いま冷房25度で動いています」と返してくる経路がありません。

つまりスマートリモコンは、自分が何を送ったかは覚えているが、家電が実際にどうなっているかは知らないということになります。

◆レンのメモ

この性質を知らないと「アプリの表示がおかしい」と感じてしまいます。でも実際は、手元のリモコンで操作したぶんが伝わっていないだけなんですよね。故障でも不具合でもなく、赤外線という方式の設計そのものから来ている挙動です。

具体的にはこんなズレが起きます。アプリで冷房25度に設定したあと、家族が手元のリモコンで28度に変えた。すると家電は28度で動いているのに、アプリの表示は25度のままになります。

これを避けたいなら、方法は2つです。操作をアプリ側に統一するか、状態を返せるWi-Fi内蔵の家電を選ぶか。後者は買い替えの話になるので、現実的には前者を選ぶ人が多いと思います。

赤外線以外の通信方式との違い

ここからは、赤外線ではない方式を順に見ていきます。RF(電波式)、Bluetooth、Wi-Fi、そしてZigbeeやThreadといったスマートホーム専用の規格。それぞれ生まれた目的が違うので、性質もはっきり分かれます。

RFは電波なので壁を越えて届くのが強みですが、規格がメーカーごとに分かれているという弱点があります。赤外線が1台のスマートリモコンで多くのメーカーをカバーできるのとは対照的ですね。Bluetoothは機器どうしを1対1で結びつけてから通信する方式なので、ペアリングという手順が前提になります。Wi-Fiは家電そのものが直接ネットにつながる方式で、スマートリモコンを介さずに操作できるかわり、家電側が対応している必要があります。

この章では、RF・Bluetooth・Wi-Fi・ZigbeeやThreadの4系統について、それぞれの性質と向き不向きを見ていきます。

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RF(電波式)は壁を越えるが規格が分かれる

電動シャッターの写真とともに、RFは壁を越えるが周波数や信号形式が製品ごとに異なることを説明したスライド
電波式が壁を越える一方で統一されていない理由

RFというのは Radio Frequency の略で、つまり電波を使う方式のことです。赤外線と違って光ではないので、壁や家具を越えて届きます。

どこへ向けても効く、隣の部屋からでも効く。そんなリモコンがあれば、それはRF方式の可能性が高いでしょう。国内では電動シャッター、一部の照明やシーリングファン、電動カーテンなどで使われています。

便利そうに見えますが、スマートリモコンとの相性はよくありません。理由は周波数も信号の形式もメーカーごとにばらばらだからです。

家庭でRFが使われている場所

RFがどこで使われているのかを知っておくと、自宅に該当するものがあるかどうかの見当がつきます。よくあるのは次のあたりです。

ひとつが電動シャッターや電動ガレージドア。屋外の機器を屋内から操作するので、壁を越えられる方式でないと成り立ちません。ここは赤外線では代替できない領域です。

ふたつめが一部のシーリングファンや高機能な照明。天井の高い位置にある機器なので、向きを気にせず操作できるRFが選ばれることがあります。

みっつめがワイヤレスチャイムやインターホンの子機。玄関と室内という離れた場所をつなぐので、こちらもRFが向いています。

共通しているのは、離れた場所や遮蔽物の向こうを操作する用途だという点です。逆に言えば、同じ部屋の中で使う家電にRFが採用されることはあまりありません。だから、リビングのエアコンやテレビを操作したいだけなら、RF対応を気にする必要はほとんどないわけですね。

自宅にRFの機器があるかどうかは、リモコンを機器と反対方向へ向けて押してみれば分かります。それでも効くならRFの可能性が高いです。

赤外線は使う周波数帯が事実上ひとつに定まっていて、信号の形式もいくつかのパターンに収れんしています。だから1台のスマートリモコンで多くのメーカーをカバーできます。ところがRFは周波数からして製品ごとに違うので、同じやり方が通用しないんですね。

ここで注意したいのが、電波を出す機器には国内の技術基準への適合が求められるという点です。海外通販などで技適マークのない機器を入手して使うと、法令上の問題になる可能性があります。RF対応をうたう製品を検討するときは、国内向けに正規販売されているものかどうかを必ず確認してください。判断に迷う場合は、販売元やメーカーにご確認ください。

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Bluetoothはペアリングが前提の通信

Bluetoothは、機器どうしを1対1で結びつけてから通信する方式です。イヤホンやスピーカーでおなじみですね。

赤外線との決定的な違いは、あらかじめペアリングという手続きが要ることです。赤外線なら「とりあえず信号を投げる」で済みますが、Bluetoothは相手と握手してからでないと会話が始まりません。

だからスマートリモコンが赤外線を真似するようには、Bluetooth機器を真似できないわけです。信号を横から送り込むという発想が、そもそも成立しない設計になっています。

もうひとつの違いが、双方向であること。機器の状態やバッテリー残量を受け取れるので、アプリの表示と実際の状態がずれません。ここは赤外線に対する明確な優位点です。

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比較項目 赤外線 RF(電波) Bluetooth
壁を越えるか 越えない 越える ある程度越える
通信の向き 片方向 片方向が中心 双方向
事前の手続き 不要 不要 ペアリングが必要
規格の統一度 実質的に共通 製品ごとにばらばら 統一されている
主な用途 エアコン・テレビ・照明 シャッター・一部の照明 センサー・小型機器
スマートリモコンで扱えるか 扱える 対応をうたう製品のみ ハブ機能があれば扱える
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Wi-Fiは家電が直接ネットにつながる

Wi-Fiは、機器そのものがインターネットにつながる方式です。スマートリモコンを介する必要がありません。

最近のエアコン、テレビ、洗濯機、ロボット掃除機には、Wi-Fiを内蔵してメーカー純正のアプリから操作できるものが増えました。この場合、できることはスマートリモコン経由より多くなります。運転状況、エラー、フィルターの汚れといった情報まで受け取れるからです。

ただし弱点もあります。その機種でしか使えないこと。メーカーごとにアプリが分かれるので、家じゅうの家電がバラバラのメーカーだと、アプリだらけになってしまいます。

ここが赤外線のスマートリモコンとの棲み分けです。Wi-Fi内蔵の新しい家電は純正アプリで、赤外線リモコンの古い家電はスマートリモコンで。こう分ければ、無理なく家じゅうをカバーできます。

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ZigbeeやThreadなどスマートホーム専用の規格

もうひとつ、スマートホームのために作られた規格の系統があります。ZigbeeやZ-Wave、Threadと呼ばれるものです。

BluetoothやWi-Fiが幅広い用途のために作られた汎用の規格なのに対し、こちらはスマートホーム機器で使うことを目的に設計されたという違いがあります。

特徴は2つ。ひとつが消費電力の低さで、電池で何年も動くセンサーが作れます。もうひとつがメッシュネットワークという仕組みで、機器どうしが電波を中継し合うので、遮蔽物に強くなります。

弱点は、専用のハブ(ブリッジ)が必要になることです。スマートフォンやWi-Fiルーターが直接しゃべれる相手ではないので、あいだに翻訳役を置くことになります。

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規格 作られた目的 ハブの要否 よく使われる機器
Wi-Fi 汎用の高速通信 不要(ルーターで足りる) カメラ・大型家電
Bluetooth 汎用の近距離通信 遠隔操作にはハブが要る センサー・小型機器
Zigbee・Z-Wave スマートホーム専用 必要 電池式のセンサー類
Thread スマートホーム専用 ボーダールーターが必要 Matter対応機器

通信方式から製品を選ぶ基準

方式の違いが分かったところで、では何を基準に製品を選べばいいのか。ここを整理して終わりにします。押さえるのはRF対応の注意点、Bluetooth機器の扱い、そしてMatter対応の意味の3つです。

RF対応をうたう製品は魅力的に見えますが、規格が分かれている以上「RF対応=手持ちの機器が動く」とは限りません。ここは事前の確認が要る部分ですね。Bluetooth機器はハブ機能で扱うのが基本で、赤外線を飛ばす機能とハブ機能が1台にまとまっている製品なら、同じメーカーのセンサー類やスイッチ類をまとめて扱えます。そしてMatter対応。これは異なるメーカーの機器を共通の規格でつなぐための仕組みで、対応しているかどうかで将来の拡張性が変わります。

この章では、この3つの基準を軸に、通信方式から製品を選ぶ考え方を整理します。

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RF対応をうたう製品を選ぶときの注意

市販のスマートリモコンの中には、赤外線に加えてRFにも対応するとうたう製品があります。選択肢としては存在しますが、確認すべき点が多い買い方です。

まず、対応する周波数が明記されているか。RFは周波数が製品ごとに違うので、自宅の機器が使っている周波数に対応していなければ意味がありません。ところが家庭用の機器では、その周波数が公開されていないことも多いんですね。

次に、信号の形式に対応しているか。周波数が合っていても、信号の組み立て方が違えば動きません。RF学習に対応していても、扱えるのは特定の形式だけ、という製品もあります。

そして、国内で正規に販売されている製品か。前述のとおり、電波を出す機器には国内の技術基準への適合が求められます。

RF機器の遠隔操作を考えているなら、まずそのメーカー純正のスマートホーム対応品がないかを探すほうが確実です。電動シャッターや電動カーテンは、メーカー自身がスマートフォン対応の後付けユニットを用意していることがあります。汎用のスマートリモコンで無理に対応させるより、動作が保証されている純正品のほうが結果的に早くて安心ですよ。

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Bluetooth機器はハブ機能で扱う

温湿度センサーとハブとスマートプラグを一列に並べ、きっかけと自動操作の流れを矢印で示した図解スライド
ハブ機能がセンサーと家電をつなぐ仕組み

Bluetooth機器を遠隔操作したい場合の考え方も書いておきます。

Bluetoothは近距離の通信なので、外出先のスマートフォンから直接つなぐことはできません。そこで必要になるのが、家の中に常駐してBluetooth機器とインターネットのあいだを取り持つ機器です。これがハブと呼ばれるものですね。

ここで知っておきたいのが、スマートリモコンの上位機種にはこのハブ機能を兼ねているものがある、という点です。赤外線を飛ばす機能とハブ機能が1台にまとまっているので、同じメーカーのセンサー類やスイッチ類をまとめて扱えます。

逆に言えば、同じメーカーで揃えないとハブ機能の恩恵は受けにくいということでもあります。Bluetooth機器を将来増やす予定があるなら、赤外線だけの安価なモデルより、ハブ機能を持つモデルを選んでおくほうが後悔しにくいでしょう。

ハブ機能で扱えるようになる機器の例

では、ハブ機能があると具体的に何ができるのか。よくある組み合わせを挙げておきます。

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足せる機器 できるようになること 赤外線だけでは
温湿度センサー 室温に応じてエアコンを動かす 時刻でしか動かせない
開閉センサー 窓が開いたら通知する できない
人感センサー 人がいるときだけ照明を点ける できない
ボタンを押すロボット 物理スイッチの家電を操作する できない
スマートプラグ コンセント単位で電源を切り替える できない

ここで注目したいのが、センサー類が加わると「きっかけ」を作れるようになるという点です。赤外線だけなら、動かすきっかけは時刻かスマホからの手動操作しかありません。温度や人の動きをきっかけにできると、自動化の幅が一気に広がります。

とはいえ、最初から全部そろえる必要はないと思います。まず赤外線でエアコンとテレビを動かしてみて、物足りなくなったらセンサーを足す。この順番なら無駄になりませんよ。

スマートリモコンとハブ、スマートプラグやスピーカーの役割の違いは、それぞれの守備範囲を整理した記事にまとめてあります。機器を買い足す前に読んでおくと、重複した買い物を避けられますよ。

ハブ機能を持つ機種は、同じメーカーのセンサー類とまとめて使えるのが利点です。将来どこまで広げたいかで、赤外線だけのモデルにするかハブ兼用にするかを決めてみてください。

【SwitchBot公式サイト】

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Matter対応が意味すること

最後に、最近よく見かけるMatterという言葉について触れておきます。

Matterは、スマートホーム機器をつなぐための業界統一規格です。規格を策定しているConnectivity Standards Allianceの説明では、Wi-FiとThreadというネットワーク層の上で動作し、初期設定にはBluetooth Low Energyを使うとされています(出典:Connectivity Standards Alliance「Matter」)。

目的は、メーカーやプラットフォームをまたいだ相互運用性の実現です。これまでは、あるメーカーの機器が特定の音声アシスタントにしか対応していない、といったことが普通に起きていました。それを解消しようという取り組みですね。

ここで誤解しないでほしいのが、Matter対応をうたう製品でも、赤外線の家電が魔法のようにつながるわけではないという点です。Matterはネットワーク上の機器どうしをつなぐ規格であって、赤外線という別の世界とは接点がありません。

スマートリモコンがMatterに対応する意味は、そのスマートリモコン自体がさまざまなプラットフォームから扱えるようになる、というところにあります。赤外線の家電はこれまで通りスマートリモコンが面倒を見て、そのスマートリモコンをMatter経由で他社のアプリからも操作できる、という構図です。

Matter対応で実際に変わること

抽象的な話が続いたので、具体例で考えてみましょう。

これまでは、あるメーカーのスマートリモコンを買ったら、そのメーカーのアプリを使うのが基本でした。別のメーカーのセンサーを足したいと思っても、アプリが分かれてしまう。音声アシスタントを乗り換えたら対応していなかった、ということも起こり得ました。

Matterが目指しているのは、この分断をなくすことです。メーカーが違っても同じ枠組みの上で扱えるようになれば、機器を選ぶときにメーカーの縛りを気にしなくてよくなります。

ただ、現時点では過渡期でもあります。対応をうたっていても、Matter経由でできる操作が基本的なものに限られることは珍しくありません。細かい設定は結局そのメーカーのアプリを開く、という使い方になることもあります。

だから買う段階では、Matter対応という表示だけで判断せず、何ができるのかを製品ページで確かめるほうが確実です。将来の拡張性としては価値がありますが、いま解決したい課題が赤外線の家電を動かすことなら、そこは通常のスマートリモコンの機能で足りますからね。

機種によって対応の範囲は違うので、購入前に何がMatterで扱えるのかを製品ページで確認してください。選ぶときに見る6つの軸を目的別に整理した記事もあわせて読んでおくと、判断しやすくなると思います。

まずは赤外線で足りるかを確認して、必要なら方式を足していく。この順番なら無駄な買い物になりません。対応する通信方式は製品ページの仕様欄に書かれています。価格や在庫、現行モデルかどうかは変わりますので、購入前に各ショップでご確認をお願いします。

スマートリモコンの通信方式に関するよくある質問(FAQ)

手元のリモコンが赤外線かRFか、どうやって見分けますか?

いちばん手軽なのはスマートフォンのカメラで確認する方法です。カメラモードにしてリモコンの先端をレンズへ向け、ボタンを押したときに白や紫に光れば赤外線式になります。もうひとつの方法が、リモコンを家電と反対の方向へ向けて押してみることです。赤外線は直進するので効かなくなりますが、RFなら壁を越えても効きます。両方を試すと確度が上がりますよ。カメラによっては赤外線を写せないものもあるので、確実に赤外線のテレビリモコンで先に試してから判断してください。

Wi-Fiは2.4GHzと5GHzのどちらに対応していればいいですか?

スマートリモコンは2.4GHzのみ対応という製品が多く見られます。5GHzのほうが速いのですが、届く距離が短く障害物に弱いため、家じゅうに置くスマートホーム機器では2.4GHzが選ばれやすい事情があります。注意したいのは、最近のルーターは2.4GHzと5GHzを自動で切り替える設定になっていることがある点です。設定がうまくいかないときは、いったん2.4GHz専用の接続先を指定して試してみてください。対応する周波数帯は製品の仕様欄に書かれています。

赤外線とBluetoothの両方に対応した製品を選べば万能ですか?

万能とまでは言えません。Bluetooth対応というのは、多くの場合そのメーカーが出しているBluetooth機器を扱えるという意味です。他社のBluetooth機器まで自由に操作できるわけではないので、期待しすぎないほうがいいでしょう。赤外線の部分はメーカーをまたいで使えますが、Bluetoothの部分は同じメーカーで揃えることが前提になります。将来どんな機器を足したいかを考えてから、メーカーを決めるほうが失敗しにくいです。

通信方式が違う機器を1つのアプリでまとめて操作できますか?

同じメーカーで揃えれば、そのメーカーのアプリ内でまとめられます。赤外線の家電もBluetoothのセンサーも1つの画面に並ぶ、という形ですね。メーカーをまたぐ場合は、音声アシスタントやMatterのような共通の枠組みを介することになります。ただし、すべての機能がそのまま持ち込めるわけではなく、対応するのは基本的な操作だけということも多いです。まとめたい範囲が広いほど、最初にメーカーを絞っておく価値が高くなります。

通信方式が原因で動かないのか、設置場所が原因なのか区別する方法はありますか?

切り分けの順番を決めておくと早いです。まず、スマートリモコンを家電のすぐ近くに置いて試してください。ここで動くなら設置場所の問題なので、置き場所を変えれば解決します。近くでも動かないなら、方式か登録内容の問題です。次に手元のリモコンがカメラで光るかを確認し、光らなければ赤外線ではないと判断できます。光るのに動かない場合は、プリセットの選択が違っている可能性が高いでしょう。この順で試すと原因を絞り込めますよ。

まとめ|スマートリモコンの通信方式は赤外線が中心

最後に整理しておきます。

市販のスマートリモコンは、赤外線を送るための機器です。赤外線が家電の標準になったのは、安く作れて、電波の規制と無関係で、隣の部屋に干渉しないという3つの利点があったから。エアコンやテレビ、照明のほとんどがこの方式なので、赤外線に対応していれば実用上は足ります。

代わりに、赤外線には3つの制約があります。壁を越えない、距離に限りがある、そして片方向なので家電の状態を受け取れない。3つめは製品を変えても解決しないので、アプリの表示がずれるのは仕組み上そういうものだと理解しておいてください。

RFは壁を越えますが、周波数も信号の形式も製品ごとにばらばらなので、汎用のスマートリモコンでは扱いにくい方式です。対応をうたう製品もありますが、周波数と形式、そして国内で正規販売されている製品かを確認する必要があります。純正のスマートホーム対応品があるなら、そちらのほうが確実でしょう。

Bluetooth機器はペアリングが前提なので信号を真似できません。扱うにはハブ機能が要り、その恩恵は基本的に同じメーカーの機器に対して働きます。Matterは機器どうしをつなぐ共通規格で、Wi-FiとThreadの上で動き、初期設定にBluetooth Low Energyを使います。ただしMatter対応であっても赤外線の家電が直接つながるわけではありません。

結論としては、まず赤外線で足りるかを確認し、足りないぶんだけ別の方式を足すという順番が合理的です。記載した内容はあくまで一般的な傾向ですので、正確な情報は各メーカーの公式サイトや取扱説明書をご確認ください。判断に迷う点があれば、メーカーの問い合わせ窓口や販売店にご相談ください。

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