スマートリモコンとハブは何が違う?役割の分担をやさしく整理
スマートホームを始めようと調べていたら、スマートリモコン、スマートホームハブ、スマートプラグ、スマートスピーカー。似たような名前が次々に出てきて、どれを買えばいいのか分からなくなった。そんな状態でこのページを開いた方が多いのではないでしょうか。
売り場でも通販でも、どれも「家電をスマホで操作できます」と書いてあるんですよね。それなら1つ買えば足りるのか、全部そろえないといけないのか。判断がつかないのは当然だと思います。
先に結論をお伝えしますね。この4つは競合する製品ではなく、それぞれ担当している仕事が違います。スマートリモコンは赤外線を送る係、ハブは通信方式をつなぐ中継役、スマートプラグは電源を入り切りするスイッチ、スマートスピーカーは声を受け取る窓口です。
ですから「どれが一番いいか」ではなく、「自分が操作したい家電にはどれが要るか」で決まります。エアコンとテレビを動かしたいだけならスマートリモコン1台で足りますし、逆にセンサー類を増やしていくならハブの役割が効いてきます。
話をややこしくしているのは、最近の製品が複数の役割を1台に兼ねている点です。スマートリモコンと名乗っている製品がハブ機能も持っていたり、スマートスピーカーがハブを内蔵していたり。だから「違い」が見えにくくなっています。
この記事では、4つの役割をそれぞれ切り分けたうえで、MatterやThreadといった規格の話、そして操作したい家電から必要な機器を逆算する手順まで、順番にたどっていきます。
なお、私が確認できるのは各メーカーや規格団体が公開している情報までです。あなたの家にある家電の型番までは分かりませんので、断定ではなく判断の材料としてお読みいただけると、ちょうどよい距離感かなと思います。
この記事で理解できることは、次の4つです。
- スマートリモコン・ハブ・プラグ・スピーカーの役割の違い
- MatterとThreadが何を変えるのか
- 操作したい家電から必要な機器を逆算する手順
- 一体型と単機能の使い分けと買い足す順番
スマートリモコンとハブの違いを役割で整理する
まずは4つの機器が、それぞれ何をしているのかを分けて見ていきます。
ここが分かると、製品ページに並んだ機能表の読み方が変わります。「Matter対応」「ハブ機能内蔵」といった言葉が、自分にとって必要かどうかを自分で判断できるようになりますよ。
この章では、スマートリモコン、ハブ、スマートプラグ、スマートスピーカーの4つを順に整理し、最後に1枚の表で見比べます。そのうえでMatterとThreadという規格の話にも触れますね。
スマートリモコンは赤外線を送る係
スマートリモコンは、一言でいえば「リモコンの代わり」です。
テレビやエアコンに付属しているリモコンと、まったく同じ赤外線という信号を出します。違うのは、その信号を出すきっかけがボタンではなく、スマートフォンのアプリや音声だという点です。
流れはこうなります。あなたがアプリのボタンを押す。命令がインターネット経由でスマートリモコン本体に届く。本体が赤外線を発射する。家電がそれを受け取って動く。
ここで押さえておきたいのが、スマートリモコンが操作できるのは「赤外線リモコンが付いている家電」だけだという点です。エアコン、テレビ、シーリングライト、扇風機。これらは赤外線なので操作できます。
一方で、洗濯機や冷蔵庫のようにリモコンがない家電は動かせません。壁のスイッチしかない照明も同じです。ここが最初の分かれ道になります。
スマートリモコンそのものの仕組みや、使い始めるのに何が必要かをもう少し詳しく知りたい方は、仕組みとできること、必要なものを初心者向けに整理した記事もあわせて見てみてください。
ハブは通信方式をつなぐ中継役

次はハブです。スマートホームハブ、あるいは単にハブと呼ばれます。
ハブの仕事は、種類の違う通信方式を橋渡しすることです。翻訳と中継を兼ねた役割だと考えると分かりやすいと思います。
なぜそんなものが必要になるのか。スマートホーム向けの小さなセンサー類、たとえば温湿度計や開閉センサー、人感センサーは、電池で長く動かすためにWi-Fiを使わない製品が多いからです。かわりにBluetoothやZigbee、Threadといった省電力の通信方式を使います。
これらの方式はインターネットに直接つながれません。そこでハブが間に立ち、センサーからの情報を受け取ってWi-Fi経由でインターネットへ流します。逆方向も同じで、外出先からの命令をセンサーや機器へ届けます。
ハブを入れるときに一緒に考えておきたいのが、止まったときの影響範囲です。ハブは配下の機器をまとめて中継している分、ハブ自体が電源から抜けたりネットワークから外れたりすると、その配下の機器がまとめて操作できなくなります。センサーで動く自動化を組んでいる場合、その自動化も一緒に止まります。ですから、毎日必ず使う家電はハブ経由に寄せすぎず、赤外線での直接操作や手元のリモコンという逃げ道を残しておくと安心かなと思います。
通信方式ごとの性格を並べておくと、ハブが要る場面と要らない場面が見分けやすくなります。
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| 通信方式 | 消費電力 | ハブの要否 | よく使われる機器 |
|---|---|---|---|
| Wi-Fi | 大きい | 不要 | スマートリモコン本体、Wi-Fi内蔵の家電 |
| Bluetooth Low Energy | 小さい | 屋外から使うなら必要 | 温湿度計、小型センサー、指ロボット |
| Zigbee | 小さい | 必要 | 開閉センサー、人感センサー、対応照明 |
| Thread | 小さい | 必要(Thread Border Router) | Matter対応の照明やセンサー |
| 赤外線 | ― | ハブでは中継できない | エアコン、テレビ、シーリングライト |
表の一番下の行が、この記事のいちばん大事なところかもしれません。赤外線はハブが扱う通信の仲間ではないので、ハブをいくら足してもエアコンは動きません。赤外線を出せるのはスマートリモコンだけです。
Bluetoothの行に「屋外から使うなら必要」と書いたのは、届く距離が短いためです。家の中でスマートフォンを近づければ直接つながりますが、外出先から操作したい場合は、家の中に常時つながっている中継役、つまりハブが要ります。
つまりハブは、家電を直接操作する機器ではありません。他の機器がネットワークに参加できるようにするための土台です。スマートリモコンが「実行係」なら、ハブは「通訳兼中継所」というイメージですね。
スマートプラグは電源を入り切りする
3つ目はスマートプラグです。これはとてもシンプルで、コンセントと家電の間に挟んで使う、遠隔操作できるスイッチです。
アプリから操作すると、プラグが通電したり止まったりします。つないだ家電から見れば、コンセントを挿したり抜いたりしているのと同じことが起きています。
スマートリモコンとの違いは明快です。スマートリモコンはリモコン信号を送るので、温度や風量まで細かく指定できます。スマートプラグは電気を通すか止めるかの2択だけです。
スマートプラグには定格容量の上限があり、超える家電はつなげません。とくに電気ストーブやこたつのような暖房器具は、メーカーが使用を控えるよう注意喚起していることがあります。消費電力が大きく、無人での通電が火災につながる恐れがあるためです。ドライヤーやオーブントースターのように発熱をともなう家電も、同じ理由で避けるほうが無難です。購入前に必ず取扱説明書と本体表示の定格を確認してください。また、通電が戻ったときに自動で運転を再開しない家電もあります。安全に関わる判断は、最終的にメーカーや販売店にご相談ください。
定格の見方も押さえておきましょう。多くのスマートプラグは定格1500ワット、または15アンペアと表示されています。日本の家庭用コンセントは100ボルトなので、1500ワットを100ボルトで割ると15アンペア。表示の2つは同じことを言っています。
つなぎたい家電の消費電力は、本体の裏や取扱説明書に記載があります。たとえば消費電力600ワットの加湿器なら、1500ワットの上限に対して余裕があります。
ただし、数字が収まっていれば使えるとは限りません。消費電力1200ワットのドライヤーは計算上は上限内ですが、発熱家電は多くの製品で使用が禁止されています。数字と使用可否は別の話だと考えてください。
もうひとつ、電源が復帰したときの動きも家電によって違います。通電と同時に前の状態で動き出す機種もあれば、待機状態で止まったままの機種もあります。スマートプラグで動かすなら、まず手でコンセントを抜き差しして、通電しただけで動き出すかを確かめておくと確実です。
向いているのは、電源を入れるだけで動き出す家電です。間接照明、加湿器の一部、電源スイッチが物理的に入りっぱなしにできる扇風機など。逆にリモコンで細かく設定したい家電には向きません。
スマートスピーカーは声の窓口
4つ目はスマートスピーカーです。アレクサやGoogleアシスタントを積んだ、あの丸い機器や画面付きの機器ですね。
役割は「声で命令を受け取る窓口」です。話しかけると音声を認識し、対応する機器へ命令を渡します。
ここで大事なのは、スマートスピーカー自体は赤外線を出さない製品がほとんどだという点です。「アレクサ、エアコンをつけて」と言えばエアコンが動くように見えますが、実際には裏でスマートリモコンが赤外線を発射しています。
つまりスマートスピーカーだけを買っても、赤外線家電は動きません。声で操作したいなら、スマートスピーカーとスマートリモコンの両方が要るということです。
ただし例外もあります。画面付きの上位モデルなどには、ハブ機能を内蔵した製品があります。この場合、スピーカーがハブの役目も果たすので、別途ハブを買わずに済むことがあります。
見分け方はかんたんで、製品の仕様欄を見ることです。「Thread」「Zigbee」「Matterコントローラー」「スマートホームハブ機能」といった記載があれば、ハブの役割を持っています。逆に、対応する音声アシスタント名しか書かれていない製品は、声の窓口としての機能だけだと考えてよいと思います。
同じシリーズでも、世代や画面の有無でハブ機能の有無が変わることがあります。「このメーカーのスピーカーならハブが要らない」と一括りにせず、買おうとしている型番の仕様欄で確かめてください。正確な情報は各メーカーの公式サイトでご確認くださいね。
4つの役割を1枚の表で見比べる

ここまでの内容を並べてみますね。役割の違いが一目で分かると思います。
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| 機器 | 担当する仕事 | 操作できるもの | これ単体でできること |
|---|---|---|---|
| スマートリモコン | 赤外線の信号を出す | 赤外線リモコン付きの家電 | アプリと自動化で家電を操作できる |
| スマートホームハブ | 省電力通信とネットの中継 | 家電は直接操作しない | センサーや対応機器をネットへつなぐ |
| スマートプラグ | 電源の入り切り | つないだ家電の通電 | オンとオフの2択で操作できる |
| スマートスピーカー | 音声の受付と応答 | 連携済みの機器へ命令を渡す | 音声操作の入口になる |
表の3列目に注目してみてください。実際に家電を動かしているのはスマートリモコンとスマートプラグの2つだけです。ハブとスピーカーは、それを支える裏方だと分かります。
迷ったときの見分け方は、こう考えてください。赤外線リモコンが付いている家電を動かしたいならスマートリモコン。コンセントを抜き差しするだけで済む家電ならスマートプラグ。電池式のセンサーや、Threadに対応した機器を使うならハブ。声で操作したいならスマートスピーカー。この4つは足し算の関係であって、どれかを選べば他が不要になるという関係ではありません。
MatterとThreadで何が変わるのか
製品ページでよく見かける「Matter対応」「Thread対応」という表示についても触れておきますね。ここが分かると、ハブが必要かどうかの判断が正確になります。
Matterは、メーカーの違う機器どうしをつなぐための共通規格です。規格団体のConnectivity Standards Allianceは、Matterを「対応するデバイスとシステムを互いにつなぐための1つのプロトコル」と説明しており、通信手段としてWi-Fi、Thread、そして初期設定用のBluetooth Low Energyを挙げています。規格の発表時点で、アマゾン、アップル、グーグル、サムスン、シグニファイなど280社を超える企業が参画したと公表されています(出典:Connectivity Standards Alliance公式サイト Matter)。
Threadは、そのMatterが使う通信方式のひとつです。省電力で、機器どうしがバケツリレーのように電波を中継し合うメッシュ構造をとります。
ここが重要なところです。Threadを使う機器は、単体ではインターネットにつながれません。Thread Border Routerと呼ばれる出入口の役割を持つ機器が家の中に必要になります。この役目を果たすのが、ハブやハブ機能を内蔵したスマートスピーカーです。
グーグルの公式ヘルプでも、Matter対応の環境を整えるには対応するハブが必要になる場合があると案内されています(出典:Google Nest ヘルプ スマートホームを Matter 対応にするための準備)。
「Matter対応」と書かれていても、それだけで何でもつながるわけではありません。確認したいのは3点です。第一に、その機器がWi-Fi版のMatterかThread版のMatterか。Thread版なら家にThread Border Routerが要ります。第二に、自分が使っている音声アシスタントがその機器に対応しているか。第三に、Matter経由だとメーカー独自アプリの一部機能が使えないことがある点です。対応状況は世代やファームウェアでも変わるので、購入前に各メーカーの公式サイトでご確認ください。
なお、赤外線はMatterの対象外です。エアコンやテレビのような赤外線家電は、規格がどれだけ整っても赤外線を出す機器、つまりスマートリモコンが必要という点は変わりません。ここは押さえておくとよいと思います。
違いを踏まえてスマートリモコンとハブを選ぶ
役割が分かったら、次は自分の家に何が要るのかを決めていきます。
考え方はひとつだけです。機器から選ぶのではなく、操作したい家電から逆算します。この順番を守ると、買ってから「使わなかった」という失敗を避けられます。
この章では、家電からの逆算手順、ハブが必要になる条件、一体型と単機能の使い分け、買い足す順番と失敗しやすい点を扱います。最後にこの記事全体をまとめますね。
操作したい家電から必要な機器を決める

まず、紙かスマートフォンのメモに、スマート化したい家電を書き出してみてください。5分もかからないと思います。
書き出したら、1つずつ次の質問に答えていきます。
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| その家電は… | 必要な機器 | 補足 |
|---|---|---|
| 赤外線リモコンが付いている | スマートリモコン | エアコン、テレビ、シーリングライトなど |
| 電源の入り切りだけでよい | スマートプラグ | 定格容量と発熱の有無を要確認 |
| 壁スイッチしかない照明 | スマート電球またはスマートスイッチ | 器具ごと交換が必要な場合もある |
| Wi-Fi内蔵のスマート家電 | 基本は不要 | メーカーのアプリで直接操作できる |
| Thread対応の機器を使う | ハブまたはハブ内蔵スピーカー | Thread Border Routerが要る |
| 声で操作したい | 上記+スマートスピーカー | スピーカー単体では赤外線家電は動かない |
書き出した家電の多くが1行目に当てはまるなら、まずはスマートリモコンを1台。これが多くの家庭にとっての出発点になります。
センサーで自動化したい、たとえば「暗くなったら照明をつける」「部屋が28度を超えたらエアコンを入れる」といったことをやりたい場合は、センサーが必要です。そのセンサーがWi-Fi以外の通信方式ならハブが要ります。ただし、温湿度センサーを内蔵したスマートリモコンなら、それ1台で足りることもあります。
そもそも自分の暮らしにスマート化が要るのかどうかから迷っている方もいると思います。いらない人の特徴と導入して効く場面を整理した記事を先に読んでおくと、判断がはっきりするはずです。
ハブが必要になるのはどんな時か
「結局ハブは要るのか要らないのか」という点を、条件で整理しておきますね。
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| やりたいこと | ハブの要否 | 理由 |
|---|---|---|
| エアコンとテレビをアプリで操作したい | 不要 | スマートリモコン1台で完結する |
| Wi-Fi対応のスマート家電を操作したい | 不要 | 家電が直接ルーターにつながる |
| 電池式の温湿度センサーや開閉センサーを使いたい | 必要になることが多い | 省電力通信はネットへ直接つながらない |
| Thread対応の照明や機器を使いたい | 必要 | Thread Border Routerが要る |
| 複数メーカーの機器を1つの操作画面にまとめたい | あると楽になる | Matter対応のハブが橋渡しをする |
| 外出先から機器の状態を確認したい | 機器による | その機器がネットにつながっているかで決まる |
表を見ると、最初の一歩ではハブが不要なケースが多いと分かります。赤外線家電をアプリと音声で動かしたいだけなら、スマートリモコン1台で目的は果たせます。
ハブが効いてくるのは、センサーを足して自動化を組み始めてからです。「人がいなくなったら消す」「暗くなったらつける」といった条件付きの動作をやろうとすると、状態を測る機器が必要になり、そこでハブの出番になります。
ですから、いきなりハブから買う必要はありません。やりたいことが増えてきたときに足す、という順番で問題ないと思います。
一体型と単機能をどう使い分けるか
最近の製品は、複数の役割を1台に兼ねているものが増えています。ここが「違いが分かりにくい」最大の理由です。
代表的なのが、スマートリモコンとハブを兼ねた製品です。赤外線を出しつつ、同じメーカーのセンサー類の中継もこなし、Matterにも対応する。1台で3つの役割を担っています。
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| タイプ | 向いている人 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| リモコンとハブの一体型 | これから始める人、置き場所を増やしたくない人 | 中継できるのは同じメーカーの機器に限られることがある |
| スピーカーとハブの一体型 | 声の操作を中心に使いたい人 | 赤外線は出ないので別途スマートリモコンが要る |
| 赤外線に絞った単機能 | 2台目、3台目として部屋ごとに置く人 | センサーや自動化の機能は期待できない |
| ハブ単体 | すでに特定メーカーの機器を多く持っている人 | それ自体は家電を操作しない |
最初の1台としては、リモコンとハブの一体型が扱いやすいと思います。置き場所も電源も1つで済みますし、後からセンサーを足す余地も残ります。
2台目以降は、部屋の役割で分けるのが現実的です。センサーで自動化したいリビングには一体型、照明とエアコンが動けば十分な個室には赤外線に絞った小型機、という組み合わせですね。
機種そのものを比べる段階なら、比較軸を先に決めておくと選びやすくなります。6つの軸と目的別に選ぶポイントをまとめた記事もあわせて見てみてください。
買い足す順番と失敗しやすい点

最後に、進め方の順番と、つまずきやすいところを挙げておきますね。
おすすめの順番はこうです。まずスマートリモコンを1台入れて、赤外線家電をアプリから操作できる状態にします。ここで生活がどう変わるかを2週間ほど試してみてください。
次に、音声で操作したいと感じたらスマートスピーカーを足します。その次に、自動化を組みたくなったらセンサーとハブ、という順です。
一度に全部そろえないほうがいい理由は2つあります。ひとつは、使ってみないと自分に必要な機能が分からないこと。もうひとつは、一体型を選べば後から買う機器が減る可能性があることです。
失敗しやすい点も整理しておきます。
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| ありがちな勘違い | 実際のところ |
|---|---|
| スマートスピーカーだけでエアコンが動く | 赤外線を出す機器が別に必要 |
| ハブを買えば何でもつながる | 対応する通信方式とメーカーの範囲内に限られる |
| Matter対応なら全メーカー共通で使える | Wi-Fi版かThread版か、機能の範囲は製品ごとに違う |
| スマートプラグならどんな家電もスマート化できる | 定格容量の上限があり、発熱家電は不可のことが多い |
| 1台で家じゅうの家電を操作できる | 赤外線は壁を越えないため部屋ごとに必要 |
最後の行は、実際に導入してから気づく方が多いところです。赤外線は光なので、壁や閉じた扉を越えられません。
置き場所によって届いたり届かなかったりするので、最初の1台をどこに置くかは意外と大事です。赤外線が届く高さと部屋別の置き方を整理した記事が、設置の段階で役に立つと思います。
製品ページを読むときは、「できること」の一覧より先に「対応している通信方式」と「同梱物」の欄を見ると判断が早くなります。赤外線の記載があれば赤外線家電を操作できますし、ThreadやZigbeeの記載があればハブとしての役割も持っています。逆に、音声アシスタント対応としか書かれていない製品は、それ単体では家電を動かせないことがあります。機能名は各社で呼び方が違う一方、通信方式は仕様欄に統一された書き方で載っていることが多いので、そちらを基準にするのが確実です。
仕様欄を読んでも判断がつかないときは、先に借りて実物で確かめるという方法もあります。1か月単位で家電を借りられるサービスで、スマートリモコンやハブの取り扱いもあります。対象機種と料金は時期によって変わるので、申し込む前に確認してみてくださいね。
スマートリモコンとハブの違いについてよくある質問
ハブとWi-Fiルーターは別のものですか?
別のものです。Wi-Fiルーターは、家じゅうの機器をインターネットにつなぐ入口で、パソコンやスマートフォンも含めた幅広い機器が使います。一方ハブは、Wi-Fiを使わない省電力の機器、たとえば電池式のセンサーやThread対応機器のための中継役です。ルーターがあってもThreadやZigbeeの機器は直接つながらないため、その種類の機器を使うならハブが別に必要になります。逆に、Wi-Fi対応の機器しか使わないのであればハブは不要です。なお、ハブ自体もルーターを経由してインターネットにつながるので、ルーターの代わりにはなりません。
スマートプラグでエアコンや炊飯器を操作してもいいですか?
おすすめしません。理由は2つあります。ひとつは消費電力で、エアコンや調理家電は電流が大きく、スマートプラグの定格容量を超えることがあります。もうひとつは動作の再現性で、通電しても運転を再開しない家電が多く、電源が入るだけで何も始まらないことがあります。エアコンは赤外線リモコンで操作する前提の製品がほとんどなので、スマートリモコンを使うほうが確実です。発熱をともなう家電の無人運転は火災につながる恐れもあるため、使用可否は必ず取扱説明書と本体表示の定格でご確認ください。
Wi-Fi内蔵のスマート家電を買えば、これらは全部不要になりますか?
その家電については不要になります。Wi-Fi内蔵の家電はルーターに直接つながるため、メーカーのアプリからそのまま操作できます。ただし、家じゅうの家電を一度に買い替えるのは現実的ではありません。今ある赤外線家電を活かしたままスマート化できる点が、スマートリモコンの持ち味です。また、メーカーごとにアプリが分かれるため、家電が増えるほど操作画面がばらばらになります。まとめたい場合は、Matter対応のハブや音声アシスタントで束ねる形になります。
メーカーが違う機器を混ぜても1つのアプリでまとめられますか?
条件つきで可能です。方法は主に2つあります。ひとつは音声アシスタントのアプリに各メーカーを連携させる方法で、対応していれば1つの画面にまとめて表示できます。もうひとつはMatterを使う方法で、対応機器どうしなら共通の枠組みで扱えます。ただし、まとめられるのは基本的な操作までで、メーカー独自の細かい設定は各社のアプリでしか行えないことがあります。センサーの詳細な履歴や、独自の自動化機能などが該当します。どこまで統合できるかは製品と時期によって変わるため、購入前に各メーカーの公式サイトでご確認ください。
スマートリモコンとハブの違いまとめ
ここまでの内容を、判断しやすい形に整理しておきますね。
4つの機器は競合ではなく、役割分担の関係です。スマートリモコンは赤外線を送る係、ハブは省電力通信とインターネットをつなぐ中継役、スマートプラグは電源を入り切りするスイッチ、スマートスピーカーは声を受け取る窓口。実際に家電を動かしているのは、このうちスマートリモコンとスマートプラグの2つだけです。
選ぶ順番は、機器からではなく家電からです。赤外線リモコンが付いている家電を動かしたいならスマートリモコン、電源の入り切りだけで済むならスマートプラグ、電池式のセンサーやThread対応機器を使うならハブ、声で操作したいならスマートスピーカーを足す。この順で考えると迷いません。
MatterとThreadについては、Matterがメーカーをまたいでつなぐ共通規格、Threadがその通信方式のひとつという関係です。Threadを使う機器にはThread Border Routerが必要で、その役目をハブやハブ内蔵のスピーカーが担います。ただし赤外線はMatterの対象外なので、エアコンやテレビには引き続きスマートリモコンが要ります。
最初の1台としては、リモコンとハブを兼ねた一体型が扱いやすいと思います。置き場所も電源もひとつで済みますし、後からセンサーを足す余地が残ります。いきなり全部そろえず、使いながら足していく進め方をおすすめします。
なお、この記事で挙げた仕様や対応状況は、私が公開情報を確認した時点のものです。製品や世代によって変わりますので、正確な情報は各メーカーと規格団体の公式サイトをご確認ください。電源や配線に関わる作業、発熱家電の扱いについては、最終的な判断は専門家やメーカーにご相談くださいね。
役割の違いが分かってしまえば、製品選びはぐっと楽になります。あなたの家に合う構成が見つかることを願っています。