スポットクーラーを外開き窓で使う方法|板を1枚作れば排気は外へ出せます
スポットクーラーを買ったのに、うちの窓は外側へ押し開くタイプで窓パネルがはまらない。市販の排気パネルは引き違い窓用ばかりで、外開き窓や縦すべり出し窓に対応した製品がなかなか見つからない。この壁にぶつかって手が止まっている方、けっこう多いんじゃないでしょうか。
実際、家庭用のスポットクーラーに付いてくる窓パネルは、ほぼ全部が引き違い窓を前提に作られています。レールに立てて突っ張る構造なので、そもそも溝ができない窓では成立しないんですね。だから「対応品がない」のは製品の不備ではなく、構造上そうなっているだけです。
結論を先に言うと、外開き窓でも排気は外へ出せます。方法は大きく4つあって、市販のシートパネルを使う、板を1枚作って開口部をふさぐ、窓を閉めてダクトだけ挟む、窓以外の出口を使う。このうち費用と気密のバランスがいちばんいいのは、板を作る方法です。プラダンやポリカーボネートの板をホームセンターで買ってきて、穴を1つ開けるだけ。工作としては難しくありません。
この記事では、まず外開き窓の種類と、なぜ市販パネルが使えないのかを整理します。そのうえで4つの方法を比べ、採寸、材料選び、板の作り方、ダクトの固定、雨と風と防犯の始末、賃貸での原状回復までを順に扱いますね。読み終えるころには、自分の窓で何をどう用意すればいいかが決まっているはずです。
- 外開き窓の3種類と、市販の窓パネルが使えない理由
- 排気を外へ出す4つの方法とそれぞれの向き不向き
- 採寸から板の加工、ダクト固定までの手順
- 雨・風・防犯・原状回復の具体的な対策
スポットクーラーを外開き窓で使うときの前提
まずは自分の窓がどれかを確かめるところからです。外開き窓は軸の位置で3種類に分かれ、どれに当たるかで使える方法とダメな方法がはっきり決まります。
市販の窓パネルが使えないのは、あれが引き違い窓や上げ下げ窓のように「サッシのレールに縦に立てる」ことを前提に作られているからです。外へ開く窓にはそもそも板を差し込む縦のレールがなく、開いた状態では枠の形も変わります。だから外開き窓では、排気の出口を自分で作る必要があるわけですね。とはいえ手段がないわけではなく、選べる方法は大きく4つあります。作業に入る前の採寸は、窓を開いた状態で3か所を測るのがコツです。
この章では、外開き窓が3種類に分かれること、市販の窓パネルが使えない理由、排気を出す4つの方法、開いた状態で3か所測る採寸、そしてプラダンかポリカという材料の選び方を順に見ていきます。
外開き窓は3種類に分かれる

外側へ開く窓とひとくちに言っても、軸の位置で3種類に分かれます。ここを取り違えると、作る板の形も変わってしまいます。
縦すべり出し窓は、窓の縦方向の片側を軸にして、左右どちらか一方へ回転するように開くタイプです。メーカーの用語集では「窓の軸がスライドし、左右どちらか一方に回転するように開閉する窓。窓の縦方向の片側を軸とします。外側の窓掃除が容易」と説明されています(出典:LIXIL リフォーム用語集)。縦長のことが多く、開くと窓ガラスが外へ張り出します。
横すべり出し窓は、横方向の上側を軸にして、下側を外へ押し出すように開くタイプ。こちらも「窓の軸がスライドし、下側を外に押し出して回転するように開閉する窓。窓の横方向の上側を軸とします」と定義されています(出典:LIXIL リフォーム用語集)。開いていても雨が入りにくいので、洗面所や浴室によく使われますね。
突き出し窓・片開き窓も外へ開く仲間です。突き出し窓は上を軸に下を押し出すもので、横すべり出し窓と似た動き。片開き窓は左右どちらかを軸に、ドアのように開きます。
見分け方は簡単で、ハンドルを回したときに窓ガラスが外へ張り出すかどうかを見ます。張り出すなら外開きの仲間。そのうえで、縦の辺を軸に横へ開くなら縦すべり出しか片開き、横の辺を軸に下が外へ出るなら横すべり出しか突き出しです。手を窓の外側へ回して、どこが動かずに残っているかを触ると一発で分かりますよ。
ちなみに、外側へ開かないのに引き違いでもない窓もあります。羽根が並んで角度が変わるルーバー窓(ジャロジー)と、そもそも開かないはめ殺し窓です。ルーバー窓は羽根の隙間を塞ぎきれないので、この記事の方法は使えません。はめ殺し窓は開口部そのものが無いので、窓以外の出口を探すことになります。
引き違い窓や上げ下げ窓がある部屋なら、市販の窓パネルがそのまま使えます。その場合の採寸と取り付け手順はスポットクーラーの排気ダクトを窓へ出す採寸と6工程をまとめた記事のほうが近道です。
| 種類 | 軸の位置 | 開いたときの開口部の形 | 板の作りやすさ |
|---|---|---|---|
| 縦すべり出し窓 | 縦方向の片側 | 縦長の長方形(片側が斜めに狭まる) | 作りやすい |
| 横すべり出し窓 | 横方向の上側 | 横長の長方形(上が狭まる) | やや難しい |
| 突き出し窓 | 上側 | 横長(下に開く) | やや難しい |
| 片開き窓 | 左右どちらか | 縦長の長方形 | 作りやすい |
作りやすさに差が出るのは、開いたときに開口部が長方形に近いかどうかで決まるからです。縦すべり出し窓と片開き窓は、開けば縦長の長方形がそのまま残るので、板をはめるだけで済みます。横すべり出し窓は上部が斜めに絞られるので、そのぶん加工がひと手間増えます。
市販の窓パネルが使えない理由
なぜ引き違い窓用のパネルが使えないのか。理由は3つあります。
1つ目は、固定の仕組みです。市販パネルはレールに立てて、窓を閉める力で挟み込むことで固定します。外開き窓には挟む相手がいません。窓を閉めればパネルごと外へ押し出してしまいます。
2つ目は、開口部の形です。引き違い窓は、窓を半分開けると縦長の長方形がきれいにできます。外開き窓は、窓枠の内側全体が開口部になるので、面積がずっと大きい。市販パネルの幅100ミリ前後では、まったく足りません。
3つ目は、気密の取り方です。引き違い窓ならサッシの溝とパネルの厚みで自然に気密が生まれますが、外開き窓では枠に押し当てるしかなく、パッキンやテープで自分で作る必要があります。
つまり外開き窓は「板を立てる窓」ではなく「開口部をふさぐ窓」なんですね。この発想の切り替えが出発点です。
この違いは面積にも表れます。引き違い窓のパネルは幅100ミリ・高さ数十センチの細長い板ですが、外開き窓をふさぐ板は、窓枠の内寸そのままの大きさになります。たとえば幅40センチ・高さ90センチの縦すべり出し窓なら、0.36平方メートルの面を1枚作ることになる計算ですね。面積が大きいぶん、材料の強度と固定方法が効いてきます。
そもそもダクトを窓へ出す必要がない機種もあります。ダクトレスと呼ばれる製品は排熱を室内に出す構造なので、窓の形は関係ありません。ただしその代わり部屋全体は冷えないので、どちらの道具を使っているかで話が変わります。ダクトレスのスポットクーラーが3タイプに分かれる話と、それぞれの熱の処理のしかたを整理した記事で自分の機種を確かめてから読み進めると混乱しませんよ。
排気を出す方法は4つある

外開き窓で使える手は、大きく次の4つです。
| 方法 | 費用の目安 | 気密 | 原状回復 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ①市販のシートパネル | 3千円前後 | 中 | しやすい | 工作をしたくない・すぐ使いたい |
| ②板を作ってふさぐ | 千〜3千円 | 高 | しやすい | 気密を優先したい・毎年使う |
| ③窓を閉めてダクトだけ挟む | 0円 | 低 | 問題なし | 数日だけ・とりあえず動かしたい |
| ④窓以外の出口を使う | 0〜数千円 | 高 | 穴による | スリーブや換気口がある部屋 |
①は、開口部をファスナー付きの布で覆い、ファスナーからダクトだけ出すタイプです。面ファスナーや両面テープで窓枠に貼るので工具が要らず、縦にも横にも使えるものがあります。手早さでは一番。
②が本命です。プラダンやポリカーボネートの板を開口部の形に切り、ダクト用の穴を1つ開けて、窓枠にはめ込む。材料費は千円台から。気密がしっかり取れるので、冷房効率でいちばん有利になります。
③は応急処置です。ダクトを窓枠に挟んだまま窓を軽く閉めるだけ。隙間が大きく残るので効率は落ちますし、窓が完全に閉まらないので防犯上も不利です。とりあえず今日使いたい、という日の逃げ道として考えてください。
④は、エアコン配管用のスリーブや換気口が使えるなら最も確実です。壁を貫通しているので気密が取りやすく、雨も防犯も心配が少なくなります。
選ぶ順番としては、まず④が使えるかを見て、次に②を検討し、工作をしたくない場合に①、今日だけしのぎたい日に③、という流れがおすすめです。④はそもそも窓を開けずに済むので、雨も風も防犯も一気に片づきます。エアコンを外した跡がある部屋なら、まずそこを疑ってみてください。
ひとつ注意しておくと、②の板を作る方法は窓を開けっぱなしにすることが前提です。夜間や不在時にどうするかを先に決めておかないと、あとで運用に困ります。そこが引っかかる場合は、費用が上がっても④か、窓用エアコンなど別の道具へ切り替えるほうが結果的に納得できるかなと思います。
工作をせずに済ませたいなら、①の市販シートパネルが最短です。開口部をシートで覆い、ファスナー部分からダクトだけを外へ出す構造で、縦向きの窓にも横向きの窓にも使えます。取付工事が要らないので、その日のうちに使い始められますよ。
窓枠の材質によっては貼り付けにくいことがあります。対応する窓のサイズとあわせて、購入前に各ショップでご確認ください。
採寸は開いた状態で3か所測る
②の板を作る方法で進めるなら、次は採寸です。ここを丁寧にやると、あとの隙間埋めがほとんど要らなくなります。
測る3か所
- 窓枠の内寸(縦・横)…板をはめ込む枠の内側。上下・左右それぞれ2か所ずつ測り、小さいほうを採用する
- 枠の見込み(奥行き)…室内側から窓ガラスまでの深さ。板を差し込める余裕があるか
- ダクトの外径…本体の排気口またはダクト先端の直径。130ミリ前後が多い
外開き窓で特有なのが、窓を開けたときのクリアランスです。板を室内側にはめると、窓ガラスは外へ開いたままになりますが、ハンドルやステー(開き止めの金具)が室内側に張り出していると板と干渉します。ハンドルの位置と、開いた状態のステーの張り出しも一緒に測っておくと、切り欠きが必要かどうかを先に判断できます。
採寸したら、スマートフォンで窓の全体と四隅、ハンドル周りの写真を撮っておきましょう。ホームセンターで材料を選ぶときにも、翌年もう一度作るときにも役立ちます。
採寸でつまずきやすいところ
窓枠は、見た目より歪んでいることがあります。上と下、左と右で数ミリ違うのは珍しくありません。だから4辺すべてを測って、いちばん小さい数字を採用します。大きいほうに合わせると入らず、切り直しになります。
もうひとつ、枠の内側に段差があるかを見てください。多くのサッシは、室内側の枠から少し奥まった位置にガラス戸が収まる作りになっています。この段差に板を落とし込めれば、押さえが要らないくらい安定します。段差が無いフラットな枠だと、板を押さえる仕組みを別に用意することになります。
ダクトの外径も、実測が確実です。仕様表に「φ130」とあっても、ダクトエンドの部分だけ太くなっている機種があります。板の穴は、いちばん太い部分に合わせて開けます。細いところに合わせると通りません。
材料はプラダンかポリカが扱いやすい
板の材料は、加工しやすさと強度のバランスで選びます。
| 材料 | 加工 | 強度 | 採光 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| プラダン(プラスチック段ボール) | カッターで切れる | 低〜中 | 半透明あり | まず1枚作ってみる・軽さ優先 |
| ポリカーボネート板 | カッターまたはジグソー | 高 | 透明あり | 毎年使う・強度がほしい |
| スタイロフォーム(断熱材) | カッターで切れる | 低 | なし | 断熱を優先・見た目は問わない |
| ベニヤ板 | のこぎり必要 | 高 | なし | 屋外側に面する部分の補強 |
最初の1枚ならプラダンがおすすめです。カッターで切れるので工具が要らず、失敗しても材料費が痛くありません。しなるので、多少寸法がずれても押し込めば収まります。半透明のものを選べば、部屋が暗くなりにくいのも利点ですね。
毎年使うつもりならポリカーボネートへ。厚み2〜3ミリの中空タイプなら、プラダンと同じ感覚で加工できて、強度と断熱性は上です。透明を選べば採光もほぼ損ないません。
加えて用意しておきたいのが、隙間テープ(スポンジタイプ)、アルミテープまたは防水テープ、そしてダクトを通す穴を開ける道具です。穴はカッターでも開けられますが、円をきれいに切るならコンパスカッターか、ホームセンターの加工サービスを使う手もあります。
道具は、カッター、定規(できれば1メートルの金属定規)、メジャー、油性ペン、そしてカッターマットか厚紙。この5つがあれば足ります。プラダンを切るときは、一度で切ろうとせず、浅く3回なぞると断面がきれいになります。金属定規を当てて、刃を寝かせずに引くのがコツです。
ホームセンターによっては、購入した板をその場でカットしてくれるサービスがあります。直線カットは1カット数十円程度のことが多く、大きな板を車に積む手間も減ります。丸穴の加工は対応していないことが多いので、そこだけ自分でやる、という分担が現実的ですね。
板を買いに行くのが手間なら、必要なサイズが届くものを選んでしまうのも手です。910×600ミリ級の大判が2枚あれば、たいていの窓は1枚で足り、上下2分割にしたい場合や作り直したい場合にも余裕が残ります。厚み4ミリ前後だとカッターで切れて、そこそこの強度も出ます。
サイズと厚み、枚数は商品ごとに違います。測った窓の内寸を手元に置いて、購入前に各ショップでご確認ください。
スポットクーラーを外開き窓で安全に使い続ける
ここからは実作業です。板の作り方、ダクトの固定、そして外開き窓ならではの雨・風・防犯の始末を順に片づけていきます。
作りっぱなしにせず、季節をまたいで使える形にしておくのがポイントです。排気パネルは5つの手順で作れますし、ダクトの固定は板の厚みより少し長い程度の短いネジで留めるのが確実です。外開き窓は開いた隙間が上を向くので、雨と結露の入り込みは3段構えで止めておく必要があります。また、多くの外開き窓には開いた角度で止める金具が付いているので、風であおられる問題はここで押さえられます。賃貸の場合は、原状回復まで含めて考えておくと安心ですね。
この章では、排気パネルを作る手順、ダクトの固定はネジ留めが確実なこと、雨と結露の入り込みを止める方法、風であおられないようにする工夫、そして防犯と賃貸の原状回復を順に見ていきます。
排気パネルを作る手順

手順は5つです。焦らず順番にいけば、初めてでも1時間ほどで終わります。
板を作る5工程
- 採寸した内寸より、縦横それぞれ2〜3ミリ小さく板を切り出す
- 窓枠に仮当てして、はまるか・干渉がないかを確認する
- ダクトを通す位置を決めて印を付け、外径ぴったりの丸穴を開ける
- 板の外周に隙間テープを貼り、押し込んだときに密着するようにする
- 窓枠にはめ、必要なら上下または左右を突っ張り棒か木片で押さえる
1番で少し小さく切るのがコツです。ぴったりに切ると入りません。外周に貼る隙間テープの厚みが、寸法の逃げと気密を同時に引き受けてくれます。5ミリ厚のテープを貼るなら、板は内寸より4〜6ミリ小さくても大丈夫。
3番のダクト穴の位置は、できるだけ下寄りにします。理由は2つあって、ダクトが低い位置から出るほど本体との高低差が小さくて済むこと、そして雨が入ったときに下から抜けやすいことです。カーテンとの干渉も減ります。
4番のテープは、外周の四辺すべてに貼ります。特に上辺は雨と熱の通り道になるので、ここだけは二重にしておくと安心です。
5番の押さえは、板がしなって外れそうな場合だけ。プラダンのように軽い材料なら、テープの摩擦と枠の押さえで意外と保ちます。落ちるようなら、下に木片を1つ噛ませるだけでも変わります。
仮組みで一度確かめる
おすすめしたいのが、本番の前に段ボールで型紙を作ることです。窓枠の内寸で段ボールを切り、はめてみる。これだけで、干渉するところ、寸法が足りないところ、ダクト穴の高さが一目で分かります。段ボールなら失敗しても捨てるだけ。
型紙がぴったりはまったら、それを板に写して切ればいいので、本番の失敗がほぼ無くなります。ハンドルやステーの切り欠きが必要な窓では、この一手間が特に効きます。急がば回れ、というやつですね。
ダクトの固定はネジ留めが確実
板ができたら、ダクトを通して固定します。ここをテープだけで済ませると、運転中の振動で少しずつずれてきます。
いちばん確実なのは、ダクトの先端に付いているダクトエンド(口金)を板にネジ留めする方法です。ダクトエンドにはもともとネジ穴が空いていることが多く、その穴に合わせて板側にも小さな穴を開け、短いネジとナットで留めれば、引っ張っても抜けません。
ネジは板の厚みより少し長い程度の短いものを選びます。長すぎると先端が突き出て、外から触れる位置に金具が出てしまいます。プラダンのように柔らかい材料では、ネジの頭が沈み込んで効かなくなるので、平ワッシャーを1枚かませると保ちが変わります。
ダクトエンドが無い機種なら、ダクトを穴に通したあと、板の内側と外側の両方からアルミテープで一周巻きます。片側だけだと、片方向の力に負けます。
もう一段しっかり留めたいなら、板の内側と外側から丸いフランジで挟む方法があります。板よりひとまわり大きい円形の板を2枚作り、中央にダクト径の穴を開けて、ダクトを通したうえで両側からネジで締める。ホームセンターの塩ビ板やアクリル板の端材でも作れます。手間はかかりますが、抜けも隙間もほぼゼロにできますよ。
どちらの場合も、ダクトが板の穴を押し広げていないかを確認してください。プラダンは柔らかいので、太いダクトを無理に押し込むと穴が変形して隙間ができます。穴は「少しきつい」くらいが正解で、入らないなら穴を広げるのではなくダクト側を回しながら差し込みます。
雨と結露の入り込みを止める

外開き窓は、開いた窓ガラスが庇の役割をしないケースがあります。特に縦すべり出し窓と片開き窓は、真上が完全に開くので雨が入りやすいところ。
対策は3段構えです。
- ダクトの出口を下向きにする…外側に出た先端をわずかに下げるだけで、ダクト内への逆流が減ります
- 板の上辺に防水テープを重ねる…枠と板の合わせ目を伝う水を止めます
- 強い雨の日は運転を止めて窓を閉める…板を外せる作りにしておくと現実的です
3つ目のために、板を上下2枚に分けて作るという手もあります。下側だけ残してダクトを通し、上側は取り外せるようにしておけば、雨のときに上を外して窓を閉められます。少し手間は増えますが、シーズンを通して使うなら効いてきます。
2枚に分けるときは、上下の合わせ目に段差を作っておくと隙間が出ません。下の板の上端に細い材を貼って受けを作り、上の板をそこへ落とし込む形です。段差が無いと、合わせ目が一直線の隙間になって、そこから風も雨も入ります。数ミリの重なりを作るだけで、ずいぶん違いますよ。
結露も見ておきたいところ。排気ダクトは温かいので、外気が冷えた朝方などにダクトの外側や板の周辺が湿ることがあります。木製の窓枠だと傷みの原因になるので、水滴が溜まっていたら拭き取り、必要なら吸水テープを一枚挟んでください。建物への影響が心配な場合の最終的な判断は専門家にご相談ください。
風であおられないようにする
外開き窓は、窓ガラスが外へ張り出したまま固定されます。ここに板とダクトが加わると、風を受ける面が増えます。
まず確認したいのが、窓のステー(開き止め)です。多くの外開き窓には、開いた角度で止める金具が付いています。この金具がしっかり効いているか、緩んでガタついていないかを見てください。ステーが効いていない状態で強風にあおられると、窓ごと壊れます。
そのうえで、次の3つを習慣にしておくと安心です。
- 台風や強風の予報が出たら、板を外して窓を閉める
- 外出時は運転を止め、可能なら窓も閉める
- ダクトの外側が壁や手すりに強く当たっていないか、ときどき目で見る
ダクトの重さも意外と効きます。伸縮ダクトを長く伸ばして外へ垂らすと、その重みで板の穴が広がっていきます。ダクトは外へ長く出さず、板のすぐ外で終わらせるのが基本です。
風の影響は、窓の向きでも変わります。ベランダや壁で囲まれた面なら受ける風は弱く、逆に建物の角や吹き抜ける方向にある窓は、同じ日でもあおられ方がまるで違います。設置してから何日か、風の強い日に板の状態を見ておくと、自分の窓がどちらなのかが分かります。ぐらつきが出るようなら、押さえを1本足すか、板の材料をポリカーボネートへ替える判断ができます。
それでも垂れ下がるようなら、ダクトを板の内側で一度支えてやります。突っ張り棒を窓枠の内側に渡して、そこにダクトを軽く乗せるだけで、板の穴にかかる力がかなり減ります。結束バンドで縛ると今度はダクトが潰れるので、乗せるか、幅の広い布テープでゆるく吊るのが正解です。
ここまでやっても涼しくならないときは、板や窓ではなく本体側に原因があるかもしれません。フィルターの目詰まり、部屋の広さと能力のミスマッチ、設定モードの取り違えなど、確認する順番を決めておくと切り分けが早くなります。スポットクーラーが冷えない原因を6つの順番で確認する手順をまとめた記事もあわせて見てみてください。
防犯と賃貸の原状回復
最後に、外開き窓ならではの2つの注意点です。
防犯
外開き窓は、板をはめている間ずっと窓が開いた状態になります。引き違い窓のように「少し開いたまま補助錠で固定する」という手が使えないので、防犯の考え方が変わります。
現実的な対策は3つ。板の材料に強度のあるポリカーボネートを使う、外側から見えにくい配置にする、そして就寝時や外出時は板を外して窓を閉める運用にすることです。1階や道路に面した窓では、板1枚で夜通し開けたままにするのは避けたほうがいいかなと思います。面格子が付いている窓なら、その点はかなり有利になります。
賃貸での原状回復
板をはめ込むだけなら、跡はほとんど残りません。気をつけたいのは粘着物です。
隙間テープや両面テープを窓枠に直接貼ると、剥がすときに粘着が残ったり、塗装が持っていかれたりします。テープは板の側に貼り、窓枠には貼らない。これを守るだけで原状回復の心配はほぼ消えます。どうしても枠側に貼る必要があるときは、下地にマスキングテープを一枚貼ってからにしてください。
ネジ留めは板に対してのみ行い、窓枠や壁には打たないこと。穴あけは工事扱いになります。判断に迷うときは、作業前に管理会社へ確認しておくと確実です。契約内容によって扱いが変わるため、最終的な判断は専門家にご相談ください。
シーズンが終わったら、板を外して窓枠を拭き、テープの粘着が残っていないかを見ておきます。残っている場合は、無理にこすらず、シール剥がし剤を布に取ってから軽く拭くと傷めにくいところ。板そのものは、平らな場所で立てて保管すれば来年もそのまま使えます。作った板は毎年の資産になるので、寸法をメモした紙を貼っておくと、買い替えのときにも役立ちます。
仕上げの隙間埋めに使うテープも用意しておきましょう。板の外周に貼る前提なら、厚み5ミリ前後のスポンジタイプが扱いやすく、長さに余裕があると貼り直しがききます。窓枠ではなく板の側に貼るのが、跡を残さないコツです。
幅と厚みは埋めたい隙間に合わせて選びます。価格や在庫とあわせて、購入前に各ショップでご確認ください。
スポットクーラーを外開き窓で使うことについてよくある質問
付属の窓パネルを外開き窓に流用できますか?
できる場合があります。付属パネルはダクト穴が機種に合っているので、それを開口部の一部として使い、残りの面をプラダンなどで埋める、という組み合わせです。パネルを丸ごと立てるのではなく「穴の空いた部品」として使う発想ですね。ただしパネルの幅は100ミリ前後しかないので、残りの面積をどう埋めるかが本番になります。板を作る手間はどのみち発生する、と考えておくとよいかなと思います。
板を作らず、網戸を利用する方法はありませんか?
外開き窓には網戸が室内側に付いていることが多く、これを外してダクトを通す構成は考えられます。ただし網戸の枠は薄く、ダクトの重さを支える強度はありません。網目を切って通すと網戸が使えなくなりますし、外した網戸の保管場所も要ります。結果として、板を1枚作るほうが早くて確実です。網戸を残したまま使いたいなら、網戸の下端だけを浮かせてダクトを通し、周囲を布で覆う方法もありますが、気密は落ちます。
板を作る費用はどのくらいかかりますか?
材料だけなら千円台から二千円台に収まることが多いです。内訳の目安は、プラダン1枚が数百円から千円台、隙間テープが数百円、アルミテープや防水テープが数百円といったところ。ポリカーボネートにすると板代が上がって二千円台から三千円台になります。市販のシートパネルが三千円前後なので、費用そのものは大差ありません。差が出るのは気密と耐久のほうですね。
冬に窓が結露しやすくなったりしませんか?
シーズンが終わったら板は外して保管するのが前提です。夏用の板をそのまま冬まで付けておくと、板と窓ガラスの間に空気が滞留して、結露やカビの原因になります。外して乾かし、平らな場所で立てて保管しておけば、翌年もそのまま使えます。プラダンは折り癖が付くと戻らないので、丸めたり折ったりしないでくださいね。
マンションの外開き窓でも同じ方法で大丈夫ですか?
基本の考え方は同じですが、確認したいことが増えます。窓とサッシは共用部として扱われることが多く、加工や恒久的な取り付けが禁じられている場合があります。板をはめるだけで跡が残らない方法なら問題になりにくいものの、規約は建物ごとに違います。また、ダクトから出る温風が隣戸の窓や共用廊下を直撃しない向きにしておくのも大切です。心配なら管理組合や管理会社に一度確認しておくと安心ですよ。
まとめ|スポットクーラーと外開き窓の付き合い方
整理します。
外開き窓には市販の窓パネルが使えません。レールに立てて挟む構造の製品なので、そもそも挟む相手がいないからです。だから外開き窓では「板を立てる」のではなく「開口部をふさぐ」という発想に切り替えます。
方法は4つ。市販のシートパネル、板を作ってふさぐ、窓を閉めてダクトだけ挟む、窓以外の出口を使う。気密と費用のバランスがいちばんいいのは、プラダンやポリカーボネートで板を1枚作る方法です。採寸は窓枠の内寸、枠の見込み、ダクトの外径の3か所。板は内寸より2〜3ミリ小さく切り、外周に隙間テープを貼って押し込みます。
そして外開き窓ならではの3点、雨・風・防犯。ダクトの出口を下向きにし、板の上辺を防水テープで押さえ、強風の日は外して窓を閉める。この運用を決めておけば、シーズンを通して安心して使えます。
まずはメジャーを持って、窓を開けた状態で内寸を測ってみてください。数字が出れば、あとは材料を選ぶだけです。製品ごとの仕様は変更されることがあるため、正確な情報は公式サイトをご確認ください。建物や安全に関わる最終的な判断は専門家にご相談ください。