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KADEN LAB

CLIMATE / RESEARCH REPORT

スポットクーラーとポータブルクーラーの違い|呼び名と中身の分かれ目

窓に排熱ダクトを通した白いポータブルクーラーが置かれたリビングのイメージ

スポットクーラーとポータブルクーラー、名前が違うだけなのか調べました

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

通販サイトで冷房を探していると、同じような見た目の機械が「スポットクーラー」だったり「ポータブルクーラー」だったり、ときには「移動式クーラー」「ポータブルエアコン」「スポットエアコン」と書かれていたりします。名前が違うのだから中身も違うのだろうと思って比べ始めると、スペック表がほとんど同じで、かえって混乱するんですよね。

先に結論を言うと、この2つの呼び名は同じ種類の機械を指しています。工事なしで置ける、コンプレッサーで空気を冷やす、排熱を別の場所へ逃がす。この3つが共通した機械の総称で、どちらの名前で呼ぶかはメーカーの商品名の付け方の問題です。JISのような公的な規格で言葉が決められているわけでもありません。

ただし、それで話が終わるわけでもないんです。名前は同じものを指していても、この分類の中には工場で使う大型機と、部屋に置く小型機がどちらも入っています。実際に選ぶときに効いてくるのは名前の違いではなく、業務用か家庭用か、電源は何か、ダクトは何本か、水はどう捨てるのか。この4つのほうです。

この記事では、まず呼び名の関係を整理して、そのうえで本当に中身が分かれる軸を順に見ていきます。あわせて、混同されやすい冷風扇との線引きと、取扱説明書を探すときのコツもまとめますね。

  • スポットクーラーとポータブルクーラーという呼び名の関係
  • 業務用と家庭用で実際に変わる能力・電源・作り
  • ダクトの本数と排水方式という2つの分かれ目
  • 冷風扇との線引きと、説明書を探すときの言葉の選び方
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スポットクーラーとポータブルクーラーの違いの正体

まずは言葉の関係を確定させます。ここがあいまいなままだと、スペック比較を始めても軸が定まりません。

結論から言えば、スポットクーラーとポータブルクーラーは同じ種類の機械を指す別名です。ただし、同じ名前で呼ばれている製品の中に、冷房能力が3倍以上違うものが混ざっています。だから「名前が同じ=中身が同じ」でもないんですね。

この章では、呼び名がなぜ複数あるのか、メーカーごとにどう分かれているのか、そして名前ではなく用途で見たときに何が変わるのかを整理します。あわせて、いちばん混同されやすい冷風扇との線引きもはっきりさせておきます。

先に読み方のコツを言っておくと、この手の機械では商品名の欄より仕様表の欄を先に見るのが確実です。商品名は売り手が自由に付けられますが、冷房能力や消費電力や電源は法令や表示の慣習で書き方が決まっていて、ごまかしようがありません。ここまで押さえておけば、通販サイトに並ぶ長い商品名に振り回されずに済みますよ。

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呼び名は同じものを指していることが多い

スポットクーラー、ポータブルクーラー、移動式クーラー、ポータブルエアコン、スポットエアコン。並べると5つもありますが、これらはほぼ同じ機械を指しています。

共通しているのは3点です。ひとつめは、コンプレッサーと冷媒で空気を冷やすこと。扇風機のように風を送るのではなく、エアコンと同じ原理で熱を移動させています。ふたつめは、工事をせずに置けること。壁に穴を開けたり室外機を設置したりせず、コンセントに挿せば動きます。3つめは、冷やした裏側で出る熱を、ダクトなどで別の場所へ逃がす構造になっていることです。

この3点が同じなら、名前が何であれ、使い方も注意点もほとんど共通します。排熱の出口が要ることも、水が出ることも、部屋全体を冷やす用途には向かないことも、呼び名では変わりません。

ではなぜ名前が5つもあるのか。公的な規格でこの機械のカテゴリ名が決められていないからです。壁掛けエアコンの畳数目安には、JISが示す単位床面積あたりの冷暖房負荷というデータが土台にあり、各社はそれをもとに数字を出しています。ところが、この機械の呼称そのものを縛るルールはありません。結果として、各メーカーが自社の売り方に合う言葉を選んでいる、という状態になっています。

名前の由来をたどると、それぞれの言葉が何を強調したかったのかが見えてきます。スポットという言葉は一点集中を意味していて、工事現場や工場で人のいる場所だけを冷やす使い方から来ています。ポータブルや移動式は、工事なしで動かせるという設置の自由度を前に出した言い方です。片方は冷やし方を、もう片方は置き方を名前にしているだけで、機械としてはどちらの性格も同じものが持っています。

ですから、スポットクーラーは局所冷却でポータブルクーラーは部屋全体、といった読み分けは成り立ちません。どちらも局所冷却の機械ですし、どちらも移動できます。

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商品名の付け方はメーカーで分かれる

実際にメーカーの商品ページを見ると、呼び方がはっきり分かれていることがわかります。

アイリスオーヤマは家庭向けのこの種の製品を「ポータブルクーラー」というカテゴリ名で扱っています(出典:アイリスオーヤマ公式 ポータブルクーラー商品情報)。一方で山善は同じ用途の製品を「移動式クーラー」というカテゴリ名で掲載しています。ただし同じ山善でも、法人向けのページでは移動式エアコンやポータブルクーラーという表記を併用していて、1社の中でも呼び方が1つに固定されているわけではありません。工事現場向けの機械を作っているメーカーでは「スポットクーラー」「スポットエアコン」が主流です。

通販サイトの検索結果に同じような機械が並ぶのは、出品者が複数の呼び名を1つの商品名に詰め込んでいるからでもあります。スポットクーラーとポータブルクーラーと冷風機と移動式エアコンが1行に並んだ商品名を見かけたら、それは検索に引っかけるための書き方であって、機械の分類を表しているわけではありません。

ここから言えるのは、商品名だけを見て種類を判断しないということです。見るべきは名前の欄ではなく、冷房能力・消費電力・電源・付属品のほうですね。この4つが分かれば、その機械がどのクラスのものかは名前を知らなくても判断できます。

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業務用と家庭用で中身は大きく変わる

冷房能力・電源・排熱の逃がし方・想定する場所を家庭向けと業務用で比べた表
業務用と家庭用で変わる能力・電源・作り

呼び名が同じでも中身が大きく違う、という話の中心がここです。この機械のカテゴリには、工場や倉庫で使う大型機と、部屋に置く小型機の両方が入っています。

いちばん分かりやすい差は冷房能力です。一般的な目安として、家庭向けの製品は0.7〜2.0kW前後、業務用として売られている製品は2.5kW以上のものが多いとされています。2倍から3倍の開きがありますから、同じ「スポットクーラー」という言葉で括られていても、できることはまるで違います。

作りにも差が出ます。業務用は金属の筐体に大きなキャスターが付いていて、冷風の吹き出し口が自在に曲がるダクトになっているものが多い。現場で人に向けて使う前提だからです。対して家庭向けは樹脂の筐体で、窓に取り付ける排熱パネルやダクトが最初から付属します。窓から排熱を出す使い方が前提になっているわけですね。

項目 家庭向け(ポータブルクーラーと呼ばれることが多い) 業務用(スポットクーラーと呼ばれることが多い)
冷房能力の目安 0.7〜2.0kW程度 2.5kW以上が多い
電源 単相100V(家庭のコンセント) 単相100Vと三相200Vがある
筐体 樹脂・室内向けの外観 金属・現場向けの堅牢な作り
冷風の出し方 本体前面のルーバーから 自在に曲がるダクトで人へ向ける
排熱の逃がし方 窓パネルとダクトが付属 上方向へ排出・別売ダクトで延長
想定する場所 居室・脱衣所・キッチン 工場・倉庫・建設現場

キッチンカーや小規模な店舗のように、業務ではあるけれど電源が家庭用と同じ、という場面もあります。この場合は家庭向けの製品から選ぶことになりますね。境目は「業務かどうか」ではなく「どれだけの熱を汲み出す必要があるか」と「使える電源」だと考えると、迷いにくくなります。

家庭向けがどのあたりの製品を指すのかは、実物のスペックを見るのがいちばん早いです。冷房能力と適用畳数、電源、付属品の欄がどう書かれているかを確かめる材料としてどうぞ。仕様も在庫も変わりますので、購入前に各ショップでご確認くださいね。

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電源が単相100Vか三相200Vか

業務用を検討するときに必ずぶつかるのが電源の話です。ここは家庭では選べない部分なので、先に押さえておくと候補を絞る時間が節約できます。

家庭やオフィスのコンセントは単相100Vです。壁のコンセントに挿して使う機械は、ほぼすべてこれに合わせて作られています。一方、工場のように多くの電力を使う場所では三相200Vという方式が引かれていることが多く、業務用スポットクーラーにはこの三相200V専用のモデルがあります。

三相200Vのモデルは、同じ冷房能力なら電気の効率が良く、電気代を抑えやすいという特徴があります。ただし三相200Vは一般家庭には引かれていないのが普通で、引き込むには電力会社との契約変更と電気工事が必要です。家庭で使うなら、電源の欄が単相100Vになっている製品だけが候補になります

単相100Vの製品でも、消費電力が大きいものは同じ回路に他の家電をつなぐとブレーカーが落ちることがあります。電子レンジやドライヤーと同じ系統で使う予定なら、契約アンペアと回路の余裕を先に確認してください。電気設備に関わる判断が必要なときは、最終的な判断は専門家にご相談ください。

なお、家庭向けの製品はほぼ単相100Vなので、この項目で悩む場面は多くありません。悩むのは業務用のカテゴリを見に行ったときです。逆に言えば、電源の欄を見れば、その製品が家庭向けか現場向けかがすぐ分かるということでもありますね。

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冷風扇や冷風機とは別の機械

ここは間違えると買い物そのものを失敗する部分なので、はっきりさせておきます。

冷風扇は、水の気化熱を使って風の温度を下げる機械です。中に水タンクがあり、湿らせたフィルターに風を通して送り出します。コンプレッサーも冷媒も使わないので、排熱ダクトは要りません。そのかわり、下がる温度は限られていて、送り出される風には水蒸気が混じるため部屋の湿度は上がります。日本の夏のように湿度の高い環境では、効果を感じにくい方式です

やっかいなのが「冷風機」という言葉です。これはコンプレッサー式のスポットクーラーを指して使われることもあれば、気化式の冷風扇を指して使われることもあります。同じ言葉が正反対の仕組みを指してしまうので、商品ページで「冷風機」とだけ書かれていたら、排熱ダクトが付属するかどうかで見分けるのが確実です。ダクトがあればコンプレッサー式、なければ気化式か、あるいは室内へ排熱する方式ですね。

種類 冷やす仕組み 排熱ダクト 湿度への影響 期待できる冷え方
スポットクーラー/ポータブルクーラー コンプレッサーと冷媒 必要 下がる(除湿される) 風が当たる範囲をはっきり冷やす
冷風扇 水の気化熱 不要 上がる 風が当たる範囲がわずかに涼しい
扇風機・サーキュレーター 冷やさない(送風のみ) 不要 変わらない 体感温度だけ下げる
窓用エアコン コンプレッサーと冷媒 不要(窓に本体を設置) 下がる 部屋全体を冷やす

排熱をどう扱うかで機械の種類が決まる、と考えると整理しやすいと思います。この考え方をもう少し詳しく知りたい場合はスポットクーラーの排熱をどこに出すかをまとめた記事が近いので、あわせて読んでみてください。

ポータブルクーラーとスポットクーラーの違いで選ぶ

ここからは、実際に買う場面で効いてくる軸を見ていきます。呼び名では分からないけれど、スペック表を見れば必ず書いてある項目ばかりです。

順番としては、ダクトの本数、排水の方式、能力と畳数の書き方、この3つを押さえれば候補はかなり絞れます。そのうえで、取扱説明書を探すときの言葉の選び方と、用途別の選び分けを見ていきますね。

順番も大事です。使えるかどうかを決める条件から先に潰し、運転音や本体の重さといった使い勝手はそのあとで見る。逆から入ると、そもそも自宅で使えない機種を候補に残したまま迷うことになります。とくに窓パネルの対応寸法は、合わなければ他がどれだけ良くても使えない項目なので、いちばん先に確認しておくと時間を無駄にしません。

どれも通販の商品ページだけでは分からないことがあります。迷ったら型番でメーカーの公式ページを引くのがいちばん早いです。正確な情報は公式サイトや取扱説明書をご確認ください。

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ダクトが1本か2本かで冷え方が変わる

排熱ダクトが1本の場合と2本の場合の空気の流れを示した図と、蒸散式・タンク式・連続排水の3方式の一覧
ダクトの本数と排水方式の違い

同じ冷房能力なのに冷え方が違う、という現象の理由の多くがここにあります。

排熱を外へ出すためのダクトが1本だけの機種は、部屋の空気を吸って冷やし、その熱を捨てるための空気も同じ部屋から取っています。つまり運転している間ずっと、部屋の空気が外へ出ていっている状態です。出ていった分だけ、どこかのすき間から外の空気が入ってきます。夏なら熱い空気が入ってくるので、冷房の効きを打ち消す方向に働きます。

ダクトが2本の機種は、排熱を捨てるための空気を外から直接取り込みます。部屋の空気を持ち出さないので、すき間から熱気を吸い込む量が減る。理屈のうえでは2本のほうが効率的です。

ただし2本式は本体が大きくなり、窓まわりの取り回しも複雑になります。窓パネルに2つの穴を開ける必要がありますし、ホースが2本あるぶん取り回しの自由度も落ちます。家庭向けの製品では1本式が主流で、その前提で適用畳数が決められている、と考えておくのが実際的でしょうね。

見分け方は簡単で、付属品の欄と本体の背面写真を見ます。ダクトの接続口が1つなら1本式、2つあれば2本式です。商品ページに「排気ダクト」としか書かれていない場合は1本式であることがほとんどですが、断定はできないので、気になるなら型番で説明書を引いて付属品リストを確認してください。

なお、1本式が悪いという話ではありません。1本式の不利は、部屋の気密が低いほど大きくなり、高いほど小さくなります。窓や玄関のすき間が多い部屋なら、出ていった空気の分だけ熱気がすぐ入ってきますが、すき間の少ない部屋なら影響は限定的です。自分の部屋がどちらに近いかで、この項目の重みは変わりますよ。

レンのメモ

ダクトが1本もない「ダクトレス」をうたう製品も売られています。ただしこれは排熱が消えているわけではなく、室内に出しているか、水の気化に置き換えているかのどちらかです。仕組みとタイプの見分け方はダクトレスの3タイプを整理した記事にまとめてあるので、そちらを見てから判断してくださいね。

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排水がノンドレンかタンク式か

次に分かれるのが水の始末です。冷やせば必ず水ができるので、どの機種にもこの仕組みがあります。

方式は大きく3つ。ひとつめが蒸散式、いわゆるノンドレンです。たまった水を排熱と一緒に外へ飛ばすので、ふだんは水を捨てる作業が要りません。ふたつめがタンク式で、たまった水を手で捨てます。3つめが連続排水で、ホースをつないで流しっぱなしにします。

家庭向けの製品では、ノンドレンをうたうものが増えています。ただしノンドレンでも水を捨てる場面はあるので、そこは誤解しないほうがいいところです。湿度が高い日には蒸散が追いつかず満水で止まりますし、除湿運転を使うときや、本体を移動させるとき、シーズンが終わるときには水を抜く必要があります。

アイリスオーヤマの取扱説明書にも、本体には下部排水口と排水ドレン栓があり、冷風運転や除湿運転の排水時以外はこれらの栓を外さないように、という趣旨の記載があります(出典:アイリスオーヤマ ポータブルクーラー IPA-2202G 取扱説明書)。水が出ない機械なら、そもそも排水口は要らないはずですよね。条件と手順は排水不要はどこまで本当かを検証した記事で詳しく扱っています。

業務用のほうは、連続排水を前提にしている機種が多くなります。長時間まわしっぱなしにする現場では、タンクが満水で止まると仕事が止まってしまうからですね。だから排水ホースをつなぎっぱなしにできる作りになっている。止まってもいい使い方か、止まっては困る使い方かで、設計思想が分かれていると考えると分かりやすいと思います。

レンのメモ

排水方式は商品ページの目立つところに書かれないことがあります。「ノンドレン」「排水不要」「水捨て不要」といった表現があればその方式ですが、何も書かれていない場合はタンク式である可能性が高いです。夏のあいだ毎日使うなら、水を捨てる頻度は満足度に直結するので、ここは説明書まで見ておく価値がありますよ。

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冷房能力と適用畳数の書き方が違う

能力の欄は、業務用と家庭用で書き方の作法が変わります。ここを知らないと数字を横並びで比べたときに判断を誤ります。

まず冷房能力はキロワットで書かれます。これは1時間あたりに汲み出せる熱の量で、大きいほど強い冷房ができます。家庭向けは0.7〜2.0kW前後、業務用は2.5kW以上が多い、というのは前の章で見たとおりです。

問題は適用畳数のほうです。壁掛けエアコンの畳数目安はJISにもとづく業界共通の算出方法があり、木造と鉄筋で分けて表示されます。ところがこの種の機械では、4.5〜7畳のように幅を持たせた1つの数字で書かれることが多く、木造か鉄筋かの区別もありません。同じ2.0kW級でも、壁掛けエアコンより控えめな畳数が書かれているのはこのためです。

理由は構造にあります。壁掛けエアコンは熱を捨てる室外機が完全に外にありますが、この機械は熱を運ぶダクトが部屋の中を通っています。ダクトの表面からも熱が伝わるので、公称能力どおりの結果になりにくいわけですね。畳数の読み方を数字で追った話は効果を畳数と排熱から見積もる記事にまとめてあります。

そして、適用畳数そのものを書いていない機種もあります。その場合は冷房能力の数字から見当をつけるしかありません。この読み替えが必要になる時点で、数字を比べるなら能力(kW)を軸にしたほうが混乱が少ないと言えます。

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取扱説明書は3つの呼び名で探す

仕様欄の確認、窓パネルの寸法、説明書を探す3つの呼び名、専門家への相談を並べたチェックリスト
購入前に確認しておく4つの項目

買ったあとや、買う前に仕様を詰めたいときに効く、地味ですが実用的な話です。

メーカーのサイトで説明書を探すとき、自分が覚えている呼び名だけで検索すると出てこないことがあります。アイリスオーヤマは「ポータブルクーラー」、山善は「移動式クーラー」、現場向けメーカーは「スポットクーラー」または「スポットエアコン」。カテゴリのラベルが会社ごとに違うからです。

確実なのは型番で引く方法です。本体の側面や背面に貼られた銘板シールに型番が書かれているので、それをそのまま検索窓に入れます。型番が読めないときは、購入時の箱や保証書にも記載があります。

カテゴリ名で探すときは、スポットクーラー・ポータブルクーラー・移動式クーラーの3語を順番に試してみてください。この3つで当たれば、家庭向けの主要メーカーはほぼ拾えます。現場向けの機械を探しているなら、これにスポットエアコンを足すと確実です。

説明書で確認しておきたいのは、排水方式、排熱ダクトの径と長さ、窓パネルの対応する窓の高さ、そしてフィルターの掃除頻度の4つです。とくに窓パネルの対応寸法は自宅の窓と合うかどうかを左右するので、買う前に見ておくと失敗が減りますよ。

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用途別に見るとどちらを選ぶか

ここまでの軸を、実際の場面に当てはめて整理します。名前ではなく用途から入ると、選ぶべきクラスが自然に決まります。

居室で在宅ワークや就寝に使う

家庭向けの単相100Vモデルが候補です。能力は部屋の広さより、冷やしたい範囲で考えます。デスクまわりだけなら小さめでも足りますし、運転音が小さいほうが在宅ワークには向きます。窓パネルが自宅の窓に付くかどうかを必ず先に確認してください。

キッチンや脱衣所など狭い場所で使う

能力より置き場所と排熱の出口が決め手になります。狭い空間は排熱の影響が早く出るので、出口を確保できるかを先に確かめる。窓のない脱衣所なら、換気口を使えるか、あるいは別の方法に切り替えるかの判断が要ります。

ガレージや作業スペースで使う

広さと発熱源の多さから、家庭向けでは力不足になることがあります。単相100Vで使える業務用モデルという選択肢もあるので、能力の欄を見て候補を広げてみてください。半屋外に近い環境なら排熱の影響が薄まるので、機械の選択肢は増えます。

単相100Vで使える業務用というのは、たとえばこういう機械です。排熱ダクトが2本のツインダクト式で、家庭のコンセントから電源を取れます。本体は大きく重いので、置き場所と搬入経路を先に確かめてから検討してください。価格や仕様は変わりますので、購入前に各ショップでご確認ください。

工場や倉庫、建設現場で使う

業務用のカテゴリから選ぶことになります。三相200Vが使える現場なら、電気代の面でも有利です。人に向けて使う前提の機械なので、ダクトの取り回しやキャスターの走破性といった、家庭用にはない観点が判断材料になります。

いずれの場面でも共通するのは、部屋全体を冷やす目的には向かないという点です。ここを取り違えると、どのクラスを選んでも満足しません。向き不向きを先に確認したい場合はデメリットを整理した記事を読んでから決めるほうが、買ってからの落差が小さくなります。

スポットクーラーとポータブルクーラーの違いについてよくある質問

同じ値段ならスポットクーラーとポータブルクーラーのどちらを買えばいいですか?

この2つは名前の違いなので、名前だけで選ぶことはできません。同じ価格帯の2台で迷っているなら、冷房能力(kW)、電源、排水方式、窓パネルの対応寸法の4つを並べて比べてください。この4つが同等なら、あとは運転音の数値と本体サイズ、キャスターの有無といった使い勝手の差で決めることになります。名前が「業務用」となっている製品は能力が大きいぶん本体も大きく運転音も出やすいので、居室で使うなら家庭向けとして売られているもののほうが扱いやすいと思います。

商品名に「冷風機」と書いてありました。これはどちらですか?

冷風機という言葉は、コンプレッサー式のスポットクーラーを指す場合と、水の気化を使う冷風扇を指す場合の両方で使われています。名前だけでは判断できません。見分け方は排熱ダクトが付属しているかどうかです。ダクトや窓パネルが付いていればコンプレッサー式、水タンクへの給水が必要と書かれていれば気化式の冷風扇です。仕様欄に冷房能力がキロワットで書かれているかどうかも手がかりになります。

業務用のほうが能力が高いなら、家庭でも業務用を買えば涼しいですか?

能力が高いぶん確かに冷やす力はありますが、家庭で使うには不都合が重なります。まず三相200V専用のモデルは家庭のコンセントでは動きません。単相100Vのモデルでも、消費電力が大きければブレーカーの余裕を確認する必要があります。さらに本体が大きく重いので置き場所を取り、運転音も居室向けの設計にはなっていません。排熱も能力に比例して増えるため、窓からきちんと出せなければ部屋はかえって暑くなります。居室で使うなら、能力の大きさより排熱を出しきれるかどうかで選ぶほうが結果は良くなります。

スポットクーラーとポータブルクーラーで、電気代に違いはありますか?

名前による違いはありません。電気代は消費電力と運転時間で決まるので、比べるべきは仕様欄の消費電力です。ただし業務用として売られている製品は能力が大きく、そのぶん消費電力も大きくなる傾向があります。三相200Vのモデルは同じ能力なら効率が良く電気代を抑えやすいとされていますが、これは三相200Vが使える環境に限った話です。実際の金額は契約している電力会社の単価によって変わるので、正確な情報は電力会社の明細でご確認ください。

通販サイトで「ポータブルエアコン」と書かれているものは、また別の機械ですか?

基本的には同じものを指しています。エアコンという言葉が付いているぶん、壁掛けエアコンと同じように部屋全体を冷やせると受け取ってしまいがちですが、構造も適用畳数の考え方もこれまで見てきたとおりです。ただし、窓に本体をはめ込む窓用エアコンが「ポータブル」と表現されている例もあるので、そこだけ注意してください。窓用エアコンは排熱ダクトが不要で部屋全体を冷やせるという点で、この記事で扱ってきた機械とは別のカテゴリになります。

まとめ|スポットクーラーとポータブルクーラーの違いは名前ではない

ここまで見てきた内容を整理します。

スポットクーラーとポータブルクーラーは、同じ種類の機械を指す別の呼び名です。移動式クーラー、ポータブルエアコン、スポットエアコンも同じ仲間で、名前が複数あるのは公的な規格でカテゴリ名が定められていないからでした。アイリスオーヤマはポータブルクーラー、山善は移動式クーラー、現場向けメーカーはスポットクーラーというように、会社ごとに言葉の選び方が違うだけです。

実際に中身が分かれるのは、業務用か家庭用か(能力0.7〜2.0kWか2.5kW以上か)、電源が単相100Vか三相200Vか、排熱ダクトが1本か2本か、排水がノンドレンかタンク式か。この4つでした。商品名ではなく、この4項目を仕様欄で確認するのが確実です。

間違えやすいのが冷風扇との線引きです。冷風扇は水の気化を使う別の機械で、排熱ダクトは要らないかわりに部屋の湿度が上がります。「冷風機」という言葉は両方を指して使われるので、排熱ダクトの有無で見分けてください。

説明書を探すときは、スポットクーラー・ポータブルクーラー・移動式クーラーの3語を順に試すか、銘板シールの型番で直接引くのが早道です。仕様や付属品は機種ごとに違うので、正確な情報は各メーカーの公式サイトや取扱説明書をご確認ください。設置や電気設備に関わる判断が必要なときは、最終的な判断は専門家にご相談ください。

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