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KADEN LAB

COOKING / RESEARCH REPORT

電子レンジの電気代は1分いくら?計算式と出力別の早見表・1か月の目安

キッチンのカウンターに置かれた白い電子レンジと、電気代はいくらかという見出し

電子レンジの電気代はいくら?1回・1か月の計算と鍋との比較

Kaden Lab研究員レン

RESEARCHER / レン

こんにちは。Kaden Lab研究員のレンです。

電子レンジって、消費電力の数字を見ると1,000Wを超えていたりして、なんだか電気を食いそうに見えますよね。毎日何回も使うものだけに、1か月でいくらかかっているのか気になっている方は多いと思います。「レンジで温めるより鍋で温めたほうが安いのかな」と考えたことがある方もいるかもしれません。

先に結論を言うと、電子レンジは消費電力こそ大きいものの、加熱時間がとても短いので、少量を温める用途ではむしろ安く済むことが多いです。1回あたりの電気代は数十銭から数円という単位で、1か月使い続けても数百円というのが現実的な線になります。

ただ、この計算をするときに多くの人がつまずくポイントがひとつあります。電子レンジの「500W」「600W」という数字は、消費電力ではありません。ここを取り違えたまま計算すると、実際の半分くらいの金額が出てしまいます。まずはこの違いから押さえていきましょう。

この記事では、正しい計算のしかたと出力別・時間別の早見表、1か月と1年で見た場合の目安、そして鍋やケトル、オーブン機能との比較まで順番に見ていきます。電気代を下げる具体的な方法も最後にまとめますね。

  • 電子レンジの表示ワット数と消費電力の違い
  • 1分あたりの電気代を自分で計算する式と早見表
  • 1か月・1年で見た場合の電気代の目安
  • 鍋やケトル、オーブン機能と比べたときの損得
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電子レンジの電気代を計算する前に押さえること

電気代の計算そのものは掛け算だけなので難しくありません。難しいのは、どの数字を使えばいいのかという部分で、電子レンジの「600W」は消費電力ではありません。

「600Wで2分」と言うときの600Wは定格高周波出力、つまり食品に届くエネルギーの表示です。コンセントから使う電力はこれより大きく、電気代の計算に使うのは本体表示にある「定格消費電力(電子レンジ)」のほうになります。ここを間違えると、その後の計算がすべてずれてしまうんですよね。ちなみに同じ表示欄には「定格消費電力(オーブン)」も並んでいますが、こちらはオーブン運転のときの数字なので、混同しないよう注意が要ります。

この章では、500Wや600Wは消費電力ではないことと、定格消費電力は本体の表示で確認することを、順に整理していきます。

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500Wや600Wは消費電力ではない

コンセントから使う電力が定格消費電力、食品に届くエネルギーが定格高周波出力で、電気代の計算には消費電力を使うことを示した図
定格高周波出力と定格消費電力の違い

電子レンジで「600Wで2分」と言うときの600W。これは定格高周波出力と呼ばれるもので、食品に届くエネルギーの大きさを表しています。コンセントから引き込んでいる電力、つまり消費電力とは別の数字なんですね。

電子レンジは、電気をマイクロ波に変換して食品を温めています。この変換のときに必ずロスが出るので、投入する電力よりも食品に届くエネルギーのほうが小さくなります。一般に、消費電力は定格高周波出力のおよそ1.5倍から2倍と言われています。出力600Wの機種なら、消費電力はだいたい1,200W前後という見当ですね。

電気代の計算に使うのは、あくまで消費電力のほうです。600Wという出力の数字をそのまま計算式に入れてしまうと、実際の半分ほどの金額になってしまいます。ネット上の計算例でもここが混ざっていることがあるので、数字の意味を確かめてから使ってください。

ちなみに、出力の数字が大きいほど短時間で温まります。500Wと600Wの違いや、必要な加熱時間の換算については600Wと500Wの時間の計算方法をまとめた早見表の記事で詳しく扱っているので、あわせて見てもらえると使い勝手がつかみやすいと思います。

なぜこんなに差が出るのかというと、電気をマイクロ波に変える装置の効率が関係しています。電子レンジの中にはマグネトロンという部品があり、ここで電気をマイクロ波に変換しています。この変換で失われた分は熱になり、庫内の冷却ファンが外に逃がしています。運転中に本体の後ろから温かい風が出るのは、この捨てている熱ですね。

ですから、消費電力と出力の差は「無駄」ではなく、仕組み上どうしても出るものです。どのメーカーの機種でも同じことが起きているので、この比率を根拠にして機種の優劣を判断することはできません。カタログで比べるなら、同じ出力の機種同士で消費電力を見比べるのが正しい読み方になります。

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定格消費電力は本体の表示で確認する

では、自分の家の電子レンジの消費電力はどこを見れば分かるのでしょうか。答えは本体に貼られている定格表示のラベルです。

多くの機種では、本体の背面か側面、あるいは扉を開けた内側の枠に、銀色や白色のシールが貼られています。そこに「定格消費電力」または「消費電力」として、電子レンジ機能とオーブン機能それぞれの数値が書かれています。取扱説明書の仕様表にも同じ数字が載っていますね。

表示の名前 意味 電気代の計算
定格高周波出力 食品に届くエネルギー(500W・600Wなど) 使わない
定格消費電力(電子レンジ) 温めるときにコンセントから使う電力 これを使う
定格消費電力(オーブン) オーブン運転時に使う電力 オーブン計算に使う
待機時消費電力 使っていないときに使う電力 月額の上乗せ分
◆レンのメモ

定格表示が見当たらない場合は、型番でメーカーの製品ページを検索すると仕様表が出てきます。同じシリーズでも年式によって数値が違うことがあるので、型番まで合わせて確認するのが確実です。正確な情報は公式サイトをご確認ください。

表示された数値だけでなく実際に使っている電力を知りたいなら、コンセントに挟むタイプの測定器が手軽です。積算の電力料金まで表示してくれるものなら、自分の家の単価で実測できますよ。

電子レンジの電気代の計算方法と早見表

必要な数字がそろったら、あとは掛け算です。式は「消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金の単価(円/kWh)」の1本だけです。

消費電力はWを1000で割ってkWにし、使用時間は分を60で割って時間にします。単価は31円/kWhを目安に使うと比較しやすくなります。実際に当てはめると、消費電力1,000W級(出力500W前後)で1分あたり約0.5円、1,200W級(出力600W前後)で約0.6円。10分使っても数円という水準です。金額はいずれも目安として受け取ってくださいね。契約している電力会社の単価が分かるなら、そちらを入れたほうが正確になります。

この章では、1分あたりの電気代を出す式、出力別・加熱時間別の早見表、10分温めるといくらになるか、そして1か月・1年で見るといくらかを順に出していきます。

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1分あたりの電気代を出す式

電気代の計算式はとてもシンプルです。

電気代(円)= 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電気料金の単価(円/kWh)

  • 消費電力は W を 1000 で割って kW にする
  • 使用時間は分を 60 で割って時間にする
  • 単価は 31円/kWh を目安に使う

単価に使っている31円という数字には根拠があります。公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている電気料金の目安単価で、2022年7月22日に従来の27円/kWhから31円/kWh(税込)へ改定されました(出典:全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問Q&A」)。家電のカタログに載っている電気代の目安も、この単価で計算されていることが多いです。

単位をそろえるところだけ気をつけてください。消費電力はW(ワット)で表示されていますが、計算式で使うのはkW(キロワット)です。1,200Wなら1,200÷1,000=1.2kW。時間も「分」ではなく「時間」に直す必要があるので、3分なら3÷60=0.05時間になります。この2つの変換を飛ばすと桁がずれるので、慣れるまでは順番にメモしながら計算するのがおすすめです。

実際に当てはめてみましょう。消費電力1,200Wの電子レンジを1分使った場合はこうなります。

1.2 kW × (1 ÷ 60)h × 31 円 = 約0.62円。

1分でおよそ0.6円ですね。1円もかかりません。これが電子レンジの電気代の実像です。契約している電力会社やプランによって実際の単価は違うので、より正確に知りたい場合は検針票に書かれた単価に置き換えて計算してみてください。

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出力別・加熱時間別の早見表

消費電力1000W・1200W・1400Wそれぞれを1分・3分・5分・10分使ったときの電気代の目安をまとめた表
消費電力と加熱時間別の電気代の目安

毎回計算するのは大変なので、代表的な消費電力ごとに早見表を作りました。自分の機種の定格消費電力に近い行を見てください。

→ 横にスクロールできます

消費電力(目安の出力) 1分 3分 5分 10分
1,000W(出力500W前後) 約0.5円 約1.6円 約2.6円 約5.2円
1,200W(出力600W前後) 約0.6円 約1.9円 約3.1円 約6.2円
1,400W(出力700W前後) 約0.7円 約2.2円 約3.6円 約7.2円

自分の機種の消費電力が表の値とずれている場合は、比例で見当をつけられます。たとえば消費電力1,300Wなら、1,200Wの行と1,400Wの行のあいだくらいですね。厳密に出したいときは、表の1,200Wの数値に「1,300÷1,200」をかければ求められます。1分なら0.62×1.083=約0.67円という具合です。

この表を見て気づくのは、出力が違っても金額の差はごくわずかだということです。しかも高出力の機種は同じ食品をより短時間で温められるので、実際に払う金額の差はさらに縮まります。

たとえば500Wで2分30秒かかる温めは、600Wならおよそ2分で済みます。1,000W×2.5分=約1.3円に対して、1,200W×2分=約1.2円。ほとんど変わりませんね。出力の大きい機種を選んでも電気代はほぼ増えないというのは、選ぶときに知っておくと役に立つ話だと思います。この考え方の詳細は600Wが何度になるのかを計算で解説した記事でも触れています。

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10分温めるといくらになるか

「電子レンジで10分」という使い方は、冷凍食品の解凍や、まとめて作った料理の温め直しでよくあると思います。この場合の金額を見ておきましょう。

消費電力1,200Wの機種で10分なら、1.2 × (10 ÷ 60)× 31 = 約6.2円です。20分連続で使っても12円ちょっと。1日1回この使い方をしても、1か月で200円弱という計算になります。

解凍の場面ではもう少し長く使うこともあります。冷凍した肉をレンジの解凍モードで戻す場合、量によっては10分近くかかりますね。ただし解凍モードは常に全力で動いているわけではなく、出力を落としたり止めたりを繰り返しています。実際に消費している電力は表示上の消費電力より小さくなるので、上の計算は「多めに見た金額」と考えて差し支えありません。

ただし、電子レンジで10分連続加熱するケースはそこまで多くありません。多くの機種は連続運転の上限が決まっていますし、途中で混ぜたほうが均一に温まります。実際には2〜3分の加熱を何回か繰り返すことが多いので、1回あたりで見れば1〜2円の世界ですね。

この数字を大きいと感じるか小さいと感じるかは人それぞれですが、家電全体の中では小さいほうです。参考までに、洗濯乾燥機の乾燥1回は数十円から百数十円かかります。この違いについては乾燥の電気代で縦型とドラム式を比較した記事で扱っているので、家全体の電気代を見直したいときはそちらも参考になると思います。

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1か月・1年で見るといくらか

1回あたりが数円だとしても、毎日使うものなので月額が気になりますよね。ここでは1日3回、1回3分という使い方で計算してみます。

1日の加熱時間は9分。消費電力1,200Wの機種なら、1.2 × (9 ÷ 60)= 0.18 kWh。これに31円をかけると1日あたり約5.6円です。30日で約167円、1年では約2,000円という計算になります。

→ 横にスクロールできます

使い方(消費電力1,200Wの場合) 1日 1か月 1年
1日1回・3分 約1.9円 約56円 約680円
1日3回・3分 約5.6円 約167円 約2,000円
1日5回・3分 約9.3円 約279円 約3,400円

この金額をどう捉えるかは、他の家電と並べると分かりやすいです。1か月167円というのは、1日あたり6円弱。缶ジュース1本より安い水準ですね。冷蔵庫のように24時間動いている家電とは桁が2つ違います。電気代の見直しをするなら、電子レンジは優先度の低い項目だと考えていいと思います。

ここに待機電力が上乗せされます。時計表示のある機種は使っていない間もわずかに電力を使っていて、待機時消費電力はおおむね1W前後の機種が多いです。仮に1Wで24時間365日つけっぱなしなら、0.001 × 24 × 365 × 31 = 約272円。加熱そのものより待機電力のほうが大きくなるケースもあるわけですね。

とはいえ、待機電力を減らすためにコンセントを抜くと、時計の設定をやり直す手間がかかります。抜き差しの回数が多いとプラグやコンセント側の劣化にもつながるので、長期間使わないとき以外は無理に抜かなくていいかなと思います。数値はいずれも一般的な目安なので、正確な待機時消費電力は取扱説明書でご確認ください。

鍋やケトルと比べて電子レンジは安いのか

ここからは比較の話です。「レンジより鍋のほうが安いのでは」という感覚は根強いですが、実際に計算してみると印象が変わることが多いです。

結果を決めているのは、加熱するものの量と、道具ごとのロスの出方です。カレー1皿、味噌汁1杯、冷やご飯1膳といった単位なら、鍋を出して火にかけるより電子レンジのほうが早く、コストも小さくなることがほとんどですね。電気ケトルは消費電力が1,200〜1,300W級で、1リットルを沸かすのに5分前後かかるので、用途が分かれます。オーブンやグリルは別枠で、オーブン運転の定格消費電力は1,400W級の機種が多く、しかも加熱時間が桁違いに長くなります。

この章では、コンロで温める場合と比べること、電気ケトルとの使い分け、そしてオーブン・グリル機能は別枠で考えることを順に見ていきます。

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コンロで温める場合と比べる

1〜2人分の少量は電子レンジ、3人分以上や1リットルのお湯は鍋やケトルが有利であることを並べて示した図
電子レンジと鍋・電気ケトルの使い分け

まず前提として、電子レンジは電気代、ガスコンロはガス代なので、同じ土俵で比べるには少し工夫が要ります。ここでは「同じものを温めるのにかかるエネルギーとお金」という視点で見ていきます。

電子レンジと鍋の大きな違いは、温める対象が違うという点です。鍋で温める場合、まず鍋そのものを温め、コンロの炎の熱は鍋の周囲にも逃げていきます。食品に届く前に失われる分が大きいんですね。一方の電子レンジは、マイクロ波が食品の中の水分を直接振動させて発熱させます。容器や庫内の空気を温める分が少なくて済みます。

そのため、少量を温めるほど電子レンジが有利になります。カレー1皿、味噌汁1杯、冷やご飯1膳といった単位なら、鍋を出して火にかけるより電子レンジのほうが早く、コストも小さくなることがほとんどです。洗い物が減るという副次的な効果もありますね。

もうひとつ、意外に効いてくるのが待ち時間です。鍋で温める場合、コンロに火をつけてから温まるまで見ていなければなりません。電子レンジならタイマーを設定して別のことができます。金額の差が数円という水準なら、この時間の差のほうが実質的な価値としては大きいかもしれませんね。

逆に量が増えると話が変わります。家族4人分のカレーを温めるなら、鍋でまとめて温めたほうが効率的です。電子レンジは一度に入れられる量に限りがあり、皿ごとに温めると回数が増えてしまうからです。目安としては、1〜2人分ならレンジ、3人分以上なら鍋、と考えると分かりやすいと思います。

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電気ケトルとの使い分け

お湯を沸かす場面は、電子レンジと電気ケトルのどちらを使うか迷いやすいところです。ここも量で判断できます。

電気ケトルの消費電力は1,200〜1,300W級が主流で、1リットルを沸かすのに5分前後かかります。1.25 × (5 ÷ 60)× 31 = 約3.2円ですね。一方、電子レンジでマグカップ1杯(200mL程度)を温める場合、600W出力でおよそ2分。1.2 × (2 ÷ 60)× 31 = 約1.2円です。

ちなみに、やかんをコンロで沸かす場合とも比べられます。ガス代は電気代と単価の考え方が違うので厳密には並べにくいのですが、1リットルを沸かすのに必要なエネルギー自体はどの方法でもほぼ同じです。差が出るのは、鍋やケトルそのものを温める分と、周囲に逃げる分。密閉された容器の中で直接水を加熱するケトルは、この点で有利になります。

1杯だけならレンジ、複数杯や料理に使う量ならケトル。この線引きで考えると迷いません。ケトルは沸騰まで自動で止まるので放っておける利点もありますし、レンジは容器のまま温められるので洗い物が減ります。金額の差は数円なので、実際は手間で選んでいいと思います。

お湯を使う頻度が高いなら、1リットル級で自動的に切れるタイプが扱いやすいです。消費電力が商品名に書かれているものを選べば、この記事の式でそのまま電気代を計算できます。

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オーブン・グリル機能は別枠で考える

ここは注意が必要なポイントです。同じ本体でも、オーブンやグリルを使うときの電気代はレンジ機能とはまったく別物になります。

オーブン運転の定格消費電力は1,400W級の機種が多く、しかも加熱時間が桁違いに長くなります。予熱に10分、焼成に20分といった使い方をすれば、合わせて30分です。1.4 × (30 ÷ 60)× 31 = 約21.7円。レンジで温めるのとは10倍以上の差がつきます。

→ 横にスクロールできます

使い方 消費電力の目安 時間 電気代の目安
レンジで温め 1,200W 2分 約1.2円
レンジで解凍 1,200W 10分 約6.2円
オーブン(予熱+焼成) 1,400W 30分 約21.7円
グリル・トースト 1,400W 5分 約3.6円

予熱を省けるかどうかも金額に効きます。トーストやグリルのように予熱なしで使える調理なら、時間はぐっと短くなります。逆にケーキやパンのように予熱が必要な調理は、焼く前の10分がそのまま加算されます。オーブンをよく使う方は、予熱の要る調理と要らない調理を分けて考えると、月額の見当がつけやすいと思います。

つまり「電子レンジの電気代が高い気がする」という場合、実はオーブン機能をよく使っているというケースがあります。お菓子作りやローストをする方は、そちらが月額を押し上げている可能性が高いです。用途によってどの機能をよく使うかは変わるので、選ぶときの考え方は置き場の寸法・容量・機能で絞る選び方の記事も参考にしてみてください。

電子レンジの電気代を下げる方法

最後に、実際に電気代を減らすための方法をまとめます。ただし前提として、電子レンジの電気代はもともと大きくありません。

ここまで見てきたとおり、1回あたりは数円の世界です。劇的に下がるものではないので、無理のない範囲でできることを選ぶのが現実的だと思います。それでも効くポイントは3つあって、加熱しすぎないこと、まとめて温めること、そして機器そのものを見直すことですね。買い替えの効果についても、電子レンジ単体で元を取ろうとすると年数がかかるので、ほかの理由と合わせて判断するほうが納得しやすいはずです。

この章では、使い方で削れる分と買い替えの効果を整理します。数字の大きさを知ったうえで、どこに手を入れるかを決めていきましょう。

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使い方で削れる分と買い替えの効果

使い方で効くのは、加熱時間を無駄にしないことです。ポイントは3つあります。

1つめは、まとめて温めること。1皿ずつ3回に分けるより、2皿を同時に入れて1回で済ませたほうが総時間が短くなります。ターンテーブル式は中央より外側のほうが温まりやすいので、皿は少し外側に置くとムラが減ります。

ラップを使うかどうかも、わずかですが効きます。ラップをかけると水分が逃げにくくなり、蒸気がこもって温まりが早くなります。乾きやすいご飯やおかずは、ラップをふんわりかけたほうが加熱時間が短くて済むことが多いですね。逆に水分を飛ばしたい揚げ物などは、かけないほうが仕上がりがよくなります。目的で使い分けるのが正解です。

2つめは、加熱しすぎないこと。「とりあえず3分」と決め打ちするより、2分で一度止めて様子を見るほうが結果的に短く済みます。冷凍品は袋の表示時間を目安にして、足りなければ30秒ずつ足していくやり方が無駄になりません。

あわせて、冷蔵庫から出したての食品をすぐ温めるより、少し常温に戻してから温めたほうが加熱時間は短くなります。とはいえ生ものを常温に長く置くのは衛生面で避けたいので、これは作り置きのご飯やパンなど、傷みにくいものに限った話として考えてください。食品の取り扱いについて不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。

3つめは、庫内を清潔に保つことです。庫内に汚れが付いていると、その汚れもマイクロ波を吸収して発熱します。食品に使われるはずだったエネルギーが減るので、そのぶん加熱時間が伸びてしまいます。掃除は電気代のためというより衛生のためですが、副次的に効率も保てるということですね。

◆レンのメモ

庫内が広い機種ほど温めやすいとは限りません。容量と使い勝手の関係は人数と同時加熱数で選ぶ容量の早見表にまとめてあるので、買い替えを考えている方はそちらもどうぞ。

では買い替えで電気代は下がるのでしょうか。正直に言うと、レンジ機能だけを見れば大きな差は出にくいです。マイクロ波で水分を加熱するという仕組み自体が変わっていないためですね。10年前・20年前の機種と比べても、レンジ機能の消費電力はそこまで劇的に変わっていません。

ここは誤解されやすいところなので補足します。冷蔵庫やエアコンは、この10年から20年で消費電力が大きく下がりました。断熱材の改良やインバーター制御の普及によるもので、買い替えで年間数千円下がることもあります。ところが電子レンジは、そもそも運転時間が1日数分と短いので、効率が多少上がっても金額としての差が出にくいのです。長時間動かす家電ほど省エネ化の恩恵が大きい、という関係ですね。

差が出るのはインバーター制御の有無と、待機電力です。インバーター搭載機は出力を細かく調整できるので、解凍などで無駄な加熱が減ります。待機電力も、古い機種のほうが大きい傾向があります。とはいえ、これらの差は年間で数百円程度と考えておくのが妥当です。電気代の節約だけを理由に買い替えるのは、費用対効果としては合いにくいと思います。

もうひとつ、家全体で電気代を見直したい場合の優先順位にも触れておきます。効くのは運転時間の長い家電から順に、という考え方です。冷蔵庫は24時間、エアコンは季節によって1日十数時間、照明も毎日数時間。これらに比べると電子レンジは1日数分です。同じ手間をかけるなら、動いている時間の長いものから見直すほうが結果につながります。

買い替えを検討するなら、電気代ではなく使い勝手や故障のサインを基準にするほうが納得しやすいです。温まりムラが増えた、異音がする、扉の閉まりが悪くなった、といった変化があれば、それは買い替えを考えるタイミングですね。最終的な判断は専門家や販売店にご相談ください。

電子レンジの電気代に関するよくある質問(FAQ)

電子レンジを1分使うと電気代はいくらですか?

消費電力1,200Wの機種で1分使った場合、単価31円/kWhで計算するとおよそ0.6円です。消費電力1,000Wなら約0.5円、1,400Wなら約0.7円になります。計算に使うのは出力の500Wや600Wではなく、本体の定格表示に書かれた消費電力のほうなので注意してください。

500Wと600Wでは電気代に差が出ますか?

1分あたりで比べると600Wのほうがわずかに高くなりますが、同じ食品を温めるのに必要な時間は600Wのほうが短くて済みます。結果として、実際に払う金額はほとんど変わりません。500Wで2分30秒かかる温めが600Wなら約2分で終わるため、どちらを選んでも1回あたり1円台の範囲に収まります。

電子レンジの電気代が高い気がするのですが、原因は何でしょうか?

レンジ機能そのものは1回あたり数円なので、月額を押し上げているとすればオーブン機能や待機電力の可能性があります。オーブンは消費電力1,400W級で運転時間も長いため、1回で20円前後かかることがあります。また待機電力が1Wの機種でも、1年間つけっぱなしなら数百円になります。まずはどの機能をよく使っているか振り返ってみてください。

鍋で温めるのと電子レンジではどちらが安いですか?

量によって変わります。1〜2人分の少量なら、鍋そのものを温める分のロスがない電子レンジのほうが有利です。3人分以上をまとめて温めるなら、鍋で一度に加熱したほうが効率的になります。電気とガスで単価の考え方も違うため、厳密な比較は難しいのですが、少量はレンジ・大量は鍋という使い分けで大きく外れることはないと思います。

節電のためにコンセントを抜いたほうがいいですか?

長期間使わないときは有効ですが、日常的な抜き差しはおすすめしません。待機電力の削減額は年間で数百円程度である一方、抜くたびに時計の再設定が必要になりますし、プラグやコンセントの劣化にもつながります。旅行や帰省で1週間以上留守にするときだけ抜く、という運用が現実的だと思います。

まとめ|電子レンジの電気代

電子レンジの電気代を正しく計算するために、いちばん大事なのは数字の意味を取り違えないことです。「500W」「600W」は定格高周波出力で、電気代の計算に使うのは本体の定格表示に書かれた消費電力のほう。この2つは1.5倍から2倍ほど違います。

計算式は「消費電力(kW)× 使用時間(h)× 単価」。単価は目安として31円/kWhを使えば、カタログの表記と同じ土俵で比べられます。消費電力1,200Wの機種なら1分で約0.6円、10分でも約6.2円。1日3回・3分ずつ使っても1か月で約167円という水準です。

比較の結論もはっきりしています。少量を温めるなら電子レンジが有利で、量が増えるほど鍋やケトルに分があります。1〜2人分ならレンジ、3人分以上なら鍋。マグカップ1杯ならレンジ、1リットル沸かすならケトル。この使い分けを覚えておけば迷いません。

もし「電気代が高い気がする」なら、疑うべきはレンジ機能ではなくオーブン機能と待機電力です。オーブンは消費電力も運転時間も桁が違い、1回20円前後かかります。待機電力も1年で数百円になります。どちらもレンジの温めより金額が大きくなりうる部分です。

買い替えについては、電気代だけを理由にするとおそらく元が取れません。レンジ機能の効率はこの数十年で劇的には変わっていないからです。温まりムラや異音といった使い勝手の変化が出てきたときに、そのタイミングで検討するのが納得のいく選び方だと思います。

なお、この記事の金額はすべて単価31円/kWhで計算した目安です。契約している電力会社やプラン、機種によって実際の金額は変わりますので、正確な情報は検針票やメーカーの仕様表をご確認ください。

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