スマートリモコンが2階で反応しない?1階と2階で必要な台数をやさしく整理
1階のリビングに置いたスマートリモコンで、2階の寝室のエアコンも動かしたい。そう考えて設定してみたけれど、うんともすんとも言わない。そんな状態でこのページを開いた方が多いのではないでしょうか。
アプリ上では「オンライン」と表示されているのに家電だけ反応しないので、設定を間違えたのかと不安になりますよね。その感覚、よく分かります。
先に結論をお伝えしますね。1階に置いたスマートリモコンから2階の家電は動きません。これは設定ミスでも故障でもなく、赤外線という信号の性質そのものによる限界です。同じ理由で、廊下に1台置いて隣の部屋と兼用する、という使い方もうまくいきません。
ですので、2階建ての家でスマートリモコンを使うなら、操作したい部屋の数だけ本体を用意するのが基本の考え方になります。3LDKなら3台、というわけではなく、赤外線家電が置いてある部屋の数で決まります。
とはいえ、いきなり何台も買う必要があるかというと、そうとも限りません。照明だけならスマート電球で足りることもありますし、優先順位をつけて1台ずつ増やしていく進め方もあります。
この記事では、なぜ階をまたげないのかという仕組みから、階段や吹き抜けの扱い、Wi-Fiが2階に届かないときの対処、そして間取りごとの台数の目安と複数台の運用方法まで、順番に整理していきます。
なお、私が確認できるのは各メーカーが公開している仕様や案内までです。あなたの家の構造や間取りまでは分かりませんので、断定ではなく判断の材料としてお読みいただけると、ちょうどよい距離感かなと思います。
この記事で理解できることは、次の4つです。
- 赤外線が床と天井を越えられない理由
- 階段・吹き抜け・廊下での兼用が難しい理由
- Wi-Fiが2階に届かないときの切り分けと対処
- 間取り別に必要な台数と複数台の使い分け
スマートリモコンが1階から2階へ届かない理由
まずは、なぜ階をまたげないのかというところから見ていきますね。
ここが分かると、「もっと高性能な機種に買い替えれば解決するのでは」という遠回りを避けられます。うまくいかないときも、赤外線の問題なのかWi-Fiの問題なのかを自分で切り分けられるようになりますよ。
この章では、赤外線が床と天井を越えられない仕組み、階段や吹き抜けの扱い、廊下での兼用の可否、Wi-Fiと赤外線の切り分け、2階の電波対策、そして1台で済ませたい場合の代替手段まで順に扱います。
赤外線が床と天井を越えられない仕組み

スマートリモコンが家電を動かすときに使っているのは、赤外線という目に見えない光です。テレビやエアコンに付属しているリモコンと、まったく同じ方式ですね。
ここで押さえておきたいのが、赤外線は電波ではなく光だという点です。この一点が、階をまたげない理由のすべてです。
光ですから、不透明なものに当たった時点でそこで止まります。厚さの問題ではなく、透けるかどうかの問題だと考えてください。アルミ箔1枚でも光は通りませんし、逆にガラスなら数センチの厚さでも可視光は通ります。
住宅の床は、フローリング材、下地の合板、根太や梁、断熱材、そして下の階の天井材という何層もの構造でできています。そのどれもが不透明ですから、赤外線の側から見れば「越えられない壁」がただ積み重なっているだけです。
一方で、スマートフォンとスマートリモコンをつなぐWi-Fiは電波です。電波は木材や石膏ボードをある程度すり抜けるので、2階のスマートフォンから1階の本体へ命令を送ること自体はできます。
つまり、こういう状態が起こります。アプリの操作は1階の本体まで届く。本体は命令どおり赤外線を発射する。でもその赤外線は1階の天井で止まり、2階のエアコンには届かない。アプリ上は成功したように見えるのに、家電だけが動かない。この食い違いが、多くの方を混乱させる原因かなと思います。
この仕組みが分かると、製品選びの見方が変わります。赤外線の到達距離は製品によって差がありますが、それは「同じ空間の中でどこまで届くか」の話であって、壁や床を越える能力ではありません。到達距離30メートルと書かれた製品でも、隣の部屋には1メートルも届かないんです。カタログの数字を見るときは、見通しが確保された条件での値だという前提を思い出してみてくださいね。
スマートリモコンそのものの仕組みや、使い始めるのに何が必要かが曖昧なままだと、この後の台数の話も判断しにくくなります。仕組みとできること、必要なものを初心者向けに整理した記事から先に読んでおくと、内容がすんなり入ってくるはずです。
階段や吹き抜けでも届かない理由
「うちは階段がリビングにあるから、そこを通って2階に届かないかな」と考える方は少なくありません。理屈としては悪くない発想です。
結論からいうと、実用的なレベルでは期待しないほうがよいです。理由は2つあります。
ひとつ目は、経路が極端に細いことです。リビング階段や吹き抜けがあっても、1階の本体から2階の家電まで一直線に見通せる位置関係になっていることは、まずありません。階段は途中で折れていますし、2階の家電は廊下や部屋の中にあります。光が通れる隙間があっても、その先で必ず壁や手すりに当たります。
ふたつ目は、距離による減衰です。赤外線の強さは、距離が伸びるほど急激に弱まります。おおまかには距離の2乗に反比例するので、距離が2倍になると受光部に届く強さは4分の1になる計算です。
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| 経路 | 実際の距離の目安 | 届く可能性 |
|---|---|---|
| 同じ部屋の対角線 | 4〜7m | 見通せていれば安定して届く |
| リビング階段を見上げる位置 | 5〜8m | 階段の壁面までは届くが、その先で止まる |
| 吹き抜け経由で2階廊下 | 8〜12m | 角度が合わず、届いても弱い |
| 2階の部屋の中の家電 | ― | 扉と壁で遮られるため届かない |
仮に吹き抜け越しに弱い光が回り込んだとしても、家電の受光部が真下を向いていることはまずありません。運よく反応する日があったとしても、家族が扉を閉めた、荷物を置いた、という程度の変化で動かなくなります。
毎日使うものが「日によって動いたり動かなかったりする」というのは、いちばん困る状態ですよね。ですので、階段や吹き抜けを頼りにした設計はおすすめしません。
廊下に置いて兼用できるか
同じフロアの中でも、「廊下に1台置いて、両隣の部屋を兼用できないか」と考えたくなります。ここも結論は同じで、扉を閉めた瞬間に届かなくなります。
木の扉もガラスの扉も、赤外線にとっては壁と同じです。すりガラスや樹脂の扉なら弱く通ることもありますが、安定した動作は期待できません。
「扉を開けておけばいいのでは」と思うかもしれませんが、これも現実的ではないです。エアコンを使う場面を考えてみてください。冷房や暖房を効かせたいときこそ、扉は閉めますよね。冷暖房を効率よく使いたいという目的と、扉を開けておくという条件は、真正面からぶつかります。
廊下や階段に置いた1台で複数の部屋をまかなおうとすると、設定した直後は動くのに、暮らし始めてから動かなくなることがあります。設定作業のときは扉を開けたまま作業しているためです。導入時のテストは、必ず普段の暮らしと同じ状態、つまり扉を閉めた状態で行ってください。ここを省くと、後から置き場所をやり直すことになります。
まとめると、赤外線が越えられないのは、壁・床・天井・閉じた扉・厚手のカーテン・扉付きの収納家具です。これらを挟む位置関係になっているなら、その部屋に1台置くのが唯一の確実な解決になります。
1つの部屋の中でどこに置くか、高さや向きをどう決めるかは、それだけで判断のポイントが多いところです。赤外線が届く高さと部屋別の置き方を整理した記事で詳しく扱っているので、台数が決まったらそちらも見てみてください。
Wi-Fiは届くのに家電が動かない場合
ここまでの話を踏まえると、トラブルの切り分けはかなり単純になります。
スマートリモコンは、Wi-Fiと赤外線という2つの経路で動いています。この2つは別物なので、どちらでつまずいているかを先に確定させると、無駄な作業を減らせます。
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| アプリでの本体の表示 | 家電の反応 | 原因がある側 | やること |
|---|---|---|---|
| オンライン | 動かない | 赤外線側 | 遮蔽物・距離・向きを見直す。別の部屋なら増設を検討 |
| オフライン・接続エラー | 動かない | Wi-Fi側 | 電波強度、周波数帯、ルーターとの距離を確認 |
| オンライン | 特定の家電だけ動かない | 登録側または赤外線側 | リモコンの登録内容と、その家電の受光部の見通しを確認 |
表のいちばん上の行が、1階と2階の問題そのものです。オンラインなのに動かないなら、それは通信の問題ではありません。
この切り分けを知らないと、Wi-Fiルーターを買い替えたり、本体を初期化して登録をやり直したりと、効果のない作業に時間を使ってしまいがちです。まずアプリの表示を見る、というだけで遠回りを防げますよ。
2階まで電波が届かないときの対処

一方、2階に本体を増設しようとしたときに、今度はWi-Fi側でつまずくことがあります。1階にルーターを置いている家では、2階の隅まで電波が届いていないケースが珍しくありません。
まず確認したいのが、周波数帯です。スマートリモコンには2.4ギガヘルツ帯のみに対応する製品が多く、5ギガヘルツ帯に対応する機種は限られます。実際、ネイチャーリモ3の対応規格はIEEE 802.11 b/g/nで、公式に2.4ギガヘルツのみ対応と明記されています(出典:Nature公式サイト Nature Remo 3製品ページ)。
これは、階をまたぐ用途にとってはむしろ好都合です。2.4ギガヘルツ帯は5ギガヘルツ帯より障害物に強く、床や壁を回り込みやすい性質があるからです。設定のときにスマートフォンが5ギガヘルツ帯につながっていると本体を見つけられないことがあるので、そこだけ気をつけてください。
対策に進む前に、そもそも2階の電波がどのくらい弱いのかを測っておくと無駄がありません。特別な機器は要らず、スマートフォンだけで確認できます。
本体を置く予定の場所へスマートフォンを持っていき、Wi-Fiの設定画面を開いてください。電波のアイコンが3本立っていれば十分、2本なら不安定になりやすい、1本や圏外なら対策が必要、という程度の目安で判断できます。
もう少し正確に見たいなら、電波の強さをデシベルで表示するアプリを使う方法もあります。一般に、マイナス50デシベル前後なら良好、マイナス70デシベルを超えると不安定になりやすいとされています。数値の意味は測定アプリによって多少変わるので、複数の場所を測って相対的に比べるのが実用的です。
大事なのは、部屋の入口ではなく実際に本体を置く場所で測ることです。壁際の棚の上や家具の陰では、部屋の中央より弱くなることがあります。
それでも2階で電波が弱い場合は、ルーター側の対策になります。選択肢は主に3つです。
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| 対策 | 向いている場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| ルーターの置き場所を変える | ルーターが部屋の隅や床置きになっている | 費用ゼロで試せる。家の中央・床から少し高い位置へ |
| 中継機を足す | 電波が弱いのが1か所だけ | 親機と帯域を共有するため通信速度が下がる |
| メッシュWi-Fiにする | 複数階・広い家全体をカバーしたい | 機器の入れ替えが必要。移動時の切り替えが滑らか |
中継機とメッシュの違いは、意外と大きいです。メーカーの解説では、中継機は親機と子機で通信帯域を共有するため速度が低下し、親機との接続が切れると中継機にもつながらなくなる場合があると説明されています。一方メッシュは、親機と全機器が1つの大きなネットワークを構成し、移動しても接続を切り替えることなく通信できるとされています(出典:NEC AtermStation メッシュWi-Fi解説)。
スマートリモコンは常時つなぎっぱなしで、移動もしません。ですから中継機でも十分機能します。ただ、家族のスマートフォンやパソコンも含めて2階の通信環境を改善したいなら、メッシュのほうが結果的に満足度は高いかなと思います。
なお、機器の仕様や対応規格は製品によって変わります。正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
1台で済ませたいときの代替手段
ここまで読んで、「やっぱり台数を増やすしかないのか」と思われたかもしれません。ただ、操作したいものによっては、赤外線を使わない方法で解決できます。
赤外線が壁を越えられないのは、それが光だからでした。逆にいえば、Wi-FiやBluetoothで直接つながる機器なら、壁も床も関係ありません。
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| 操作したいもの | 赤外線を使わない代替 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 照明 | スマート電球に交換する | 電球を替えるだけで済む。器具ごと交換が必要な場合もある |
| 電源のオンオフだけでよい家電 | スマートプラグを挟む | 扇風機や間接照明に向く。電源復帰後に動く機器かの確認が必要 |
| 壁スイッチ | 指ロボット型のスイッチ | 物理的に押す方式。設置場所と粘着の耐久を確認 |
| エアコン | 基本的に赤外線が前提 | 温度・風量を細かく指定するため代替が難しい |
表の最後の行が、いちばん重要なところです。エアコンだけは、赤外線での操作が前提になっている製品がほとんどです。
ですので、判断はこう整理できます。2階で動かしたいのがエアコンなら、2階にスマートリモコンを増設する。照明と電源だけなら、スマート電球やスマートプラグで代用できる可能性がある。この線引きを先にしておくと、必要な台数がはっきりします。
費用の面でも、この線引きは効いてきます。スマート電球は1個あたりの単価がスマートリモコン本体より安いことが多いので、照明が1つか2つの部屋なら電球で代用するほうが安く収まる可能性があります。
一方、照明が3つも4つもある部屋だと、電球の数だけ費用が積み上がります。そのうえエアコンも動かしたいなら、結局スマートリモコンが必要です。つまり、部屋の中の赤外線家電が1〜2個で照明中心なら電球、3個以上またはエアコンを含むならスマートリモコン、というのがおおよその分かれ目になります。
なお、スマート電球には注意点もあります。壁のスイッチを切ると電球自体の電源が落ちるため、アプリからは操作できなくなります。家族が習慣で壁スイッチを切ってしまう部屋だと、期待どおりに動かないことがあるので、そこは事前に想像しておいてください。価格や仕様は製品によって変わるので、購入前に各ショップと公式サイトでご確認ください。
1階と2階でスマートリモコンは何台必要か
ここからは、実際の台数の決め方に入っていきます。
前の章の内容を一言でまとめると、赤外線は扉と壁と床を越えられない、ということでした。ですから台数の考え方も、「部屋がいくつあるか」ではなく「赤外線家電がある閉じた空間がいくつあるか」で決まります。
この章では、家電の棚卸しの手順、間取り別の台数の目安、2台目以降の機種選び、複数台の使い分け、そして最後にこの記事全体をまとめますね。
部屋ごとの家電を棚卸しして数える

台数を決める前に、5分だけ手を動かしてみてください。紙でもスマートフォンのメモでもかまいません。
やることは単純です。部屋ごとに、赤外線リモコンで操作している家電を書き出すだけです。
判定の基準もかんたんで、その家電に付属のリモコンがあり、家電に向けて押すと反応するなら赤外線です。手元のリモコンを家電に向けずに押してみて、それでも反応するならBluetoothや電波方式なので、スマートリモコンでは操作できません。
もう少し確実に見分けたいなら、スマートフォンのカメラを使う方法もあります。リモコンの先端をカメラに向けてボタンを押すと、画面の中で先端が薄紫や白に光って見えることがあります。人の目には見えない赤外線を、カメラのセンサーが拾っているためですね。
ただし、背面カメラは赤外線を遮るフィルターが付いていることが多く、何も映らない場合があります。うまくいかないときは自撮り側のカメラで試してみてください。こちらはフィルターが弱く、光が見えることが比較的多いです。それでも映らなくても赤外線でないとは限らないので、あくまで補助的な確認として使ってくださいね。
棚卸しは、次のような表にしておくと後で判断しやすくなります。
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| 階と部屋 | 赤外線家電 | 扉を閉めて使うか | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 1階 LDK | エアコン、テレビ、シーリングライト | 開けたまま | 高 |
| 1階 和室 | シーリングライト | 閉める | 低(電球で代用可) |
| 2階 主寝室 | エアコン、シーリングライト | 閉める | 高 |
| 2階 子ども部屋 | シーリングライト | 閉める | 低(電球で代用可) |
この例なら、まず必要なのは1階LDKと2階主寝室の2台です。和室と子ども部屋は照明だけなので、スマート電球に替えれば本体を増やさずに済みます。書き出してみると、こういう整理がすぐにできます。
必要な台数は、部屋数でも階数でもなく、赤外線家電が置いてある「扉で仕切られた空間」の数で決まります。リビングとつながった対面キッチンのように扉で仕切られていない空間は、見通しが確保できれば1台でまかなえます。逆に、同じ階でも扉を閉めて使う個室は、それぞれに1台が必要です。この数え方をしておくと、買いすぎも買い足りなさも防げます。
棚卸しをすると、思っていたより台数が少なくて済むことがよくあります。2階に3部屋あっても、エアコンが入っているのが寝室だけなら、まず必要なのは1台です。子ども部屋の照明は、スマート電球でも足ります。
逆に、想定より多くなることもあります。1階のリビングとダイニングが引き戸で仕切れる間取りだと、閉めて使うなら2台と数えることになります。
書き出したら、優先順位も一緒に付けておくと進めやすいです。毎日必ず使うもの、外出先から操作したいもの、就寝前や起床前に自動で動かしたいもの。この3つに当てはまる家電がある空間から、順に導入していく形ですね。
間取り別に必要な台数の目安
棚卸しの結果を、間取りの型に当てはめてみましょう。あくまで一般的な目安ですが、判断の出発点にはなると思います。
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| 間取り | 台数の目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| ワンルーム・1K | 1台 | 一室の中で家電を見渡せる |
| 1LDK | 1〜2台 | 寝室の扉を閉めて使うなら2台 |
| 2LDK(同一フロア) | 2〜3台 | LDKに1台、個室ごとに1台 |
| 2階建て 3LDK | 2〜4台 | 1階LDKに1台、2階は使う部屋の数だけ |
| 2階建て 4LDK | 2〜5台 | まず1階と主寝室の2台から始める進め方も |
| メゾネット・3階建て | 階ごと+部屋ごと | 階段室は経路として数えない |
幅を持たせているのは、赤外線家電がどの部屋にあるかで変わるからです。上限は「全部の個室にエアコンがある場合」、下限は「エアコンがLDKと主寝室だけの場合」と考えてもらえれば近いと思います。
費用の感覚もつかんでおきましょう。仮に3台そろえるとして、すべて同じ上位機にする必要はありません。センサーで自動化したいリビングだけ上位機、寝室と子ども部屋は赤外線操作に絞った下位機、という組み合わせが現実的です。
維持費のほうは、あまり心配しなくてよさそうです。仮に1台あたりの消費電力を1.5ワットとして計算してみますね。
1.5ワットを1000で割って0.0015キロワット、これに24時間と30日を掛けると1台あたり月およそ1.08キロワットアワーです。3台なら3.24キロワットアワー。電気料金の目安単価としてよく使われる1キロワットアワーあたり31円を掛けると、月におよそ100円、1年でおよそ1,200円という計算になります。
台数が増えても電気代で困ることはほぼありません。ただし単価も消費電力も製品や契約によって変わるので、あくまで目安として見てくださいね。
2台目、3台目を見据えると、1台あたりの価格が効いてきます。安い機種でも足りるかどうかをコスパの条件から整理した記事が、予算配分を考えるときの材料になるはずです。
2台目以降の機種を選び分ける
複数台そろえるとき、全部を同じ機種にすべきか迷うところですよね。結論としては、揃えなくてかまいません。部屋の役割に合わせて分けるほうが、無駄が出にくくなります。
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| 部屋 | 向く機種の性格 | 理由 |
|---|---|---|
| リビング・LDK | センサーが充実した上位機 | 対象家電が多く、温度や人の動きで自動化する価値が大きい |
| 寝室 | 温湿度センサー付き | 就寝中の環境を条件にした運転が使える |
| 子ども部屋・書斎 | 赤外線操作に絞った小型機 | 照明とエアコンが動けば足りることが多い |
| あまり使わない部屋 | 最小構成の機種 | 使用頻度に対して機能過多を避ける |
一方で、メーカーを揃えることには実利があります。同じメーカーの製品なら1つのアプリでまとめて管理でき、部屋をまたいだ自動化も組みやすいからです。
異なるメーカーを混ぜても動作はしますが、アプリを2つ行き来することになります。音声アシスタントの側で名前を統一すれば声の操作は一本化できますが、細かい設定はそれぞれのアプリで行うことになる点は覚えておいてください。
私の整理としては、機種のグレードは部屋ごとに変えてよい、メーカーはできれば揃えたほうが後が楽、という形になります。
グレードの差が具体的にどこに出るのかを比較軸から確認しておきたい方は、6つの軸と目的別に選ぶポイントをまとめた記事もあわせて見てみてください。
2台目を買い足すかどうかで迷っているなら、先に借りて試すという手もあります。1か月単位で家電を借りられるサービスで、スマートリモコンやスイッチボットの取り扱いもあります。料金や対象機種は時期によって変わるので、申し込む前に確認してみてくださいね。
複数台をアプリと音声で使い分ける

本体を増やしたあと、意外とつまずくのが名前の付け方です。ここを最初に整えておくと、後から直す手間がかかりません。
問題は具体的です。1階と2階に同じメーカーのエアコンがある家で、どちらも「エアコン」という名前で登録すると、音声で呼びかけたときにどちらが動くか分からなくなります。就寝中に1階のエアコンが動き出す、といったことも起こり得ます。
対処の方向は2つあります。
ひとつ目は、デバイス名に場所を入れて重複させない方法です。「寝室エアコン」「リビングエアコン」のように固有の名前にしておけば、呼びかけたときに取り違えが起きにくくなります。
ふたつ目は、音声アシスタント側の部屋グループを使う方法です。デバイスを部屋ごとのグループに登録しておくと、その部屋にあるスピーカーへ「エアコンをつけて」と話しかけるだけで、その部屋のものが動きます。
このとき気をつけたいのが、2つの方法を中途半端に混ぜることです。部屋グループを「寝室」と作ったうえで、デバイス名も「寝室のエアコン」にしてしまうと、呼びかけの言葉と設定が二重になって、うまく認識されないことがあります。グループで分けるならデバイス名は短く、デバイス名で分けるならグループは作らない。どちらかに寄せておくと迷いません。なお、アプリの仕様は更新で変わることがあるため、うまくいかないときは各サービスの公式ヘルプで最新の手順を確認してください。
もうひとつ、同じ型番の家電が複数の部屋にある場合の注意もあります。同一メーカー・同一型番のエアコンが1階と2階にあると、登録時にどちらの設定なのか分からなくなりがちです。登録は部屋ごとに1台ずつ、名前を付けてから次へ進むようにすると混乱を避けられます。
複数台の運用で効いてくるのは、実は機能よりも命名ルールです。家族全員が使うものなので、自分だけが分かる名前だと結局リモコンを手で探すことになります。「寝室エアコン」「子ども部屋ライト」のように、誰が聞いても場所と機器が分かる形にしておくのがおすすめですよ。増設のたびに考えるのではなく、1台目のうちにルールを決めてしまうと後が楽です。
1階と2階のスマートリモコンについてよくある質問
1階と2階で、つなぐWi-Fiのネットワークが違っても大丈夫ですか?
同じアカウントで管理していれば、本体ごとに別のネットワークにつながっていても操作できるのが一般的です。命令はインターネット経由でクラウドを通るため、それぞれの本体がインターネットにつながってさえいれば成立します。中継機を入れて2階のネットワーク名が1階と別になっている場合も、この考え方は同じです。ただし、家の中だけで完結するローカル制御や、一部の音声アシスタント連携は、同じネットワークにいることを前提とする場合があります。うまく動かないときは、まず両方を同じネットワーク名につなぎ直して切り分けてみてください。
あとから2台目を追加すると、1台目の設定はやり直しになりますか?
やり直しにはならないのが一般的です。登録済みの家電の情報はアカウントに紐づいて保存されるため、2台目を同じアカウントで追加しても1台目の設定はそのまま残ります。追加作業は、新しい本体をWi-Fiにつなぎ、その部屋の家電を登録するところからになります。ただし、既存の家電と同じ名前を付けると音声操作で取り違えが起きるので、追加前に命名ルールを決めておくとスムーズです。手順は製品によって異なるので、詳細は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
3階建てや地下室がある場合も、考え方は同じですか?
赤外線については同じ考え方で問題ありません。階が増えても、扉で仕切られた空間ごとに1台という数え方は変わりません。違いが出るのはWi-Fi側で、階数が増えるほど末端の部屋に電波が届きにくくなります。ルーターから遠い階では、中継機やメッシュの導入を先に検討しておくと、本体を設置してから接続できないという事態を避けられます。地下室は構造材にコンクリートが使われることが多く、電波がさらに届きにくい傾向があるので、設置前に手元のスマートフォンで電波状況を確かめておくと安心です。
家族それぞれのスマートフォンから、1階と2階の家電を操作できますか?
多くの製品には家族と共有する機能があり、招待された人のスマートフォンからも操作できるようになります。アカウントそのものを共有するのではなく、共有機能で個別に招待する形が推奨されています。パスワードを使い回さずに済みますし、必要がなくなったときに個別に解除できるためです。共有できる人数や権限の細かさは製品によって違うので、家族の人数が多い場合は購入前に仕様を確認しておくとよいと思います。
1階と2階のスマートリモコンまとめ
ここまでの内容を、判断しやすい形に整理しておきますね。
まず前提として、1階に置いたスマートリモコンから2階の家電は動きません。赤外線は光なので、床も天井も閉じた扉も越えられないからです。これは製品の性能ではなく方式の限界なので、上位機に買い替えても解決しません。
階段や吹き抜けを経路にする方法も、実用にはなりません。経路が細く、距離による減衰も大きいため、日によって動いたり動かなかったりする不安定な状態になります。
トラブルの切り分けはシンプルです。アプリで本体がオンラインなのに家電が動かないなら、原因は赤外線側です。オフラインならWi-Fi側です。ここを最初に見るだけで、効果のない作業を避けられます。
台数は、部屋数や階数ではなく、赤外線家電がある「扉で仕切られた空間」の数で決まります。2階建ての3LDKならおおむね2〜4台、4LDKなら3〜5台が目安ですが、まずは1階のLDKと主寝室の2台から始めて、必要に応じて足していく進め方でも十分です。
照明や単純な電源操作だけなら、スマート電球やスマートプラグで代用できることもあります。エアコンだけは赤外線が前提の製品がほとんどなので、そこを基準に必要な部屋を決めるとすっきりします。
複数台を使うときは、命名ルールを1台目のうちに決めておいてください。デバイス名で分けるか、部屋グループで分けるか。どちらかに寄せておくと、増設するたびに悩まずに済みます。
なお、この記事で挙げた数値や仕様は、私が公開情報を確認した時点のものです。製品や世代によって変わりますので、正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。電気工事やコンセントの増設が必要になる場合は、最終的な判断は専門家にご相談くださいね。
必要な台数がはっきりすると、買い物の迷いはかなり減ります。あなたの家に合う構成が見つかることを願っています。