洗濯機のサイズの測り方|置き場と搬入経路の確認手順
洗濯機を買うとき、本体のサイズだけを見て決めていませんか。カタログに幅60cmと書いてあるから60cmの隙間があれば置ける、と考えるのは危ないんです。
洗濯機が置けるかどうかは、本体の寸法だけでは決まりません。防水パンの内側のどこまで使えるか、蛇口の高さが本体に当たらないか、背面のホースを通す余裕があるか、そして玄関から洗面所まで運べるか。この4か所のうち1つでも足りなければ、どれだけ気に入った機種でも設置できません。
しかも厄介なことに、これらは買ったあとにしか分からないことが多い。配送業者が来て「入りません」となると、返品や再配送で追加費用が発生することもあります。逆に言えば、買う前に15分だけメジャーを持って測っておけば、この失敗はほぼ避けられます。
この記事では、測るべき4か所を順番に、どこからどこまでを測るのかまで具体的に説明します。とくに防水パンの寸法は誤解が生まれやすいところなので、規格の数字と実際に使える寸法の違いから整理します。寸法が足りなかった場合の対処も含めて、購入前のチェックリストとして使えるようにまとめました。メジャーを用意して読み進めてください。
- 測るべき4か所と、それぞれの正しい測り方
- 防水パンの規格サイズと有効内寸の違い
- 本体の周囲に必要な余白と扉の可動域
- 寸法が足りなかった場合の3つの対処法
洗濯機のサイズを測る前に知っておくこと
実際に測る前に、押さえておきたい考え方があります。ここを理解しておくと、測る場所を間違えずに済みます。とくに防水パンの寸法には誤解が生まれやすい点があるので、先に整理しておきましょう。
本体サイズだけでは置けるか分からない
カタログに書かれている本体の幅・奥行き・高さは、あくまで本体そのものの寸法です。実際の設置には、これに加えていくつもの条件が絡みます。
→ 横にスクロールできます
| 確認する項目 | 本体寸法との関係 |
|---|---|
| 防水パンの有効内寸 | 本体の幅ではなく脚の間隔が収まるか |
| 蛇口の高さ | 本体の高さが蛇口を超えないか |
| 背面の余白 | 本体の奥行き+ホースを通す空間 |
| 扉やフタの可動域 | 本体の外側に必要な開閉スペース |
| 搬入経路 | 本体の幅+運ぶための余裕 |
とくに見落とされやすいのが、本体の幅と脚の間隔は別だという点です。洗濯機の脚は本体の四隅より内側に付いているので、脚の間隔は本体幅より狭いのが普通。だから本体幅が防水パンの内寸をわずかに超えていても、脚が収まれば設置できる場合があります。
逆もあります。本体が小さくても脚の位置が合わなければ置けません。見るべきは本体の幅ではなく脚の位置だと覚えておいてください。候補機種が決まったら、メーカーの製品ページにある設置寸法図を確認しましょう。多くのメーカーが本体の外形寸法とは別に、脚の位置や必要な設置スペースを図で公開しています。
設置寸法図には、本体の輪郭だけでなく、脚の位置、給排水口の位置、扉を開いたときの張り出し、必要な壁からの距離といった情報が載っています。カタログの「幅×奥行き×高さ」の3つの数字だけでは分からない条件が、この図には書かれているわけですね。
探し方としては、メーカーの製品ページで型番を開き、「仕様」「スペック」「設置寸法」といったタブを見ます。PDFで公開されていることも多いので、スマートフォンに保存しておくと店頭でも確認できます。候補が2〜3機種に絞れたら、この図を見比べるのが最も確実な方法です。
防水パンの規格サイズと有効内寸は違う
ここが最も誤解されやすいところなので、先に整理しておきます。
防水パンとは、洗濯機の下に置かれている四角い受け皿のことです。万一の水漏れを受け止めて階下への被害を防ぐためのもので、この上に洗濯機の脚を乗せて設置します。
防水パンには規格があり、「640サイズ」「600サイズ」といった呼び方をします。ただしこの数字は外寸を指しています。640サイズなら、外側の縁から縁までが640mm×640mmという意味です。一般的な住宅では640サイズが使われることが多く、ワンルームなど狭い置き場では600サイズが使われることもあるといわれます。
防水パンのサイズは他にも種類があり、横長のタイプや、片側だけ広いタイプもあります。自宅のものが正方形とは限らないので、幅と奥行きは別々に測ってください。
実際に洗濯機の脚を置けるのは、内側の平らな部分だけ。周囲には立ち上がりの枠があり、さらに排水口や配管を通すための突起があることもあります。これらを除いた実際に使える平面が有効内寸で、規格サイズより一回り小さくなります。
「防水パンは640サイズだから、幅64cmまでの洗濯機が置ける」という考え方は誤りです。規格の640mmは外寸で、実際に脚を置ける有効内寸はそれより小さくなります。規格サイズをそのまま判断に使わず、必ず自宅の防水パンの内側を実測してください。有効内寸はメーカーや型番によって異なるため、カタログの数値では代用できません。
買う前の採寸で、いちばん気をつけたいポイントがここです。
防水パンにはいくつかタイプがあります。床とほぼ同じ高さのフラットなもの、周囲に立ち上がりの枠があるもの、片側だけ高くなっているもの。枠が高いタイプほど、有効内寸は規格サイズより小さくなります。
また、排水口の位置も製品によって違います。中央にあるタイプ、隅にあるタイプ、片側の縁に寄っているタイプ。中央にあると本体の真下に隠れてしまい、掃除や点検がしづらくなります。有効内寸を測るときは、排水口の位置と、その周りの立ち上がりがどこまで張り出しているかもあわせて確認してください。
賃貸物件では、防水パンのタイプを自分で選ぶことはできません。今ある防水パンに合わせて洗濯機を選ぶことになるので、この採寸が候補を決める最初のふるいになります。
測るべき4か所の手順
それでは実際に測っていきます。メジャーとメモを用意して洗面所へ行きましょう。所要時間は15分ほどです。順番は下から上、そして外へ。防水パン、蛇口、本体の周囲、搬入経路という流れで進めると漏れがありません。
1. 防水パンの有効内寸を測る

まず床です。防水パンの内側の平らな部分の、幅と奥行きを測ります。ここが置ける本体サイズの上限を決める、いちばん重要な数字になります。
測り方のポイントは3つ。①周囲の枠は含めない ②排水口や突起の位置を確認する ③突起を避けた実際に脚を置ける範囲を測る。この3つ目が有効内寸です。
排水口が防水パンの中央寄りにあるタイプだと、外寸は足りていても脚が乗る場所が確保できないことがあります。排水口の周りには配管を通すための立ち上がりがあることもあるので、平らな面がどこまで続いているかを目で確認してください。
もうひとつ、防水パンには天面の凹凸で脚の位置がある程度決まっているタイプもあります。この場合は脚を置ける場所が限られるので、本体の脚の間隔がそこに合うかどうかが条件になります。脚を置く位置の中心から中心までの距離を測っておくと、機種選びのときに照合できます。
実際に測るときは、メジャーを防水パンの内側の底に当てて、枠の内側から内側までを測ります。曲尺のような硬いものより、布や樹脂の巻き尺のほうが使いやすいでしょう。奥行きも同じ要領で、手前の枠の内側から奥の枠の内側までを測ります。
数字はミリ単位で控えておいてください。センチ単位で丸めると、ぎりぎりの機種を選んだときに判断を誤ります。「だいたい60cm」ではなく「598mm」と記録するのが、あとで役に立つ書き方です。
防水パンがない置き場もあります。その場合は床に直接設置することになるので、この項目はスキップして構いません。ただし水漏れが起きたときの被害が大きくなるため、防水トレーを敷くなどの対策を検討してください。集合住宅では階下への漏水が賠償問題につながることもあります。
2. 蛇口の高さを測る

次に上を見ます。洗濯機置き場の壁に付いている給水栓、その高さです。床の寸法が足りていても、ここで引っかかることがよくあります。
測るのは床から蛇口のいちばん出っ張っている部分の下端まで。多くはハンドルの下端ですが、ハンドルのない形状もあるので、下に張り出している部分の最下点を基準にしてください。本体の高さがこれを超えていると、給水ホースをつなげなかったり、本体が蛇口に当たって置けなかったりします。防水パンの上に置く場合は、防水パンの高さぶんも加算されるので忘れずに足してください。
この問題が起きやすいのは、背の高い機種を選んだときです。大容量の縦型やドラム式は本体が高くなる傾向があり、蛇口が低い位置に付いている住まいでは物理的に入りません。築年数の経った物件では、洗濯機が今より小さかった時代の設計のまま蛇口が低いことがあります。
縦型を選ぶ場合は、フタを開けたときの高さも確認してください。本体の高さは蛇口より低くても、フタが全開したときに蛇口や吊り戸棚に当たることがあります。縦型はフタの可動域、ドラム式は本体の高さそのものが上方向の制約になると覚えておくと確認しやすいですね。
洗濯機置き場の上に棚や収納が付いている住まいでは、その下端までの高さも測っておきましょう。洗剤や日用品を置くための棚が設置されていることが多く、これが本体やフタの動きを妨げることがあります。
蛇口の形状も見ておくと安心です。ハンドルが下向きに付いているタイプ、横に出ているタイプ、ワンタッチで給水ホースをつなげるタイプ。形状によって必要な高さが変わるので、写真を撮っておくと販売店に相談するときに伝わりやすくなります。給水ホースの接続部が既存の蛇口に合わない場合は、変換用の部品が必要になることもあります。
3. 前後左右の余白と扉の可動域を測る

3つ目は本体の周囲です。洗濯機は吸込口と吹出口で空気を出し入れし、背面には給排水のホースが通ります。ぴったり収めると、これらが確保できません。本体のサイズだけを見ていると見落としやすい部分です。
必要な余白は機種によって決まっていて、メーカーの設置基準では背面や側面に1cm程度から、排水ホースをつなぐ側は10cm近くまでと、方向によって幅があります。この余白まで含めた寸法が、実際に必要な設置スペースになるので、候補機種の設置寸法図で方向ごとの数値を確認してください。
背面の余白がとくに重要です。給水ホースと排水ホースがここを通るため、壁にぴったり付けるとホースが折れたり潰れたりします。排水ホースが折れると水が流れず、エラーで止まったり水漏れの原因になったりする。見えない場所だからこそ、余白の確保は仕様どおりに行ってください。
測り方としては、壁から防水パンの手前の縁までの距離を測ります。ここに本体の奥行きと背面の余白が収まる必要があります。壁に配管や巾木が張り出している場合は、その先端からの距離になるので注意してください。
ドラム式で忘れやすいのが扉の可動域です。扉は手前に開くので、本体の前に扉が開ききるだけの空間が要ります。洗面所が狭いと、扉を開けたときに反対側の壁や洗面台にぶつかることがある。本体が収まるかどうかだけでなく、扉が開くかどうかまで確認してください。
洗面所の扉の開き方も見ておきましょう。内開きの扉だと、洗濯機を設置したあとに扉が本体に当たって全開できなくなることがあります。扉が開く軌道の上に本体がかからないか、採寸のついでに確認しておくと安心です。
ドラム式の扉には、開く向きが左右どちらかに決まっているものがあります。壁側に向かって開くと使いにくいので、置き場の左右どちらに余裕があるかで選ぶ必要があります。機種によっては左右を選べるモデルもあるので、候補を絞るときの条件に加えてください。
縦型のフタにも種類があります。1枚のフタが後ろへ開くタイプと、中央から2つに折れるタイプ。折れるタイプのほうが必要な高さは低くて済みます。上に棚がある置き場なら、折りたたみ式のフタを選ぶと制約が緩むことがあるので、覚えておくと選択肢が広がりますよ。
4. 搬入経路のいちばん狭い場所を測る
最後は、洗濯機が家の中を通れるかです。ここを忘れると玄関の前で立ち往生します。設置場所に入るかどうかと、そこまで運べるかどうかは別の問題なんですね。
測るのは玄関から洗濯機置き場までのすべての通り道。玄関ドアの開口部、廊下の幅、曲がり角、洗面所の入口。このうちいちばん狭い場所が搬入経路の制約になります。
必要な余裕は、洗濯機の幅にプラス10cm以上が目安とされています。人が両側を持って運ぶので、本体ぴったりの幅では通せません。曲がり角がある場合は、本体の奥行きも関係してくるので、角の手前と奥の両方の幅を測っておくと安心です。
測った数値のメモの取り方:①防水パンの有効内寸(幅×奥行き)②床から蛇口のハンドル下まで ③本体を置ける奥行き(壁からの距離)④搬入経路の最小幅。この4つをスマートフォンのメモに残しておけば、店頭で「この機種は置けますか」と聞かなくても自分で判断できます。写真も一緒に撮っておくと、店員に相談するときに伝わりやすくなります。
曲がり角の測り方には少しコツがあります。廊下の幅だけでなく、角を曲がるときに必要な対角線の距離も関係するためです。廊下が狭く直角に曲がる箇所があると、幅は足りていても本体を回転させられないことがあります。心配な場合は、本体と同じ寸法の段ボールなどを用意して実際に通してみると確実です。
玄関ドアも測り方に注意が必要です。開口部の幅はドアを全開にした状態で測ってください。ドアノブやドアクローザーが張り出している場合は、その内側までが実際に通れる幅になります。
集合住宅で階段を使う搬入では、踊り場の広さと天井の高さも制約になります。エレベーターのない物件の2階以上では搬入できないケースもあるので、該当する場合は購入前に販売店へ相談してください。エレベーターがある場合も、かごの寸法と扉の開口部を測っておくと安心です。
寸法が足りなかった場合の対処
測ってみたら、欲しい機種が入らないと分かることがあります。ここで諦める前に、いくつか試せる方法があります。ただし、どの方法にも副作用があるので、順番に検討していきましょう。
かさ上げ台で防水パンをまたぐ
防水パンの有効内寸が足りない場合に使えるのが、かさ上げ台です。本体を持ち上げて、防水パンの枠をまたぐ形で設置する方法になります。
これなら防水パンの内寸に縛られないので、一回り大きい機種でも置ける可能性が出てきます。副次的な効果として、本体の下に手が入るようになるので、排水口の掃除やホースの点検がしやすくなるという利点もあります。防水パンの中に溜まったほこりを取るのも楽になりますね。
ただし本体の高さが上がるぶん、蛇口との干渉が新たな問題になります。かさ上げ台の高さぶんだけ本体の位置が上がるので、蛇口の高さに余裕がないと今度は上でぶつかる。ひとつの制約を外すと別の制約が出てくるので、両方を同時に確認してください。
また、かさ上げ台には耐荷重の指定があります。洗濯機は本体だけで数十キロ、運転中は水も加わります。製品の耐荷重が設置する洗濯機の重量に対して十分かを必ず確認してください。振動で本体がずれないよう、設置の安定性も含めて選ぶ必要があります。
かさ上げ台には、4つの脚それぞれに置くブロック型と、全体を支える枠型があります。ブロック型は安価で入手しやすい一方、脚の位置がずれると不安定になります。枠型は安定性に優れますが、本体のサイズに合ったものを選ぶ必要があります。
設置後は、本体が水平になっているかを必ず確認してください。水平が出ていないと脱水時に大きな振動が出て、騒音や本体の移動につながります。多くの洗濯機には脚の高さを調整する機構が付いているので、水平器で確認しながら調整します。かさ上げ台を使う場合はこの調整がより重要になるので、可能なら設置業者に依頼するほうが確実です。
蛇口の位置を変える
蛇口が低くて入らない場合は、給水栓そのものを交換するという方法があります。
壁に沿わせて給水口の位置を高くできる水栓が市販されていて、洗濯機用の蛇口の高さを上げられます。どれくらい高くできるかは製品によって違うので、仕様はメーカーの公式サイトで確認してください。
ただし賃貸の場合は、水栓の交換に大家さんや管理会社の許可が必要になることがほとんどです。建物の設備に手を入れる作業になるため、勝手に進めることはできません。原状回復の扱いも含めて、事前に相談してください。
持ち家の場合でも、水道の工事は資格が必要な作業を含むことがあります。自分で交換するより、専門業者に依頼するほうが確実で安全です。費用は工事の内容によって変わるので、複数の業者に見積もりを取るとよいでしょう。
工事なしで対応できる製品もあります。既存の蛇口に取り付けて給水口の位置を変えるタイプで、壁に穴を開けずに済むものです。ただし取り付けられる蛇口の形状に条件があるため、自宅の蛇口が対応しているかを確認する必要があります。
費用と手間を考えると、蛇口の交換は最後の手段です。数万円をかけて工事するより、置ける機種を選ぶほうが早くて安いことがほとんど。どうしてもその機種でなければならない理由があるときだけ、選択肢に入れてください。
容量を下げて洗濯回数で調整する
物理的にどうしても入らない場合は、機種のほうを合わせるしかありません。
容量を1サイズ下げると、本体も一回り小さくなります。そのぶん1回に洗える量は減りますが、洗濯の回数を増やせば洗える総量は変わりません。容量は置き場で決まってしまうけれど、頻度は自分で変えられる——動かせるほうを動かすという考え方ですね。
実際、容量を1サイズ下げても本体の幅が5cm以上変わることは多くありません。それでも防水パンに収まるかどうかの分かれ目になることがあります。数センチの差が置ける・置けないを分けるのが洗濯機選びなので、候補を1サイズ下げて設置寸法図を見比べてみてください。
大物を分けて洗うという運用も効きます。シーツやタオル類を別の日にまとめれば、日常の洗濯は小さい容量で回せます。干す場所の取り合いも避けられるので、一石二鳥になることが多いです。
毛布や布団のような大物は、そもそも家庭用洗濯機で洗える範囲が限られます。年に数回のためにワンサイズ上げるより、その回数をコインランドリーで済ませるほうが安く済むことも珍しくありません。年間の使用回数で費用を比べると判断しやすくなります。
洗濯物そのものを減らすという方向もあります。バスタオルを薄手のものに替える、部屋着の着替え回数を見直す。容量を増やせないなら、洗う量を減らせないかを考える——これも立派な解決策です。
それでも足りない場合は、乾燥機能で回転を上げるという方向もあります。干す工程が消えれば1日に何回でも回せるので、容量の不足を回数で補えます。部屋干しで対応する場合も、送風の当て方を工夫すれば乾燥時間はかなり短縮できますので、干す環境を整えるという選択肢も検討してみてください。
洗濯機のサイズの測り方に関するよくある質問(FAQ)
採寸を販売店に頼むことはできますか?
設置環境の下見サービスを提供している販売店もあります。搬入経路が複雑な場合や、寸法がぎりぎりで判断がつかない場合は相談してみる価値があります。有料の場合もあるので、事前に費用と内容を確認してください。多くの場合は自分で測った数値を伝えれば、販売店側で設置可否を判断してくれます。防水パンの有効内寸、蛇口の高さ、搬入経路の最小幅の3つを伝えられれば、たいていの相談には答えてもらえるでしょう。
賃貸の内見のときに測っておくべきですか?
測っておくことを強くおすすめします。契約してから洗濯機が入らないと分かっても、物件は変えられません。とくに手持ちの洗濯機を持っていく予定がある場合は、その機種が置けるかどうかが物件選びの条件になります。内見時にメジャーを持っていき、防水パンの内寸と蛇口の高さだけでも控えておくと安心です。搬入経路も、玄関から洗濯機置き場まで実際に歩いて狭い場所を確認しておくとよいでしょう。
搬入経路が足りない場合、窓から入れることはできますか?
クレーンなどを使った吊り上げ搬入に対応している業者もありますが、洗濯機では一般的ではありません。大型の家具や冷蔵庫で使われることが多い方法で、費用も別途かかります。洗濯機の場合は、搬入できるサイズの機種に変更するほうが現実的です。どうしても大きな機種が必要な事情があるなら、購入前に販売店へ相談して対応可能かを確認してください。追加費用や作業の可否は業者によって異なります。
設置は自分でできますか?
給水ホースと排水ホースの接続だけなら自分で行うことも可能ですが、販売店の設置サービスを利用するほうが確実です。理由は3つあります。水平の調整が不十分だと脱水時に大きな振動や騒音が出ること、排水ホースの接続が甘いと水漏れの原因になること、そして本体が重く運搬時に床や壁を傷つけるおそれがあることです。ドラム式は縦型よりさらに重いので、無理に自分で運ぶのは避けてください。多くの販売店では購入時に標準設置サービスが用意されているので、内容と費用を確認しておきましょう。
測った寸法にどれくらい余裕を見ればいいですか?
場所によって考え方が違います。防水パンの有効内寸は脚が収まればよいので、ぴったりでも設置できます。一方で搬入経路は本体の幅にプラス10cm以上が目安とされていて、これは人が持って運ぶために必要な余裕です。本体の背面や側面の余白は機種ごとに指定があるので、その数値に従ってください。蛇口の高さは本体が当たらなければよいので、数センチの余裕があれば十分です。迷ったときは、機種の設置寸法図に記載された条件を基準にするのが確実です。
まとめ|洗濯機のサイズは4か所を測れば判断できる
洗濯機のサイズの測り方を整理します。
測るのは4か所。①防水パンの有効内寸(枠と突起を除いた実際に脚を置ける平面)②床から蛇口のハンドル下までの高さ ③本体の周囲に必要な余白と扉の可動域 ④搬入経路のいちばん狭い場所。所要時間は15分ほどで、この15分が買い物の成否をほぼ決めます。
測るときはミリ単位で記録し、写真もあわせて残しておいてください。センチ単位で丸めるとぎりぎりの判断ができませんし、写真があれば販売店に相談するときに状況が伝わります。スマートフォンのメモに数値と写真をまとめておけば、店頭でその場で判断できるようになります。
4か所のうち、最初にぶつかりやすいのが防水パンと搬入経路です。防水パンは置ける本体サイズの上限を決め、搬入経路はそこまで運べるかを決める。どちらか一方でも足りなければ、他の条件をどれだけ満たしていても設置できません。
いちばん注意したいのが防水パンの規格サイズと有効内寸の違いです。「640サイズ」の640mmは外寸であって、実際に脚を置ける有効内寸はそれより一回り小さくなります。規格サイズを本体の幅と比べて「置ける」と判断すると、実際には入らないことになります。必ず自宅のものを実測してください。
もうひとつ、本体の幅ではなく脚の間隔を見るという点も覚えておいてください。脚は本体の四隅より内側に付いているので、本体幅が内寸をわずかに超えていても脚が収まれば設置できることがあります。候補機種の設置寸法図で脚の位置を確認しましょう。
そもそもどの容量・どのタイプを選ぶかから決めたい場合は、置き場・容量・タイプの3ステップで絞り込む選び方の記事から読んでみてください。
寸法が足りなかった場合の対処は3つ。かさ上げ台で防水パンをまたぐ、蛇口の位置を変える、容量を下げて洗濯回数で調整する。かさ上げ台は蛇口の高さが新たな制約になり、蛇口の交換は賃貸だと許可が要るので、いちばん確実なのは3つ目です。
容量を下げることに抵抗があるかもしれませんが、1サイズ下げても洗濯の回数を増やせば洗える総量は変わりません。大物を別の日に洗う運用にすれば、日常の洗濯は小さい容量で十分回ります。設備を変えるより、使い方を変えるほうが確実で費用もかかりません。
なお、この記事で挙げた寸法や余裕の数値はいずれも一般的な目安であり、機種や住まいの条件によって実際の値は変わります。候補機種の正確な設置条件は必ずメーカーの公式サイトで設置寸法図を確認してください。設置の可否や搬入経路の判断に迷う場合は、最終的な判断を販売店の専門スタッフにご相談ください。